007 余人が居ない草原で『幼女な女神』が真相を語る
神様が語るこの世界の真実
「アチキさん、ありがとう!」
そう御礼を言ってくるサクッラちゃん。
あたいも鱗を通して確認しておいたが、領主は、サクッラちゃんの事を諦め、その上、税金も待つ事を約束したのだ。
「そう良かった。そうだ、お互いの親愛を籠めてほっぺにキスしましょう」
無理やりな子供っぽさを演出しながらアチキがそういうとサクッラちゃんは、素直に頷く。
「うん。ありがとね!」
そのままアチキのほっぺにキスをする。
今まで見た中で一番の笑顔を見せるアチキ。
その後、深呼吸をして落ち着いてから、欲望丸出しの顔でサクッラちゃんのほっぺにキスをするのであった。
『あれは、なんなんだ?』
チェリとパチパチの森の中間の人気が無い草原であたいが問いかけるとアチキが不敵な笑みを浮かべる。
「幼女を相手にするのに一番必要なのは、忍耐力。蒼いその果実は、脆く壊れやすい。故に小さな事からコツコツと調教していく。最初は、ほっぺだが、次に唇。そしてそしてその次は……」
その言葉が遮られる。
「それ駄目だから」
声に振り返ったアチキが叫ぶ。
「幼女女神キター!」
飛び込むアチキの額にあたい等の神様は、容赦なく肘を打ち込み、撃墜する。
「あんたのやり方は、知っていたからね。ちゃんと制限をつけといた。幼女相手に性的欲求を籠めたお願いを出来るのは、一人に対して一度だけ。それも相手が心から望んで受け付けない限り駄目。無論、何かの交換条件みたいな脅迫の類も不許可。当然だけど、無理やりやろうとしてもその体は、動かなくなるし、二度目以降の要求自体伝えられないから」
流石は、あたい等の神様、抜け目がない。
『でも、こんなところに来ていて良かったのですか?』
普通に考えて、かなり拙い筈なんだけれど。
「ちょっと事情があってね」
そう口にするあたい等の神様だったが、その隙を突く様にアチキが魔法を使う。
『サンダーブレイク』
あたい等の神様がその直撃を受ける。
「ははは、油断したな。この世界の幼女に制限をつけていたが自らには、その制限は、なかろう。存分にその体を堪能させてもらう!」
勝ち誇るアチキの言葉をあたい等の神様は、肯定する。
「そうね、確かにその制限は、ないね。でもね、ここであちきが動けないとしてもね」
あたいに神様の力が流れ込んでくる。
『鏡域破壊』
周囲の空間に神気を籠めたプリズムを配置して、目的の一点に対して、神気増幅した光を撃ち出す。
この世界の生物どころか、下手な神様ですら滅ぼすあたいの必殺技である。
当然、アチキは、チリ一つ残っていない。
『滅ぼしてしまったんですが良いですか?』
「こんくらいで滅べる程、贖罪の束縛は、軽くないよ。それよりこれからが本題。敢えて一回だけ許したのは、この鬼畜の欲望を利用する為。欲望がある限り、幼女と関係を持ち続けるでしょからね」
神様の言葉にあたいが不思議に思った。
『直接来た事といい、今回、随分と力を入れている気がしますが、どうしてですか?』
小さくため息を吐く神様。
「実は、この世界かなり失敗なの。当初の目的では、様々な種族を住まわす事でお互いに干渉し合ってより高みに達する予定で、あまり力差をつけないようにしていたんだけど、そしたら種族ごとにあまり関係を持たず、そのコミュニティ内に弱者を求める様になっちゃったの。そんなもんだから発展どころか、緩やかな衰退が予測される状況。本来なら大掛かりの梃入れが入る所なんだけど、ここの世界の担当神、虹刻筆が頑張ってるのよ」
『確かにあのギルドタグとかマジックロッド、何より印玉なんかは、その神様の御力みたいですね』
あたいが見て来た物を告げると神様は、頷く。
「限られたリソースの中で上手くやってる。そうなってくると、下手にあちき達が干渉するより、失敗しようが虹刻筆に任せる方が虹刻筆の今後の為に良いだろうって事になっちゃったんだよ」
神様が眉を顰めていた。
『詰り、その神様の成長の糧にするからって、この世界を見捨てたって事ですか?』
あたいのストレートの言葉に神様が嫌そうに頷く。
「そういう事。そんなもんだからあの馬鹿女神も失敗世界だってこの馬鹿を押し込んだって訳なんだけどね。あちきとしては、まだ可能性があるのなら救いたいとも思って居る。だから、あの馬鹿の後始末に乗じて密かに梃入れする事にしたって訳」
『えーと救うのは、幼女だけで良いんですか?』
あたいの疑問に神様は、苦笑する。
「そりゃ、もっと多くの者を救えれば良いんだけど、そこまでやったらあちきの梃入れがばれる。さっきも言ったけど、コミュニティ内の一番の弱者って言うのは、ちょうどこの馬鹿のターゲットの幼女なんだよ。もっと小さければ親がきっちり保護するし、男だったら、この年頃になれば手に職をつける修行に入る。女でもこの上に成れば子供を作る為に重宝される。この幼女って微妙な処が一番、この世界の歪の被害を受けて居るの」
『色々と複雑なんですね』
あたいの感想にシミジミと頷く神様。
「そうなんだよ。本当に複雑。だから、あちきが干渉していると思われるのは、困るからあんた自身は、傍観者に徹してね。それと、もしもこの馬鹿が幼女への欲望も失って滅びる事だけを望み暴走した時は、確りと処分する様に。その為の核は、貴女に預けてあるから」
『了解しました』
あたいが了承を告げると神様は、この場から消えていた。
暫くすると神様の言う通りアチキは、復活する。
「幼女女神は、何処に!」
こんな五月蠅い、変態で鬼畜な馬鹿だけど、少しは、この世界の為になる様に導かないといけない。
「幼女!」
そうなんだが、かなり誘導するのは、難しい気がしてきた。
ただ、この馬鹿が幼女に対する欲望を失う姿は、想像できないのは、プラス要因なのかもしれない。
あの後、チェリの町に戻った時、サクッラちゃんから町の食堂で小銭を握りしめて卵料理を食べに来ていた子が白い猫に連れ去られたという話を聞いて、何か思い当たる節がある気がしたが、気のせいとしておこう。
アチキがこの世界で贖罪させられている真相でした。
口説くのは、一回限りって制限は、実は、次々と新しい幼女とトラブルを発生させる為のトリガー用です。
次回、猫耳幼女が出てきます




