表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/93

第3の戒律 ムー大陸編5

新作 第3弾目の投稿してます

題名 転生したらしいけどスキルデッドストックって何???

今回の主人公は海軍さんの街呉からの転生した女子高生のお話です

はちゃめちゃのスキルで異世界を乗り越えます。


誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。

途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。

作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。

パラレルワールド編 ダビンチは世界遺産のナスカから謎の大陸ムーのお話です!

当初から作品を見ていただき本当にありがとうございます。

大変励みになっております。


これからもよろしくお願いします。

では、参ります!!

### 第十三話 第3の戒律と神聖なる沈黙の崩壊


白磁の都「ラ・ムア」の地下深くに据えられたオリハルコン・コアの制御室は、もはやかつての超科学の聖域ではなかった。

最高神官カナーンの鮮血が、素粒子を安定させるための超伝導プレートを汚し、回路を赤く染めていく。

ピラミッドの壁面に燃え盛る十戒の文字は、地上の混乱を鎮めるどころか、全能の力を失い自らの矮小さに絶望した民の狂気を、さらに鋭く研ぎ澄ますだけの結果となっていた。

上空の超空間ドックに静止する、結晶の衣をまとった「リリト・アン」や液状知性体「ネオ・ズ」の神々は、この第三の殺人をただ冷徹に、かつ正確に記録していた。彼らの精神ネットワークには、悲しみも怒りもない。

あるのは、最高純度で設計されたはずの遺伝子生命体が、過酷な環境変化に直面した際に示す「行動遺伝学的なバグ」への純粋な興味だけであった。神々の沈黙は、人間にとって最大の恐怖であり、見捨てられたことの証明に他ならなかった。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、カナーンの遺体の前に屈み、その裂けた胸口から流れ出る血液の粘度を凝視していた。彼の指先が、最高神官の衣服に微かに付着していた白緑色の粉末を捉える。


「これは……植物の細胞壁を極限まで硬化させたナノ構造体の残骸だな。ルカ、この素材はどこに使われているんだ?」


背後で震えていた若きムー人ルカは、青ざめた顔で天井を見上げた。


「それは、中央植物工廠の『母なる大樹』の基部を保護するための防護隔壁です。一般の民が触れることのできない、神聖なる領域の物質です。」


十戒の第三条には「神聖なる知性の名を無闇に貶めることなかれ」と刻まれている。


レオナルドの天才的な脳細胞は、カナーンの死がその第三の戒律とどう結びついているのかを、一瞬にして編み上げていった。


「カナーンは、神々の名を騙って自らの権威を維持しようとしたのではない。彼は、神々の『真意』を隠蔽しようとしたのだ。神々がこの大陸を見捨て、遺伝子を初期化しようとしている事実を民に隠し、神の知性は未だ我らと共にあると偽った。その欺瞞に気づき、神聖なる知性を汚されたと憤った者が、この老神官を処刑したのだ」


レオナルドの葛藤は深まるばかりだった。


神々が与えた完璧な知識と科学は、人間から「未知への探求」と「絶望への耐性」を奪ってしまった。全能という温室で育てられたムー人は、全能を失った瞬間、自らを律する倫理の骨格すら持たない軟体動物へと退化してしまったのだ。

レオナルドが立ち上がったその時、地下室の通信スクリーンが不気味に明滅した。かつては宇宙の果ての星々の映像を映し出していたその画面に、歪んだ精神波の文字が浮かび上がる。


