第16話 お勉強配信with〇〇
「大丈夫? オレも一緒にいるから安心して?」
「うぅ……、めちゃくちゃ緊張してます……」
:なんだ?
:唐突過ぎる
:せなに背中トントンされてるメガネ女子はだれ?
:こいつは俺らに状況把握しろと勉強を強いてるんか?
:俺らが学習する回だった…?
:配信部屋はせなちゃんの部屋で固定なんか
「青子ちゃん。ほら、配信も始まってるしさ」
「えっ!?」
:このメガネっ子って青ネギちゃんなん!?
:まじで? そういや姿見るの初めてか
:意外な人選やな
:てか配信始まってるの伝えてないんかーい
:初手で絶望顔を全国に晒した青ネギちゃん
:せなお前、そーいうとこだぞ
「ひどいっ! どうして教えてくれなかったんですか! せなさんを信じてたのに……!」
「えー、でもフラウさんがこうすればいいって教えてくれたけどな」
:またあの隊長がやらかしたんか
:せなちゃんも純粋すぎる
:ちょっと待って、じゃあこれからは他の魔女も配信に出るってこと?
:まじか、俺赤里ちゃん見たいんだけど
:じゃー雫ちゃんはもらうな
:フラウ隊長は……いらんか
:隊長「解せぬ」
:金城ネキ「わたくしの勇姿をお見せしますわ! オーッホッホ!」
「おまえら! オレの配信で何他の女の話してんだ! ちゃんとオレを見ろ!」
「落ち着いてくださいせなさん。というかこれ、いつ勉強が始まるんですか」
:嫉妬しまくりで草
:めんどくせー彼女みたいなこと言ってんなww
:青ネギちゃんにド正論言われてんぞ
「おまえらのせいだろーが!」
「せなさんってリスナーさんとすでに打ち解けてるんですね、ちょっと意外です」
:ほんまそれ
:こいつ外歩いてる時別人だぞ
:二重人格説が流れてる
:まぁどっちもかわいいんですけどね
:毒されてるのがおるな
:てかせなはフラウ隊の隊員とはもう普通に喋れるんやな
「まぁいいや、とにかく始めるぞー。まずは青子ちゃん、いい?」
「はい、今更ですが自己紹介を。私は根木青子、フラウ隊のオペレーターをしています、みなさん初めまして。今日はよろしくお願いします。ではまずはこの世界について」
「みんな魔物がいるこの世界で生きてるけど、めっちゃ慣れてるよな? 魔物がいるところに普通の人を見たことないぞ」
「そうですね、人という種が生まれた時からずっと魔物がいますので、避難する習慣ができてます」
「魔物自体をなんとかしようって考えはないのか?」
:そもそもそういうもんだと認識してるからな
:魔物どうこうに疑問はもったことないな
:てか魔物のせなが逆に疑問もつんか
:人間の負の心から生まれてるって話よね、魔物って
「チャットにもありましたが、魔物は人間のマイナスイメージから生まれると言われてますね。なので魔物をなんとかしようとすると」
「人間がいなくなる必要があるってこと?」
「そうですね。対立とかの話ではなく人間の影のようなものです。生み出さないようにするのなら人間そのものを消すしかない」
「ふーん? じゃあ魔女はどんな存在?」
「魔女は体内の魔力がいきなり扱えるようになった女の人ですね。感情が昂った時に突然魔女になることが多いです。よく言われてるのが魔物に対抗するための人の進化の一つだとか」
「でも男の人も魔力を持ってるよね? 意外と女の人より魔力量多かったりするし」
「わかるんですか? そうなんです、魔力は人間全員が持ってるんですよ」
:はえー
:魔力を奪う魔物からしたら、人間にどれだけ魔力があるかはわかるんか
:なーんで男は魔法使えないんやろな
:その分一般人は女の人より被害多いからな、男は
:そーいや、せなが来てから魔物が魔石落とすようになったのはなんで?
