エジプト ギザピラミッド 世界遺産編 11章
二話目の投稿です。
誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。
途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。
作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。
新作始めます。探偵物です。
世界遺産編エジプトギザのピラミッド 最終話です
当初から作品を見ていただき本当にありがとうございます。
大変励みになっております。
これからもよろしくお願いします。
では、参ります!!
エジプト ギザピラミッド 世界遺産編 11章
## 第四十一話:天頂の三つ星と、終末のカウントダウン
第七の試練――【天の審判(オリオンの落涙)】。
超古代の夜空を見上げれば、オリオン座の三つ星が、不気味なほど鮮烈な紅い光を放ちながら天頂へと昇りつめようとしていた。そして地上では、その三つの星の位置と完全に同期するように配置された三つの巨大ピラミッドが、激しい地鳴りとともに地底から負の魔力を吸い上げ、その頂点から天に向かって漆黒のエネルギーの奔流を噴き上げていた。
スフィンクスの両巨像、オシリスとアヌビスの瞳からは、血のような赤い液体が絶え間なく流れ落ちる。神々が去り際に遺した最後のシステム。それは、オリオンの三つ星が完全に直列した瞬間、ピラミッドに溜まったギザの住人たちの「すべての悪意と業」を臨界点として爆発させ、この地を半径数百マイルにわたって一瞬で塵へと変える、絶対的な破滅のタイムリミットであった。
「もう逃げ場所なんてない……。天が燃えている。神々は本当に、俺たちを歴史から消し去るつもりなんだ」
人間の若者アシャは、紅く染まる自分の両手を見つめ、絶望のなかにへたり込んだ。
住人たちの生活風景は、もはや生存のためのあがきすら忘れた「終末の祈りと狂乱」に包まれていた。大地族のウルたちはピラミッドの周囲に集まり、巨体を地面に打ち付けて神々への許しを乞う賛歌を歌い、天空族は少しでも爆発の熱から逃れようと、赤く焼ける大気の中を羽が焦げるのも構わず上空へと飛び去っていった。真水を分け合い、病を乗り越えて連帯したはずの各種族だったが、圧倒的な「世界の終わり」を前にして、ただ涙を流し、互いの手を握りしめて最後の瞬間を待つしかなかった。
そんな終末の地響きが轟くピラミッドの大回廊で、レオナルド・ダ・ヴィンチは、狂ったように回転を速める「時空の羅針盤」を凝視していた。
これまでの六つの事件を解決したことで、真鍮の筐体は全体の七分の六まで、眩いばかりのエメラルドグリーンの光で満たされている。磁針は完全にルネサンスのミラノを捉えており、空間には今にも開きそうな時空の裂け目がパチパチと音を立てて火花を散らしていた。
だが、レオナルドは帰らなかった。いや、帰れなかったのだ。
「フッ、実に見事な幾何学的構造だ。三つのピラミッドと天の三つ星が、巨大なエネルギーの三相交流回路を形成している。だが、神々よ、お前たちは一つだけ計算違いをしている。私は、目の前にある未解決の『宇宙の謎』を残したまま、元の世界へ逃げ帰るような無様はできんたちなのだよ」
レオナルドは羅針盤を強く握りしめ、時空の門からあえて背を向けた。
「このギザの全土を焼き尽くさんとする天の審判。これ自体が、パンドラの箱の底に残された、最初の『第一の殺人』から続くすべての猟奇事件の結節点。すなわち、この狂った終末の引き金を引いた【本当の黒幕】が、この大爆発に紛れて最後の仕上げを行おうとしている。それを暴かぬ限り、私の探偵業は終わらん!」
