表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/65

Sid.29 チート持ちと認識された

 さて、単独で斥候が出てくると次は団体さんになるんだよね。

 治療が済むか済まないかで泉から次々、浮き上がってくるクラゲだ。さすがにそれを見たフラウやヴィーラの腰が引けてる。


「な、なんであんなに」

「ちょっと出過ぎでしょ」

「ヤバいな」


 普通はそう思うよね。僕もあれにはやられたけど、全滅させたからレベルが上がった。やられっ放しだと体を失うことになるし。ソロだとやるしかないんだよ。

 狼狽える面々を他所に僕だけ冷静。治療士さえ守れれば回復できるし。

 そこで指示を出すことに。リーダーじゃないけど経験者として。


「マサさんはフラウさんを守ってください。ヴィーラさんの精霊って一度に全属性呼べるんですか?」


 ちょっと驚いてるようだけど、落ち着いた感じに見える僕を見て「分かった、俺はフラウを守る」とマサが動きヴィーラは「四属性全部出せるけど」と言う。

 ただし全属性の精霊を呼び出すと、三十分間、一切呼び出せなくなるらしい。

 充分でしょ。


「じゃあ全属性で攻撃してください」

「えっと、分かった」


 マサがフラウを包むように盾を使い守り、ヴィーラが全属性の精霊を出す。

 精霊は勝手にクラゲに攻撃をして次々葬ってるようだ。他のクラゲはフラウに攻撃をするようだけど、マサが盾になっているから攻撃を食らうのはマサ。

 痺れると治療をするフラウが居て、余裕ができると攻撃を食らうヴィーラの回復もする。


 当然だけどヴィーラへの攻撃も激しくなる。

 その攻撃は僕が体を張って守れば問題無い。すでに電気クラゲの電撃は静電気程度だし。痛みはあっても痺れはしない。僕のことは回復しなくていい、とも言っておく。

 続々泉から湧いてくるクラゲだけど、ヴィーラの精霊が倒せるのは、一度の召喚で各々十匹までだった。

 残りは僕のエルドクロットで倒すと、総数六十匹で打ち止めとなったようだ。


「終わった、のか?」

「なんか凄まじかった」

「ヒロトって」


 クラゲの攻撃を食らい続けて平気なのかと。

 それと魔法の威力が凄まじすぎると驚かれる。エルドクロットは連射速度や弾速もそうだけど、ついに思念で追尾させることもできるようになった。

 曲がれと念じれば曲がる。目標を定め追尾しろと念じると、しっかり追尾し逃げるクラゲを落としてたし。


「レベル上昇で使い勝手が良くなっただけです」

「それでも凄すぎる」

「魔法使い並みに凄いじゃないの」


 剣士の腕は相変わらず半端だけど。こればかりは鍛錬するしかないんだろうな。


 イレクトリコスを倒しきったら町に戻る。

 帰りの道中、ネブマデンドロは接近戦だと殴られる。ヴィーラは召喚できないってことで、ジーベンスで十本ほどを倒すと、ここでもやっぱり驚かれるし。ジーベンスの威力まで上がってるから僕も驚いた。


「威力が凄すぎる」

「僕も驚きました」

「レベル上昇で威力が上がるのは分かるけど」


 驚愕の表情をされるやら感心されるやら。


「リーダーはヒロトがいいだろ」

「僕には人を纏める経験がないです」

「さっき上手く行ったぞ」

「たまたまなのと敵を知ってたからです」


 謙遜しないでリーダーをやればいいのに、だそうだ。もっと経験してからでも遅くないでしょ。間違った判断を下せばみんなに迷惑が掛かるし。

 まずはみんなと上手に連携が取れるようになってから。その上でリーダーに必要な経験を積めばね。僕には荷が重いと思うけど。


 森を抜けて街道に出ると頭が二つ、足が六本の犬?

