弁護士先生にセット目。特に不満がないらしいことに博子が不満。おかまバー、熟女キャバクラ、マジックバー。扉開いていきましょうよ
ワンセット目が終わって、少し酒も回って、空気がまたゆるくなった頃。
博子は、弁護士先生の顔を見ながら、ふと前から気になっていたことを聞く。
「えー、弁護士先生は。」
「うん?」
「なんか不満とか、これがやりたいとかって、あんまりないんですか?」
すると先生は、ちょっと考えるような顔をしてから、わりとあっさり答える。
「いや。」「特に仕事は別に、そこそこやりがい感じてますし。」
「うん。」
「給料もそんな不満ないんですよね。」
「なるほど。」
「で。」
先生は、そのまま少し笑う。
「博子さんと遊んでて、結構楽しいですから。」「なんか、これといって特に不満ないですね。」
その返しを聞いて、博子は即座に首を振る。
「それはまだまだ不健全ですね。」
弁護士先生が、そこで思わず笑う。
「え、これで不健全なんですか?」
「不健全です。」
「厳しいなあ。」
博子は、そこでグラスをいじりながら言う。
「いろんな扉、開きましょうよ。」「まだ若いし。」
「二十歳の私が言うのもなんですけど。」
「いや、二十歳の子にそんなこと言われるアラフォーもなかなかやな。」
「でしょ。」
二人で少し笑う。
「なんでですか?」
弁護士先生が、そこで少し悪い顔で聞く。
「まだ博子さんが、がっつり僕を囲い込んでくれないんですか?」
博子は、その問いにすぐ返す。
「見てるでしょ?」
「何を。」
「私の座組の量の多さ。」
「ははは。」
「もう、抱え込みきれないようになってるんで。」
「なるほど。」
「本当に私に人気がなくなった時には、ちゃんと囲い込みますんで。」
「その時まで待てと。」
「そういうことです。」
先生は、そこで声を出して笑う。
「やけど。」
博子は、そこから少し真面目寄りの口調に戻る。
「言ってしまったら、私はちょっとお話がお上手なんです。」
「自分で言う。」
「いや、事実としてね。」
「こうやって座組回したりしてるってことは、多分一定のニーズがあるんです。」
「それはまあ、そうでしょうね。」
「やけども。」
博子は、そこで指を軽く立てる。
「世間の女性は、そうではないじゃないですか。」
「まあ、そうやな。」
「だからといって、私、マッチングアプリやれって言ってるわけじゃないですよ。」
「そこは言わへんのや。」
「言いません。」
博子は、そのまま少し前のめりになる。
「体験系をもっと増やすの、どうですか?っていうご相談です。」
先生が少し首をかしげる。
「体験系?」
「そう。」
「別に私と同伴でもいいんですけど。」
「オカマバーに行くとか。」
「出た。」
「熟女キャバクラに行くとか。」
「また広がったな。」
「あるいは、マジックバーに行くとか。」
弁護士先生が、そこで本気でちょっと面白そうな顔になる。
「それは、確かに面白そうですね。」
「でしょ。」
博子は、そこで少し笑う。
「美術館に行くとか、博物館に行くとか。」
「それも前、私が色々言ってたじゃないですか。」
「言ってましたね。」
「だから、それは表向きというか、綺麗めの話で。」
「うん。」
「汚い話も含めて。」
「汚い話。」
「なんかこう。」
ヒロコは、そこで言葉を探しながら続ける。
「扉を開いて、ワクワクするっていう体験を増やしていきませんか、って話です。」
先生は、その言い方に少しだけ感心したような顔になる。
「なるほどなあ。」「え、それって。」
「うん。」
「博子さんも博子さんで、ちょっと興味津々ちゃいます?」
博子は、即答する。
「興味津々だから話したんですよ。」
「出た。」
「自分も見たいんや。」
「そらそうですよ。」「だって、先生がそういう店行って。」
「どういう反応するんかなとか、めっちゃ気になるじゃないですか。」
「完全に観察対象やないですか。」
「そうとも言います。」
二人でまた笑う。
「でも。」
弁護士先生は、そこで少し真顔寄りになって言う。
「そういうの、座組組めそうやったら、ちょっと教えてくださいよ。」
「わかりました。」
博子は、そこはすぐに頷く。
「任せてください。」「新地では無理かもしれないですけど。」
「うん。」
「梅田界隈、まだまだ開拓の余地あるし。」
「なるほど。」
「もっと安い遊び方もあるから。」「そういうのも混ぜながらやっていったら。」
「資産形成の面でもいいんじゃないですか。」
先生が、そこで吹き出す。
「どこまで俺をコンサルするつもりですか?」
「最後までです。」
「最後まで。」
「遊びも資産形成も、全部です。」
「怖いなあ。」
「でも、たぶん。」
博子は、そこで少しだけトーンを落とす。
「先生みたいに、ある程度お金があって、仕事も回ってる人ほど。」
「使い方のバリエーション持ってた方が、精神衛生上いい気がするんですよ。」
「それはあるかもしれんな。」
「同じとこ、同じ人、同じ遊び方だけやと。」
「結局、ちょっとずつ詰まっていくじゃないですか。」
「なるほど。」
「だから、別に浮気しろとかそういう話じゃなくて。」
「体験の引き出しを増やす。」「そういうことです。」
弁護士先生は、そこでしみじみ頷く。
「なんか、博子さんって。」「結局、男の老後まで面倒見ようとしてません?」
博子は吹き出す。
「いやいやいや。」「そこまで大きい話じゃないです。」
「でも、やってること、半分そうですよ。」
「そうなんかな。」
「そうやと思います。」
「じゃあ。」
博子は少し笑いながら言う。
「先生の第二の青春プラン、ちょっと考えときますわ。」
「出た。」
「そのネーミング、ちょっと恥ずかしいな。」
「でも内容は前向きでしょ。」
「それはそうやな。」
そうやって、綺麗な遊びも、ちょっと汚い遊びも、体験として増やしていく話で盛り上がりながら、
二セット目はゆるく終わっていくのだった。




