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神に愛された者たちの戦い  作者: コウ


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7/8

評価

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夜は静かだった。


野営地の奥。


焚き火から少し離れた場所で、二人は並んで座っていた。


ユーヴァスと、ガル。


ユーヴァスは小石を拾って、ぽいっと投げる。


ぱし、とキャッチ。


「でさ」


軽い声。


「どうだった?」


少しニヤッとする。


「“当たり”だったろ?」


ガルは、はぁ、と小さく息をついた。


「……いや、当たりとかそういうレベルじゃないでしょ」


「想定外すぎ」


ユーヴァスは楽しそうに笑う。


「だよな」


「顔に出てたぞ」


「出してません」


即答。


でもちょっと間がある。


ユーヴァスがじっと見る。


「出てたって」


「うるさい」


ガルが軽く睨む。


けど、すぐに視線を逸らした。


「……最初は、ただの“ちょっと速い素人”だった」


ぽつりと続ける。


「でも途中で変わった」


ユーヴァスが石を指で弾く。


「戦ってる最中に?」


「うん」


ガルは頷く。


「スピードも、剣の重さも……別物になった」


「その場で上限上げてる感じ」


少しだけ眉をひそめる。


「普通じゃありえない」


ユーヴァスは笑った。


「最高じゃん」


軽く言う。


ガルが呆れたように見る。


「軽く言うなって」


「制御できなかったら普通に災害だから」


「できたら?」


ユーヴァスがすぐ返す。


ガルは少し考えて——


「……帝国の柱。ずっと空いてた“あの席”が埋まるかもしれない」


そう言い切る。


ユーヴァスは満足そうに頷いた。


「じゃあ当たりじゃん」


「だからレベルが違うって言ってんの」


軽くツッコむガル。


少しだけ間。


焚き火の音だけが響く。


「……あれ、王国のやつなんでしょ」


ガルがぽつりと呟く。


ユーヴァスは肩をすくめた。


「元、な」


「捨てられたっぽいし」


軽い言い方。


でも、目は笑ってない。


ガルは少しだけ目を細める。


「……やらかしたね、向こう」


「だな」


ユーヴァスはあっさり頷く。


「まあいいけど」


「こっち来た時点で、もう関係ないし」


火がぱち、と弾ける。


「で?」


ユーヴァスが横目で見る。


「あの人に鍛えてもらえば、伸びると思う?」


ガルは少しだけ笑った。


「そりゃあね」


「俺たちの師匠なんだから」


立ち上がる。


「壊れない程度には気を付けてくれるさ」


少しだけ振り返る。


「……まあ、あいつが壊れるとも思えないけど」


ユーヴァスは笑った。


「だろうな」


ガルは軽く手を振り、そのまま闇に消えた。


一人残ったユーヴァスは、空を見上げる。


「ルクス、ね」


小さく呟く。


「楽しみだな」


その声は——


少しだけ、子どもっぽかった。

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