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旧神の手駒ちゃん、不法投棄物と共に異世界へ  作者: L4zz
転生?いいえただの不法投棄です
9/15

案内と冒険者ギルドとお手伝い?

設定回その二…ほぼ読み飛ばしても影響ありませんね、多分次回からちゃんと進展させます…

「そうじゃ、まだティレスは此処には詳しく無いであろう、シャルルよ、案内を頼めるかのう?」


院長先生のその一言で今日はシャルルちゃんによる私の孤児院案内ということになりました。


「それじゃあ、まずは孤児院の中を案内しますね。」


そしてシャルルちゃんの言葉に従い今に至るわけです。


「此処が私達が寝起きする寮です、そしてあちらが…」


と細かく説明してくれる彼女の言葉を聞きながら、私達は孤児院の庭を歩いていました。


“福祉施設にしては大きいな面積ですね…まぁ野外だからかもしれませんが…”


そう、この孤児院、野外にあるのです。周りは一面の自然で人工物は正門にある一本道だけ。


“いや…正確には野外ではありませんね…この都市の構造が変なだけで。”


さっきシャルルちゃんになんで都市の中に孤児院立てないのか聞いてみたら「ここは市内ですよ?」と不思議そうな顔で答えられましたよ。


「ミレノ‐ティタン貿易都市は区で分かれてるんだよ?此処は3区…リース区から5区のファーブ区へ続く道沿いの近く。」


と説明されました。聞くところによるとこの都市は7の区から形成されてそれぞれの区は1区を最奥に据え放射線状に分布しているそうです。区と区は整備された道で繋がって道沿いには旅館やらこの孤児院のような区内に置くには大きすぎる施設を敷いているそうです。


「昔のミレノ‐ティタンは今の1区だけだったんだけど一時期なぜか森が急に縮小して国境がかなり広っちゃったんだよ、当時はまだバルティアとも仲が悪くてその空白地帯を放っておくことができなかったんだって。もたもたしてると獲られちゃうかもしれないしね。」


「しかしそれならこの都市を広げるのではなく要塞でも何でも作れば良かったんじゃないですか?」


「本当はそうなんだけど、丁度お国の財政難も伴ってここで大きな防御工事を建てる余裕がなかったそうだよ?だからミレノ‐ティタンの軍を此処に敷いてその時にできた幾つかの駐留地が今の2~7区の起源なんだって。それもあって今も各区の区長とかは1区から派遣されてるんだよ。」


以上が私が説明された内容です。7区全てで一つの都市というよりは1区を中心とした都市圏という感じですね。


そしてそんな感じに異世界講習に花を咲かせながら歩いて行たのですが、とある場所についたところで急にシャルルちゃんの顔に影が差したような気がしました。


「……」


“あれは…教会でしょうか?”


そこは正門から見て一番奧の広場に建てられた教会堂の様な建物でした。


“歯車に嵌められた鎖を纏う十字架…確か聖教のシンボルでしたっけ?”


スポンサーでしょうかね、それともただ単に院長先生が信心深いだけでしょうか。


「聖教国と同盟を結んだ国は病院や学校、孤児院みたいな所の維持費を聖教が肩代わりしてくれるんだ、その代わりその隣に必ず教会を置くって条件付きで。」


と説明してくれるシャルルちゃん。


“顔色が少し悪いです…教会堂嫌いなんでしょうかね?”


恐らくその生い立ちにも関係あるんでしょう、私が首を突っ込む事ではありません。


「それならもう帰りましょう、ちょっと疲れましたし。」


私にできるのは精々このぐらいです。


“それにしてもどうして聖教国はそんな事をしているんでしょうか…”


別に私の知ったことではありませんが。


“さっき見た本だと…確か聖教を拒まぬ条約さえ結べば友好国でしたっけ…”


しかしただ宗教圏を広げたいだけならもっと他にやりようがあるはずです。即時的な利益さえぶら下げれば大抵はどうにかなります。


“ただ善行だけをするなんてあるわけないですし…”


つまりは影響圏では無く影響力の方ですか…あぁそう言えば忘れてました。


“確か教籍=国籍って書いてありましたね。なるほどよくわかりましたよ。”


学校は一定以上の財産を持つ中、上流社会の子供ならばほぼ必ず通うそうです、そして病院は専属医師など雇ってる貴族や豪商、王族を除けばほぼ全ての人が使っています。そしてその他の福祉施設は善教アピールにでも使うのでしょう。


