↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
85/114

43.新しい装備を探しに

デュルゲルさんに連れられて来たのは街のはずれ、大通りから一本外れた鍛冶屋だった。

「ずいぶん遠くなんだな。」

鍛冶屋には、エリック達も一緒についてきた。そろそろ装備を新調するかメンテナンスをしないといけないらしい。


「一応、事前に言っておくが、ここの鍛冶屋の親父は偏屈だからな。

 めったなことは言うんじゃないぞ。その代わり腕は良い。

 昔俺の使っていた装備もここで作ったものだった。まぁ、流石に寿命で壊れちまったが。」


そういって注意をしてから、鍛冶屋の店へ入っていった。

主に武器を扱っているらしく、一般的な剣や槍、斧をはじめ刀と呼ばれる特殊な剣などまでが並べられていた。


「いらっしゃい。」

そういって、迎えてくれたのは、デュルゲルと同じドワーフだった。

背は、デュルゲルよりもまだ少し小さく、髭は生やしているが、やや線が細く感じる。おそらく若いのだろう。

「ドルファンはいるか?」

「親方ですか?あなたは?」

「うむ。昔世話になったデュルゲルという。実は、この者にあう槍をと思ってな。

ドルファンなら間違いないと思ったんじゃ。」

「そうですか。ちょっと今日はお勧めできないんですが・・・。」

「む・・。なんぞあったか。しかし、こちらも時間がないんでのぉ・・・。」

「そうですか・・・では、呼んできます。」

そういって、ドワーフは店の奥に引っ込んでいった。


「ドルファンさんというのが、おすすめの鍛冶屋さんなのですか?」

「そうじゃ。じゃが、どうやら今日は機嫌が悪いらしいのぉ」

そんな話をしていると、奥から恰幅のいいドワーフが現れた。

Bランクの冒険者であるデュルゲルさんに匹敵するような貫禄と威圧感がある人だ。


「なんじゃ、デュルゲルじゃったか。とっくにくたばったのかと思っておったわ」

ドルファンさんは、豪快に笑うとデュルゲルさんの肩をバシバシ叩く。

一方、デュルゲルさんもドルファンさんの肩を何度も叩いていた。

後で聞いたら、ドワーフの信愛の挨拶なのだとか。


「ちょっと、ザッカートを中心に活動しておったのでな。」

「そうか。まぁ、元気そうでなによりじゃ。で、そこの若いのは?」

「紹介する。アーディルとエリック、セドリック、ティースだ。ちょっとした縁で知り合ってな。まぁ、パーティーというわけではないが、今一緒に依頼を受けたところだ。」

「一度に言われても覚えられんわ。まぁとにかく何の用だ?」

「いや、こやつらが装備を整えたいというのでな。お主の店を紹介したんじゃよ。」

「そうか。それは礼をいったほうがいいのか。まぁ、好きなのを選んでくれ。」

「ああ、それでだな。わざわざ呼んだのは、顔をみたかったのもあるが、アーディルの槍を作ってやってほしいんだ。ちょっとこいつは普通の使い方をしないんでな・・・。いかにお前さんの作品でも普通の槍では直ぐにダメになっちまうだろう。それは、武器に失礼かと思ってな。」

デュルゲルさんが、多少大根役者のような演技もいれながら、今回の要件を話した。


「いや、今日はわしは忙しいんじゃ。最近、物資が不足している関係で、碌な素材が手に入らん。

おかげで、満足いくものが作れんのじゃ。」

「なんじゃ。それでイライラしておったのか。」

「なんじゃとはなんじゃ。儂にとっては一大事じゃ。希少な金属類が軒並み輸送されてこないんじゃぞ。」

「そら、ザッカートが封鎖されたり、帝国軍の私掠部隊のせいじゃろう?

それを何とかするための依頼を儂らは今回受けておる。そのために、一肌脱いでくれ。」

「そうは言ってものう。・・・まぁいい。とりあえず、お主ら。今使っておる武器をちょっと見せてみい。」

そういって、武器を見せるようにいってきた。デュルゲルさんも頷いている。


それぞれが出した武器を見て、ドルファンさんは一瞬で武器を選んでいく。

そのあたりに置いてあるような武器だが、エリック達が手触りなどを確認すると頷いていた。

「こんなところか。なんなら、奥に試し切りが出来る場所があるので試してみればいい。

で、お主のは・・・・これは酷いな。どうやったらこんなになるんだ?」


そういわれて、僕は槍を杖代わりに使用したり、刺した後にそのまま魔法を使っていることを話した。

「言っていることはわかるんだが、見てみないと何とも言えんな。ちょっと奥で見せてくれ。」

そういわれて、奥の試し切りが出来るというところに連れられて来た。

既に、エリックとセドリックは新しい剣と槍を手にして汗を流していた。表情からすると、十分満足に値するらしい。


そして、僕は木と藁でできた試し切りの案山子相手に、槍を指して氷結弾(フリーズブリッド)を放った。レベルの関係もあるのか、案山子が一瞬して凍り付き槍を抜いた瞬間に軸が折れた。


「なんと・・・。そんな使い方をすれば、そうなるな・・・。付与とは全く別もんじゃったか。

初めて見たが、なかなかの威力じゃな。」

ええ。流石に自傷してしまうので火魔法などはこういう形では使いませんが・・・・そういいながら、転がった案山子に向けて槍を杖代わりにかなり手加減した火球(ファイアーボール)の魔法を発射した。

「ふむ。武器そのものとしての耐久性も必要だが、魔法との親和性の方が重要・・・か。」

「な?こんなものお前さんじゃないと頼めんだろう?」

「まぁ、儂を頼ってきたのは間違いじゃないが、素材も含めて値が張るぞ?坊主にそれが払えるのか?」

「まぁ、それなりの財力はあると思うぞ。それに、アーディル。例の物を」


そういわれて、僕はサイクロプスの骨などの素材を出す。

魔物の骨や牙は、武器や建材など様々な需要がある。

一般的に強固な魔物程、その強度が高く価値が高いとされていた。

ただ、強度が高いということは加工難易度も高いわけで、そういう素材は他の素材と金属などを合わせてより強い武器屋防具を作ることが出来る。

全てを金属で作るよりも、芯を魔物の素材で作り、周りを金属でコーティングして研磨したほうが安くて軽い武器ができるというわけだ。


「ふむ。儂の好みではないが、魅力的じゃな。

その素材と交換でいいのなら、とっておきを作ってやろう。」

どうやら、武器を作ってもらえるようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。