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クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った  作者: 星野林


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ヤシマ王国到着 雑魚の魔王軍

「んんん! どうすればいいのよ!」


 ヤシマ王国の実体は連合王国……島長と呼ばれる族長が各島を治めており、一応国王が全体の統治者として統治を行なっているが、実体は島長と呼ばれる大貴族達が各々の島を統治していた。


 島国という国境が海で分断されていたこと、各島の特産物が分かれていて、主要8島は多少経済力の差はあれど、どの島も裕福だったことで、金持ち喧嘩せずを指針に連合王国として成り立っていたのだが……。


「魔王軍の侵攻で主要8島のうち5島が陥落……残り3島の陥落も時間の問題……」


「エリーゼ様……」


「ソフィー私はどうすればよかったのでしょうか。両親と一緒に島に残って防戦の指揮をした方がよかったのではないでしょうか……」


「しっかりしてくださいエリーゼ様。エリーゼ様が崩れれば逃げ延びた島民達の士気が崩壊してしまいます」


「し、しかし……」


「他国から来る冒険者を送り込んで橋頭堡を築き、逆侵攻の足がかりにする……それにゲルマ王国では勇者召喚が成功したと聞きます。あと1年……いや、半年でも耐えることができれば戦局は打開できます!」


「しかし、100万人以上住んでいた島民が今では5000人を切っておる。しかも残された者は女と子が殆ど……これでは島を奪還できたとしても……我々の民族は……」


 まだ比較的戦火の到達していないヤシマ王国の王都がある一の島の仮住居にて、八の島の王女である褐色肌のエリーゼと、その側近であるソフィーの2人は暗い顔をしていた。


 2人の故郷である八の島は魔王軍に最初に攻め込まれた島であり、防衛が間に合わず、脱出することができた国民は僅かであった。


 それ故にヤシマ王国での発言力は既に皆無に等しく、もし冒険者達が島を解放した暁には王族の彼女にその冒険者に嫁がせてはどうかという話が真剣に議論されるくらい追い詰められていた。


 冒険者の投入も島の侵攻の時間稼ぎにしか現状なっておらず、つい先日も五の島が陥落したりと、残っている島の方が少ない状態になっていた。


「このままでは……勇者が来る前にヤシマ王国が終わってしまう……何か……何かないのか?」


「申し上げます!」


 部屋に女性の兵士が入ってくると、八の島に流星群の様な光が振り注ぎ、魔王軍の兵達の反応が急速に消滅しつつある……という報告が成された。


「な、それは本当か!」


「他の地域の魔王軍にも動揺が広がっており、もしかすればもしかするかもしれません!」


「す、直ぐに八の島に向かう!」


「おやめくださいエリーゼ様! それでは何か起こった時に取り返しが!」


「もう王族としての権威は死んでいるも同然なのだ! それに八の島は私達の故郷。死ぬなら八の島で死にたい。帰りたい者を集めよ! 八の島に向かい、何が起きたのか確認するのだ!」


「は!」


 ソフィーの静止を振り切って、エリーゼは兵士に命令すると、兵士達は動き始める。


 彼女達の故郷八の島に何が起きたのか……時間を遡ることにしよう。







 ペガサスに乗って一の島に到着した俺とミンナはまず島の冒険者ギルドに向かったが、冒険者ギルドでは怒号が響いていた。


「この国の兵士は送れないって……それじゃあ俺達に死んでこいって言っているようなもんじゃねぇか!」


「「「そうだそうだ」」」


「ですから、皆さんには死んできて貰いたいのです。生き残り、島を解放できれば、その島の王にでもなんでもするが、とにかく島民を逃がす時間稼ぎをして欲しい……他国にばら撒いた依頼書にもそう書かれていた筈です」


 受付と他国からやってきた冒険者達が衝突しており、聞き耳を立ててみると、八つの大きな島のうち五つが陥落し、既にヤシマ王国の死者数が全国民の6割にもなっていると聞こえてきた。


「うわぁ……末期じゃんこの国……そりゃあんな依頼を投げ出すわ」


「依頼が正しいかどうか一応聞いてみるね」


 ミンナが比較的空いているカウンターの方に行き、ギルド職員に聞くと、依頼は現在も受注中となっているらしい。


 つまり島を解放できればその島の権利を与える……というのは生き続けているとのこと。


「この様子だと、この町で宿を取ることも難しそうだし……比較的最初に侵攻されて、魔王軍が少ない可能性が高い八の島に行ってみる?」


「そうするか……でもこの島にも拠点が欲しいんだけどなぁ……まぁ後でなんとかなるか」


 夕方になっていたが、俺とミンナは八の島へと移動する。


 島の大きさは四国みたいな感じで、平野が多く、四国みたいに横長ではなくニュージーランドみたいな感じの島の形をしていた。


 ペガサスに乗って、一の島から八の島に移動し、無事着陸。


 魔王軍の手下っぽい奴に囲まれたけど、ミンナの魔法で焼き払い、更にはキングスライム、ゴーレム、星の戦士、エレキマッスル軍団(ホワイトマンによって個体数増やした)の殲滅戦を開始。


