津、競艇場
津の競艇場につくと、広瀬はためしに1Rから6-2を買ってみたが、
津はインの強い競艇場である。
6号艇はかすりもしなかった。
2R,3Rとレースをかさね、後半のレースになると、もうそのことは
すっかり忘れてしまっていた。
舟券の方はさっぱりで、最終レースを前にして広瀬は所持金が8千円、
榊原も残り4千円になっており、ふたりは今後のことについて相談をした。
広瀬は伊勢観光ホテルをやめて京都に出てきてからは実家とは
勘当同然であったし、榊原もパチプロになってからはほとんど
三重の実家には帰った事がなかった。
しかしもう後がない二人は
最終レースで勝負をして、負けたらとりあえず実家に帰ることにした。
交通費と食事代として、広瀬が3千円を残し、残りを最終レースにつぎこむ
ことにして、ふたりで検討をはじめた。
最終12Rは地元三重のSG級のスターレーサーである1号艇の柴田が
ダントツの一本かぶりの人気になっていた。
広瀬は6号艇が、B級なのに二場所続けて優勝戦に出てるのを見つけ出した。
6号艇の清原は今節は成績が今一つでしかも外枠なので人気がない。
しかし若手でのびざかりなので勢いがある、広瀬はこれは面白いと思った。
6号艇からだと、ダントツ人気の柴田の6-1でも40倍の配当がつく、
あとは、すべて100倍以上で、広瀬はかつて畑井老人の
「穴を買うときは、流しで」
という教えがしっかりと身についていたので、
6-1,6-2,6-3,6-4,6-5を、千円づつ買った。
広瀬から6号艇の清原のことを聞き榊原も、6-1,6-3,6-4,6-5を、
千円づつ買って、ふたりでスタンドに立ち、レースを待った。
発売しめきり5分前になって、場内に軽快な音楽がなりひびきだした。




