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008 市場の隅で『猫耳な幼女』が閑古鳥と戯れる

第二幼女は、猫耳

「ここまでならほっぺという事にならないだろうか?」

 唇のすぐ横を指していうアチキにあたいが呆れる。

『何を下らない事を言っている。それより、そろそろ他の幼女を助けにいかないのか?』

 本来の目的を指摘してやる。

「そうだった、いくらサクッラちゃんのぷにぷにほっぺの感触でもそれだけでは、我慢できない。新しい幼女をゲットしなくては!」

 アチキは、そういって町の散策に移る。

『目的もなく歩いて見つかる物なのか?』

 あたいの疑問にアチキは、自信たっぷりに答える。

「勿論、あちきの幼女レーダーは、半径一キロ以内の幼女の気配を捉えられるからな」

 また意味不明な技能を持っている。

『その変態レーダーに反応は?』

 呆れをこめてそう問うとアチキは、市場を指さす。

「市場に幼女、それもレア系が居る!」

『はいはい、それじゃあ行ってみようか』

 駄目元で移動する。



『……本当に居た』

 市場の端には、この町では、珍しい猫獣人の幼女が思いつめた様子で路上販売をしていた。

「ジャガイモ一つ、粒銅貨二つ(二十円)です!」

 売っているのは、極々ありふれた野菜な上、あまり形もよろしくない為、全然売れて居ない。

「まずは、全買いだな」

 アチキは、そういうと、猫耳幼女の前に行くと一言。

「全部、買おう」

 可愛い目を見開き驚く猫耳幼女。

「本当に良いのですか?」

 アチキは、一切の躊躇無く頷く。

「勿論だ。代金だ受けってくれ」

 そういって穴銀貨(一枚二千円)二十枚を紐で通した束を五つ(合計で10万円)を差し出す。

「こ、こんなに貰ってもお釣りも出せません!」

 猫耳幼女が慌てるがアチキは、微笑む。

「だったら、そのお釣りで食事を奢らせて貰えないかい?」

「でも……」

 躊躇する猫耳幼女だったが、アチキが言いくるめる。

「お釣りを出す為だ。良いだろ?」

 お釣りを渡さなければいけないって義務感から猫耳幼女が頷いてしまう。

『これって普通に解いて必要な分だけ渡せば良いだけの話じゃないの?』

 あたいの突っ込みを聞こえないふりをするアチキは、間違いなく最初からの確信犯である。



 遠慮する猫耳幼女を半ば無視して、毎度の如く、ご馳走を並べるアチキ。

「残したら勿体ないから食べてくれるよね?」

「は、はい」

 緊張した様子ながら猫耳幼女は、初めてかもしれないご馳走を食べ始める。

 食事をしながら事情を聞く。

 猫耳幼女の名前は、マータタといって、チェリから少し離れた猫獣人が住む山村から来たらしい。

村には、大人たちは、既に出稼ぎに出て居て、町まで来れるのは、老人以外では、マータタだけだったらしい。

「それじゃあ、去年までは、貧しくても何とか食べて行けていたんだ」

 アチキが確認するとマータタちゃんが頷く。

「うん、でも今年から税金も高くなって上、お父さん達からの仕送りも減って……」

 一気に暗くなるマータタちゃん。

 税金云々の話は、何か少し前にも聞いた気がする。

「これも何かの縁だ。あちきがその村に行って、相談に乗るよ」

 アチキの言葉にマータタちゃんが不思議そうな顔をする。

「どうしてそこまでしてくれるの?」

 アチキは、自信たっぷりにこたえる。

「君の笑顔を見る為だよ」

 あたいには、その澄ました顔のしたに秘められた下種な欲望がありありと見えた。



 あの後、ここまで連れて来てくれた市場の人に挨拶するとマータタちゃんと別れた。

 無論、何かあったら困るから鱗を付けてある。

『税金ってもしかして?』

「だろうな、聞いた話だと、ここの馬鹿領主は、女遊びの為に無駄金使いまくっていたって話だからな」

 アチキが舌打ちする。



「はい! 税金は、正しく徴収します!」

 領主の館でいきなりそう宣言するチェリの領主デンロに配下の人達が驚く。

「どうしたんですか?」

 デンロは、冷や汗を拭いながら答える。

「いまあの御方に舌打ちされた気がしたんだ」

 その答えに配下の人達が視線を逸らす、そんな光景をあたいは、鱗越しに確認する。



『税金問題は、もう大丈夫じゃないの?』

 あたいがそう告げるとアチキは、肩をすくめる。

「これからの税金が減った所で、既に払った税金で無理した分で村で餓死が発生しかねない。元々、大人が全員出稼ぎに出ているだけで末期状態だったんだろうしな」

『そうね。それでどうするの? あんたが金を出して村を救うの?』

 幼女に関しては、金銭感覚ゼロのアチキの事だからありそうだと思ったが、アチキは、苦い顔をする。

「それは、悪手だ。それをやっても本人を落としても周りの奴等が邪魔をしてくる」

 実体験ぽく話してくるって事は、前世でやった事があるのだろう。

「ここは、ナイスアイデアで村の経済状況を復活させる。そうすれば、あちきさん、素敵、身も心も捧げちゃうってなる筈だ」

『自分で言ってて馬鹿だと思わない?』

 あたいの冷たい視線に対してアチキは、達観した表情を浮かべる。

「恋愛は、人を愚行に走らせるというから仕方ない」

『あんたのは、単なる欲望から来る希望的観測だと思う』

 あたいの感想を無視して、自分の妄想にふけるアチキであった。

玻璃蛇視線は、楽に三人称っぽい事も出来るので便利だわ。

今回出てきた穴銀貨について説明。

基本貨幣は、日本みたいな丸い硬貨の他に今回みたいに中央に穴が開いて居て紐を通す事で纏めやすい穴硬貨、前回出ていた板硬貨は、重ねて使う事に特化したのがあります。

それぞれ使い勝手が違い、露天とかでは、お釣りを出したり纏めたりに便利な穴硬貨がよく使われ、逆に店舗では、机に並べやすい板硬貨が使われる風潮があります。

因みにもっとも低価格なのは、粒銅貨で、殆ど加工してない粒銅で、一応十円ですが、庶民では、大きな買い物以外は、袋にいれたこれで済まされる事が多かったりします。

それにしても今回、アチキの幼女設定は、全く意味なかったな。

次回は、それを反省して山村で幼女設定を使うつもりです。

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