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(新聞記事抜粋)姫巫女祭にて少女病臥
姫巫女祭にて少女病臥
明治二十三年 九月廿日付
水杜村にて先頃執り行はれたる姫巫女祭に参加せし少女一名が、
祭礼の後に激しき腹痛、嘔吐、発熱等を訴へ、村内の医師の診察を受けたる後、病院へ移された。
少女は村内在住の十二歳で、姫巫女神社に古くより伝はる神事において「姫巫女」の役を務めたる者なり。
同社には、大蛇を退治したる姫巫女の故事にならひ、
祭の日に選ばれたる少女が蛇を食する神事あり。
古来より当地の奇祭として知られ、近隣より見物人の集まることも少なからず。
医師の見立てによれば、少女の症状は祭礼の際に食した蛇肉によるものと考へられ、
食物による中毒の疑ひありといふ。
少女は一時高熱を発したものの、現在は容体安定し、生命に別状なし。
この事態を受け、水杜村長は本紙記者に対し、
「古来より伝はりし祭事とはいへ、子供の身に危険の及ぶことは看過出来ぬ。
神社とも相談の上、今後の祭の在り方について考へねばならぬ」
との旨を語れり。
姫巫女神社側では、神事の中止については未だ決定せず、来年以降の祭礼について氏子らと協議するものと見られる。