 犬にしては体が昆虫みたいな。


「ディオケファイアだ」

「なんです、それ」

「見た通り頭が二つある犬のモンスターだ」


 危険なのかと聞けば炎を吐き強固な装甲を持ち、動きの素早さがあり中堅冒険者でも、相当手古摺る相手だそうだ。


「こんなところに出るなんて」

「あたし召喚できないんだけど」

「俺が炎を防ぐからヒロトが攻撃を」


 マサが盾を構えるや否や、火炎放射器の如く二つある頭が、交互に炎を噴射して来る。それを盾で受け止めるけど、相当な熱量なのか盾が持ちそうにない。

 ヤバそうだ。

 僕の魔法が通じるかどうかは分からないけど、ジーベンスで麻痺してくれれば手の打ちようはある。


「ジーベンス!」


 轟音と閃光が走り直撃すると、跳ね上がるような形で六肢を広げ、そのまま倒れる犬が居た。

 感電したんだろうけど、これで麻痺した?

 剣を抜き駆け寄り上段から振り下ろそうとしたけど。


「死んでる」


 そのまま地面に吸い込まれるように消えた。

 一撃?

 弱すぎない?


「ヒロト」


 呼ばれて振り返ると呆れた表情の面々が居る。

 その理由は分かるけど。中堅冒険者が手古摺る相手を一撃だもんね。ジーベンスの威力も相当上がってるし、エルドクロットも使い勝手が良くなったし。

 一般的なレベル三十の魔法使いより、僕の魔法の威力は極めて高いんだろう。

 これも神の加護のお陰だだろうけど。あとで教会に行って感謝の祈りを捧げておこう。マリッカにも会いたいし。


 みんなに合流すると「レベルの違いより威力が」とか言われた。


「チートだな」

「だよね」

「まさにチート持ち」


 神の加護がチートなのは理解してる。さらに寵愛を受ければ無双できるんじゃ?

 まあ期待しないでおくけど。変に期待すると要求してるのと同じ、って言ってたし。ここは謙虚に感謝すればいい。


 町に戻るとセヴェリさんとトゥオモさんが、こっそり耳打ちして来る。


「仲間とはどうだ?」

「こいつらはヒロトと同じ人種か?」


 頷いておく。僕の話を聞いているから蔑むことはない、と思う。


「じゃあれか、神の加護を得られるのか?」

「それは分かりません」

「まあでも悪さをしないならな」

「見下さないならいいけどな」


 僕が仲間に選んだ冒険者なら心配は要らないのだろうと。

 セヴェリさんが恐る恐るマサに話し掛けるみたいだ。


「なあ、町の住人をどう思ってるんだ?」


 聞かれた意味を理解しないのか「どうって?」となってる。すかさず僕が割入ってマサに町の住人を蔑まないのか、ってことだと思うと言うと。


「そんな意味がないことはしないけどな」

「本当に?」

「同じ人間だろ。何で蔑む必要があるんだ?」


 セヴェリさんとトゥオモさんが僕を見て笑顔になった。親指を立て「いい仲間だな」だって。

 まだわからないけど他の冒険者とは違うと思う。

 ギルドに向かうと僕だけ呼び止められて「戻りが早かったが問題があったのか?」と聞かれ順調でしたよ、と言うと安堵したようだ。二人は僕のことを心配してくれるんだよね。

 だから僕も二人を信頼してる。いい人たちだし。


 一旦ギルドで魔結晶の換金を済ませるけど。


「ヒロトさん。まだ時間あるんですよね」

「えっと教会に行きたいんで」

「またマリッカですか?」

「祈りは捧げておきたいから」


 顔を天井に向け「すっかり信者だ、しかもマリッカの」じゃないっての。

 マサに向き直り教会へ行くので解散しますか、と言うと。


「俺らもいいかな」

「そうだよね。祈りは捧げておきたいし」

「感謝しないとね」


 まあいいか。今はまだ欲が透けて見えるけど、本当に感謝できるようになれば希望はある。

 四人で教会に行くとマリッカが驚いてるなあ。


「あの、そちらの方は?」

「僕の新しい仲間です」

「女性も居ますね」

「問題無いです。冒険者仲間なので」


 祈りを捧げたいと言うと。


「ではこちらへ」


 先導され全員が祭壇の前に立つ。祈りの形も三人に教えるマリッカだ。

 そして簡易形式の祈りをする三人。僕とマリッカは正式な祈りを捧げる。

 祈りが済むと寄進だけど僕からは遠慮するんだよね。他の三人からは一スレブロずつ受け取っていた。

 寄進が済むと僕の手を取り見つめるマリッカが居るんだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