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第七の戒律 ムー大陸編6

新作 第3弾目の投稿です。

題名 転生したらしいけどスキルデッドストックって何???

今回の主人公は海軍さんの街呉からの転生した女子高生のお話です

はちゃめちゃのスキルで異世界を乗り越えます。


誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。

途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。

作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。


パラレルワールド編 ダビンチは世界遺産のナスカから謎の大陸ムーのお話です!

当初から作品を見ていただき本当にありがとうございます。

大変励みになっております。


これからもよろしくお願いします。

では、参ります!!

### 第十七話 第七の戒律と不純なる生命の交わり


地殻の歪みはムー大陸の脊梁を二つに引き裂き、裂け目から噴き出すマグマの赤黒い光が、崩壊しつつあるラ・ムアの街を不気味に照らし出していた。

天空に浮かぶ、結晶と光の衣をまとった「リリト・アン」や「オル・ラ・イン」の宇宙船群は、その地獄絵図をただの物理現象として網膜に焼き付け、冷徹な観察を続けていた。

神々が放った十戒の光は、すでに地上の硝煙によって曇り、人々の理性を繋ぎ止める鎖としては機能していなかった。


十戒の第七条――「生命の交わりを汚すことなかれ」。


かつて科学の頂点を極めていた頃、ムー人にとって生殖と交わりは、宇宙人たちの厳密な遺伝子管理のもと、最も純粋で神聖な「進化の設計」として行われていた。

しかし、全能の力を失い、脳の領域が閉ざされつつある彼らは、今や野生の獣と同じく、ただの肉体的快楽と恐怖の裏返しとしての交わりに身を投じていた。


レオナルド・ダ・ヴィンチは、中央植物工廠の機能停止した温室の奥深くで、第五の犠牲者を発見した。被害者は、遺伝子交配の記録を管理していた女性技術者、エバだった。

彼女の肉体は、人工培養された新種の肉食植物の蔓に絡め取られ、その体内には、本来あり得ない異種の遺伝子ナノマシンが強制的に注入された形跡があった。その細胞組織は急速に崩壊し、粘液となって床を濡らしていた。


「これは……交わりを汚すというレベルではないな。生命の根源を冒涜しているようだ。」


レオナルドは、エバの硬直した指先から、一枚の割れた量子クリスタルを回収した。エバは死の間際まで、ある男の遺伝子データを消去しようとしていた。

犯人は、自らの劣化したゲノムを、工廠に残された純粋な神の遺伝子と強制的に掛け合わせ、不老不死の怪物を生み出そうとしたのだ。


第七の戒律を破って行われたこの第五の殺人は、肉体的な欲求の暴走による惨劇であった。


しかし、レオナルドはその血痕を見つめながら、強い違和感を覚えていた。この殺人の動機は、これまでの物欲や権力欲、あるいは安息を求める狂気とは、根底にある性質が全く異なっていた。


そこには、次の第八の戒律――「他者の糧を奪うことなかれ」へと繋がるような、資源の枯渇や飢えによる困窮の影が一切見られなかったからだ。


「この殺人は、物質的な飢えから生じたものではない。純粋な『種の保存への狂気』だ。それゆえに、次の飢餓の悲劇とは完全に断絶している……」


天才の呟きは、激しい地鳴りにかき消された。上空では、ドル・メドの監視船が、その生命の崩壊をただ淡々と記録していた。


### 第十八話 第八の戒律と断絶された飢餓


第七の殺人がもたらした遺伝子汚染の恐怖が冷めやらぬうちに、ラ・ムアの街は全く別の、より原初的な絶望に包まれていた。


それは「飢え」だった。


物質定着器が完全に沈黙したことで、大気から栄養を構成する術を失った群衆は、ついに暴徒と化し、わずかな備蓄食料が保管されている中央倉庫へと殺到した。


十戒の第八条――「他者の糧を奪うことなかれ」。


この戒律は、生きるための本能の前に、一瞬で踏みつぶされた。人々は、かつて宇宙人から与えられた高次元の倫理を忘れ、互いの喉笛を噛み切り、他者が手にしたわずかな結晶状の食物を奪い合っていた。

レオナルドは、倉庫の入り口で、他者の糧を奪おうとして群衆に踏み殺された老人たちの遺体を見ていた。


しかし、彼の目はそこにはなかった。


彼の視線は、第七の殺人が起こった温室の方向と、この倉庫の惨状を何度も往復していた。


「やはり、繋がりがない。第七の殺人は、未来の種を創り出すための高慢な知性の暴走だった。だが、この第八の戒律を破る暴動は、ただ今日を生き延びるための家畜の足掻きだ。犯人の意図は、この二つの事件の間で、完全に分断されている!!!」


ルカは、飢えた住民がかつての生体樹木を斧で切り倒し、その樹液を貪り飲む姿を見て、涙を流した。

科学の頂点を極めた生活風景の残骸が、今やただの「餌場」へと成り下がっている。かつては、空中を優雅に滑っていたマハ・ナのガラス球が、今では飢えた人々を閉じ込め、略奪から身を守るための無骨な盾として使われていた。


