↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
62/114

21.炎の精霊

「あれ・・・かしら」

「ええ、あれね。生命反応がないわ」

「逃げた方が良くない?」


100mほど先に、見えるのはおそらく3mを超える全身を炎に包まれた大男だった。

下半身に該当する部分はなく、上半身は異様に筋肉質。頭にはターバンのようなものを巻いているように見える。


”シャナ!すごく強そうなやつがいるんだけど、あれ精霊?!”

”うむ。炎属性の精霊じゃな。”

”シャナより全然強そうなんだけど・・・”

”失礼な。我をあんなやつと一緒にするでない。”

”いやだって・・・・”

”まぁ、そう心配するな。むしろチャンスよ。

 ある程度弱らせたら、”喰っちまえ”ばいいんだから。”

”そんなこと可能なの?”

”我を”喰って”おいて、何を言うか。あのような名もなき精霊など、アルの糧にしかならんわ

 とりあえず、会話は無理そうな感じだから、氷か水の魔法で弱らせるんだ。”

”わかった。”


「ティアさん、水か氷属性の魔法使えますか?」

「一応。まともに使えるのは、”氷の槍(アイシクル・ランス)”と”氷の刃(アイスエッジ)”、あとは威力は低めだけど”水球(ウォーターボール)”ぐらいなら」

「十分です。僕も似たようなもんですから。でも、”氷の刃(アイスエッジ)”が使えるなら、エリックとセドリックも攻撃できますね。僕は、まず”炎の盾(フレイムシールド)”で皆に防御膜を張ります。

ティアさんは、”氷の刃(アイスエッジ)”を皆に。あ、マロウにもお願いします。

あとは、全力で攻撃ですが、絶対深追いしないでください。特にエリックとセドリックは。」

「ああ、わかってる。見るからにやばいからな。」


氷の槍(アイシクル・ランス)”は文字通り、槍のように尖った氷を投射する遠距離物理魔法。

冷気を帯びているため、炎属性の精霊にはダメージを与えられる可能性がある。

氷の刃(アイスエッジ)”は、付与魔法で武器に冷気属性を持たせることができる。

どこまでうまくいくかはわからないが、たしか魔物の牙や爪にも付与を載せることができると本には書いてあった。僕も使えないという事はないと思うが、ぶっつけ本番で使うには効果に疑問があるので、ティアさんに任せた方がいいだろう。

水球(ウォーターボール)”は、水属性の放出魔法になるが、主目的が火事の消化なので、普通の魔物にはあまり効果がない。だが、全身炎の精霊は、見方によっては常に火事という状況なので、効果がある可能性がある。

そして、”炎の盾(フレイムシールド)”は、炎の耐性を一時的にあげる魔法だ。

盾という名前だが、実際には身体の表面に炎の熱を遮る薄い膜ができる。

地味だが今回一番重要な役割の魔法になるはずだ。あのホブゴブリンのようにならないために・・・。


「行きますよ」

補助の魔法を一通りかけた後、僕らは構えた。

マロウが一直線に駆け出し、その後をエリックとセドリックが追う。

そして、僕は氷結弾(フリーズブリッド)、ティアさんが”氷の槍(アイシクル・ランス)”を放つ。

エリーは、できそうなことが思い浮かばなかったので、離れて他の魔物の生命反応を感知をしてもらうことにした。


まず、僕の”氷結弾(フリーズブリッド)”が炎の精霊に炸裂する。水系の初歩的な呪文で、”氷の槍(アイシクル・ランス)”のような実態がない攻撃だが、着弾と同時に対象を凍らせる呪文だ。


「ギャァァ!!」

炎の精霊は、先ほどよりも炎を強めて、こちらの方を見た。

次の瞬間、ティアさんの放った”氷の槍(アイシクル・ランス)”が突き刺さるが、一瞬で氷が蒸発してしまった。これは、ダメージが入っているのかどうかわからない。

「ティアさん。僕にも付与を。あと”水球(ウォーターボール)”も試してみてください。」

そういって、僕も”氷結弾(フリーズブリッド)”を撃ちながらエリック達の後を追った。


炎の盾(フレイムシールド)”をしていても、凄い熱量を感じる。

マロウをはじめエリックやセドリックも長くは近づけず、ヒット&アウェイを繰り返すことが精いっぱいのようだ。”氷の刃(アイスエッジ)”は効いているようだが、逆に物理的なダメージは皆無のようで、圧倒的な強さを誇ったマロウの噛みつきなども効果があまりないようだ。


やはり、、”氷の槍(アイシクル・ランス)”よりも”水球(ウォーターボール)”の方がダメージがあるのか叫び声が大きいのだが、弱った様子はない。


炎の精霊は、少し雄たけびをあげると右手に力を込める。すると炎の色を赤から青に色が変わった。

そして、その右腕でマロウの身体を薙ぎ払うと、マロウが炎に包まれて吹き飛んだ。


「キャン!」

マロウは、地面をわざと転がって炎を消すと再度炎の精霊に向かっていく。

魔狼であるマロウだからこそこの程度で済んだが、これは危険だ。


「エリック!セドリック!!、下がって」

僕は、叫びながら”氷の刃(アイスエッジ)”の載った槍の一撃を炎の精霊に突き刺し、そのまま零距離で氷結弾(フリーズブリッド)を炸裂させた。


「ギャァァ!!」

やはり、この精霊の弱点は冷気のようだ。これまでで一番感触があった。

しかし、どうすればいいんだ?


”アル!今見えたか?その精霊の”核”を狙え”

”核?”

”心臓の位置に、珠のような形のものが見えただろう。

あれが、奴の力をこの世界に出すための依代の役割をしているんだ。

あれを傷つけて、封魔紋に封じろ。あとは我がやる”

”わかった。”


僕は、再び氷結弾(フリーズブリッド)を放ち、その隙に一度距離をとる。

マロウが、再び跳びかかって薙ぎ払われた瞬間にもう一度胸に槍を突き立てて、零距離で氷結弾(フリーズブリッド)を放った。ちょうどティアさんの”水球(ウォーターボール)”もあたり、炎の勢いが弱まる。


「あれか!」

人間でいえば、ちょうど心臓のあたり。そこにこぶしよりやや小さいぐらいの紅い珠が垣間見えた。


僕は、精霊の炎の身体に一気に左手を突っ込むと封魔紋を作動させる。

瞬間、炎の精霊は消え去った。


<槍術のレベルが上がりました。氷魔法のレベルが上がりました。>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。