↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
事故に遭いました~俺って全身不随?でも異世界では元気ハツラツ?  作者: サクラ近衛将監
第三章 新たなる展開

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/56

3―3 広島へ その三

 シレーヌ号を厨子が浜海水浴場の沖合にて錨泊させたら、早速に色々と準備をしなければならない。

 シレーヌ号の甲板の舷側は結構高いので、海面に降りるにはちょっと不便なんだ。


 そのために、甲板の船尾部に海面からでも乗降できるような低いプラットホームがある。

 そこに事前に準備していた、大きめの浮体二つを膨張させて係留することにより、水遊びをしやすくするとともに、休憩所として使うことにする。


 この浮体の一つは、オーニング(日覆い)がついていて、日陰ができるタイプ。

 もう一つはオーニングの無い浮体だね。


 今日の天気は快晴まで行かずともよく晴れた天気だから、多分午後二時かそこらには摂氏34~35度まで上がるんじゃなかろうか。

 日焼けしたい人は、後者のオーニングの無い浮体、日焼けをしたくない人は前者のオーニングのある浮体を利用することになるだろうね。


 こいつは、スキューバダイビング用のボンベから空気を充填して膨らませることにする。

 一応、手動のポンプもあるのだけれど、こういう時にはスピードが肝心だからボンベの空気を使う。


 因みに、シレーヌ号には、充填済みのスキューバダイビング用のボンベ4本が搭載してあるからね。

 必要とあればスキューバダイビングもできるけれど、今日は飽くまで御接待だから、自分の楽しみは別の機会だね。


 後は、船外機付きゴムボートを浮体の脇に係留し、緊急の際の救命用具一式を準備しておけば、一応の準備はおしまいだ。

 因みに、瑠偉嬢のご両親は軽装に着替えてはいるようだが、泳ぐつもりはないようだ。


 他の人達五人は、一足先に水着に着替えているね。

 余りじろじろと見てはいけないんだろうが、瑠偉嬢は見事な体形をしているね。


 出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。

 うん、ファッションモデルというよりは、グラビアモデル体型と言っても差し支えないだろうね。


 他の四人の娘達の魅力が左程に劣っているとは云わないけれど、やっぱり瑠偉嬢が一番イイね。

 俺も、早速、男子用の更衣室(ゲストルー-No2)に入って海パンに着替えねばならん。


 因みに錨泊してから、皆が集まったところで確認したところでは、泳げない人は居ないようだが、「砂浜まで約250mほどあるけれど、泳げる自信のある人は?」と聞いたら、瑠偉嬢と須藤美恵嬢の二人だけが手を揚げたが、残りの人は泳力に左程自身が有るわけではなさそうだ。

 小中高のプールで泳ぐのは、体育の授業の一環であり、水泳部にでも入っているのでなければ、長距離を泳がせることはしないからね。


 体育の授業では一回当たり精々100mを泳ぐことぐらいしか練習をしていない筈。

 まぁ、それでも、上級者は授業中に何回かに分けて500m以上を泳ぐこともあるようだが・・・。


 そして、船の上から見る厨子が浜海水浴場の海浜は結構近くに見えるんだが、レーダーでの距離では250m前後を示しており、その距離を教えると泳力に自信の無い人はしり込みしてしまうようだね。

