## 第九話:『黄金色の収穫祭(フェスタ)と、欺瞞の葡萄迷宮(ワイナリー)』第三部 第四部
二話目の投稿です。
誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。
途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。
作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。
新作始めます。探偵物です。
## 第九話:『黄金色の収穫祭と、欺瞞の葡萄迷宮』第三部 第四部 了
よろしくお願いします
では、参ります!!
## 第九話:『黄金色の収穫祭と、欺瞞の葡萄迷宮』
### 第三部:薄暗き地下倉庫のパースペクティブ、イノシシとライオンの大混戦(迷宮追跡編)
## 第五章:奇跡の絶品ゲテモノ、見た目は地獄、味は天国の色彩
「待ってください、ダヴィンチさん。葡萄迷宮(地下倉庫)へ突入する前に、あの怪しげな旅商人の屋台から、もう一種類、信じられないほど悍ましい匂いとビジュアルの料理が運ばれてきました。流石の僕も、これ以上はデータの許容量を超えます」
地下倉庫の重い鉄扉の前で、新助手のルカが、自身の結晶の肉体をこれまでにないほど激しく拒絶の『紫色』に明滅させていた。
商人がニヤニヤしながら差し出してきた大皿に乗っていたのは、通称『大湿帯の泥カブト虫のブドウ蜜煮込み』。
見た目は完全に、手のひらサイズの真っ黒で硬いカブト虫の殻が、ドロドロとした紫色の液体の中でグツグツと泡を立てている、地獄の釜底のようなビジュアルだった。匂いは、ツンとする発酵臭の中に、なぜか官能的なほど甘い果実の香りが混ざり合っている。
「うへぇぇぇ! さっきのドジョウより見た目がヤバいよ! 殻が硬くて口の中が血だらけになりそうじゃん!」
八百屋のチコが涙目でトトの後ろに隠れ、マルコ店長も「さすがの俺も、虫を煮込んだやつは専門外だぜ」と、露骨に嫌な顔をして一歩後退りした。
「ははは! みんな、芸術の真髄は『皮むき』にありさ! 見た目が地獄の泥絵の具でも、中身が最高の名画(傑作)ってことはよくある話だよ。ほら、ルカくん、まずは男らしく一噛み行ってみようじゃないかい!」
「なっ、なぜ僕がファースト・デッサン(人柱)を――むぐぅ!?」
俺がヨレヨレのシャツの袖を伸ばして、大皿からスプーンですくい上げた『カブト虫のブドウ蜜煮込み』を、ルカの口へと強引にねじ込んだ。
ルカは一瞬、目を丸くして完全にフリーズし、胸の結晶が『絶望の真っ黒』に染まりかけた――その、3秒後だった。
「――ッ!!???」
ルカの眼鏡の奥の瞳が、これまでにないほどギョッと大きく見開かれた。
カチ、カチ、カチカチカチカチッ!!!
彼の胸の核が、絶望の黒から、一瞬にして見たこともないほど美しく鮮やかな『至高のサクラピンク』へと大爆発したのだ。
「ル、ルカ!? 大丈夫か!? 毒でも回ったのか!?」トトが慌てて叫ぶ。
「ーーま、う、美味ですっ!!!」
ルカは自分の頬を結晶のピンクに染めながら、信じられないほどのスピードで咀嚼を開始した。
「外側の殻は、魔力釜で極限まで加圧されていて、口に入れた瞬間、まるで高級な焼きクッキーのようにサクサクと儚く砕け散ります!
そしてその中から溢れ出るのは、最高級のフォアグラをも凌駕する濃厚な泥カブトの肉汁と、マルチェロ種の完熟ブドウ蜜の、完璧な調和!
