7-9.おっぱい祭り(前編) ※エロ回とかじゃありません。いつも通りのバカ話です
何故か最近になって、俺がこの世界に来た時のこと……と言うか、横浜からこの世界に来る時のことを朧げに思い出してきた。
たぶん、ディアガルドの迷宮に行くときの感覚と、俺がこの世界に来た時のワープ?と感覚が似ているのだと思う。
迷宮の行き帰りでゲートを通るとき、なんとなく女のイメージを思い出すことに気付いて、ずっと気になっていたのだが、よくよく考えてみると、横浜に女が来たような記憶があるのだ。
俺はこの世界に来てからずっと、どこかの誰かが勝手に俺をここに連れてきたのだと思っていた。
……が、思い出した記憶だと、俺は自分でここに来ることを決めた……ような気がするのだ。
聞いてた話では、転移する竜と言うやつに連れてこられたはずなのだが、俺の記憶では女が来て、俺が自分でここに来ることを決めた……という流れだったような記憶……というか、感情……を覚えているのだ。
なんで今頃こんなことを思い出すか……はだいたい見当がつく。
フラグが立ったのだ。
たぶん、これも転移する竜と言うやつの仕業なのだろう。
イグニスにでも聞いてみよう。
今なら、何か教えてくれるかもしれない。
そんなことを考えながら、日課のストーンサークル周辺を歩き回る簡単なお仕事をする。
なんか、後ろをリーディアが付いてくるが、たぶん見張りか暇つぶしかどちらかなのだろう。
俺は神殿跡地、つまりストーンサークルでは浄化の能力が使える。
浄化するぜ!とか思わなくても特に魔力が何とかも無く、影響範囲内は浄化される。
これは竜の仕様みたいなので、やはり俺は人間ではなく竜なのだろう。
この能力が住民に知られてしまって、俺は恥ずかしがり屋のトイレの神様になってしまった。
秘密にしてたつもりの浄化の能力が即効バレてて、浄化の範囲内にトンネル掘ってトイレが作られてたのだ。
そしてトイレが浄化されると俺への信仰心が上がると言う謎のシステムで、俺はどんどん神様みたいになって行くのだ。
それはそうと、浄化効果が地下にまで及ぶとは俺も知らなかったのによく気付いたな……と思った。
井戸に効くのだから、地下にも効く可能性はありそうだが、誰が試そうと思ったのか。
ここは高台になっていて、麓に横穴掘られても死角になってて気付かないのだ。
はじめはただの横穴だったはずだ。
今は公認……したつもりはないのだが、堂々と豪華な公衆トイレが建設されている。
俺が豪華なトイレ建設を見ているとリーディアが「あなたが居るだけでこれだけの人が集まり、町が作られていく」と言った。
コイツは俺が凄いという意味で言っているのだろうが、俺は神とか勇者とかそういうのはめんどくさいので嫌なのだ。
「俺が死んだ後どうするんだろう?」と言うと、リーディアは「あなたの町です。
私が必ず守りましょう」と言った。
こいつは、ちゃんと俺が死んだ後のことまで考えてるのだ。
エスティアとリナが帰ってきた。
洪水のあと、水がどこに残るのか調べてもらっているのだ。
トート森と違ってここは勾配が無いので、洪水の後の排水が難しい。
町の周りに堤防は作ったものの、大雨が降った後はこの一帯は巨大な水たまりになる。
町は平気でも、水が引くまで外部とのやりとりができないので、水路を作って流せるなら水路を作ろうと思って調べているのだ。
エスティアとリナが戻ってきて俺の見張りから外れたのか、リーディアが剣の素振りを始める。
俺の能力のいくつかは、効果が気力に比例する。
少年漫画のキャラみたいに気力が上がると強くなるのではなくて、寝てても効果が出るのに、凹むと効果が落ちる。
浄化もそういう特性の能力の1つで、俺が凹むと遠くのトイレから順に浄化が効かなくなる。そのせいで俺が凹むと住民に気付かれる。
リーディアが剣の素振りしてるので、真面目なやつだな……と思って見てると、エスティアが「そんなに大きいおっぱいが好きなの?大きいと良く揺れるもんね」とか言ってくる。
素振り見てるだけなのに、揺れる乳を見てたとかわけのわからない言い掛かりを付けてくるのだ。
日頃は優しいのだが、エスティアは変なスイッチが入っちゃうと、わけのわからないお説教してくることがあるのだ。
「乳なんか見てねーよ」
「それじゃ、何見てるの?」
「まじめに訓練してるなって感心してただけだ」
とかやりとりしてたら、住民がやってきて、「エスティア様がお怒りに」とか言ってた。
なんで、底辺の冒険者風情が様付けになってるんだよ。
とりあえず、今日は理不尽なお説教を受けずに済んだ。
住民にも浄化が効かなくなるのはエスティアのせいだってバレてて、エスティアを止めに来るのだ。なんか羊羹みたいな食い物持って。
こないだはエスティアの怒りを静めるためのおっぱい祭りが始まってびっくりした。
この世界の女はよく裸になる。
堤防作るのに、肉体労働なので半裸になって働いてる人もけっこう居る。
なので、なるべく昼間は出歩かないようにはしてるのだが、たまに目に入ってくることもあって、慌てて家に入ったら、たまたまリーディアが着替え中だったりして、事故で見えちゃっただけなのにエスティアが凄い怒るのだ。
リーディアが「私の裸が見たければ、いつ見ても良いのだぞ。夫婦だからな」とか言いながら、凄い勢いで服着てた。
