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クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った  作者: 星野林


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ヤシマ王国に向かって

 異世界転移して4ヶ月が経過した。


 綾乃と初の性行為をして3週間が経過したとも……。


 あれから俺達は週5ペースでダンジョンの70階層を潜り続けて、毎回2億シンク超えの金を稼ぎ続けていた。


 途中でいちゃもんを付けてくる上位の冒険者……バトラーが所属していたあのクランマスター率いるパーティーが俺達に嫌がらせをしてくる場面もあったが、その頃には貯金がもう貯まりそうだったので、


「頑張ってるの今だけだから、そんなあなたの稼ぎを邪魔するような事してます? してないでしょ」


「それはそうだが……じゃぁどうやってあんだけ稼いでいるんだ!」


「そりゃモンスターハウスでモンスターが湧かなくなるまで狩り続ければいいんですよ。あとは70階層のボスモンスターに挑むとか。だいぶ稼げますよ」


 と、素直に教えたら、最初の数日は彼も凄い金額を稼ぎ出したって噂になっていたが、その噂からさらに数日経ったある日、ホワイトマンをもう少し捕まえておくかとボス部屋に行ったら、クランマスター含め、パーティー全員が壊滅していた。


「死体になったからには供養してやるか……」


 ボス部屋から引っ張り出してダンジョンの壁の奥に埋めてやって、土葬で供養した。


 クランマスターと主力パーティーが行方不明……実際は壊滅したことで、イキっていたクランは崩壊。


 これでバトラーを縛り付けていた因縁は無くなるのであった。


 そんな出来事を挟んだが、俺達は順調にお金を貯め続け、月の変わり目で区切りが良いとして、この世界の7月28日までダンジョンに留まり、稼いだ結果……貯金額は30億シンクに到達したのだった。







「さてと、目標金額を大幅に超えたことだし、新天地目指して旅に出ますか!」


「「「『おー!』」」」


 元気よく掛け声をかけたが、実際に旅で移動するのは、俺、ミンナの2人で、他のメンバーはホノカ亭で待機。


 旅といっても、道中の適当な場所に仮拠点を作ってワープし、ホノカ亭に戻ってこれるので、ゲルマ王国王都からジパングを目指した時よりも楽に進む事が出来る。


「道中に珍しいモンスターとかいれば良いなぁ」


「それも良いけど急いだ方がいいわよ。私が依頼を確認して、発行から半年は経過しているから、ヤシマ王国の情勢が更に悪化していてもおかしくは無いわよ」


「それもそうか……よし、じゃぁなるべく急ごう」


 というわけで、約3ヶ月滞在した迷宮国家ジパングから旅立つのであった。









 僕の名前は園田賢一……異世界転移で召喚された勇者と言われる存在だ。


 転移前は学級委員長をしていたんだけど、何の因果か異世界に召喚されて、僕は日本に帰るために勇者としてトレーニングを続けていた。


 召喚されてから4ヶ月間武術、剣術、魔法を習いながら、ステータスの種というステータスを上げるアイテムを僕や僕と一緒に行動したいとついてきてくれたクラスメイトの仲間4人、それに目付役の3人合わせて8人で僕達は行動していた。


 勇者である僕はどんどんステータスが上がるけど、他のメンバーは僕に比べるとステータスの伸びは遅かったけど、僕のラックを除くステータス平均が1万を超えた時に、他のメンバーも得意分野のステータスは1500くらいになっていて、一応戦えるステータスと覚悟を身につけることはできた。


 そして僕ら一行は勇者として魔王を倒すためには絶対必要な武器を手に入れる為にジパングと呼ばれる国に向かっていた。


 その国には巨大なダンジョンがあり、その最下層には過去の勇者が使っていた伝説の宝剣が眠っているらしく、魔王討伐を確実なものにするためにダンジョンに潜り、実戦経験を積むと同時に伝説の剣を手に入れよと王様から言われたのだ。