脳内の味覚データが、ハピネスの過負荷で完全にショートしています!」
「な、何だってぇ!?」
マルコ店長が目を剥き、我慢できずにお皿からカブト虫を素手で掴んで口へ放り込んだ。
「――う、美味いッ!!! なんだこれは! 噛めば噛むほど、ブドウのフルーティーな酸味と、虫の肉の極上の旨味が溢れて止まらねえ! 濃厚なのに後味が最高に爽やかだ! 俺の負けだ、このゲテモノ料理、美味すぎるッ!!」
「あははは! あたしも食べるー! んんっ、サクサクしてて、チョコがけの高級ナッツみたい!」
チコもトトも、さっきまでの嫌悪感はどこへやら、顔を泥蜜だらけにしながら大喜びでカブト虫を貪り始めた。
「ひゃははは! だから言ったじゃないかい! さあ、ルカくん、美味さで魔力ギヤも大回復したところで、お嬢さんのぶんでお代わりを3皿テイクアウトして、本題の葡萄迷宮(地下倉庫)の事件へ突撃だぜぇぇぇッ!!」
「はいっ! 悔しいですがこの料理の論理的な美味さに免じて、お腹いっぱい大爆走します!」
ルカは口の周りに紫色のブドウ蜜をベッタリとつけたまま、手帳をバシッと叩いて、最高に上げ上げの笑顔を見せるのだった。
## 第六章:葡萄迷宮の大混戦、泥イノシシと真鍮のライオン
「ガウ、ガウガウガウッッッ!!!」
薄暗く、ひんやりとした空気が漂う地下の葡萄迷宮(倉庫)。
ブドウの樽や古い木箱が複雑に並ぶ通路の奥から、けたたましい金属音とともに、おじさんの作ったからくりライオン・レオが突っ込んできた。ゲテモノ料理の美味い匂いに興奮しすぎたレオは、背中のゼンマイを完全に過回転させ、お祭りのカボチャの飾りを咥えたまま暴走を続けている。
「待て待てレオ! そのカボチャはおじさんの特製デコレーションだから噛み砕いちゃダメだよ!」
俺はヨレヨレのシャツを埃まみれにしながら、通路を全速力で追いかけた。
「ダヴィンチさん、後ろからチコの麦わら帽子を被った『泥イノシシ』も猛スピードで接近中! このままでは通路の角で、レオとイノシシが正面衝突(大クラッシュ)します!」
ルカが美味さで大復活した光のレーダーを前方に照射しながら叫ぶ。
曲がり角の向こうから、ブヒィィィン!! と鼻息を荒くした、丸々と太った巨大な泥イノシシが、チコのお気に入りの麦わら帽子をなぜか頭にキチッと被った状態で突進してきた。
「突撃してくるイノシシに、暴走するライオン。よし、ルカくん! ここはおじさんの『万能の遠近法』を使った、即席の『大捕物ネット』の出番だぜ!」
俺はヨレヨレのシャツのポケットから、先ほどのゲテモノ料理『カブト虫のブドウ蜜』の残りを一掴み取り出し、通路のど真ん中へと豪快に投げ付けた。
同時に、近くにあった古いブドウの蔓の端を、ルカへと放り投げる。
「ルカ、あの美味い匂いでイノシシの動きは1秒止まる! その隙に、ロープをレオの尻尾に引っ掛けなさい!」
「了解! ――『結晶術式・ロジック・バインド』!」
ルカが光の速度で蔓を操り、突っ込んできたレオの真鍮の尻尾へとロープを結びつけた。
泥イノシシは、地面に落ちたゲテモノ料理の極上の香りに気を取られ、「ブヒッ!?」と一瞬だけその巨体を硬直させた。
その瞬間、カボチャを咥えて反対側へ猛ダッシュしていたレオのロープが、ピンと張り詰める!
**ズガガガガガガガッ!!!**
「ブギィィィッ!?」
引っ張られた蔓のロープが見事な罠となり、泥イノシシの足を綺麗にすくい上げ、巨漢のイノシシは横倒しになって樽の山へと突っ込んだ。その衝撃で、頭に被っていたチコの麦わら帽子が、フワリと宙を舞う。
「とったぜぇぇぇッ!!」
俺はジャンプ一番、空中でお嬢さんとお揃いの大切な麦わら帽子をナイスキャッチ!
と同時に、カボチャを噛み砕いて満足したレオも、ようやく「スン」と大人しくなり、その場に丸くなって座り込んだ。
「やったぁぁぁ! あたしの帽子! ダヴィンチさん、ルカ、ありがとー!」
通路の奥から走ってきたチコが、帽子を胸に抱きしめて大喜びで飛び跳ねた。
「ふぅ。イノシシの捕獲とレオの制御、同時に完了です。ですがダヴィンチさん、肝心の『消えた幻のワイン樽』のデータが、まだこの迷宮のどこにも見当たりません」
ルカが周囲の樽をスキャンしながら眉をひそめる。
「ははは! 心配するなルカくん。あの泥イノシシが突っ込んだ、その古い木箱の裏を見なさい。おじさんの『画家』の目には、もう答えの補助線が視えているぜ!」
おじさんはヨレヨレのシャツの袖で額の汗を拭い、泥イノシシが倒れているさらに奥の、隠された地下の壁へと歩みを進めるのだった。
## 第九話:『黄金色の収穫祭と、欺まれた葡萄迷宮』
### 第四部(最終章):迷宮の底のヴィンテージ、眠り姫に届ける黄金色のカンパニエ(大団円編)
## 第七章:欺瞞の迷宮の真相、犯人はまさかの『お祭りの主役』
「さてさて、ルカくん、こども探偵団のみんな。泥イノシシがぶつかって壊れた、この古い壁の向こう側をよーく見てごらん」
薄暗い地下倉庫の最深部。俺がヨレヨレのシャツの袖をまくり、ランタンの光で崩れたレンガの隙間を照らすと、そこには驚くべき光景が広がっていた。
なんと、行方不明になっていた『マルチェロ特製・幻のヴィンテージワイン樽』が、綺麗に並べられたカボチャや藁のクッションに囲まれて、そこに鎮座していたのだ。
そして、その樽の真上で、ペロリと舌を出して器用に紐を引っ張っていたのは――。
「ブヒッ? ブヒヒィン!」
先ほど捕まえた泥イノシシとは別の、ひと回り小さな『子イノシシ』の群れだった。彼らは樽の栓から微かに漏れ出た完熟ブドウの甘い香りに誘われ、お祭りの飾り付け用のカボチャと一緒に、樽を地下の秘密の隙間へとゴロゴロ転がして「自分たちの秘密基地」を作って遊んでいたのだ!
