39 至高はポテチとコーラ
朝のキャスティングの時間にお爺様と伯父上から、今後について色々とレクチャーを受けた。
「レイリー今迄と同じようにテレサに相談してスキルを使うようにな。」
お爺様が。
「ポイントを使う時は、他の人が居ない時にしなさい。子爵やテレサのいう事をよく聞いて慎重にね。」
伯父上が言った。
傍に居たマーカスが、うんうんと頷いている。
これマジで攫われる未来があるんかと、ちょっぴりだけ不安になった。
まあ中身大人なんで何とかなるっしょ。
キャスティング練習が終わればお茶会の準備に追われ、昼食後のお昼寝も1時間くらいしか取れない。
今は早くお茶会が終わってくれと祈りながら働くのみだ。
「レイリー明日はいいわ。ゆっくり休みなさい。」
その日の晩、急遽、お休みがいただけることになった。
「釣りに行っていいですか?」
「それは駄目。そもそも魚が捕れるような場所は近くにはないのよ。準備もかかるだろうし。」
がーん・・・。
「お昼寝もいつも通りして、体を休めなさい。」
「はい。」
よし明日は寝て過ごそう。
おかしい。
時間泥棒が出た。
いつものように過ごし、いつもと同じように長めのお昼寝をしたら、休日が終わった。
どこだ、出てこいっ時間泥棒。
前世合わせると、きっと10年分くらい盗まれてるに違いない。
そしてお茶会の為の労働の日々が始まるのです・・・。
隙あらば抱っこしてこようとしてくる伯母上を避けるため、俺は母上の傍を離れないようにした。伯母上が近づけば間に母上が入るように移動する。
「何ですの、この可愛い生きものは。」
「ひとの息子を勝手に抱っこしようとしないでください。」
母上が苦言を呈すが、きっと聞いちゃいない。
「レイリー、こっちにいらっしゃい。」
お婆様に呼ばれたのでそっちに行く。
まあ抱っこされるわけだが。
「ずるいですわ。お義母様。」
「祖母の特権よ。」
「伯母の特権を要求しますわ。」
ちょっとした休憩中にこんなやり取りをしながらも、俺のポイントはゴリゴリと削られていく。
大丈夫だ、まだ世界に誇る日本のファミリーカーが買えるくらいのポイントは残ってる。
そういやあれ、ありえんくらい高くならなかった?
「はあ、ポイントが欲しい。」
いつもの休憩所で俺が零した。
「当家のとギルドのを合わせて結構なポイントがあったのではないか?」
「そんなのお茶会で消えるよ。」
「むむ、そうするとこうやってポテチが食べれるのも今のうちか?」
ポテチを食べる手が速くなるマーカス。
「ポテチくらいなら、大丈夫だよ。」
「ならいいではないか?」
よくねーよ。
「購入したいものは、もっと沢山あるんだよ。」
「贅沢な奴だ。私はこうやってコーラとポテチを食べれたら十分だ。」
それでいいのか、マーカス。
随分安上がりな男になってしまったなあ。
「ずるいですわっ!」
言わずもがな伯母上登場。
「グラスを。」
マーカスが侍女に指示した。
「どうぞ母上。」
慣れた手つきで缶のプルタブを開けてコーラを注いでいく。
「ありがとう、マーカス。」
「母上も準備でお疲れでしょう。」
「そうですわ。母は疲れています。マーカスは暇そうですね?」
「何をいいます。私は勉強に励んでいますよ。」
本当かどうか怪しいなコイツ。
「なんだ、その目は。」
「別に・・・。」
「ねえレイリー、もっと色々なお菓子があるのでは?」
「ありますよ。でもマーカスは、これが好きなので。」
「マーカスも、もっと色々なものが食べたいわよね?」
「いえ、ポテチとコーラがあれば十分です。」
ブレないなこいつ。
「マーカスも、もっと色々なものが食べたいわよね?」
圧力が強くなった。
「いえ、ポテチとコーラがあれば十分です。」
もはや鉄の意志か。
「育て方を間違えましたわ。」




