14.近況
ミサを探すという、無謀な決断を下したところで、二人はお互いの現状について話し始めた。
「協力して探すなら、まずお互いの状況を知っておいた方がいいよね」とリカが言ったからだ。
「私は今、都内に住んでいるんだけど…実は、去年離婚したばかりなの。子供はいないよ」
リカは少し自嘲気味に笑った。
「元夫と同じ職場で働いていたから、気まずくてね。つい先日、退職したところ。原因は、まあ、向こうの不倫だったんだけど」
和真は咄嗟になんと言っていいか分からず、当たり障りのない言葉しか出なかった。
「そうか…大変だったな」
「まあ、慰謝料はしっかり貰ったし、今、失業手当の申請中なんだ。仕事は探すけど、当面生活費には困らない。あとは何と言っても時間。今はたーーーーっぷりあるから、結構動けると思う」
笑いながら近況を話すリカに、和真も自分の状況を話した。
「俺は、今も神奈川県内に住んでる。地元からは離れているけどな…独身で、会社に勤めてるけど、仕事は基本在宅ワークだから、多少の融通は効く。平日でも、日によって調整できると思うよ」
『ミサ探し』をするに当たって2人とも十分な時間を掛けられる。偶然とは言えなにかに導かれてる感覚を覚えた。
「じゃあ、私たち、かなり動けるね」リカは言った。
「まず、ミサが転校した後の情報から探すのがいいかな。同窓会に来てた誰かが、何か噂を聞いてるかもしれないし…どうかな?」
和真は深く頷き、テーブルの上のメモを再び手に取りリカに差し出す。リカはそのメモを手帳に挟んだ。
「ああ。まずは担任の加藤先生に聞きに行こうと思う」




