25.キャンプで準備をした。
3階層から4階層への移動箇所も長い坂道になっていた。
僕達は、エリックに連れられて4階層に降りたところでテントを張った。
大抵の場合、階層の降り口や出口は野営などがしやすいように自然と開拓されていることが多い。
ここの場合は、4階層の入口付近が森が拓けて広場のようになっていた。
先に野営の準備をしていたパーティーが1組いたので軽く挨拶だけ行ったが、彼らはここを中心に活動をしているらしく、”はぐれ”についても情報を持っていた。
「紫色をした普通のオーガよりも一回り大きなやつだな。
俺達も遭遇したが、事前に聞いていて直ぐに走って逃げたから、悪いがそんなに情報はもってない。
普通のオーガでも、俺達には面倒な相手だからな。だが、まぁ、直ぐに普通に走って逃げれる相手ではあったぞ。ん?俺達が遭遇したのは第5層だったよ。」
「情報感謝する。」
「いや、あんたらも気をつけなよ。」
確かに、大きな収穫はなかったが目撃情報はありがたかった。
後で、情報のお礼に夕食-先ほどの階層で狩った鰐の尻尾を焼いたもの-を差し入れしておこう。
僕は、”闇の癒し”をかけ、念のためにアウロスを召喚して休む。
エリック達は、アウロスのことを知っているが、それでも念のために3交代で番をすることにした。
魔物だけではなく人・・・あってほしくはないが、共に野営をしている冒険者が襲い掛かってくる・・なんてこともないわけではない。ポーズでも無防備というわけにはいかなかった。
まぁ、今回はそんなことは起きなかったが。
翌朝、僕達は昨日の残りの鰐肉を頬張りながら、簡単な打ち合わせをする。
「では、とりあえずは5階層に向かうでいいのかな。」
「いいんじゃないか。5階層までなら、俺達も行ったことはある。
4層は、3層に近い湿原で、5層はまた普通に森になる。魔物も普通はリザードマンの他、ゴブリンやオークまでだな。ただ、この辺りからゴブリンやオークでも魔法を使ってきたり、集団で襲ってきたりするから気をつけろよ。」
「オーガは?」
「まだそこまで潜っていないが、普通は10階層以下で出る魔物らしい。
なので、5階層で出てきたら、それだけで”はぐれ”でいいんだが、今回は色や体格などが通常と異なるらしいからな。上位種や固有種の可能性がある。正直もっと上位の冒険者に任せたいところでもあるけれど、マロウがいるからな・・・。」
アルキラ帝国の部隊を1つほぼ一匹で壊滅させた実力があるマロウであれば、普通の魔物であればそう苦労しないのがわかっている。まぁ、昨日それが万能ではないことが、分かったばかりだけれどオーガであれば多分問題はないだろう。ちゃんと肉体はあるだろうし。
僕達は、昨日近くで野営していた皆さんに軽く挨拶をした後、4層を足早に抜けて、第5層へと向かった。
第5層は、うっそうと茂った森になっていた。
相変わらず太陽があるが、1・2階層に比べれば、木々が生い茂っていて陰が多く、木々にも蔦が絡まっているものが多く存在していた。
下層にに向かう大きな道は相変わらずあるが、それ以外にも獣道や細い道がある。
「この層から、エリアが上の階よりもエリアが大きくなる。それに本当に稀にだが、宝箱が出現するようになる。中身は、ちょっとした宝石や貴金属など大したことがないものが多いが、稀に装備品なんかがでるらしい。」
「ああ、ダンジョン産ってやつですね。」
「ああ。どういう仕組みかはわからんがな。使ってよし、売ってよし。というわけで、初級の冒険者もまずは、ここを狙って来るものが多い。だから、本来は結構賑わっているはずなんだが・・・」
「一応ギルドでは、初級者は5層以下は注意情報を出しているの。まぁ、絶対守る必要はないけれど、普通は・・・ね。」
「まぁ、この階層ではそもそも宝箱自体稀にしか出ないから。もし見かけたら程度で考えといて。」
僕らは、件のオーガーや炎の精霊を封じていたと思われるアイテムが無いかを探すことにしていた。
マロウは、狼の種族なので大変鼻が利くようで、地面の匂いを嗅ぎながらどんどん奥に向かっていった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
ちょっと書き溜めがなくなってぎしたので、時々更新できない日が出るかもしれません。