“利に目がくらんだが最後段々と首元を締められるというわけですね。”


初めはそんな影響はないだろうでしょうけど時間を重ねれば信者は雪玉式に増えていきます。そして精神、物質両方面からの浸透。


“実質二重国籍者だらけになってしまえば後は少しのきっかけで終わりますね…”


そう、簡単な事です、例え小さな当局への不信感でも宗教による煽りによってそれは無限大に膨れ上がります。さらにこれは群衆の叛乱に二つの物を与えてしまいます。


“目的と指導者、盲目な群衆は教義による理想の社会を創ろうとする結果聖教の衛星国に成り下がりですか。なんかソ連と東欧の関係にちょっと似てますね。”


などと考えている内にシャルルちゃんが急に歩みを止めました。


「どうしたんですか?」


と思考を引き戻し尋ねます


「えっと、急用を思い出したんだけど…ごめん、案内はちょっと後回しで、院長先生に会わなきゃいけないから!」


といい駆け出してしまいます。


“むう…仕方ありません、追いますか。”


別にこのまま寮に帰ってもいいですが、正直気になりますし。


そして院長室まで来た訳ですが、扉を開けた途端に聞こえた院長先生の


「丁度いい、ティレスもつれてゆくがいいじゃろう、いずれは彼女も行くことになるじゃろうからな。」


という一言、そして私はシャルルちゃんに腕をつかまれ引きずられながら一句いう間もなく退室しました。


「えっと…一体どういうことですか?」


なされるがままに寮に引き返し、隣で着替えてるシャルルちゃんに聞きます。まったく事情が分からないですね。


「それは後で説明するから、ティレスちゃんも着替えて…って服なかったんだっけ、私の貸すから。」


とどこにでもあるような地味な服を一着渡してくれました。取り敢えず着替えます。


「じつは今日3区に行く予定があったのをすっかり忘れてて…今から行くなら間に合うと思うけど…」


とのことです。


「何をしに行くんですか?」


「冒険者ギルドの依頼を受けてて…今日から明日の午後までお店でお手伝いしなきゃいけないんだ。」


“ついに出ましたか、冒険者ギルド”


流石にこの世界の常識中の常識である組織についてはちゃんと見ました、知らないなんて言ったら間違いなく変にみられますからね。


“まぁ実質は物凄く大きい人材派遣会社ですけどね。”


正直あまり特別な所はありませんね、E~Sランクに分けられてたり昇級試験あったりの普通の冒険者ギルドの認識を当てはめれば大体それです。


“唯一少し違うのは一月に強制的に最低三つの依頼を遂行しないといけないことですね…”


籍を置いたまま何もしないのはだめらしいです、それと引き換えに冒険者にはランクに分かれて様々な特権が提供されるようですが。


“しかしシャルルちゃん程なら弱い魔物討伐ぐらいは行けるはずなのに…年齢制限でもあるのかも。”


それは厄介です、主に私が。


“そう言えばギルドで思い出しましたがあの狼さん結局森に置いてきてしまいましたね…勿体ない事です。”

今度探しに行ってみましょうか…恐らく既に他の獣の腹の中だと思いますが。


“それにしても…”


「シャルルちゃん、ここから3区までそんなに近いんですか?」


時計はないので分かりませんが多分もう4時頃です、街灯なんてない時代じゃ暗くなるのも結構早いはずですが。


「ここから3区までは徒歩で1時間ぐらいだよ、逆に5区までは凄く遠いけど。」というわけらしいです。


そして正門に着いた私たち、少々錆びた門を開け道路に出ます。


“なんかちょっとワクワクしてきました、なんでしょうか、小学校の遠足に近い何かを感じます。”


見渡す限りの大自然に唯一整備された道路、この構図だけで色々心に来るものがあります。何というか、ト○ロあたりを思い出します。


“まるで桃花源記みたいです、工業に汚染されていない人の営みですね。”


まぁ何を言ってるのかというと現代っ子としてこういう場面に興奮しているだけです。


「ちょっと、もたもたしてないで早くいくよ、急がないと本当にまずいから。」


むう…如何やらシャルルちゃんにはこの気持ちは分からないようですね、いや毎日見慣れてる景色に感慨抱けというのも無理な話ですか。私ももう少しすれば完全にこっちに慣れるんでしょうかね。


「はい、今行きます。」


まぁ明日は明日の風が吹くです、取り敢えず今は自然に陶酔しながら彼女の後を追うだけで十分でしょう。

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