9.授業開始
授業の内容は、学力の方が国の歴史や貨幣の価値、ギルド制度などの一般常識の内容だった。
クラスの半数以上は2年生で少数だが3年生も混じっていた。
後で聞いたが、Fクラスは文字の読み書きを中心、Eクラスは算数中心の授業らしい。
体力は、最初はD~Fクラスは共通して、農作業だった。
ただ、クラスによって明らかに耕す範囲などが違った。
ボロン先輩によると、D~Fは合同の授業があるらしい。
農業、林業、採取、採鉱など一通り体験をするためなのだが、クラスの体力に応じて実施するらしい。
「こうやって、畑で作った野菜が食堂で出てくるんだ。
街の外には、先輩が開墾からした畑もある。
Bランク以上になると、森で魔物と戦うような実戦形式の授業もあるらしい。
冒険者や行商なんかをする場合にには、魔物にちて知っておくのは必須だからね。
それに、体力がAランク以上になると、封魔紋をもらえるんだ。」
「えっ?それ本当?」
「ああ。詳しくは知らないんだけどね。
封魔紋の技術は、冒険者ギルドが独占しているんだけど、元々は国が管理している技術らしくってね。
優秀な学生には無料で付与してもらえるんだ。
第1学園の生徒はほとんど付与されるらしいよ。」
封魔紋というのは、主に左手の甲に宿される紋章のことだ。
紋様は、人によってことなるのだが、いくつか便利な機能があって、その中の一つが『次元収納』といわれるものだった。
本来、超高度の魔法である次元魔法を使用した収納スペースを持つことが出来るというもので、大きさは人によって異なるものの、重さを感じなくなるというものだった。
水や食料などの必須かつ嵩張り、汚染させるわけにはいかないものを簡単に持ち運べるため、冒険者には必須レベルのものなのだが、ある程度の実績と費用が必要なものだと聞いていたので、無料でもらえるとしたら、それは狙わない手はない。
シド兄の朝練も、そのためかもしれない。
「学科の方も、Bランク以上で生活魔法を教えてもらえる。
魔道具で便利になったとはいえ、着火や浄水、止血ぐらいの魔法なんかは自前で使えた方が便利だからね。」
なるほど、最終的に高いクラスになれると、かなり得なことが多い。
皆まじめだなと思っていたが、先生が怖いからというだけじゃないらしい。
素行が悪かったり、カンニングなどの不正行為をした場合、昇格できないらしいのだ。
「これは、頑張らないといけないですね。」
「だから、体力アップのための自主トレや、有志が図書館などで勉強を教え合ったりしているよ。
アーディルも興味があればくればいい。
勉強だけじゃなくて、アルバイトなんかの情報交換もされるしね。」
確かに、僕のような帰る先のない孤児は、手に職をつけたり、就職先を手に入れることが出来るのは大きい。これは、ぜひ一緒にいってみるのがいいかな。
・・・
1週間の授業は、あっという間に過ぎた。
朝の走り込みはシド兄と一緒にするように、午後の1時間はシド兄の他、ボロン先輩の一緒のグループで勉強をした。レオンも一緒だ。
Cクラスの勉強は、流石に知らないことが多かったが、その分面白かった。
6日の授業の後、週末は休みになる。
Cクラスの授業で習うらしいが、7は聖なる数らしく、神々の数も7柱だし、創生の神話も7日でこの世界が出来たとされている。1週間も7日だし、1月は7週間、1年は7月だ。
シド兄に連れてきてもらったのは、アルバイトの斡旋をしてくれる学生課と呼ばれるところだ。
レオンなどは、週末はしっかりと休むらしいが、僕らはそうはいかない。
最低限のノートや筆記用具は支給されるが、自習をすると結構足りなくなるらしいし、貯金もしておいた方がよさそうだ。
選べる仕事は、一部にクラスによって条件があるものもあるが、かなりの数があった。
今の時期は、農作業手伝いが多いらしい。
「これなんかよさそうだな。木登りはできたよな?
果物の収穫なんだけれど、結構割がいいうえ、お土産で売り物にならないやつをくれることが多いんだ。」
そういうと、1つの依頼を一緒に受注した。




