46 テレサ:主人への手紙
◆テレサ・ジャンビット
お父様との話し合いが終わり、部屋に戻る途中、レイリーとマーカスをいつもの場所で見かけた。
この二人はいつも仲がいい。
こっちが忙しい上に、王都行きまで決まったというのに呑気にしてる。
その事を知らないのだから、仕方ないのだけど。
レイリーを連れて私の部屋に戻るとレイリーに説明することにした。
「レイリー、お茶会が終わったら、次は王都に向かいます。」
「何故に?」
キョトンとしながら答えるレイリー。
「お父様が、陛下に呼ばれたからです。私とレイリーはそれに付き添う形になります。」
「えーっと、釣りが終わった後ですか?」
レイリーの優先順位のTOPが釣りだ。
「釣りは中止です。」
「なっ、なんですとぅーっ。」
王都行きよりも釣りが中止になる方が余程ショックらしい。
「なので、あの人に手紙を出しますので、レイリーも書きなさい。」
「・・・はい。」
しょぼーんとしてるのは可哀想だが、こればっかりは仕方がない。
王都行きになったので、主人に手紙を書く。
レイリーの手紙も同封するため、レイリーの手紙の内容を確認するのだが。
【急遽、王都行きになった為、釣りに行くことが出来ません。父上は釣りをしてませんよね?せっかくマーカスとキャスティング練習までしたのに釣りに行けません。非常に残念です。ところで父上は釣りに行ってませんよね?僕が行けないのに父上が行ってるなんて事はありませんよね?早くジャンビットに帰りたいです。父上、僕が一日でも早く釣りに行けるように祈ってください。】
釣りに行けない事への不満が手紙に綴られていた。
お父様に相談しよう。
王都で釣りに行く時間を作らなければいけないと私はそう感じ取った。
お父様にレイリーの手紙を見せてみた。
「釣りに行けないことで不満が溜まりまくってるようだな。」
「王都では時間はとれますか?」
「どういった川ならいいのだ?」
「魚が居れば問題ないと思います。」
「わかった、それも陛下に相談しよう。」
王都行きの件で忙しくはなるが、まずはお茶会だ。
王妃様が参加されるということで、大幅な変更を余儀なくされた。
本来であれば、どう対応するべきか右往左往して、3日ではどうしようもないのだが、ヒルデガルト様がいらっしゃるお陰で、随分と助けられた。
何しろ遠慮も何もなく王妃様を準備に引っ張って来たのだ。
「まあ、これが異世界のもので飾ったものなのね。」
王妃様が興味深く会場内を見て回る。
「お姉さま、お姉さまのせいで時間がありませんわ。しっかりと手伝ってください。」
こんなことを言える女性はヒルデガルト様しかいない。
「ええ、喜んで手伝わせていただくわ。」
何を出して何を出さないかは、お母様に線引きを任せた。
王妃様も、私とレイリーの王都行きを聞いているので無茶は言ってこられなかった。




