第二十六話:汚れた英雄の処断
3人の方からブックマークしていただいたこと、誠に感謝いたします。つまらなかろうが疑似転生は続きますので、これからもどうか宜しくお願いします。m(_ _)m
「……さて、ファロイドよ。」
まぁ言われることは分かっている。
「ソナタは国王たるワシの意向に背き、反し、そして言ったな。この男の罪を被ると。」
「はい。王の寛大な処分を感謝致します。」
「大臣殺害の国家反逆罪、そして2名の兵士の殺害、盗賊との協力、育児放棄。全てが厳罰に処される罪だ。」
「はい。分かっております。」
「よってソナタに、三名の死を弔って貰うべく、三度の死罪を申し付ける!…と言いたいところだが…ソナタの誰も傷付けない意気込みには感服した。ならばそれを証明してみせよ。その手に持つ剣で自身の胸を貫くのだ。…さぁ、その不死の能力、この場でワシに見せてくれ!」
来たか…。
しかも目の前で自害しろときたか。
そもそも、不死である確証はない。
今の俺はいつもの金髪。
能力を発動していない。
いや、発動の仕方も分からない。
だから、普通に死ぬのだ。
刃が身を裂き貫く痛みも感じる。
ああ、余計なことを言ったもんだな…。
もう王に反論できない。
反論すれば…あの父親が殺される。
俺が死ぬしかない。
ここにいる誰もを救うには。
誰かに殺して貰うなど、まだ甘い方だ。
自殺することに比べれば。
剣を持つ手が震える。
怖い。
死ぬのが怖い。
俺は人が嫌がることを沢山してきた。
いっぱい親しい人の信頼を裏切った。
俺はきっと地獄に行くんだろう。
地獄ってどんなところだろうか。
父親失格の男が騒いでいる。
俺を殺せと。
結局、この世界についてロクに知れなかったな…。生きようと必死に。サバイバル知識まで使って、必死に生きようともがいて。
…。
何だかんだ言って、俺はこの期に及んでまだ生きたいと思っているんだな…。こんなに罪深いのに…。
生きたかったな…
でも、俺は…。
最期に誰かを救って死ぬんだ…。
悪くないな…
手に持つ剣を反転させ…
一気に胸に突き刺す。
薄い布を簡単に突き破り、
鋭い刃はヌルリと胸に入っていく。
猛烈な痛み…はない。
もはや痛いという感覚もない。
そんなもの、とうに通りすぎた。
ただ、苦しい。
息が出来ない…
破れた肺から血が吹き出し、一気に口から出てくる。
血の味がする。
吐き出したと共に一気に視界が暗くなっていく。
狭まる視界の中で、泣き叫ぶダメ親の表情が見える。
音は鮮明によく聞こえる。
様々な叫びの言葉が反響して頭に響く…。
もはや肩から先が全く感覚のない腕に最後の力を込め、一気に剣を引き抜く。
鮮血が舞う。
胸を真っ赤に熱したような鉄で焼かれた様な熱さと、ドライアイスをくっ付けられたような冷たさが襲う。
これが痛みかどうかも分からない。
視界は更に狭く。暗く…。
足は砕け、地面に崩れていく。
強い重力で押さえつけられている感覚。
死ぬ前に、俺に死ねと命じた王の顔でも拝んでおこうと思っても、もはや首も動かない。
これで…
〈コレデ、死ネルトデモ?〉
誰だ…?
そう…お前は…確か…
〈オマエニ相応シイ極刑ヲ与エル。〉
〈ソウ言ッタ筈ダ…〉
視界が白くなっていく。
人物紹介
○ファロイド
この物語の主人公。
だいたい年齢は6歳くらい。
金色の長い髪と、赤い瞳を持つ美少女(♂)
いらないことを言ってはよく墓穴を掘る。
○アルマン国王
シンクバトラ王国の王様。
年齢50くらい。ガッチリふっくらした体格のオジサン。
包容力はどこへやら。
きっちり利害を考えてる強かな男。
◯裏切り者の兵士
30半ばくらいのオッサン。
妻の不倫、妻の死。親族の裏切りなど。
数多の悲劇をその身に受け、復讐の人生を歩む。




