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002 始まりの森で『全裸な幼女』に説明する

贖罪をする罪人に状況を説明します

 あたいが問題の世界に到着し、監視対象を発見した時には、既にそれの肉体は、完成していた。

『それにしても本気でこれって事は、こいつは、とことん外道だな』

 あたいの前に横たわっているそれは、正に幼女である。

 無駄な毛は、殆どなく、胸の膨らみは、僅か、普通の男性なら性欲を感じるとは、思えない幼い体形なのだ。

 こいつがこの姿って事は、こいつが前世で穢したのがこういう幼女だったって事になる。

 間違いなく死んで罰を受けて当然というか、どうしてこんなのを百八まで生かしたって向こうの寿命担当者に問い詰めたくなる案件だ。

 あたいが呆れているとそいつは、目を覚ます。

「ここは……、そうか! ここがロリロリワールドか!」

『違う! ここには、ターリロって名前がちゃんとある』

 突っ込むとそいつは、あたいを見て少しだけ驚く。

「喋るガラスの蛇が居るなんて、流石異世界!」

 説明も大雑把で異世界に送り込まれたっていうのにこいつは、何で平然としているのだろうか。

『異世界でもそれは、ない。あたいは、神よりあんたの監視役を仰せつかった玻璃蛇だ』

「あの幼女神の使徒!」

 目を輝かせられるこいつの神経が本気で信じられないが、そんな事より状況説明だ。

『お前は、この世界にその肉体以外、何も持たずに送り込まれた。不死で高い回復能力を持つ以外、空腹も苦痛もある非力な肉体でな』

 あたいが状況説明をしているのだが、こいつは、あたいの体を使って自分の姿を確認し始めた。

「なかなかの美幼女。これが自分じゃなければ徹底的に調教して喰うのにな」

 こいつは、自分が贖罪を受ける原因を理解していないな。

『そんな整った容姿も過去のお前がした様に変態の欲望を促すだけだ。そしてそれをその身に受けてもお前には、それで満たされる事は、神の名の元にありえない』

 あたいの通告に対してこいつは、手をパタパタさせる。

「はなっからそんなつもりは、ない。TSが流行っているみたいだが、そんなのは、喰うもんであって喰われるものでは、ない」

 何処までいっても下賤な奴だ。

『とにかく、お前は、この常識も何もかもが解らぬ世界で贖罪、穢した数だけ幼女を救うのだ』

「はいはい。とにかく幼女と会わないと何も始まらないって訳だが……」

 そういってこいつは、周りを見渡す。

「見事に人気が無い森だな。多少は、人の踏み入った後があるが、大型の肉食獣も居るから、幼女と遭遇するのは、難しいか」

『ちょっと待て、どうしてそんな事が解る!』

 全くの事前情報が無い筈なのに地面を指さして答える。

「足跡や草の折れ方とかみればそんくらいは、解るさ。さてと、お前の言葉からこの世界には、幼女が居る事だけは、確かであり、当然それは、遭遇可能範囲に居るって事だから、人里は、そう遠くないだろう」

 あたいとの僅かな会話でそこまで察したか。

 確かにこいつの言う通り、この森からこいつの現在ある体力で行けるギリギリの場所に人里がある。

 そこに到達するまでも多大な苦難があり、それも贖罪の一つである筈だ。

「まずは、食料の確保だ。空腹を感じるって話だから、このまま目的もなく動くのも駄目だな」

 そういうとこいつは、手近に落ちていた石を拾っては、他の石に叩き落していく。

 そうやっていく内に出来上がった尖った石を使って木の皮を剥ぐと幹の繊維をそぎ落とし、編み上げて丈夫な糸にしていった。

 その後、適当な枝を拾うとそれと先ほど作った糸を弦代わり簡易弓を作り出してしまった。

 他にも砕いた石に小枝を押し込み矢を作り出す。

 そうして準備をすませると、周囲の気配を探って、射った。

 歪な矢は、不規則な軌道をとりながらも身を潜めていた兎に命中してしまう。

 狩った兎を尖った石で血抜きを行うと新たな得物を求めて行動した。

 暫くすると、数体の草食動物の死体が並び、その中の鹿から毛皮を剥ぐとそれで簡素なワンピースまで作り上げていた。

「うーん、野性味があるが、いまいち可愛くないな」

 眉を寄せて文句を言っていたので突っ込む。

『見せる相手が居ないのにそんなのは、関係ないだろう』

「そんなことは、無い! 可愛いは、絶対正義なんだ!」

 その強い主張の根拠は、全く理解できない。

 そうこうしている間に夜になるが、枯れ木を使ってあっさりと火を点けて肉を焼いて食べ始めて居た。

『流石に生肉は、食べれないか?』

 敢えてそう尋ねると苦笑してくる。

「挑発しても無駄だ。苦痛があるって事は、毒も有効って事だろ? その状況で良く解らない肉を生で喰う訳ないだろう」

 気付いて居たか。

 それにしてもこいつは、都会暮らしだったと情報があったが、どうしてこんなサバイバル知識があるのか謎だ。

「幼女って奴は、何でも興味をもって知りたがるからな。どんな質問や要求でも答えられる様に最新科学から古代史まで学べる物は、何でも習得したのさ」

『その努力をどうしてもっと有意義な事に使えなかった?』

 あたいの疑問にこいつは、不思議そうな顔をする。

「幼女を喰う以上に有意義な事がある訳ないだろう」

 そこに一切の迷いが無い事がこいつが徹底的に最低な理由だろう。

 そんな会話をしている間にこの森での最大の難関がやってきたのにこいつも気付く。

「まあ、異世界転生だ、こんくらいは、ありだろうな」

 やってきたのは、電狼デンロウ、この世界の特徴、印玉インギョクを宿した獣、印玉獣インギョクジュウ

 額に付いた『電』と書かれた玉から電気が迸っているそれは、こいつを獲物と判断したのかゆっくりと近づいてくる。

 こいつは、あたいを見る。

「これが何だって聞いても答えてくれないよな?」

『これも贖罪の一つだ』

 あたいの答えにこいつは、平然と頷く。

「はいはい。この堂々とした態度からしてこの森の捕食者の頂点って処だな」

 そして今のこいつの身体能力と武装では、決して勝てない相手。

 ここで一度、死ぬかそれに近いダメージを受けて現実を痛感する事になるだろう。

 そうあたいが考えていたが、予想外の事が起こる。

 こいつは、電狼の電撃をあっさり躱し続ける。

「地面に積もった枯れ葉をみれば電撃の有効範囲なんて直ぐに解るからな」

 自分の得意の狩り、電撃で相手を痺れさせてからじっくりと止めをさすが通じないとなった電狼は、焦れて飛び掛かってしまった。

 その先にこいつが事前に用意していた獲物用の落とし穴があるとも知らずに。

 落とし穴に落ちて先には、尖らせた枝が仕込まれていて、それに突き刺さった電狼は、あっさりと死亡するのであった。

「コレは、高く売れるぜ」

 ニヤリと笑うこいつにあたいは、こっちの予定とは、大幅に変わる事を確信する。

無駄というか、犯罪者が必要以上にハイスペックです。

それと会話ですが、玻璃蛇は、テレパシーで鬼畜は、日本語です。

次回は、そこ等辺で色々ある予定

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