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海風の街 ライフストーリー  作者: SPECIAL BAY


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2/9

流湾、映画館へ行く (第2部)

電車は良く晴れた青空の下、

海岸線を走り抜けていた。


予想通り、美しい景色である。

心地良い電車のリズムと

輝く波のダンスに揺られていた。


そして流湾(るわん)、陽呼子(ひよこ)、

鮫郎(さめろう)、佳夏(かなつ)の4人は


映画を見に行くために

目的地のベイサイド駅に到着した。


「着いたね~!」


佳夏は嬉しそうに言った。

そこからおしゃれな海辺の通りを歩き、

映画館のあるショッピングモールへ向かった。


「先にお昼を食べようか!」

陽呼子は言った。


「そうしよ!

ここのフードコートで

何か好きなものを食べようよ!


朝ご飯、食べてないの~。

お腹がすいたよ~。」


佳夏は子どものように

ジタバタして

お腹がすいたことをアピールしていた。


ここはスーパーマーケットや

アパレルショップ、雑貨、映画館、

ゲームセンターなどが入った

大型ショッピングモールである。


入った瞬間、次々と広告を流す

大きなビジョンが目に入る。

きらびやかでにぎやかである。


その空調の効いた広くて

鮮やかなフロアを歩いていた。


最初に目指すのはフードコートである。


ブランド品が売ってあるお店の横を通り、

楽器屋の横を曲がり、

エスカレーターに乗り、

書店を過ぎ、

キャラクターショップの先へと進んだ。


いろんなものが目に飛び込んできた。


「この洋服、かわいい!

陽呼子ちゃんに似合うと思うよ!」


「あのベースって佳夏ちゃんが

前に使っていたモデルと同じだっけ?」


「あの本、とても面白いよ。

宇宙の果ての生命体が地球を研究して

地球へ向かう物語なんだ!」


「流湾! あのキャラクター!

サメ界のキングモンスターじゃないか!


あれ、欲しいなぁ~。

クレーンゲームであるかな?」


そんな会話をしながら、

4人はフードコートに着いた。


ここにはたくさんの

美味しそうなお店が並んでいるので

それぞれ食べたいものを買うことにした。


流湾は期間限定のつけ麺を選んだ。

鮫郎はたこ焼きである。

佳夏はステーキ定食。

陽呼子はサイコロステーキ定食を頼んでいた。


流湾は佳夏がステーキを美味しそうに

食べるのを横目につけ麺をすすっていた。


魚介スープの香りが鼻に抜けた。


鮫郎はたこ焼きが熱すぎて

やけどしたと涙目になって

魚のように口をパクパクさせていた。


「でも、美味しんだよ~。」って言っている。


陽呼子はサイコロステーキを

おいしそうに頬張る。


陽呼子がおいしそうに

ステーキを食べているのを見ていると

なんだか不思議と安心する。


気を遣わずに

豪快にステーキを食べていることが

なんだか嬉しい。


この感情はよく分からないが、

陽呼子がおいしそうな顔を

みていると幸せに感じた。


ヒヨコって名前なのに

肉を豪快に食べているのは

ホラーなのかもしれないが・・。


とはいえ、つけ麺も美味しかった。

ごちそうさまです!



お腹が満たされた4人は映画館へ向かった。

佳夏はふいに陽呼子に聞いた。


「今日はあまり聞いたことがない

映画を見るんだよね?

なんでその映画を見るの?

名前は忘れちゃったけど・・」


陽呼子は少し恥ずかしそうに答えた。


「なんだか、

今日見る映画は見たい気分になったんだよね・・。

なんとなく・・。」


「あっ! 出た!!

陽呼子ちゃんの直感!!


陽呼子ちゃんの直感は

時々恐ろしいほど当たるよね!


びっくりするもん!

ものすごくはずれる時もあるけど!」


「佳夏ちゃん~。

それって褒めているの~。


当たるし、はずれるなら平均して普通じゃん。

なんだかつまらない能力ね。」


「いやいや、陽呼子ちゃんの直感は

凡人のそれとは違うって~。


私は陽呼子ちゃんの直感を信じて

音楽をやっている部分もあるんだから。


瑠々華(るるか)ちゃんも言っていたよ。

陽呼子ちゃんの直感は

時空を越えてものごとを認識しているって。」


「時空を越えてものごとを

認識しているって壮大な表現ね~。


まぁ~ 確かに不思議なことが

起きることもあるし、

それを信じることも疑うこともあるけど・・。


じゃ~ 今日の映画も

その私の直感ってやつね!

面白くなくても文句なしね!」


「見る前から面白くないなんて

言わないであげてよ~。」


「あっ。そうね!

まだ分からないよね。

観てのお楽しみってことね!」


陽呼子と佳夏は

楽しそうに会話をしていた。


流湾はその会話を

聞いていないふりをしつつも聞いていた。

めちゃくちゃ気になっていた。


そのため、鮫郎が横で

一生懸命に話していた


サメ界のキングモンスターの

キャラクターの必殺技に

隠された秘密についての話は

全然耳に入っていなかった。


それでもまだ話している。


「流湾!

だからあいつがサメ界の

キングモンスターって言われているんだよ~。

オレもサメ界のキングって呼ばれたいなぁ~。」



そして、4人は映画館に着いた。

機械にスマホをかざして映画館の席に座った。


大きな映画のスクリーンには

広告の映像と映画泥棒の警告動画が流れていた。


広告の映像も大スクリーンでみれば大迫力である。




―映画広告―




「ジンベエザメ王国の青年、

『シンベエ』の大冒険!!


南極にあるペンギン王国へ

伝説の真珠を届けるための旅。


全ベエが泣いた・・

ファン待望の感動アニメ映画。


『BAY AREA FANTASY the MOVIE

(ベイエリアファンタジー・ザ・ムービー)』


♪ 壮大な音楽が流れる。


【ペンギンのおばあさん】


「あら、ジンベエザメなんて珍しい・・。

怪しいわね・・。」



【主人公の『シンベエ』】


「いや・・。違うんです・・。

あの・・。帰ります!!」



弱気なジンベエザメの『シンベエ』は

幾多の困難を乗り越えて、


ペンギン王国に

たどり着くことができるのか?



【コバンザメの住民】


「生意気だ!

弱虫ジンベエザメのくせに。」



【シンベエ】


「僕だって、

大きなヒレにまだ情熱を持っているんだ!


こんな小魚に負けるわけがないだろう!

かかってこいよ!」



―ちょっとした戦闘シーンー



【マナティーのおじさん】


「マナティーおじさんだよ~。

そんなに頑張っても無駄だよ~。

冒険は諦めた方が楽だよ~。

・・・。


私は悪役じゃないよ~。」



全国の劇場で公開中!!




鮫郎が絶対にこの映画を今度見ようと

意気込んでいた。


流湾もみたいと思っていた。


そして、その気持ちを切り替えるように

スクリーンは暗くなり


今日見る映画は始まった―


(つづく)



読んでくださり、ありがとうございます!!

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