コイツはどういう訳か、そっち方面はさっぱりなのだ。
この世界の女にしては珍しい。
で、リーディアが裸見ても良いとか言うからエスティアがますます怒る。
そのせいで俺が萎えると浄化が効かなくなって住民がエスティアを鎮めにくるのだが、今回は何故かおっぱい祭りが企画された。
エスティアはリーディアの巨乳が引き金で怒ってるのに、おっぱい祭りしてどうするんだよ!と思った。
びっくりするほど大きなイベントで気合いは入りまくりで露店も出た。
観客もどっからそんなに人出てきたんだよ!と思うくらい大量に集まって……と言っても、人数で言ったら日本に住んでた時の感覚では幼稚園の運動会ってレベルだが、この世界でこれだけ人が集まるってのは、かなりの大規模行事だ。
観客はほとんど女だ。
ここでは労働者は女なのだ。
元々人口構成的にも女が多いが、この町は今はまだ職人さんとか労働者がほとんどで家族持ちはあんまり定住してないので、とにかく男が少ない。
それでもちらほら男も見かけるようになってきた。
この地方にはウグムの踊りと言うのがある。
ただの踊る人の伝説で町同士で、どっちが本物か揉めるほどの土地なので、何故か住民はこの踊りに誇りを持っていて元々この近辺に住んでた人はだいたい踊れる。
やっぱりおっぱい祭りでも、この踊りなのだが、おっぱい祭りで踊る割にここの踊りはボヨンボヨンしない。
胸をボヨンボヨンする踊りはダルガノードのやつで、ウグムの踊りはそんなに激しくない微妙な感じのやつだ。
娯楽に溢れた日本に住んでた俺からすると、この世界の踊りは大概のものは中途半端で微妙なものに見える。
ただ、ウグムの踊りは微妙な踊りなのに洗練されてるのだ。
洗練された微妙さ。これは見慣れると、微妙な感じが悪くない。
急遽集められたので衣装もバラバラだし、ぜんぜんリズムも合わないけど、とりあえず20人くらい女が踊って、その中から俺が好きなの選ぶ儀式ってことになっている。
儀式なので、変なルールがある。
好きなのを選べと言って、女たちが輪になって、少しずつ回りながら踊るので、俺の前に好きなのが来たら合図すると、その娘が真ん中で他の娘がバックダンサーになって、俺がその真ん中の子の胸を触って倒れる祭りだ。
……で、俺はエスティアを選ばないとダメなのに、他の子も俺の前に来ると、すげー頑張って踊るのだ。
なんか健気で、もうこの娘にしちゃおうかなとか思うんだけど、そうするとリナにバレるみたいでなんか殺気を感じるのだ。
リナが俺の後ろで、見張ってるのだ。
いや、20人集めなくても、普通に俺がエスティアの乳触って倒れればそれで済むだろ!!!と思った。
テーラも混ざって踊ってるんだけど、地味に練習してるから無駄にうまい。
しかも俺の前に来ると、さらに激しく踊る。
絶対テーラが選ばれると思ってる風なのだ。
この儀式、俺はエスティア選ばないと駄目なんだよ!
なんかテーラ選ばないと呪われそうだけどスルーしたら、テーラの踊りが萎れた感じになった。
俺は恐ろしくなって逃げたくなった。
見物人の中に乳ボヨンボヨン揺らしてるやつが居ると思ったらキャゼリアだった。
わざわざ見に来たようだ。助手もやってるけど、助手のは揺れない。
まあ、サイズ違うから同じテンポでやっても揺れない。固有振動数的な意味で。
健気に踊る娘達見ながら、なんかもうめんどくさいし健気だから、全部まとめて選んじゃおうかと思ったらやっとエスティアの番が来た。
他の娘の見せ場が終わって最後にエスティアの順番が来るのだ。
エスティアは自分が選ばれるの知ってるから、凄い幸せそうな顔してて、出来レースなのになんで幸せそうな顔してるんだよ!と思いつつエスティアを選んだ。
なぜなら、ここでスルーするともう一周見ないといけなくなるからだぁっ!
予定通り、エスティア以外がバックダンサーになって、暫く踊って、やっと踊りが終わった。
エスティアがすげー嬉しそうな顔してて、なんでこんな出来レースで嬉しそうな顔すんだよと思いつつも、やんないと終わらないので仕方なく「一番踊りの上手なお前に決めた」とか言わされて、もうその時点でおなか一杯なのに、なんか注目されながら乳触らなきゃならなくて、もう触る前から倒れるかと思った。
公開死刑かと思った。俺はもうここに居るのが嫌になった。
座ってる状態で力が抜けて、ヘナっとなったらちょうどエスティアの胸に俺の顔が当たって、乳触って倒れたことになった。
もうそれでいいよと思ったら、
俺が倒れると、いつもエスティアに羊羹みたいなの持ってくる人が「神の怒りが静まった!」とか言う。
怒ってたの俺じゃねーよ、もうエスティアが神でいいじゃねーか!と思った。
倒れた後の俺は何故かバックダンサーの方々に揉みくしゃにされた。
参加したご褒美とかそういうやつらしい。
踊りまくった後の汗まみれの女たちに。
俺はタオルじゃねーよ。すげー、俺に何の得も無い!!
しかも、何故か無駄に踊った女たちの俺への忠誠心が上がった。
「トルテラ様のために踊りをいっぱい練習します!」とか言って、だから、それ、ぜんぜん俺のご褒美になってないんだよ!
何妙に不機嫌なリナが追い払ってくれたが、お礼にリナの買い物に付き合うことになった。
なんかいろいろ負の連鎖が続いて、俺はいつもお礼ばかりしてないといけないのだ。




