54.上陸部隊
「マジか・・・。」
呟いたのは、不死の騎士団のリーダーだった。
もちろん、驚いているのは、敵の数ではなく、竜撃砲ドラゴビュートの威力にである。
「来るぞ」
デュルゲルが、斧を構え、一角獣の角の大男や第二騎士団が盾を構える。
そして、後方で一角獣の角の魔法使い3人が魔法を唱え始めた。
アルキラ帝国の兵は、前方に敵が現れたことに動揺することなく突っ込んで行く。
ただし、それは突撃というような上等なものではなく、只なだれ落ちてくるというのに近い。
「爆発」「風撃」「電撃」
そして、岸壁と絶壁に挟まれた道に隊列らしき隊列も組まずになだれ込んでくるアルキラ帝国兵は、魔法攻撃の的でしかなかった。
「あれを見た後だと、自信を無くすわね。」
「いや、十分だ。あれと比較するのがおかしいのさ。
さて、おまえらも、しっかりしないと、出番が無くなるぞ」
デュルゲルが笑いながら、不死の騎士団に叱咤して前に出る。
「全くだ。行くぞ!」
そうして、デュルゲルを追いかけるように、魔法で撃ち漏らした敵兵にとどめを刺していく。
彼らは、正直この依頼を受けたことを後悔していた。つい先ほどまでは。
銀の旅団との作戦ともなれば、経験にもなるし成功すれば名も売れる。こういう依頼をうけるとギルドの受けも良くなるし、報酬も破格だった。だが、そのなぜそこまで報酬が高いのかを甘く考えすぎていた。
一角獣の角いるというのは朗報だった。彼女達は極端なパーティーの構成であるため、汎用性は低いが、先ほどの魔法のように瞬間火力は特に高い。
それでも、彼らはこの作戦が成功する確率は低いと考えていたのだった。
むろん、彼らも、若手のホープとして期待されているだけあって、自身もプライドもあったし、同数の敵であれば負ける気はしない。しかし、相手が100を超えるとなると話は別だ。
正直、負け越しになっていたのをデュルゲルに見透かされていたのだ。
それでも、彼らは『逃げる』という選択肢を選ばなかった
今、彼らの前にはもはや死に体となった兵しかいなかった。
7割がたは、アーディルや"女神の片腕”の魔法や矢などで殲滅し、さらに残った兵の半数が一角獣の角による魔法の一斉攻撃が襲う。
デュルゲルの雄たけびが響き、不死の騎士団も次々と敵を屠っていく。
そして、一角獣の角の魔法使い3人が再び魔法を放った。
・・・
「追撃はいい。船からの攻撃にも気をつけろ」
甲板に、先ほどの爆撃を聞きつけて、兵が上がってくる。
上陸部隊とは異なる軽装であることから、船を動かす海兵だ。
弓を射かけてくるが、甲板が爆風で激しく揺れているため、矢は時々明後日の方向に飛んでいく。
「火線」
多人数用には向かないが、発射速度・命中度・燃費とも抜群の得意魔法を連射する。
相手が揺れるため、こちらの射線も安定しないが、それでも連射すれば問題ない。
隣では、弓や風魔法が放たれ、艦上の敵兵も次々と倒されていった。
「あとは、旅団の結果次第だな。」
ロッソさんが総崩れになり押し戻される兵を捌きながら、呟いた。
今回、短めです。