『神々の名はすでに死んだ。次は、第四の戒律が血で書き換えられる番だ』


冷たい殺意の波動が、崩壊しつつある地下室の空気を凍らせた。


### 第十四話 第四の戒律と安息日の狂気


ムーの大陸がその自重によって数センチメートル沈降するたびに、大西洋と太平洋の境界線では、巨大な津波が海岸線を削り取っていった。

かつてはガル・ウイングたちの電磁シールドによって完全に制御されていた気候は、今や暴虐な嵐となってラ・ムアの街を襲っている。


十戒の第四条――「宇宙の周期たる安息の日を忘れることなかれ」


かつてムー人にとって安息日とは、すべての肉体的活動を停止し、精神を宇宙の基底振動(シューマン共鳴)と同調させ、神々と純粋思考を交わす至福の時間であった。

しかし、科学の頂点から転落した民にとって、その日は「死の恐怖と直面する日」へと変質していた。

街の大広場では、数千人の住民が泥の中に座り込み、天に向かって意味のない呪詛と祈りを交互に叫んでいた。

彼らは精神同調を行う能力(松果体の機能)を失っているため、どれだけ叫んでも上空の宇宙船にその思念が届くことはない。


「彼らは安息を求めているのではない。思考を停止する権利を求めているのだけ!」


レオナルドは、嵐の中でフードを深くかぶりながら、大広場の群衆を観察していた。彼のノートには、狂乱に陥った人間の顔の筋肉の動きが、解剖学的な正確さでスケッチされていた。


「ルカ、人間が最も恐れるのは肉体の死ではない。自らが何者でもなくなるという『意味の喪失』だ。神々が与えた全能の生活風景は、彼らから自立という名の苦痛を奪い去った。だからこそ、その生活が崩壊した今、彼らは自ら進んで狂気という名の安息に逃げ込もうとしている」


その時、広場の中央にある巨大な日時計――かつて星々の運行とムーのエネルギーグリッドを同調させていた結晶の塔から、一条の赤い光が放たれた。それは安息日の始まりを告げるシグナルであったが、現在のそれは、破滅へのカウントダウンにしか見えなかった。

群衆の中で、一人の男が立ち上がった。彼の名はセト。かつて都市の環境流体工学を修め、最高峰の知性を持っていたはずの男だったが、その瞳は完全に濁り、衣服は引き裂かれていた。


「神々は我らの安息を求めておられる! 活動を停止せよ! すべての動くものを止めねば、大陸は沈む!」


セトの扇動に、理性を失った群衆が同調し始める。彼らは近くにある動いている機械、まだ微かに明滅していた反重力プレートを物理的な石で叩き壊し始めた。科学の頂点にあった生活の利器が、安息という名の狂気によって破壊されていく。


神々は上空から、その自己破壊の様式を静かに見つめ、ただデータの収集を続けていた。


### 第十五話 第五の戒律と遺伝子の断絶


安息日の嵐が通り過ぎた翌朝、ラ・ムアの北部に位置する培養・遺伝子保存工廠は、不気味な静寂に包まれていた。ここはかつて、宇宙人たちが猿人のDNAを操作し、新種族としてのムー人を誕生させた「約束の地」である。


十戒の第五条には「遺伝子を繋ぎし親を敬うことなかれ」とある。


ここにおける「親」とは、個人の父母であると同時に、彼らを創造した「神々(宇宙人)」そのものを指していた。

しかし、地上の民にとって、自分たちを未完成のまま見捨てようとしている親への敬意など、すでに枯渇している。

レオナルドは、培養工廠の巨大なガラス円筒の間を歩いていた。かつては真珠色に輝く培養液で満たされていたタンクの多くは割られ、中の遺伝子サンプルは床に流れ出して干からびていた。


「見事なものだな。彼らは自らのルーツを破壊することで、親への復讐を果たそうとしているのか!」


レオナルドは、床に散らばる割れたクリスタルの中から、まだ生命活動を維持している微小な発光体を見つけ出した。それは、ムー人の肉体年齢を数百年維持するための、ナノ修復ゲノムの原液だった。


「ルカ、この世界の人間は、神々から『完全なる果実』を与えられた。だが、果実の育て方は教わらなかった。だから、果実が腐り始めた今、彼らは木そのものを切り倒そうとしている。第五の戒律が求めているのは、盲目的な崇拝ではなく、自らを創り出した大いなる自然の連鎖への理解だったはずだ。だが、彼らにはそれが伝わらなかった」