その時、天頂の三つ星が一段と強く輝き、第一のピラミッドの頂点が爆発的な閃光を放った。オリオンの落涙のタイムリミットまで、あとわずか。超古代探偵劇の、すべてを賭けた最終決戦の幕が上がった。
## 第四十二話:第二十二の審判、神を模した最後のアリバイ
天が紅く焼け焦げ、大地が裂ける混沌のなか、スフィンクスの足元にある「真実の祭壇」で、誰もが想像し得なかった第二十二の、そして最後の猟奇殺人事件が発見された。
被害者は、神々が去った後、各種族の精神的支柱として彼らを導き、神々の言葉を代弁し続けていた唯一の預言者、人間の老人マナであった。
マナの遺体は、スフィンクスの胸壁に「巨大なオリハルコンの槍」で深く突き刺され、宙吊りになっていた。彼の胸からは血の代わりに、ピラミッドの頂点から放たれているものと全く同じ「漆黒のエネルギー」が霧となって噴き出しており、その顔は、まるですべての絶望を一人で背負ったかのように、悍ましい絶叫の表情で硬化していた。
「マナ様が……! なんでこんな時に、誰がマナ様を殺したんだ!」
ガラクが四本の腕で頭を抱え、咆哮する。
狂乱する住人たちは、もはや互いを疑う気力すら失い、天を見上げて叫んだ。
「神々の天罰だ! 神々が預言者を依代にして、俺たちを直接裁きに降りてこられたんだ!」
「そうだ、これは人間の犯行じゃない! 神の業だ!」
「否。神々はすでにこの地を去り、お前たちのことなど見向きもしていないよ」
紫煙を翻し、レオナルド・ダ・ヴィンチが祭壇の階段を駆け上がった。彼の目は、神罰に見せかけられた遺体のなかに隠された、あまりにも人間臭い「計算の痕跡」を正確に捉えていた。
レオナルドは宙吊りになったマナの遺体に近づき、その胸に突き刺さったオリハルコンの槍の柄に触れた。槍の表面には、微かにだが、機械的な「歯車」の噛み合わせの跡が刻まれていた。
「これは神の奇跡でも、天罰でもない。実に見事な、流体力学と自動人形の技術を応用した『時限式暗殺装置』だ」
レオナルドは立ち上がり、紅く染まる群衆を見下ろした。
「時限装置……? レオナルド、マナ様は誰かに操られて死んだというのか!?」アシャが叫ぶ。
「その通りだ、アシャ。犯人は数時間前、まだピラミッドのエネルギーが臨界点に達する前に、マナをこのスフィンクスの背後に連れ込み、あらかじめセットしておいたピラミッドの『排気圧』を利用した高圧射出装置にこの槍をセットした。そして、オリオンの三つ星が特定の角度に達した瞬間、天候の気圧変化によってバルブが開き、槍がマナの胸を貫いてスフィンクスの壁へと固定されるよう計算したのだ。犯人は、自らが広場で住人たちと一緒に神に祈りを捧げている最中に、この『神の業』に見せかけた殺人を完了させた。神の審判という最大の天災を、そのまま自らの『完璧なアリバイ』として利用したのだよ」
第二十二の殺人事件。それは、神の天罰を完全模倣した、超古代最高峰のテクノロジー犯罪であった。
だが、なぜこの終末の瞬間に、預言者を殺す必要があったのか? ギザが完全に消滅すれば、アリバイも罪もすべて灰になるはずではないのか。
「お前たちのなかに、このギザの消滅を誰よりも望み、かつ、自分一人だけが神々の宇宙船に乗ってこの世界を脱出しようと企んでいる【最初のパンドラの箱を開けた者】がいる」
レオナルドの脳内で、第一話から始まったすべての猟奇事件の糸が、一本の巨大な蜘蛛の巣となって繋がり、その中心に潜む「真犯人」の姿を完全に捉えた。
## 第四十三話:降臨せし神々の石版、十三箇条の制約
「見ろ! 天から何かを乗せた光の繭が降りてくるぞ!」
天空族の戦士が上空で叫んだ。
オリオンの三つ星が天頂で完全に直列する直前、ピラミッドの漆黒の奔流を切り裂くように、遥か天空の彼方から、一枚の「巨大な黄金の石版」が、まばゆい光を放ちながらスフィンクスの前へと厳かに着陸した。それは、去り行く神々が人類、そして他種族たちへと遺した、最後の【審判の猶予の条件】――すなわち、**『人々の制約の13箇条』**であった。
