いかれるきんにく2
叫び声が聞こえた。
それは未知の声。
明確な意味を持った言葉、救援要請。
私は喜びを隠せず自然と口角が上がっているのを実感する。
しかし、未知が危険な目に遭っているのであれば、救助せねばならない。
他の集落のオスやメスであれば勝手に死ねばいいと思うが、未知はまだ私の知らない未知を残しているかもしれないのだ。
未知を残している間は可能な限り私が保護しなければいけない。
そう思い、叫び声のもとに駆けつけると、奴がいた。
部族最強の名を欲しいままにする最強の筋肉、ムロフシだ。
黒髪黒目、2メートルを超える巨体。
その体から繰り出される槍の投擲はマンモスの分厚い脂肪を貫き、我が集落で最も狩りを成功させている。
全身に戦いの傷跡が残り、マンモスと衝突し生き残った過去を持ち、その背中には鬼が宿る。
本物の益荒男だ。
実際は私と未知以外は言葉が通じないため部族最強なんて誰も言っていない。
ムロフシは私を見るなりオオカミのような遠吠えを始めた。
何を言ってるのか全く理解できない。
そして私と未知を石槍で交互に指し、ウゴウゴガウガウ言い出したのだ。
これは昨日までの私だ。
無性に恥ずかしくなった。
え、私たちの知能指数ひくすぎぃ!?
とはいえ、何を言っているのかは分からなくとも、何を言いたいのか察してしまうのは古代人の悲しい性である。
おそらくムロフシは新族長である私が気に入らないか、新族長の私が構いっぱなしの未知か、どちらかが気に入らないのであろう。
ならば族長である私がすることは唯一つ。
「ムロフーーーシ!!私に決闘を挑むとはいい度胸だ!!」
とりあえずなんだか、わからないけどしばきあげたら大人しくなるはずだ。
肉体言語である。
ヒマワリはかしこいこ(震え声)