 で、お助けマンでは無いけれど、手首に取り付けるタイプの救命胴衣を全員にプレゼントだ。


 泳ぎの上手な人でも足がつったりすると溺れかねないので、念のための救命策で、万が一の場合は瞬時にガス圧で浮体が膨張する仕掛けのものだ。

 こいつは泳ぎにはほとんど影響を与えない代物なんだ。


 錨泊している場所の水深は10m以上もあるからね。

 足は当然に立たない。


 一応、絶対に溺れないという自信のある人は使わないでも構いませんと言ってある。

 それと学校でバタ足の練習の際に使うボードも用意していた。


 これが有れば長時間浮いていることも楽なはずだ。

 泳がないご両親には、別途飲み物とお菓子を出しておいた。


 因みに最上家は、代々下戸だそうで、誰も酒を飲まないとのこと。

 城野奈美嬢と河内理沙嬢が多少は飲めるらしいが、須藤恵美嬢も飲めないそうだし、未成年は論外だよね。


 今日の運転手は、最上洋一氏と、最上宗一氏の二人のようだから、飲酒運転の心配は無くなった。

 だが、瑠偉嬢には酒は進められないということだね。


 機会が有れば、福山で行きつけのスナック辺りを紹介しようかとも思っていたが、この案は放棄した方が無難だな。

 クーラーボックスに入れた清涼飲料水やおやつ程度の御菓子類も浮体に持ち込んで、船上で若干の柔軟体操をしてから海水浴の始まりだ。


 取り敢えず、正午までは自由な水泳時間。

 とは言いつつも、各人の判断で適宜に浮体や船上に上がってもらって、休憩はフリー。


 正午頃からは船内で昼食にする予定だ。

 お父さんは、船首側で釣り糸を垂れており、麦わら帽姿のペアルックで奥様が傍に寄り添っているね。


 余り大音量にならない程度にFM放送でBGMを流しているよ。

 周辺で何かあった場合の臨時ニュースもすぐに聞けるだろう。


 ◇◇◇◇


 ウチは最上美耶、17歳。

 ぴちぴちの女子高生だよ。


 今日はお姉ちゃんの誘いでクルージングと海水浴に来ている。

 広島の観音マリーナと云うところに到着して、皆で待っているところに、精悍(せいかん)な顔つきの若い男性が現れた。


 どうも、この人がお姉ちゃんの恋人候補らしい。

 なぜ、恋人候補かというと、これまでお姉ちゃんが若い男性を紹介したことが一度も無いからだ。


 祖父母を除く家族に見知らぬ男性を紹介するということは、この人と付き合いますという宣言と同じことでしょう。

 で、この男性、従業員が30名足らずのヴェンチャー企業の社長さんだそうで、矢田健司さんと云う27歳の人らしい。


 お姉ちゃんと5歳違い・・・、まぁ、許容の範囲内でしょうね。

 但し、この人の会社を念のため調べたら、昨年半期の売上高は、170億円を超えていたよ。


 できて一年程の会社のはずだけど、何だかとんでもないヴェンチャー企業みたいだね。


 だから、クルーザーなんかも持てるんだと思ったよ。

 今日の海水浴場へのクルーズに参加するのは、お姉ちゃんを含めた家族5人と、お姉ちゃんの知り合い三人の合計8名。


 これに、当然矢田さんも加わるから総勢で9名?

 小さなクルーザーだと居場所が無くなるかもしれないと思っていたら、お姉ちゃんの話では、とっても大きな船で寝室が三つもある立派な船なんだって。


 ウチは船自体に余り乗ったことが無い。

 中学の修学旅行で松山に行った時に乗ったスーパージェットに往復乗っただけなんだ。


 松山行きのスーパージェットは、速力が約50キロぐらい出て、定員は99名だった。

 修学旅行中の感想文を書かされたので、調べたことが有るから良く知っている。


 なんか割高のスーパーシート席も二階にあるようだったけれど、ウチらは、一階の普通席に団体さんで乗船。

 広島から松山まで、1時間を超えるけど、普通のフェリーの半分の時間で着けるから倍ほども早い船でした。


 さて、お姉ちゃんの恋人候補の矢田さんが持っているクルーザーはどんな船なのかな?

 この矢田さんと云う人は、お姉ちゃんの友人が福山で結婚式を挙げるので、同じく友人の城野さんと一緒に福山に行った際に宿泊していたホテルで、外国人の暴漢に刃物を突き付けられて人質状態になっているところを、たまたま、矢田さんに助けられたらしいし、新聞にも載っていた。


 何だかあっという間に2m近い大男を伸しちゃったんだって。

 助けられた当のお姉ちゃんが良く分からないうちに全てが終わっていたんだって。


 じゃけぇ、もしかして武術の達人?