石版の表面には、超古代の神聖文字で、この世界が存続するための絶対的な誓約が刻まれていた。
> **【神々が遺せし、人々の制約の13箇条】**
> 一、互いの種族の肉体を害することを永久に禁ず。
> 二、他者の言葉を偽り、猜疑の霧を呼ぶことを禁ず。
> 三、大河の真水と大地の果実を独占することを禁ず。
> 四、己の悪意を影の如く実体化させ、隣人を呪うことを禁ず。
> 五、病と老いを他者の暗殺の道具と成すことを禁ず。
> 六、神々のテクノロジーを模して、私利私欲の凶器を作ることを禁ず。
> 七、預言者の声を偽り、大衆を破滅へと扇動することを禁ず。
> 八、すべての種族は、ひとつの天、ひとつの大地の恩恵を均等に分かつべし。
> 九、異種族間の婚姻と交わりを尊び、新たな血の循環を絶やすべからず。
> 十、ピラミッドの炉の火は、世界の維持のためのみに使い、武器の鋳造を禁ず。
> 十一、嘘を穿つ者は、スフィンクスの二つの眼の前で、全ての罪を告白すべし。
> 十二、この制約のいずれか一つでも破られし時、オリオンの涙は再び地上を焼き尽くさん。
> 十三、そして――この全ての制約を管理する『最後の鍵』は、全ての謎を解き明かした【異界の探偵】の手に委ねられる。
「十三箇条の、制約……! 神々は、俺たちを滅ぼすためにこの試練を与えたんじゃない。この制約を守れるかどうかを試していたんだ!」アシャが石版を見上げて涙を流す。
「だが、遅いな」
レオナルド・ダ・ヴィンチは、黄金の石版の前に立ち、冷然と呟いた。
「神々の遺したこの石版は完璧だが、この十三箇条の制約が発動するためには、第十一箇条にある通り『嘘を穿つ者が、全ての罪を告白する』必要がある。つまり、第一話の殺人から、今しがた起きたマナの暗殺に至るまで、このギザを地獄へ陥れたすべての事件の『真犯人』をここで裁かねば、石版の魔力は起動せず、ピラミッドは予定通り爆発する」
「そんな……! 真犯人なんて、どこにいるんだよ、レオナルド!」ガラクが叫ぶ。
「真犯人は、最初から私たちのすぐ隣で、最も『無害な犠牲者』の顔をして笑っていたのだよ」
レオナルドはゆっくりと振り返り、スフィンクスの影のなかに佇む、一人の人物に視線を定めた。
天頂の三つ星が放つ紅い光が、天才探偵の背中を巨大な影として地面に投影する。すべての謎が解き明かされる、最後の審判の瞬間が訪れた。
## 第四十四話:永遠の羅針盤、天才が去りしギザの夜明け
「全ての話を終わらせよう。このギザの世界を裏から操り、神々のパンドラの箱を最初に開いた悪魔よ。……アシャ、お前のことだ」
レオナルド・ダ・ヴィンチの冷徹な告発が、第一のピラミッドの崩壊音を切り裂いた。
住人たちは、耳を疑った。ガラクも、天空族も、全員が驚愕の目で、レオナルドの隣に立つ若き人間の狩人、アシャを見つめた。
「れ、レオナルド……何を行っているんだよ? 僕は、君と一緒にずっと事件を追ってきた相棒じゃないか!」アシャが顔を引きつらせて笑う。
「相棒だからこそ、お前は常に私の最も近くで、私の推理の進捗を監視し、次の事件の『偽装』を完璧に行うことができたのだ」
レオナルドは懐から、眩いエメラルドグリーンの光を放つ「時空の羅針盤」を掲げた。
「第一話の事件から、お前は常に現場にいた。お前は、神々がこの地を去る際、密かに神々の宇宙船の『予備の起動キー』を盗み出したな。お前は、ひ弱な人間という種族を見捨て、自分一人だけが神々の仲間入りをして宇宙へ旅立つことを望んだ。そのために、各種族を諍わせ、ピラミッドのエネルギーを臨界点まで高めてギザを爆発させようとしたのだ!」