「あ、魔石のことは私も気になってたんですよ、あれせなさんわかりますか?」
「魔石? 魔物から落ちるのが普通じゃないの? オレら魔物は体の維持にも魔力を使ってるから、消えるまでに一気に魔力を吸い込めば核の魔石だけ残るんじゃないかなー。ゴメンオレもよくわかんない」
「いえ、でもそうなるとせなさんが魔物を吸収すれば、魔石が落ちて人間の戦力増強にもなるから一石二鳥ですね」
:せなちゃん魔石の価値わかってなかったのほんまやったんか
:燃料タンクみたいなもんやからな
:ただ魔石も万能じゃないんよな
:魔物にはあんま意味ないものってこと?
「オレに魔石は意味ないなー、あれって魔物の波長?みたいなのがあって反発するんだよなー」
:あぁ、だから魔石に魔力注ぎ込むと色変わるんか
:使いにくいよな、指定した色の魔力が作れないって
:この前赤里ちゃん、近い色の魔石使ってたけどしんどそうだった
「そうなんです。貴重な魔石を多く持ってても、魔力が使えるものでないと厳しいのが現状なんですよね。数撃てば当たるので多ければ多いほうがいいんですけど」
「あー、人間ってなんか魔力に色? あるんだっけ。あれなんなの? 気持ち悪いんだよね、純粋な水に絵の具を混ぜたような感じでさ。オレからすると実は人間の魔力っておいしそうじゃない」
:ひぇっ
:おいしくないって感想が出るあたりやっぱ本質は魔物なんか
:あんま怯えてやんなよお前ら、せなはなんも悪くない
「魔物の魔力には色がないんですね、新しい発見になりそうです」
「うん、だけど魔石の魔力の色、変えられるよ?」
「……え?」
:は?
:おい、うそだろ?
:それができたら大革命なんだが
:人間側の戦力が大幅強化できるってことか!
「やってみようか? 青子ちゃん、余ってる魔石ってある?」
「はいっ! すぐに持ってきます!」
:はや
:一瞬で部屋からいなくなった
:そらそうよ
「うーん。待ってる間リスナーさ、オレに聞きたいことある? なんでも答えるぞー」
:ん?
:今なんでもって?
:せなの技能ってなんなん? 魔物って何か一つ技能持ってるよな
「技能? あぁ能力のことか。オレの能力は『私の中にあなたはいる』だな。他の魔物から吸収したのう、お前らの言葉で言うなら技能は『あっちに行けたらいいな』『痛い痛いの飛んでけ』『だんごむし』とかだな」
:は?
:お前ね、真面目に答えなさいよ
:小学生の感想文か?
:一応魔女ペディア更新しとくか
「違うわ! ほんとにこの名前なんだって!」
「それは本当のようですみなさん、私たち魔女はせなさんの技能名を『コピー』や『転移』と言い換えてます」
「あ、おかえり青子ちゃん。な? 言ったろ? オレは人間相手に嘘言わないようにしてるから!」
:さらっと健気なこというせなちゃん
:うーん、変な技能名も魔物の生態を紐解くヒントになったりするんかねぇ
:さーて、魔石の色変換の実演タイムか
「これね。魔力の回路、通り道というのがあってさ。ここを…こう、ちょいっと変えてやると、ホラな!」
「えー! これって歴史を覆す大発見ですよ! この魔力操作って誰でもできますか!?」
:やっば…
:まじで色変わったんだが?
:しかもめっちゃ綺麗
:不純物まで取り除いた?
「魔力の扱いがそれなりに上手な人じゃないと無理だよこれ。フラウさんに全部やらせたらいいと思う、あの人こういうこと得意そうだし。あ、そろそろ時間じゃない? 今日の配信はここまでにするか。青子ちゃんもありがとな。じゃあみんな、またなー!」
「はい、みなさんもありがとうございました!」
:配信の始まりもだが締めるのも唐突すぎる
:またなー!
:さらっととんでもない業務を隊長へ丸投げしやがった




