45 リンベルト:世界と孫と
◆リンベルト・グレイモア
「それで陛下はなんと?」
「一度、王宮に来て欲しいと仰っておりました。」
「ふむ、国内の状況は、どうなってますかな?」
「年々と魔物の数は増えております。」
「そうですか・・・。それで、宝物庫の方は?」
「瘴気が増しております。」
「可能性がない訳ではありませんが・・・。」
「あなたっ!」
マシューワに止められた。
「何かいい解決策があるのでしょうか?であれば是非お教えください。」
「こちらで調整し、陛下にお伝えします。」
「わかりました。」
王妃様には客室で休んで貰うことにした。
部屋に残ったマシューワに責められる。
「何を考えてるのですかっ!」
「国の一大事であれば協力するのが、貴族の務めだ。」
「その為なら孫が犠牲になっても構わないと?」
「犠牲とは大げさな。レイリーのスキルを試すだけだ。」
「レイリーのスキルで解決した場合、その後の事をお考え下さい。」
「当然、陛下には事前に確認をとる。」
「はあ・・・。」
マシューワにため息をつかれた。
「陛下や王妃様が苦労なさっているのは、承知だろう?」
「年の離れた子をつくった理由は存じております。」
王家で聖属性のスキルを授かるのは男子系のみ。
決して、王家には聖女は生まれることはない。
いや、貴族から聖女は生まれる事はない。
王太子殿下お一人では、負担が大きいということで、4番目の子をおつくりになったのだが、残念ながら女児だった。
しかも転生者とは、何の因果だろうか。
「テレサが反対したらどうするのですか?」
「その時は、諦める。が、テレサは反対しないだろう?」
「そうですね、あの子は反対しないと思います。」
「それにだ、レイリーは喜んで協力してくれると思うぞ。」
「それはそうでしょう。あの子はポイントが増えることに喜びを感じております。でも5歳の子供に責任を押し付けるのですか?」
「責任は押し付けぬ。レイリーは私が全力で守る。」
「はあ・・・。」
再びため息をつかれてしまったが、こればかりはしょうがない。
私はベルを鳴らし使用人を呼んだ。
「すまぬがテレサを呼んできてくれ。」
「お父様、何の用でしょうか?」
「王宮にある宝物庫の事は知っているな。」
「ええ、まあ。」
「レイリーのスキルを試そうと思う。」
「・・・。」
「テレサ、反対してもいいのよ?」
マシューワが娘を唆す。
「もし、成功したらどうなりますか?」
「私が全力で守る。」
「そうですか、ではお父様にお任せします。」
「テレサ、それでいいの?レイリーが王宮に召し上げられるかもしれないのよ?」
「そんな事は私がさせん。」
「お母様、宝物庫の問題は国、いえ、しいてはこの世界の問題です。」
やはり、テレサは賢い子だ。
「それは、そうだけど。」
「王妃様が来訪されたのは、宝物庫の問題もあったからでしょう?」
「うむ、その通りだ。」
「では私たちはお父様と共に王都に向かいます。」
「わるいな。」
「それなら当然、私も行きますわ。」
マシューワが言いだした。
「いや、このまま領都に・・・。」
「ゴーシュとヒルダが居れば問題ないでしょう。」
「そ、そうだな。」
結局、マシューワに押し切られる結果となった。