「証拠は……証拠はどこにあるんだよ!」アシャが狂ったように叫ぶ。
「マナの胸を貫いたオリハルコンの槍の、自動時限装置だ」レオナルドは冷酷に言い放った。
「あの装置の歯車の噛み合わせに使われていたのは、お前がいつも獲物の皮を剥ぐために使っている『猟師特有の複雑な斜めヤスリの痕跡』だ。さらに、お前が盗み出した宇宙船のキーの魔力が、いま、私のこの『時空の羅針盤』と激しく共鳴して、お前の懐の中で熱を放っているぞ!」
アシャがハッと胸元を押さえた瞬間、彼の懐から、黄金に輝く神々の起動キーが滑り落ちた。
言い訳が不可能であることを悟ったアシャは、その場に崩れ落ち、頭を抱えて狂ったように笑い、そして泣き崩れた。
「そうだ……! 僕たち人間はいつも異種族に怯え、神々の顔色を窺って生きるだけの虫ケラだった! 世界なんて滅びればよかったんだ! なのに、なんでお前みたいな『未来の人間』が、僕の計画をすべて台無しにするんだよ!」
真犯人アシャが自らのすべての罪と悪意をスフィンクスの前で白日の下に晒したその瞬間、黄金の石版が凄まじい大光輪を放った。
十三箇条の制約の魔力が起動し、三つのピラミッドから噴き出していた漆黒の奔流は、一瞬にして清らかな青い光へと反転し、天頂のオリオンの三つ星もまた、元の静かなる星々の瞬きへと戻っていった。地鳴りは止み、ギザの地を焼き尽くさんとした天の審判は、完全に回避されたのだ。
「終わった……。世界は、助かったんだな」
ガラクをはじめとする住人たちは、涙を流して互いに抱き合い、アシャを静かに捕縛した。各種族は、黄金の石版に刻まれた『13箇条の制約』を永久に守り、共に生きていくことを、神聖なる大地の前で誓い合った。
その時、レオナルドの手の中で、時空の羅針盤が「七分の七」――完璧なるエメラルドグリーンの光の柱を天へと放った。空間が大きく歪み、その光の奥には、十五世紀のミラノにある、レオナルドの見慣れた工房の風景が、はっきりと映し出されていた。
「レオナルド……行ってしまうのか」ガラクが寂しげに四本の腕を下げた。
「私のいるべき場所は、ここではないからな、ガラク。だが、素晴らしい旅だった。神々の幾何学も、お前たちの命の力強さも、私の手稿の中に完璧にスケッチさせてもらったよ」
レオナルドは満足げに微笑み、ルネサンスの外套を翻して、光の門へと一歩を踏み出した。
「レオナルド! あなたのことは、この石版と共に、ギザの歴史に永遠に刻み続けます!」
住人たちの感謝の歓声が響き渡るなか、万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの姿は、光の中に静かに溶けて消え去っていった。
超古代のギザの地に、神々が去って以来、最も美しく、最も穏やかな「本当の夜明け」の光が差し込み始めていた。神々の遺した制約とともに、人類と異種族の新たな歴史が、ここから静かに始まろうとしていた。
みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?
少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。
励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。
これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
パラレルワールドで魔法と多種族の住む下町ローマで起こる事件を魔法とスキルで解決していく物語です。時代背景は読者の描く時代に当てはめてくださいね。
パラレルワールドで今度は、エジプトギザです
最終話です。お付き合いいただき本当にありがとうございました♪
よろしくお願いします。




