41 ポテチの王道は?
「レイリー。」
なにか言いたげな母上に名前を呼ばれたので。
俺は威風堂々とタブレットを差し出した。
「・・・。」
1ポイントも使ってないし。
俺が何か言われる事は無い。
なんせプレパが居ればスライサー要らずだし。
ちなみに伯爵家の料理人の中でベテラン組は皆同じように薄いスライスが簡単に出来上がってた。
母上が無言のまま何も言ってこないので。
「母上、ポムスプレはどうでしたか?」
こっちから聞いてみた。
「とても美味しかったわ。ヒルデガルト様がお茶会に出すと息巻いていたわ。」
「それは止めてあげてください。料理人の負担が凄いことになるんで。」
この世界のお茶会は、昼の軽食からおやつタイムまでが一括りなので、料理人たちは常に忙しい。
「私が言わずともお母様が止めるわ。」
ならいいか。
いつもの休憩所でマーカスに出会ったのでポムスフレの事を聞いてみた。
「マーカス、ポムスプレはどうだった。」
「うむ、とても美味だった。」
「ポテチとどう?」
「ポムスプレはどちらかというと食事だろう?ポテチはポテチだ。」
マーカスの中でポテチはポテチという事が確立されていた。
コイツ大丈夫か?従弟ながら心配になってきた。
現状ポテチを用意するのは俺だけだというのに。
「ちなみにポテチって色々味があるんだけど?」
「こないだのあましょっぱい感じか?」
「あれはどちらかというと変わり種だね。王道の味がいくつかあるんだよ。」
「な、なんだと、王道は塩味じゃないのか?」
「塩味は王道の中の王道だね。」
「くっ、なら他の味を直ぐに出せ。」
「今日はやめとこう。ポムスプレを食べたからね。」
「き、貴様、私の口をポテチにしときながら。」
口がポテチって何だよ・・・。
あれこれ言ってきたが、全部スルーして今日はコーラだけを飲んだ。
そして・・・。
ポテチの試食会が行われることになった。
なんでだよ、お茶会は?
マーカスがポテチの色んな味を出せと騒いだせいでこんな事になってしまった。
のりしお、コンソメ、フレンチサラダ、しょうゆ、バター醤油、レモン
6種類もあった。
俺が買ってたのは、のりしお、コンソメ、フレンチサラダ。まあレモンは1回買った記憶が残ってる。醤油系は姉たちだな。特にバター醤油はよく頼まれてた。当然金は・・・。
「コンソメとフレンチサラダが美味しいわね。」
母上が。
「レモンがいいじゃない。」
「そうですわ。レモンがいいです。」
お婆様と伯母上が。
「どれもお酒にあいそうだ。」
お爺様の意見に伯父上も頷いていた。
ちなみにマーカスは、黙々と全種の味を注意深く味わっていた。
俺の母上がいるので、声をあげることはなかった。
さてそれはそうと、一向にお茶会の日程が決まってないが何でなん?
気になって母上に聞いてみた。
「お茶会の日程はいつですか?」
「あなたが余計な事するから、決まらないでしょ。」
なんでやねん。
人のせいにせんでほしいわ。
「何かしましたか?」
「もういいわ。来週には決まるから、それまではお手伝いね。」
「・・・はい。」
よし決めた。
お茶会が終わるまでは余計なことはしないと心に決めた。