 ステータス2000程度でイキって人類を虐めている魔王軍は殲滅だぁって仲間のモンスター達とバチバチに戦闘を開始し、俺はその間に地中に仮の拠点を作るのであった。


「さてと……殲滅力ならマリー呼んだ方が良いかもしれないけど、焼け野原にされそうだな……クレーターだらけにされるのも嫌だし……山本呼ぶか」


 仮拠点を作った俺はホノカ亭にいる山本を呼びに行き、山本を連れてきて、この島にいる魔王軍に裁きの礫やってくれないってお願いをした。


「敵味方のロックオンがまだあやふやだから仲間のモンスター撤退させて」


「了解、俺もクリエイティブモードになっておくわ」


 ちなみにミンナは既に撤収済みで、ホノカ亭でお風呂入ってるって言って、もうゆっくりしていた。


 30分後には仲間モンスターの撤収が完了して、山本の裁きの礫を発動。


 光の束が山本の背中から天高く打ち上げられて、それが敵に向かって振り注ぐ。


「かは……MP切れ……たぶん今ので1割くらいの敵消し飛ばした」


「じゃぁはい、これ」


「何この青い飲み物……」


「ポーションスライムが作ったMP全回復してくれるポーション。ストック100本単位であるから使い道無くて困ってたんだよな。使って♡」


「語尾にハート付ければ良いってもんじゃないぞ……全く……」


 山本が覚悟を決めて飲んだため味を聞くと、カルアミルクみたいな味がすると言われた。


 未成年なのでその飲み物の名前は知らなかったが、山本曰く飲みやすい牛乳で割ったカクテルの酒らしい。


 ちなみにポーションにアルコールは一切入ってないのだが……。


「まぁ大量には飲めないけど、数杯なら大丈夫そうだな」


 ごくごくとポーションを飲み干して、山本は再び裁きの礫を連発。


 傍から見れば、流星群が島に振り注いでいるように見えなくもない。


 10回ほど全力で放ったら、流石に山本もお腹がタポタポして気持ち悪いと言われたので、残りはモンスター軍団に任せることに。


 俺はホノカ亭に戻る山本に、仮拠点をしっかりとした拠点にしておきたいから夜遅くなるって皆に伝えておいてくれと言うのだった。








 オレっちは魔王軍配下のダークエルフ。


 人族に近いエルフ族と姿は近いけど、オレっち達ダークエルフは魔王様によって生み出されたモンスターに近い種族だ。


 そんなオレっち達ダークエルフとオーク、スケルトンナイトの軍団はマーメイド達の王国を占領し、奴隷化した後に海洋国家であるヤシマ王国に侵攻を開始した。


 なんでも魔王様とその側近集団によると、ヤシマ王国の島々を占領できれば、人類側の海上輸送に大打撃を与えることができるし、海洋国家だから上陸できてしまえば脆いという作戦が立てられて、オレ達下っ端がそれを実行。


 で、思ったよりも楽に島々を占領することができていき、占領した土地をオレ達ダークエルフが耕すことで食料の供給ができるようにしていたのである。


 オークは力は強いけど、農業に興味は無いし、スケルトン達は食事を必要としないので、結果的にオレ達ダークエルフが農業を担当することに。


「でも前線の兵士に抜擢されなくてよかったでやんすね!」


「それもそうだな」


 隣で一緒に畑仕事をしていたダークエルフと他愛ない会話をしていると、空が光り輝き、光の玉が落下してきた。


「何でやんすかね? あの光は」


「何かの魔法かな?」


 その光が隣のダークエルフに直撃すると、倒れて動かなくなる。


「お、おい、大丈夫……死んでる!?」


 周りにいた者達も光の玉に触れれば死ぬ為大騒ぎ。


 家屋の中に逃げ込んだ者も、防御の魔法を使って防御を試みようとした者も、次々に死んでいく。


「な、何事だ!」


 司令官が砦から出てきたが、その瞬間にはその司令官も死んでいた。


「う、うわぁ……」


 オレはあまりの恐ろしさに持ち場を離れて逃走する。


 それを持ち場に戻す兵士や上官も次々に死んでいき、オレを呼び戻す者は居なかった。


 ……木陰で震えながら地獄のような夜を過ごしたが、カサカサっと何かが近づいてくる音がした。


「な、なんだ……」


 怖くなって近くの木の枝を触媒に、闇の剣を作り出して構えるが、出てきたのはスライムだった。


「な、なんだ……スライムか……驚かせやがっ……え?」


 スライムから伸びた触手がオレの胸を貫いている。


 大量の血が噴き出し、オレの視界は暗転する……。


 そのまま薄れゆく意識の中なんで安全なはずの後方で死ぬんだと理不尽に悲しむのであった。


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