表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62の舟券  作者: 広瀬修一
14/22

タコ部屋


まだ日が明るいうちに半田の寮に到着し、一階にある事務所でいろんな

説明を受けた。


広瀬を雇った会社は松村工業という人材派遣会社で、働く工場は半田にある

知多製鉄という鉄のパイプを作っている大手の鉄鋼会社だった。


寮がある場所は武豊町というところで、目の前に名鉄の知多武豊駅があった。


寮の部屋は6畳間に二人づつで、一日3食つき、12時間の2交代勤務で

メシ代と寮費を含めた1000円を仕事が終った後に、日払いされる給料から

差し引かれるシステムだった。


会社へはマイクロバスが寮の前からでていて送り迎えをしていた。


翌朝、出勤のためマイクロバスに乗ると、あとから乗ってきた男が

運転手に一言話しかけながら何かを手渡した。


それは小さな紙きれだった。何だろうと思って見ていたら

隣に座っていた男がそれを察して


「運転手がノミ屋をやってるんだよ、競馬でも競艇でも、

その日の公営ギャンブルならなんでも受ける」


「仕事が終わった時に精算するわけだがほとんどの奴が負ける、

俺たちゃ日払いだから、奴にとっちゃ取りっぱぐれがねぇのさ」


と自嘲気味につぶやいた。


広瀬はここはいわゆる


「タコ部屋」


であることを悟った。


工場に着くと派遣会社の従業員専用の休憩室に連れて行かれた。


ここで作業着に着替えたり昼食をとったりするのだが、夜勤明けの連中が

着替えて寮に帰る準備をしている。


だらだらとした空気が漂っていてまったく生気が感じられない。


行き着くところまできてしまったことを広瀬は実感した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