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9.新たな謎
和真は震える手でスマートフォンを開こうとしてハッとした。
手袋。手袋を外しスマートフォンを操作しながらあの日も、手袋をしていたことを思い出したのだ。そしてナイフやメモに自分の指紋がついていないことに安堵した。
万が一何か証拠が残ってても損なってないはずだと。
暗い公園に、スマートフォンの画面が眩しく浮かび上がる。
『久しぶり。連絡、来ると思った。高橋からミサのこと色々聞かれた?私も聞かれたよ。会おう。場所と時間は任せる。明後日には自宅に帰るからできたら明日だと助かります。ミサの姉について聞いて欲しい。』
和真の冷や汗が、手のひらを滑った。
『姉』。
ミサは姉妹が居たか?居ないはずだ。
俺とミサはお互い『ひとりっ子』だ。
もしかすると、彼女はミサの転校の事情を、あるいはあの冬の真実を、和真よりも知っているかもしれない。
和真は、背後の木の根元を、じっと見つめた。あの洞が、真っ暗な闇に沈んでいる。
子供の頃の楽しかった思い出。
ふたりの宝ものを隠したこの場所が全く別の、恐ろしい意味を持ち始めたように感じられた。




