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龍が井ノ口さんさんを抱き止めたのを見届けると、ヒュンと空を切る音に身体をそらす。
目の前に現れたのは長身の男。
ディくらい??その手にはナイフ。動きからしてこの人慣れてる。
突然現れた男を認識した会場は固まったように、シンっと静まり返った。
パニックになるよりマシだ。
会場の端に、リアムとルーク達の姿を見つけた。
『リア、ルーク“鬼ごっこ”迅速に。』
持っていたマイクでそう、はっきりいうとマイクを放り投げた。
2人の兄に対してのメッセージを伝える。
言葉を聞き取れたとしても、私が言った“鬼ごっこ”の意味はメンバーと2人の兄、龍にしか伝わらない。
幼い頃からさつきさんに護身術ともしもの時の対処法を叩き込まれていた。
さっきの“鬼ごっこ”は私達兄妹がそれらの経験からの合言葉。
“鬼ごっこ”は、“犯人にバレないように逃げる、または逃げ切る”という意味。今回は避難誘導も含まれている。
男は私をまっすぐ見ている。。つまり、目的は私。
ギルとディ、龍には観客の避難誘導をしていただきたいが、今動いたらリア達の邪魔になるだろう。
正直、私はナイフも知らない男の人も大嫌いだ。
メンタルが安定している時なら全然平気なんだけど、ストレスフルの時はどうしても嫌な記憶が思い出される。
私もディもストーカー被害というものを経験した事がある。
被害にあった時のトラウマがどうも癒えない。
ディも同じ境遇で女性が苦手、、、というより仲良くなった相手以外関わりたくない。
私が居ればそばにいる事も多少話すこともできる。
なので、エスコートしたタイプの女性は大嫌いな部類に入るのに。って思考が一瞬そちらへ向けられる。
誰かと勘違いをしている風でも、他の人が目的でもなさそうだ。
狩る勢いで戦闘態勢に入っている相手からはさっきがダダ漏れである。
話術で気を逸らしてって暇はなさそうだ。
くる!!
男が踏み込んだのと同時に背中に相手の力の流れにのせ受け流す。
多少前のめりの体制になった時、背後からディの蹴りが綺麗に顔に入り、手からナイフが離れた。
そして体を起こした男はすぐさま体勢を整え、ディに攻撃を仕掛けていく。
龍と井ノ口さんがステージを降りた姿を確認すると、呼吸を整える。
心拍数が一気に上がり少し息苦しい。
私の方にも攻撃は仕掛けてくるが、私もそれを交わしながら対応する。
やっぱり戦闘慣れをしている。
どくにか隙を探すが、なかなか・・・・。
ガゥン!!!
銃声が会場に響き渡る。
銃声の元はギル。
威嚇射撃をして、意識をそちらを向けさせる。
『FBIよ!両手を挙げ膝まづきなさい!!!』
意識が逸れた瞬間襟足を掴み関節技をかけ抵抗をなくす。
「っぐあ!!」
うめき声をあげていた男をそのままうつ伏せにして、拘束をする。
抵抗がなくなったのを確認をして私が男から離れると、ディが男の頭を床に叩きつける勢いで抑える。
声音は最高潮に低い。
『誰を狙った?誰に頼まれた?それとも個人的なものか?!』
男からもレル声に苦痛が滲んでいるし、血も少し流れている。
どれだけバカ力で抑えてるんだ!!
『やめろ!ダン!!』
『ディ!!』
私とギルが声をかけても、聞こえてない状態で男を見下ろしながら、かなり殺気だっていた。