 それにこの矢田さん、フランス語がペラペラらしいよ。


 我が家もそれなりに金持ちの部類かも知れないけれど流石にクルーザーやモーターボートは持っていない。

 船は維持費がかかるんだって。


 マリーナに預けたら保管料だけで結構な費用が取られるし、メンテナンスも大変。

 車の車検と同じように船検が有るみたい。


 大きな船だと、乗組員が別に必要だとも聞いているし・・・。

 マリーナハウスで矢田さんと会って、自己紹介をし、すぐに浮桟橋についていたクルーザーにご対面。


 うん、でかい‼

 長さは18m越えらしいけれど、50人程度が乗れる高速バスよりも大きいんだよ。


 浮桟橋からちょっと見上げる船は本当に大きく感じた。

 チョットした家ぐらいはあるような気がするよ。


 それに中古船だってお姉ちゃんから聞いていたけれど、新品と言われても可笑しくないぐらい、どこもかしこもピカピカなんだ。

 タラップを使って乗船した船内も広い。


 9名ぐらいなら余裕では入れちゃうぐらいのリビングゾーンがあり、小さな台所や冷蔵庫までついている。

 冷蔵庫は6ドアの結構大きな奴だし、電子レンジもついていたよ。


 矢田さんがすぐに出港準備にかかって、お姉ちゃんが船内の案内役を勤めて皆を順次案内する。

 通路が狭いから、半分ずつ二回に分けていた。


 お姉ちゃんが第一陣を案内している間にも船が動き出した。

 この船、前後に動くんじゃなくって横移動もできるみたい。


 凄いね。

 運転している矢田さんに聞いたら船首部と船尾部にスラスターという欲向きのジェット水流を出す装置が付いているので、操縦席のジョグシャトルで自由に船を動かせるみたい。


 その場で360度回転することもできるらしい。

 マリーナの中は狭いからね。


 船を自在に動かせないと衝突しちゃう。

 車の駐車よりも難しそうだ。


 でも、ちゃんと水路を伝って広い海へ出た。

 天気は良いし、海もさざ波程度でとっても平穏、マリーナの出口を出ると船はぐんと速力を上げたみたい。


 船尾から出る水流で船の速さが実感できる。

 矢田さんに聞いたら、最高速力は32ノットぐらいだけれど、今日は28ノットで厨子が浜海水浴場に向かうそうだ。


 事前に調べたら、今日行く厨子が浜海水浴場は山口県になるんだよ。

 坂町にある海水浴場に比べると随分遠い(陸上から行くと拘束を使っても約2時間ほどかかる)けれど、砂浜の綺麗な海水浴場として全国で選ばれた88箇所のうちの一つらしいし、水質がきれいなんだって。


 坂の海水浴場はいろんな設備が整っていて、広島や呉が近いから大勢の客が集まるけれど水質が今一なんだって。

 海水浴ができないほど悪いわけじゃないけれど、厨子が浜と比べると雲泥の差が有るみたいだね。


 但し、坂の海水浴場は集客力は大きい。

 じゃけい、込み合った場所で、ガールハントやボーイハントをするなら、坂の海水浴場が良いのかもしれないね。


 レジャー施設もそれなりにありそうだし・・・。

 ウチは第二陣で船内の見学をしたよ。


 船内には本当にツインの寝室が二つあり、大きなキングサイズのダブルベッドの寝室が一つあった。

 内装もきれいだったよ。


 至る所に、扉のついた収納棚があり、船内で使用する色々な品物が有ったね。

 それぞれの寝室にはトイレがついていた。


 ちゃんと水洗だし、*ォシュレットタイプの便座がついている奴だ。

 それと風呂は流石に無かったけれど、シャワールームがついていた。


 海水浴の後に海水の塩っ気を流すのに使えそうだね。

 後でわかったけれど、船尾の一段低いプラットホームにも簡易なシャワー設備があって、取り敢えず真水で流すことはできるんだそうだけれど、シャワールームのシャワーは温水が出る本格的なものらしいよ。


 お姉ちゃんも一度矢田さんに案内されただけで詳しいことは知らないみたい。

 でも船内は、操縦席と機関室以外は、自由に使っても良いそうだ。


 後部にあったツインのベッドのある部屋二つが割り当てられて男女の更衣室になりました。

 ちゃんとクローゼットもあるから、着て来た衣装はそこへ納められるね。


 但し、到着は1時間ほど後のようだから、水着に着替えるのはもう少し後にしよう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。