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『聞いているんだ!!答えろ!!!!』
会場にディの怒号が響く。
私はギルの服の端をキュッと握りしめて、お腹から声を出した。
『ダニエル・ディ・ウィリアム!!!!その男から離れなさい!!!』
私の声にディが反応をした。
魔王モード、通称ブラック。
ストレスフル他要因を含み、最悪な状態だ。
この間の夜の帝王(色気ダダ漏れ)とは違う。
しかも、邪魔するなと表情をしている。
だけど、そうもいかない。
依頼主がいるのかこの男の独断なのか聞きたい所だ毛ど、一先ず龍が連れてきてくれたであろうさつきさんの姿を確認し手錠がはめられると、ディはやっと男の上から離れた。
男のねえ来は私だった。
お金で雇われて私を依頼主の元へ連れていく。
邪魔する奴は排除していいと言われていたらしい。
さーっと血の気がひいいていくのがわかると同時に身体が震えだす。
あー最悪だ。
〈かわいいねぇ。俺が育ててあげるからね。〉
〈コレクションに入れてあげるからね。〉
『っふっ。』
『おい、フィー大丈夫か?』
『嫌っ!!!!』
心配した龍が肩を軽く触っただけなのに、その手を思いっきり弾いてしまった。
怖い、怖い、怖い!!!
『ご・・・・ごめ、龍・・・・・、大丈夫・・・・。』
『・・・いや、顔色相当悪いぞ。』
手を弾かれたことに驚きはしていたが、私の様子がいつもと違うことに気がついており、心配そうに覗き込んでくる。
『・・・・フィー』
目を手で隠されそのまま後ろへと引き寄せられると、ディの腕の中に収まった。
『大丈夫。俺が傍にいる。』
先ほどの怒号が嘘のように、落ち着いた声音とディの匂いに緊張した心と体がジワリと暖かいものが溢れてくる。
『龍が嫌だとかじゃねぇよ。あぁなったフィーはダン以外傍に寄せ付けないし、触れせない。俺たちも母さん達でもダメだ。』
龍の肩をポンと叩いたのは、リア。
きっと複雑そうな表情をしているのだろう。
ディの方を向き、ぎゅうっと抱きしめる。
それに応えるように、ディも抱きしめて背中をさすってくれる。
ディの香に包まれて、背中をさすられて次第に落ち着いてきた。
洋服の端を握り、おでこはディの胸に引っ付けたまま大きく深呼吸をする。
すると抱きしめている腕に力が僅かにこもった。
「何やっているんですか?!人の彼氏に抱きつくなんて最低!!離れてください!!!」
わらしとディの状況が気に入らないのだろう。
大声をだし近づいてきた。
関係者以外はこの会場から避難誘導したはず。
そこに堂々と戻ってくるなんて、自分が黒幕ですと言っているようなものではないか?
疑われるという事を分かっているのだろうか?
『面倒くさい、お花畑ちゃんがきたわね。』
ディの隣にいたギルがポツリと呟き、ディは思いっきり舌打ちをした。
「スチュアート先輩離れてください!!!」
「エマが離れる必要はねぇし、俺はエマを話すつもりはない。お前、この状況わかってんのか?」
「なんですって?ウィル先輩は私の彼氏でしょう?!私以外に触れないでください!」
「はっ!笑わせるなよ。“彼氏”だと一方的に言っているのはお前だけだ。俺がいつ付き合うと?恋人になると言った?馬鹿か?」
全身で怒りを不快感を表しながらディは言う。
「だって、エスコート引き受けてくれたじゃないですか!!それに男子の部でも!!」
「引き受けただけだろう?お前が、エマに手を出すと言うような事を言ったからな。だから、仕方なくお前がヘマするのを待っていただけだ。勘違いするな。」
私を挟んで2人が言い争いをしている。
この場にいるのは、私の2人の兄とギル、龍だけだ。
さつきさんは先ほどの男を警察車両の方へ向かって今はいない。
ディの口調が荒いことに対しても驚いているようだが、まぁこれがディの素というかもう一つの顔というか、なんというか。
我慢していたモノが爆発して魔王様モードなのだ。
ディの口調に対してか、思う通りに事が進まないことに対してなのか、友池はとうとう泣き出してしまった。




