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メンヘラオジサン42歳。死んだことにされて20歳のキャバ嬢に転生しました。  作者: メンヘラオジサン【監視アカウント】


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店内ワンセット目。博子さんの座組の勢いすごいですが、休み取れてますか??フリーの時間は早退しながら整える博子

店の中に着いて、席に落ち着くと、弁護士先生はさっきの天ぷら屋の続きみたいな顔で、

しみじみと博子を褒めるのだった。

「博子さん、座組たくさん持ってて、あれですね。」

「すごいですね、勢いが。」

博子は、そこで少し苦笑いする。

「でも、これはこれでありがたい話なんですけども。」

「一つ一つを丁寧にやっていかないと、私の良さって出ないんで。」

「なるほど。」

「どこまで抱え込むかっていうのも、課題なんですよ。」

弁護士先生は、その言い方に少し真面目な顔になる。

勢いがある、で終わらずに、

ちゃんと“その勢いをどう維持するか”まで見てるのが、博子らしいなと思うのである。

博子は、そのまま続ける。

「出勤が言うたら、二十時から二十五時っていう形になってるけど。」

「最近、帰る時間を早くしたり。」

「指名がない時間を、早帰りするっていうことも始めてるんです。」

「え。」

弁護士先生が少し驚いたように言う。

「それは、だいぶ変わりましたね。」

「そうなんですよ。」

「実は、水曜日まで外遊び含めたら六連勤かな。」

「金、土、日、月、火、水まで、予定入ってるんで。」

「うわ。」

「その関係で、自分のコントロールをしないといけないなと思って。」

「うん。」

「指名が入ってない時は帰る、っていう形にしてるんです。」

弁護士先生は、そこで少し眉を寄せる。

「え、それって体調大丈夫ですか?」

博子は、そこでわりと落ち着いて返す。

「だから最低限。」

「言うたら、出勤と予約でバッチリ噛み合ってる時以外は抜ける、っていうことを今してるんですね。」

「なるほど。」

「で、休みの日も。」「麻雀同伴があるんで。」

「出た。」

「その練習で、女の子たちとも行くってなってるから。」

「全部、一日丸々休み、ってあんまないんですよ。」

それを聞いて、弁護士先生が、なるほどというより、ちょっと心配そうな顔になる。

「それはあれですね。」

「なかなか、ちょこちょこちょこちょこ休みなり何なり入れとかないと。」

「気が張ってしまいますよね。」

「そうなんです。」

博子は、そこで少しだけ本音寄りになる。

「稼働時間は少ないんですよ、ありがたい話で。」「なんですけども、結局のところ。」

「やっぱり“一日空く”っていうことがないっていうのは、結構しんどくて。」

「なるほど。」

「その辺は、やっぱりどこかで調整せなあかんかなとは思ってます。」

弁護士先生は、酒をひと口飲んでから、少しゆっくり言う。

「もちろん、人によってはしんどくなかったり。」

「一時間二時間だけだよ、っていう感じで回せる時もあるんでしょうけど。」

「でも、丸々一日、何もせえへん日がないっていうのは。」

「やっぱり、あとから効いてきそうですね。」

「そうなんですよ。」

博子も頷く。

「別に、丸々一日休みやからって何もせえへんわけでもないですし。」「でも。」

弁護士先生は、そこを拾って続ける。

「何もせえへん日っていうのを、作っとかないと。」

「いい考えが浮かばないっていう可能性もありますからね。」

その言い方に、ヒロコは少し笑う。

「先生、そこ言います?」

「言いますよ。」「やっぱり、ぽっかり空いてる時間を作るとか。」

「うん。」

「睡眠時間を減らさないとか。」「その辺は必要かもしれませんね。」

「まあ、そうですよね。」

博子も、そこは素直に認める。

「今はまだ、“回ってるからええか”で来てるんですけど。」

「たぶん、これをずっとやってたら、どこかでずれる気はしてるんです。」

「なるほどなあ。」

「じゃあ。」「先生との外遊びは、なしの方向でいいんですか?」

博子は、一瞬だけ間を置いて、わざとらしく考えるふりをする。

「それはダメです。」

弁護士先生が、即答する。

「それは僕のために、ちゃんと取ってください。」

博子が吹き出す。

「わがままさんですね。」

「そこは譲れません。」

「出た。」

「いや、でも。」

弁護士先生は、そこはわりと真顔で続ける。

「そういう時間をちゃんと取ってくれるからこそ。」「こっちも整うし。」

「うん。」

「博子さんの“ただ忙しいだけじゃない感じ”も維持されるんやと思いますよ。」

その言い方に、博子は少しだけ照れたように笑う。

「なんか、先生の言い方やと。」「私が先生のために休むみたいになってますやん。」

「半分そうです。」

「半分なんや。」

「半分は、自分のためにもやと思いますけど。」

そうやって笑いながら、でもちゃんと休み方の話までできるのが、

この先生のいいところやなと博子は思う。

ただ“忙しくてすごいですね”で終わらん。

そこから、“どう休むか”までちゃんと拾ってくれる。

「まあ。」

博子は最後に少し肩をすくめる。

「うまいこと抜きながらやりますわ。」

「そうしてください。」

「で、先生との分はちゃんと置いときます。」

「それでよしです。」

そんなふうに言いながら、

仕事の話と休みの話と、ちょっとしたわがままの話まで混ざって、

ワンセット目が終わるのだった。

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