 いきなり僕らを呼び出しておいて偉そうに……と、思う気持ちはあるけど、できる限りの支援はしてくれている。


 ゲルマ王国は安定しているけど、他の国は国家存亡の危機に陥っている国もあるらしいので、勇者という存在が人類生存の鍵なのだ……と言われてしまうとなんとも断りづらい。


 というわけで、現在ジパングを目指して旅を始めたのだが……馬車での移動は時間がかかる。


 1日で60キロ移動できればいい方で、町から町に移動しては、ベッドで眠って、早朝には出発するの生活。


 ジパングに到着するのは20日近くかかるとされていて、僕達は慣れない長旅に気が滅入ってしまうのだった。









「楽だわー」


 俺とミンナは前回の旅と同じくキングスライムに乗って移動を続けていた。


 キングスライムは俺がレベルとステータスを上げたおかげか、時速150キロ……電車の特急と同じくらいの速度で、快適に移動を続けていた。


 ちなみにキングスライムに大きくなってもらって2人乗りで対応してもらっている。


「景色がどんどん移り変わるわね」


「移り変わるって言っても、平原から森、そして平原に移動するみたいな感じにしか見えないけど」


「それは確かに」


 キングスライムが風よけのドームを作ってくれているし、座り心地はビーズクッションに沈んでいるみたいで、とにかく快適。


 滑って移動してくれているので、振動とかも特に無いし……。



「この調子なら2日で目的地であるヤシマ王国に向かう港に到着できそうね」


「そこからは船で移動か?」


「サイトウは空飛べるペガサスとかいるんだから、それで移動しちゃえばいいんじゃないの?」


「それは確かに……」


 ミンナが行き先までの地図とコンパスをキングスライムの上に置いて、時々行き先を指示する。


 この状態で町に突入したら大惨事不可避なので、町は避けながら進む。


「しっかし、フジワラと想い合っているから直ぐに子供作ると思っていたけど、両方ちゃんと避妊していて驚いたわ」


「この世界の住人って子供を作ることに関してはどういう価値観なんだ?」


「そうね……」


 キングスライムに乗って移動中に聞いてみるが、ミンナ曰く子供を養える稼ぎがあるのならバンバン作れ……という考えが主流らしい。


 日本みたいに18歳にならないと結婚しちゃ駄目ってことも無いし、子供を作るのもあまりに幼いのは流石に忌避感があるらしいけど、15歳前後で性行為を始める男女は多いとのこと。


 実際に子供を作るのは収入が安定してからになるらしいが、時々避妊に失敗して出来ちゃう女子がいたりするのはお約束。


 出産も魔法で治癒や痛みの軽減ができるので、魔法使いが居ない村でもない限り、出産時に肥立ちが悪くて亡くなるってことはないらしい。


 赤ん坊は治癒魔法で回復できても、病気でころっと亡くなる場合が多いので、そこら辺は身分差によって赤ん坊の生存率は変わってくるとのこと。


「生活関連や治癒魔法を覚えることができるハウスキーパーやメイド系の職種が上流階級に人気な理由ね」


「ああ、だから綾乃がハウスキーパーであるって周りに言わないようにって釘刺していたんだな」


「そういうこと」


 まぁ俺の場合、最悪、繁殖するって技で、子供を作ることはできるが……なるべく人にはやりたくない。


「というか時間操作で妊娠期間の短縮とかもできるのだろうか……母体が頑丈であるって条件がつくけど……」


「何か言った?」


「なんでもない」


 ミンナと俺は東條が古本屋で買ってきた漫画を読んだり、お菓子を食べたりして時間を潰し、中間地点に到着すると、即席の土壁で小屋を作り、そこを拠点化することで、転移クリスタルを出現させて、転移クリスタル経由でホノカ亭へと戻るのだった。







 翌日は中継地点の仮拠点を壊し、更地にしてから移動を開始。


 それからキングスライムが走り続けること6時間ちょっと……ようやく海へとたどり着いた。


「おお! 海だ!」


「ミンナは海って見たことあるのか?」


「ゲルマ王国も海に面している地域があるから行ったことはあるけどね」


 なら海の魚とか食べたことあるんじゃないかって思ったけど、鮮度を維持するのが難しいとかなのだろうか? 


 いや、魔法を使えばそこらへん解決しそうだとは思うけど、マリーもあまり食べたことが無さそうだったし……うーん、謎だ。


 地図によると、今いる海岸から約50キロ離れた場所に目的のヤシマ王国があるのだとか……。


「よし、ここからはペガサスに乗って移動しようか」


「そうね」


 俺はペガサスを外に出すと、ペガサスに乗って目的の島に向かって移動するのだった。

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