上空の宇宙人たちは、この物質的な略奪の光景をも、冷ややかに見守っていた。


彼らにとって、糧を奪い合う人間の姿は、二百万年前のアフリカの草原で肉を奪い合っていた毛深い猿人たちの姿と、何ら変わりはなかった。どれだけ知識を与え、繁栄させても、本質的な恐怖に直面すれば元の獣に戻る。神々は、この実験の終了が正しい判断であったことを確信し、離脱のためのワープエンジンの充填を開始した。


レオナルドは、手帳に略奪の構図を描きながら、この二つの戒律の間に横たわる「断絶」こそが、真犯人が仕掛けた最大の罠であることを見抜いていた。


### 第十九話 神々の冷徹なる視線と反重力の消滅


ムー大陸の四方から、海水が滝のように中央の盆地へと流れ込み始めていた。ラ・ムアの象徴であったクリスタルタワーは、根元からへし折れ、泥海の中へと没していく。


それでもなお、上空の神々――数百の多種族宇宙人たちは、地上の救助活動を一切行わなかった。


彼らは、自らが地球というキャンバスに描いた「ムー文明」という作品が、自壊していく様を最後まで見届ける義務があるかのように、ただ静止していた。


レオナルド・ダ・ヴィンチは、ピラミッド「天の眼」の傾いた回廊を歩きながら、その神々の視線を感じ取っていた。彼の持つ物理学と天文学の知性は、上空の宇宙船から放たれている重力波の密度が、急激に減少していることを察知していた。


「神々は、この地を救う気など毛頭ない。彼らにとって、我々の苦悩も、この十戒を巡る凄惨な殺人も、すべては次の播種計画のための『修正データ』に過ぎないのだから……!」


レオナルドは、自らの葛藤をルカに祈り語った。


「ルカ、全能の科学とは、人間を幸せにするためのものではなかったのだ。それは、神々がこの地球を効率よく管理するための道具に過ぎなかった。道具の持ち主が去れば、残された者はその重さに潰される。十戒とは、神々が去る前に、我々に『人間の身の丈』を思い出させるための、最後の残酷な贈り物なのだ」


その時、ピラミッドの周囲を浮遊していた最後の反重力島が、エネルギーの供給を完全に絶たれ、凄まじい地響きとともに大広場へと墜落した。かつては神々のテラスとして使われ、美しい発光植物が咲き乱れていたその浮島は、一瞬にして数千の住民を押しつぶす巨大な墓標へと変わった。


押しつぶされた肉体から流れる血が、泥水と混ざり合い、ムー大陸の地表を赤く染めていく。科学の頂点を極めた生活のすべてが、物理的な質量となって人類に襲いかかっていた。


宇宙人たちの船は、その墜落の衝撃波による大気の歪みを精密に測定し、ただ静かにログへと記録していた。滅びの課程は、完璧な精密さで進行していた。


### 第二十話 第九の戒律への序曲と影の正体


反重力島の墜落による煙霧がラ・ムアを覆い尽くす中、生存者たちの間で、ある「噂」が急速に広まり始めていた。それは、これまでの全ての殺人は、神々がこの大陸を滅ぼすための口実として、自ら仕組んだ罠だという、歪んだ陰謀論であった。人々は恐怖のあまり、互いの記憶を改ざんし、無実の者を「神の放った刺客」として指差すようになっていた。


十戒の第九条――「偽りの記憶を語ることなかれ」


この戒律が試される時が、すぐ目の前に迫っていた。科学を失った人間は、目に見える現実を受け入れることができず、自らの都合のいい「偽りの真実」を作り出し、それを信じ込むことでしか、精神の均衡を保てなくなっていたのだ。

レオナルドは、ピラミッドの最下層にある、かつて量子サーバーが設置されていた空洞にいた。そこは今や、浸水してきた海水が膝の高さまで達する暗い水槽のようになっていた。


「これまでの五つの殺人は、すべて犯人の『自己顕示』だ。犯人は、神々が与えた十戒を一つずつ破ることで、自らが神以上の存在、すなわちこの世界の『終末の支配者』になろうとしている大バカ者だ!」


レオナルドの足元に、一本の奇妙なガラスの管が流れてきた。それは、ルネサンスの時代に彼が愛用していた、特殊な顔料の容器だった。この世界には存在するはずのない物質。


「犯人は……私をよく知る者だ。時空の裂け目に落ちたのは、私一人ではなかったということか???」


レオナルドの脳裏に、イタリアの工房で自らの背中を追いかけていた、

ある人物の顔が浮かび上がった。その人物もまた、この二百万年前のムー大陸に転移し、失われゆく超科学の力を手に入れ、発狂したのだ。

その時、地下室の水面が大きく揺れ、上層階から新たな悲鳴が響き渡った。第九の戒律を破る、第六の、そして最も欺瞞に満ちた殺人が、ついに実行されようとしていた。


ムー大陸の沈没まで、残された時間はあとわずか。レオナルドは、迫りくる影に向かって、暗闇の水を蹴りながら走り出した。

みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?

少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。

励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。

これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

パラレルワールドで魔法と多種族の住む下町ローマで起こる事件を魔法とスキルで解決していく物語です。時代背景は読者の描く時代に当てはめてくださいね。

ムー大陸編も大詰めです。よろしくお願いします。

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