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少女は運命に殺された  作者: Philia
Chapter1
28/60

Ep.25

「うーん、行き詰まってしまいましたね! 一旦今回の事件のおさらいをしてみましょう!」


 捜査に行き詰まった少女たちは、サクラの号令でもう一度事件をまとめる。


「まず、ウミさんが最後に見られたのは、三日前の夜。私たちがキヨさんの看病をしていたときですね! そしてそこから一昨日に私たちが、昨日にキヨさんやノノミさんが物置部屋を確認して、死体はなかった。そして今日、物置部屋でウミさんの死体が発見された、というわけですね! この場合は犯行が行われたのは昨日のノノミさん達が物置部屋を去った後、ですが、その時間帯には全員がアリバイを持っていた、という感じですね! 唯一アリバイがなかったスライムさんも、たったいま否定されましたし」


 サクラのまとめが入る。このままの状態では、だれも犯人ではないのにウミが死んでしまっているという状態である。そんなことは……自殺以外あり得ない。


「ねぇ、まさか、自殺っていう可能性は……?」


 思ったことをそのまま口にする。しかし、帰ってきたのはサクラによる想像よりも否定的な言葉であった。


「ん~、それだと、わざわざ私たちから二日間も逃げた上、こっそり物置部屋に入って自身を痛めつけながら自殺したという、もっとおかしなことになりません?」

「う、たしかに」


 ぐうの音も出なかった。


「……一応、三日前の夜のアリバイも聞いておこう」


 ルゥが呟く。


「そうですね、私とアズキさん、ユイさんはヒナタさんが寝てしまったのでそのまま牢屋にもどりました! その時すでにケイさんとヒビキさんも居たはずです」

「そうそう」


 サクラの言葉にケイは賛成し、ヒビキも頷く。


「私はキヨが見えなくなってからノノミとマコトに混じって部屋の片付けをしてた……そのあとはまっすぐ牢屋に帰って寝たね」

「そうです」


 ルゥも同じようなものだ。


「私は寝ちゃってて……ちょっとだけ起きた時に目の前のベッドが空いてたと思っちゃって、そのまま寝ちゃったな……」

「……私のベッドに潜り込まれた」


 ヒナタは申し訳なさそうに言う。キヨからすればさぞびっくりしただろう。


「ふむ、空いたと思っていたですか……」


 サクラがブツブツとつぶやいている。


「やっぱり、犯人なんていないんじゃ……」

「いや、私、わかりました!」


 突如、サクラが思いついたかのように話す。


「やはり、ウミさんが殺されたのは昨日じゃありません! 三日前なんですよ!」

「え、でもそれって……」


 皆にはアリバイがある。ノノミがそう言葉を続けようとした。


「いや、アリバイがない人がいるじゃないですか! 二人!」


 そういって、二人を指差す。


「ヒナタさんと、キヨさんが!」

「ええええぇぇ!」

「……?」


 ヒナタは驚き、キヨは理解できていない。


「どういうことか説明してくれるよね?」


 ルゥが二人をかばうようにサクラへと問いかける。


「はい、説明してあげましょう! よくよく考えてみてください、ヒナタさんは三日前の夜、キヨさんのことを認識していないんです。そしてキヨさん自身もヒナタさんが寝ているところを見ているだけなので、証明ができないんですよ!」

「え、でもアレは多分見間違いで……それにサクラちゃんもキヨちゃんからのメール受け取ってるでしょう?」


 それは、キヨがサクラに送った、布団に入られたというメールだ。


「はい、ですがそれは、ヒナタさんがキヨさんのベッドに潜り込んだ時、キヨさんがそこにいる必要はないんです。たとえばヒナタさんが寝ぼけてベッドに潜り込んだ後、キヨさんの方からベッドに戻り、メールをする。これだけでその状況が作れるんですよ」


 たしかに、サクラの言うとおりであった。


「つまり、犯行は三日前の夜、ヒナタさんが寝た時に医務室から抜け出したキヨさんがウミさんを殺害したんですよ!」

「んー、ちょっと待ってください?」


 しかし、その発言に待ったをかけるのはマコトだ。


「なにかおかしかったですか?」

「たしか、死体の情報的に刃物……というか剣が使われたんですよね? たしかキヨ……ちゃんの剣は重すぎて持てないみたいな話があったような……」


 それはかなり昔に話題になったことだ。噂がまわってマコトの耳にも届いていた。


「ああ、それなんですが、今日調査した時にキヨさん……『悪魔』の数字を示す剣の重さは普通になっていたんですよ。ただ『死神』の数字を示す剣は重すぎて持ち上がらなかったので、まだ何かしら条件はありそうですが!」


 しかし、すでに剣は持ち上げられるようになっている。マコトの反論は、正当性がないものであった。


「そう、か……」


 マコトは何も言えずに引き下がる。


「そう、つまりは犯人はキヨさんです!」


 サクラの一言が、裁判所全体を包んだ。

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