ルカは涙を流しながら、かつて自分の先祖が生まれたとされる培養槽の銘板を撫でた。

そこには、ドル・メドの種族が刻んだ、重力制御と分子結合の数式が美しく刻まれていた。その高度な科学の頂点の記憶は、今や誰の脳にも再現できない失われた言語となっていた。


その時、工廠の最深部から、激しい爆発音が響いた。何者かが、工廠の基幹ゲノムデータを保管している量子サーバーを物理的に爆破したのだ。


「なんと彼らは、親の記憶を消し去り、自らが獣として生きることを選んだのか!」


レオナルドは爆煙の向こうに、逃げ去る人影を見た。

それは、神々への敬意を完全に捨て去り、自らの存在理由を闇に葬ろうとする、絶望した人間の背中だった。


上空の宇宙船は、その爆発の光をも冷たく網膜に焼き付け、次の周期への移行を淡々と進めていた。


### 第十六話 第六の戒律と第四の殺戮


地鳴りはもはや、数分おきにムー大陸の脊梁山脈を揺らすようになっていた。ラ・ムアの街の亀裂からは、地球の底から湧き上がる熱水と硫黄の煙が噴出し、かつて大気を浄化していたガル・ウイングの死骸が、酸性雨に打たれてドロドロと溶けていく。


十戒の第六条――「同胞の命を断つことなかれ」


この最も根源的な戒律は、皮肉にも、最も凄惨な形で破られることとなった。

レオナルドとルカは、ピラミッド「天の眼」の頂上、かつて大巫女イシュタが地球の核心コアと精神を同調させていた「調律の座」へと向かった。そこには、最後の希望であるオリハルコンの制御レバーが存在するはずだった。

しかし、彼らが最上階の扉を開けた瞬間、生暖かい血の匂いと、激しいオゾンの臭気が鼻を突いた。

調律の座の中央で、胸を巨大な高エネルギーレーザーのメスで正確に焼き切られた遺体が、仰向けに倒れていた。


被害者は、ルカの幼馴染であり、このピラミッドの最後のシステム管理官だった若者、アレンだった。彼の視覚神経は完全に破壊され、脳からは直接、ピラミッドの全機能を停止させるための「シャットダウン・コード」が吸い出された形跡があった。


「アレン……! なぜだ、なぜお前が……!」


ルカは遺体に縋り付き、絶叫した。科学の頂点を極めた生活风景の最後の砦であったピラミッドが、身内の手によって完全に機能を停止させられたのだ。

レオナルドはアレンの傷口を観察し、その焦げた輪郭から、犯人が使用した武器を特定した。それは、かつて宇宙人が医療用に残していった、分子結合を切り離すための「光子メス」だった。

人の命を救うための超科学の道具が、今や同胞を最も効率よく屠るための暗殺兵器へと変貌していた。


「犯人は、十戒の第六条が下される前から、このピラミッドの破壊を計画していた。サウロを殺し、ミアを殺し、カナーンを殺し、そしてアレンを殺した。これは、偶発的な狂気ではない。明確な意志を持った『終末の執行者』の仕業だ。」


レオナルドの視線が、部屋の隅にある開いたままの超空間ダクトへと向けられた。そこには、犯人が逃走した際に落としたと思われる、一本の古びた金属の筒が転がっていた。それは、レオナルド自身がルネサンスの時代から持ってきた、彼自身の設計図の筒だった。

「まさか……」

天才の脳裏に、最悪の仮説が浮かび上がる。

上空では、神々の船が最終的な離脱の光を放ち始め、ムー大陸の縁が、ついに大洋の濁流へと飲み込まれ始めた。


第四の殺人は、この大陸の完全な終わりを告げる号砲だった。

みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?

少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。

励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。

これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

パラレルワールドで魔法と多種族の住む下町ローマで起こる事件を魔法とスキルで解決していく物語です。時代背景は読者の描く時代に当てはめてくださいね。

ムー大陸編です。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