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新幹線終盤戦。キャバ嬢としての評価についてまずは出そうかと社長3人で今日の動きを振り返る

静岡を越えたあたりで、東京メイン社長が、ふっと紙コップを置いた。

ハイボールもだいぶ進んで、感想戦も一巡して、そろそろまとめに入る空気になっていた。

「……ま、そろそろ評価しようか。」

その言い方に、他の二人がすぐに笑う。

「出た。」

「結局そこやな。」

「いや、でも大事やろ。」

メイン社長は、ちょっと真面目な顔になる。

「とりあえず、三人のキャバ嬢としての評価と、博子ちゃんのコンサルは別で分けよう。」

「それはそうやな。」

「一緒にすると、もうわけわからんくなるしな。」

そこは三人とも意見が揃った。

今回の二日間で強烈やったのは、もちろん博子の講義や。

でも、それを全部まとめて一括で評価すると、女の子三人がそれぞれやった前半の仕事が

見えにくくなる。だから、まずは“キャバ嬢としての三人”をどう見るか。そこから話すことにする。

「まず、同伴は同伴で料金に含まれてるから。」

「うん。」

「実質、日曜日の座組みの話かな。」

「そうやな。」

メイン社長は、整理するように言葉を置いていく。二人ももう、そのモードに入っている。

「とりあえず、一人当たり十は握らせるとして。」

「十な。」

「うん。で、酒蔵楽しかった人。」

「はい。」

三人とも、ほぼ同時に手を上げる真似をする。

それだけで笑いが起こる。

「三人。」

「まず、これで五。」

「五って何基準やねん。」

「いやいや、だいたいわかるやろ。」

「まあ、感覚はわかる。」

メイン社長は、そこでさらに進める。

「で、サンダーバードの移動中、楽しかった人。」

「ここも三人。」

「じゃあ、それで五上乗せちゃうん。」

「そうそう。これで、同伴の中の“移動も含めた価値”が出てる。」

他の二人も頷く。東京で飲む時には、店がメインで、移動はただの移動や。

でも今回の伏見コースでは、その移動そのものが前菜になっていた。

そこを評価に入れるという発想が、もうすでにちょっと面白い。

「で、鳥せい。」

「うん。」

「黄桜。」

「うん。」

「帰りの電車。」

「うん。」

メイン社長が、少しテンポよくまとめる。

「ここらへんで五。」

でも、そのざっくりした評価軸が、今の三人にはちょうどよかった。

「で、帰りの小一時間の喋り。」

「はいはい。」

「これが五ってところかな。合計三十」

「妥当ちゃう?」

「この前一五やったしな。倍やし。」

「それはある。」

前回に比べて、明らかに進んでいる。

それは三人とも実感していた。

さきちゃんもアルカちゃんも、今回は“ただ同伴して終わり”やなかった。

ちゃんと会話になっていたし、流れを共有していた。

そこを、数字にはしにくいけど、ちゃんと評価したい気持ちがある。

「で、正味なところ。」

メイン社長が、少し真顔に戻る。

「これからに期待やな、っていうところちゃうか。」

「それはそうやな。」

「今回ライトプランやったけど、ライトプランやったらこんな感じでやらせてもらう、

っていうことにして。」

「うん。」

「で、今度、その日本酒の店めっちゃ行きたいっていうんやったら、そういう形でまた別で

組めるやろうし。」

そこは、二人ももう納得している。

フル火力の鉄板コースとは違う。

でも、ライトプランとして十分強い。

その意味で、今回の座組はかなり使い勝手がいい。

「他の二人が悪いとかじゃないけど。」

メイン社長は、そこで少しだけ言葉を選ぶ。

「やっぱ博子ちゃんの座組が効いてるがそれは別評価で。」

「うん。」

「つまり、三人のキャバ嬢評価としては、ひとまずこの辺でまとめると。」

「そうやな。」

そこで一人が、メイン社長の方を見る。

「で、お前はどうなん。」

メイン社長は、そこで少し笑って、自分の分を足した。

「俺は、今回その、行った酒居酒屋が良すぎたっていうところと。」

「またそこや。」

「いや、そこは外せん。」「はいはい。」

「で、この座組を見せてくれた構成に対して、五ずつプラスの十。」

「おお。」

「だから、三〇、三〇、四〇で、とりあえずフィニッシュでいいかなと思ってる。」

そこで二人が少しだけ顔を見合わせる。

金額というより、バランスの話や。

さきちゃん、アルカちゃん、博子。

今回の差は、やっぱり出る。

でも、差をつけすぎるとまた崩れる。

その真ん中ぐらいの数字として、三〇、三〇、四〇はかなり収まりがよかった。

「ああ、もうええんちゃうか。」

「うん。多分、前の一五に比べて全然進んでるから、ええと思う。」

「で、正味、余所の社長たちがなんぼ積んでるかで、こっちも判断するの難しいしな。」

「それはある。」

博子が他の社長たちからどれだけ刺さってるか。

その情報はなんとなく見えても、全部はわからん。

だから、そこと競いだしたらきりがない。

自分たちが楽しかったか、自分たちが次も来たいか。

そこを基準にした方がいい。

「個別で行くと、もっと楽しいかもしれんけど。」

「うん。」

「そこまでの熱意は、まだない。」

「せやな。」

「でも、丁寧にやってくれてるのはわかってるし、東京の銀座六本木より格段に楽しいのも

わかってる。」

「それや。」

「やから、これに関しては、これでいこう。」

そう言って、三人の中で話はきれいに収まった。

決めることを決めて、でも重たくならず、笑いも残しながら終われる。

それもまた、今回の二日間が気持ちよく終わった証拠やった。

静岡を過ぎた新幹線の中で、三人はそんなふうに評価をまとめた。

大阪京都での遊びは、ただの一回の盛り上がりでは終わらない。

こうして帰り道にまた喋って、整理して、次を考える。

その感じまで含めて、もう彼らの中で、博子たちとの座組は一つの“定例”になりかけていた。

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