閑話 : 小さな探偵団1
二話目の投稿です。
誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。
途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。
作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。
閑話です。よろしくお願いします
では、参ります!!
閑話:『小さな探偵団と、路地裏の消えた太陽』
7月のギラギラとした真夏の太陽が、ローマの下町のオレンジ色の瓦屋根をじりじりと灼きつけている。
「――おじさーん! 大変なんだ、オレたちの『***太陽***』が盗まれちゃったんだよ!」
『老いたる跳ね馬亭』の特等席で、冷たい麦茶に浮かぶ氷をスプーンでつついていた俺の元へ、麦わら帽子を被った下町のクソガキどもが、汗まみれの足音を響かせて飛び込んできた。
先頭にいるのは、パン屋の息子のトトだ。その後ろには、顔に泥をつけたドワーフの女の子や、八百屋の小僧たちが、今にも泣き出しそうな顔で俺のコートの裾を引っ張っている。
「やぁやぁ、小さな依頼人たち。そんなに引っ張ったら、おじさんの自慢のコートが台無し(レイアウト崩壊)になっちまうぜ? それで、その『太陽』ってのは、一体どこの画家の絵の具のことだい?」
俺が眼鏡のブリッジを左手でクイと押し上げると、トトは首を激しく横に振った。
「違うよ! オレたちが広場の裏のガラクタ置き場でこっそり育てていた、すっごくおっきくて黄色い『ひまわり』のことだよ! 明日みんなで写生大会をしようって約束してたのに、朝行ったら、根っこからきれいにいなくなってたんだ!」
「ふむ……ひまわりの密室失踪事件、か。そいつはなかなかにトーンの低い、悪質な悪戯だねぇ。よし、天才画家レオナルド・ダ・ヴィンチの左目を信じて、その『消えた太陽』のデッサンを取り戻しに行こうじゃないかい!」
「わーい! さすがダヴィンチのおじさん!」
子供たちが一斉に歓声を上げ、俺の周りで上げ上げに跳ね回り始めた。
広場の裏のガラクタ置き場(現場)へ行ってみると、そこには確かに、小さな子供たちの手で耕された植え込みがあり、真ん中にぽっかりと不自然な穴が空いていた。
俺は左目の【画家】のスイッチを入れ、周囲の色彩を線画へと還元する。
大人たちの目にはただの干からびた地面にしか見えないだろうが、おじさんの目をごまかすことはできない。土の上には、植物を運ぶときに滴り落ちた『微量な水分』のトーンと、下町では見かけない、妙に上品な『革靴の靴底の溝』がくっきりと残されていた。
「トト、仲間たちを集めなさい。犯人はこのひまわりをただ盗んだんじゃない。今夜開かれる、貴族たちの『真夏のフラワーコンテスト』に出品して、一攫千金を狙おうとしている不届きな庭師の仕業だ。靴の跡が、大通りの高級花屋の方向へ伸びているぜ」
「よーし! 『下町こども探偵団』、出動だぁ!」
子供たちは松明の代わりに冷たい井戸水を入れた水鉄砲を手に、俺の引いた『黄金の追跡線』に沿って、路地裏を猛スピードで駆け抜けた。
高級花屋の裏口に忍び込むと、そこには案の定、きらびやかなリボンで飾られた、トトたちの『巨大なひまわり』が、檻のような植木鉢に閉じ込められていた。隣には、高価なスーツを着た強欲そうな庭師の男が、不敵な笑みを浮かべてコンテストの書類を書いてやがる。
「あ! オレたちの太陽だ!」
トトが叫んだ。
「だ、誰だお前たちは! 営業妨害で聖騎士団を呼ぶぞ!」
慌てる庭師の男に向かって、俺は右腕の『マスター・ブラシ』を不敵に突き出した。
「おっと、聖騎士団を呼ぶのはこっちのセリフだぜ、泥棒さん。そのひまわりの葉の裏を見な。子供たちが写生の練習で描いた、おじさんの顔の『極上の落書き(サイン)』がバッチリ残ってるのさ。おじさんの左目は、物の出処を絶対に見誤らないんでねぇ!」
「う、うわあああ!」
言い逃れができないと悟った庭師が逃げ出そうとしたが、次の瞬間、子供たちの水鉄砲から一斉に『冷たい聖水(ただの井戸水)』が男の顔面に炸裂した!
「オラオラ! 泥棒はっつけの刑だぞ!」
「オレたちの太陽を返すにゃー!」
子供たちの泥臭くも圧倒的な突撃の前に、強欲な庭師は水浸しになってその場にひっくり返り、事件は見事なまでに大解決を迎えたのだった。
その日の夕方。
下町の広場には、取り戻された大輪のひまわりが、夕暮れのオレンジ色の光を浴びて、昼間の太陽に負けないくらいに美しく咲き誇っていた。
「おじさん、ありがとう! これ、オレたちからの『お礼の絵の具(報酬)』だよ!」
トトが差し出してきたのは、子供たちが小遣いを出し合って買った、少し安物の、だけど最高に綺麗な『青色の絵の具』のチューブだった。
「ははは、ありがたく頂戴するよ。おじさんのパレットに、また一つ最高の『純粋な青』が加わったねぇ」
俺は冷えた麦茶を飲み干し、子供たちの弾けるような笑顔を、新しいスケッチブックのページにそっとデッサンした。
たまには、こんな小さな路地裏のカーテンコールも、悪くない構図じゃないかい――!!
(閑話 了)
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パラレルワールドで魔法と多種族の住む下町ローマで起こる事件を魔法とスキルで解決していく物語です。時代背景は読者の描く時代に当てはめてくださいね。
よろしくお願いします。




