11.幽霊船から得たもの
幽霊船が消えて、僕が火魔法を打ち上げるまで、僕の中ではそれなりの時間があったように感じたが、実際にはほんの数十秒程度だったらしい。
船から、何本もの救助ロープが海に投げられ、溺れた兵と救助に向かった海兵が海に何人か浮かんでいた。
「アーディル!無事じゃったっか」
デュルゲルさんが大きな声で僕に叫んできたので、右手を振り上げた。
『ふむ。復帰までの時間が随分早くなったな。最悪の場合何とかせねばと思ったが』
海上に妖精のように小さな姿で浮かんでいるシャナが呟いた。
そして、一息ついた瞬間、一気に脳内にアナウンスが流れた。
<霊耐性、水耐性、霊視、霊体誘因、念動を獲得しました。>
<吸収レベル、状態異常回復、光魔法、水魔法、HP自然回復、MP自然回復、俊敏、冷静沈着が上がりました。>
<エネルギー消費拡大が消滅しました。>
・名前:アーディル
・種族:人間?
・称号 "悪食""悪魔憑き""精霊喰い"”巨人殺し”(NEW)
・ステータス
【当該スキルでは判別不可】
・加護
【当該スキルでは判別不明】
・ギフト
暴食の王
ベルゼ・ブブ
消化:LV9
吸収:LV7(UP)
・パッシブスキル
頭脳明晰:LV4
冷静沈着:LV4(UP)
怪力:LV1
毒物耐性:LV8
物理耐性:LV1
炎耐性:LV3
水耐性:LV1
霊耐性:LV1
魔法言語:LV5
魔法制御力:LV7(UP)
HP自然回復:LV3(UP)
MP自然回復:LV3(UP)
状態異常回復:LV2(UP)
俊敏:LV2(UP)
暗視:-
霊視:‐
霊体誘因:LV1
スキル把握:-
・アクティブスキル
剣術:LV1
槍術:LV3
棒術:LV3
魔法薬学:LV6
生活魔法:LV3
火魔法:LV7
水魔法:LV2(UP)
氷魔法:LV3
風魔法:LV1
雷魔法:LV1
土魔法:LV1
光魔法:LV3(UP)
闇魔法:LV4(UP)
噛みつき:LV1
魔狼召喚:- (血脈契約)
次元収納:LV10(MAX)
尋問:LV1
騎乗:LV2
採取:LV1
念動:LV1
・その他
闇の精霊シャナの協力
幽霊船やその霊を吸収したことによる成長だと思われるが、なぜLVが上がったかわからないものもあっる。エネルギー消費拡大が消滅したのはありがたいが、何故だかはわからなかった。
それに、霊視って・・・もしかして幽霊が見えるという事だろうか・・・。
今は、特に異常はないようだが・・・。
さらには、霊体誘因とか念動というのも何だろうか。
「ロープ行ったぞぉ」
少し離れた場所に木の浮き輪のついたロープが投げこまれる。これに捉まれという事だろう。
僕はその浮き輪に手を伸ばすが、結構離れていて届かない。
そこまで泳がなくては・・・・と思っていると、自然とその浮き輪がこちらにスーッと寄ってきた。
波に流されているという感じではなく、明らかに僕が引き寄せているという感じだ。
もしかして・・・
そう思って、奥や左右に動くように念じると、浮き輪はその方向に動いた。
どうやら、離れたところにある物体を動かせる能力・・・・なるほど・・これが念動か。
ポルターガイストなどで、樽やロープが飛んできたりしていたが、それを起こせる能力なのかもしれない。LVがあるということは、鍛え方によって成長する可能性がある。
魔法に似ているが違う力だし、結構使える力かもしれない。
とりあえずは、浮き輪にしがみついて船に戻ると僕は、救助に回る。
投げ入れた浮き輪を救助が必要な物の元に念動で動かしたり、樽の破片に捉まっている者をそのまま引っ張ったりした。
どうやら、使う力の大きさは、距離が遠ければ遠いほど、物体が重ければ重いほど大きくなるようだ。
それに、そうだろうとは思っていたが、生物には作用しない。
つまり、樽の破片は動かせるが、溺れている人の身体を直接動かしたりは出来なかった。
「くそっ。こんなところで装備を失っちまうとは。」
デュルゲルさんや『女神の片腕』のメンバーは全員無事だったが、旅団のメンバーの何人かは海中に放り出されており、その際に武器や盾などを失ったようだ。
旅団の代名詞の銀の胸当ては、強度のわりに軽い白銀で造られているらしく無事だったが。
「全員無事ならば、それでいい。いかに有用な武器や防具も、替えが効かんというものはないが、諸君らには替えが効かんのだからな。」
ディードリットさんがそういうと、落水した団員は恥ずかしそうに礼をした。
軍などにおいては、真逆の考えや発言をする指揮官もいる中、ディードリットさんは好感の持てる人のようだ。旅団の持っていた武器であれば、それなりの技物や魔法の装備もあったに違いない。
できれば、なんとかしてあげれれないかと思ったが、念動はそのものが見えているなど知覚する必要があるのか、海底に沈んだものをサルベージするほどの力はなかった。
<念動のレベルが上がりました。>
次回、お休みいただきます。




