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36.サイクロプス戦

"シャナ!どうしたらいい"

"アル。慌てすぎじゃぞ。しかし、この間闇魔法を追加で教えておいてよかったわい。

 まずは、ダメもとで恐怖の眼(フィアーズ・アイ)を続いて暗黒の雲(ダーク・クラウド)で視界を奪うことだ。捕縛の闇縄(バインド)は、一本を集中して使え。それで多少は効果があるじゃろう。

 その隙に、周りの者を離れさせい。"

"わかった。"


僕は、素早く恐怖の眼(フィアーズ・アイ)をサイクロプスに放ち、続けて暗黒の雲(ダーク・クラウド)を顔面周辺に繰り広げた。

恐怖の眼(フィアーズ・アイ)が効いたかどうかはわからないが、暗黒の雲(ダーク・クラウド)がサイクロプスの視界を奪う。そして、捕縛の闇縄(バインド)でサイクロプスの右足を地面に縛り付けた。


「皆、少し離れてください!」

僕は、叫びながらも捕縛の闇縄(バインド)に魔力を注ぐ。

闇の縄編み込まれ、鎖のように太くなり、地面に食い込んでいった。

最初は、右足が地面ごと引き抜かれそうだったが、なんとか縛り付けることには成功したようで、サイクロプスが大暴れして、大地が揺れる。


"上出来じゃな。あとは、遠距離からの魔法でとどめを刺したいところじゃが、今のお主のレパートリーでは、まともに効きそうなのは竜撃砲(ドラゴビュート)ぐらいじゃな。問題は魔力量か・・・。

よし・・・。周りの奴らで放水魔法(ウォーターガン)が打てる奴には、放水魔法(ウォーターガン)を一斉に撃たせるのじゃ。そして、障壁を張れる奴は障壁を、盾をもう奴は姿勢を低くして防御態勢を取らせろ。

儂の合図で、竜撃砲(ドラゴビュート)を全力で放つのじゃ”

僕は頷くと、大きく叫ぶ


「皆離れて。障壁を張れる人は障壁を!防御態勢を取ってください。

あと、放水魔法(ウォーターガン)が放てる人は、サイクロプス目掛けて放水魔法(ウォーターガン)をお願いします。」

僕が必死の声で叫ぶと、それを聞いたロッソさんとディルゲルさんが、その指示を周りに伝えてくれた。

正直、僕の声では状況をつかめずに、右往左往していた人たちも、二人の指示が通ると、一斉に周りから離れて防御態勢を取り出す。


「あの魔法も坊やかしら。何か奥の手があるのね。」

放水魔法(ウォーターガン)でいいのよね?」

ニースさんとティアさんが僕の近くに寄ってくると、放水魔法(ウォーターガン)をサイクロプスに向けて放った。

放水魔法(ウォーターガン)自体は、さほど難しい魔法ではなく、ただ大量の水の水圧を相手に向ける魔法だ。もっとも、これに殺傷能力を持たそうとするとかなりのレベルを要する。

ニースさんの物はそれに価するかもしれないが、ティアさんのものは、この距離では敵にあたるだけといった感じだ。


僕は呪文を詠唱して魔力を整えて、イメージを膨らませる。

既に一度放ったことがあるだけに、今回はより鮮明に、魔法構築ができたのがわかった。

"よし、今だ撃て"

シャナがそういうと、僕は片膝をついて杖代わりの槍をしっかりと構え、一気に魔法を開放した。

「現れたるは地獄の炎、活かされたるは浄化の火炎、仕えし物は龍の息吹!!竜撃砲(ドラゴビュート)

短槍の先から真っ黒い炎が噴きでて巨大な槍の形となると一気にサイクロプスの胴を目掛けて飛んでいく。そして、サイクロプスの胴に消えた瞬間大爆発が起こり、地面が揺れると何人かの冒険者が吹き飛んだ。


「な・・・マズい。」

そういって、すぐにニースさんが耐衝撃の障壁を張ってくれたが、それでも僕達は少し吹き飛ばされた。


"な・・・どうなったの?"

"うむ。付け焼刃にしては完璧じゃな。流石に、あれにはサイクロプスでも効いたじゃろ。"


みると、噴煙の中両膝をついて四つ這いになった巨人の影が見える。

「まだ生きている?!」


"流石に、古代より龍種と並んで恐れられる巨人族よな。じゃが、ここまでくればあと少しじゃ。

魔力はまだあるか?なければ封魔紋の中の魔石を喰え。今のをあと1~2回やれば流石のやつも生きてはおるまいよ。"

"それより、今の爆発は?"

"あれは、水蒸気爆発というものじゃ。水を一気に高温で加熱すると、水が一気に空気に代わって大爆発を起こすんじゃ。火山の原理じゃな。その環境を魔法でつくったんじゃ。一見反する”水”と”火”も、上手く使えばこのような大火力になるのじゃ。"


「皆さん、敵はまだ生きています。もう一発いきますので、防御と放水魔法(ウォーターガン)をお願いします。」


そう僕が叫ぶと、先ほどと違って、皆一目散に交代して防御姿勢を取る。

「おら、死にたくなかったら、早く後退して伏せろ。」

「障壁を張ります。はやく私の後ろに。」

放水魔法(ウォーターガン)いくぞ。障壁を頼む。」


「では、いきます。」

そういうと、僕は再度竜撃砲(ドラゴビュート)を準備する。

急速に魔力が抜けていく感覚がする。

捕縛の闇縄(バインド)でかなり魔力を消費したから、3度目は少しきついだろう。

それもあって、濃密に魔力を練り上げて一気に開放した。


また短槍の先から真っ黒い炎が噴きでると、先ほどよりもさらに一回り巨大な槍の形となる。

そして、大型弩砲(バリスタ)から放たれた攻城兵器のようにサイクロプス目掛けて直進し、放水魔法にあたると大爆発を起こした。





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