「な、なんだってぇ!? 闇の悪党の陰謀じゃなくて、ただの迷子の子イノシシたちがラグビーをしてただけだったのかよ!」
トトが呆れたように声を上げ、八百屋のチコも
「あはは! 犯人はお祭りのマスコットたちだったんだね!」と大爆笑した。
「なるほど。現場に魔力の痕跡が一切なく、複雑な葡萄迷宮を人間以外のルートで移動できた理由が、完全に論理として繋がりました。ダヴィンチさん、事件解決ですね。」
ルカは口元のブドウ蜜をようやくハンカチで拭き取り、手帳に『一件落着』の大きなチェックマークをハキハキと書き込んだ。
「ははは! 最高の結末じゃないか! 悪党のいないお祭りこそ、最高の芸術さ。さあ、店長! この幻のワイン樽を広場へ運び出して、最高の収穫祭の大乾杯を始めようじゃないかい!」
「おうよ! ダヴィンチ、そしてルカに子供たち! お前ら全員、今日の殊勲賞だ! 最高の宴を始めるぞォォォッ!!」
## 第八章:黄金色のカンパニエ、眠り姫の夢に響く乾杯の歌
「カンパーーイ(プロージット)!!!!」
下町の広場に、割れんばかりの歓声と、黄金色のワインが波打つグラスの音が響き渡った。
子イノシシたちから無事に取り戻された幻のワインは、村人たち、そして跳ね馬亭の仲間たちの喉を潤し、広場は笑顔の色彩で完全に満たされた。
広場の中央では、先ほどの『絶品ゲテモノ料理・泥カブト虫のブドウ蜜煮込み』の屋台が大行列を作っており、村人たちが
「うへぇ、見た目は最悪だけどう、美味すぎる!」と、
次々に嫌な顔から最高の笑顔へと変わる奇跡のグラデーションを描いている。
そんな大盛り上がりのお祭りの最中、俺とルカ、そしてこども探偵団のみんなは、特製のブドウ果汁のボトルと、あのサクサクのゲテモノ料理を綺麗に包んだお土産を持って、再びローマ中央病院の静かな特別病室へと戻ってきた。
病室のベッドの上では、白銀の髪の見習い騎士・フランチェスカが、変わらず静かに眠り続けている。
彼女の白銀の猫耳は、夕暮れのオレンジ色の光を浴びて、柔らかく輝いていた。起こさないように、みんなで足音を「忍び足」にしてベッドを囲む。
「お嬢さん、ただいま。約束通り、チコの帽子も、マルコ店長のワインも、全部おじさんたちが最高のデッサンで取り戻してきたぜ」
俺はヨレヨレのシャツの埃をパタパタとはたき、彼女の枕元に、お祭りの黄金色のリボンと、みずみずしいブドウの一房をそっと置いた。
「フランチェスカちゃん、あのね、ルカがすっごいゲテモノ料理を美味しそうに食べて、顔を真っピンクにしてフリーズしたんだよ! 起きたら絶対に教えてあげるからね」
チコがクスクスと笑いながら、眠る彼女の手をそっと握った。
「お嬢さん、今日のフェスタのデータは、僕の手帳に1ミリの狂いもなく完全保存してあります。あなたがいつ目を覚ましても、脳内にこのハピネス(色彩)を共有できるように」
ルカも眼鏡を少しだけ下げ、優しい論理の光を灯した。
窓の外からは、下町の広場で鳴り響く、楽しげな収穫祭の音楽と村人たちの歌声が、心地よい秋のそよ風に乗って「カラン、コロン」と病室へ流れ込んでくる。
フランチェスカは――まだ寝たきりのままで、目を覚まさない。
だけど、みんなのお祭りの賑やかなお喋りと、香ばしいブドウの香りに包まれて、彼女の白銀の猫耳が、ほんの少しだけ、本当にほんの少しだけ、幸せそうにピクリと動いたような気がした。
「おやすみ、おじさんたちの可愛い眠り姫。最高の秋の夢を見て、ゆっくり起きておくれよ」
おじさんはヨレヨレのシャツを夕風に揺らしながら、眠るお嬢さんの頭を優しく撫で、下町のみんなが待つ黄金色の夕暮れへと、静かに微笑みながら歩き出すのだった。
みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?
少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。
励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。
これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
パラレルワールドで魔法と多種族の住む下町ローマで起こる事件を魔法とスキルで解決していく物語です。時代背景は読者の描く時代に当てはめてくださいね。
よろしくお願いします。




