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第五話:『テヴェレ川の白骨幽霊船と、乾かない絵の具の足跡』後編

第五話:『テヴェレ川の白骨幽霊船と、乾かない絵の具の足跡』


後編:水底の氷結迷宮、強欲の終着点と純白の夜明け


船長室の床板が派手に崩落し、その木屑の煙の向こうから現れたのは、テヴェレ川の水底深くへと続く、一面が凍りついた不気味な隠し通路の縦穴だった。


紅蓮の炎で焼き切られた怨嗟の魔液獣の残骸がどろどろと川水に溶けていく中、その縦穴の奥底からは、地上の夏の夜気とは完全に切り離された、肌を刺すような高位の冷気魔法の暴風が、ひゅーひゅーと鳴り響きながら吹き上がっている。


「うう、ダヴィンチさん、船の真下にこんな恐ろしい地底へのキャンバスの裏地(隠し通路)が隠されていたなんて……。私の白銀の猫耳も、さっきから下から吹き上がる冷気のプレッシャーのせいで、完全に後ろにペタンと寝てしまって一ミリも動きません……」


フランチェスカちゃんは泥と生血で汚れきった白銀の鎧の胸元を両手できつく押さえながら、真っ暗な穴の底を覗き込んでガタガタと膝を震わせていた。彼女の胸元では、愛猫キララちゃんが「にゃあ」と情けない声を上げて服の隙間に顔を埋め、おじさんのヨレヨレのシャツの懐に潜り込んでいる真っ白な長毛のウララまでもが、地底の気配に激しく毛を逆立ててゴロゴロと不機嫌な地鳴りを立てている。


「ひゃははは! 大丈夫さね、お嬢さん。おじさんのこの固有スキル【画家パレット・マスター】が、この暗闇のレイアウトを完全に丸裸にしてやるからねぇ。ほら、見てごらん。穴の奥底から、空気中の水分を急激に凍らせる冷気の魔術線が、何本もの【鮮烈な蛍光の青色】をした太い筆跡となって、のたうつ大蛇のように這い出してきているのが見えるだろう?」


俺は自分の両目をカッと大きく見開いた。おじさんの視界が、一瞬にして現実の夜闇のモノクロームを脱ぎ捨て、極彩色の魔力のパースペクティブへ(遠近法)と変貌する。


しかし、その瞬間に激しい偏頭痛が俺の脳細胞を容赦なく直撃した。


「――う、うぐぐぐっ! 頭が、おじさんの貧弱な脳細胞が、またしても色彩の過剰な情報量に耐えかねてズキズキと割れそうだぜぇぇぇッ!!」


俺は油絵の具のシミだらけのシャツの上から額を押さえ、大理石のような甲板の上に転がって悶絶した。解禁されたばかりのスキル【画家】は、周囲の魔力の残香を色の線として強制的に視覚化するが、ろくに鍛えていないおじさんの生身の脳へ一界に数万色のノイズが流れ込んでくるため、制御を誤れば一瞬で脳の神経回路が焼け切れてしまう、とんでもなく不完全で不器用な異能だった。


「ダヴィンチさん!? またスキルを暴走させてるんですか!? 本当に頼りない探偵なんですから! ほら、私の手を掴んでください!」


フランチェスカちゃんが慌てて俺のヨレヨレのシャツの袖を引っ張り上げようとした。しかし、見習い騎士である彼女自身も、急な俺の卒倒に慌ててその綺麗な足元を崩落した床の角に思い切りぶつけ、「あいたたた……!」と涙目を浮かべてその場にしゃがみ込んでしまった。完璧な英雄には程遠い、一人の未完成な少女の姿がそこにあった。


「ははは、不甲斐ないおじさんで悪かったねぇ、お嬢さん。だがね、この地下の青い線(冷気の気流)のレイアウトを見る限り、今すぐ突入しないと、地下で待機している他の魔物たちが、テヴェレ川のすべての船を襲って地上へ溢れ出てきちまう。さあ、剣のサビを落としなさい、お嬢さん。おじさんの不完全な目のレンズと、お前さんの泥まみれの剣技で、この水底の強欲なカンヴァスをズタズタに切り裂きに行くぞーーーッ!!」


俺はマントの隙間から、錆びた手鏡と、数枚のガラクタの発火装置をポケットに押し込み、まだ膝の震えが止まらないフランチェスカちゃんの手を引いて、暗黒の縦穴の奥底へと一気に飛び降りていった。


縦穴の下に広がっていたのは、テヴェレ川の川底の下に何百年も前に打ち捨てられたと思われる、巨大な石造りの古代地下排水路の廃墟だった。しかし、その歴史的な美しさは、今や完全に【氷の迷宮】へと変貌を遂げていた。


四方の壁や巨大な支柱は、すべて氷結の魔獣が放つ絶対零度の冷気によってカチカチにコーティングされており、床の一面には、滑りやすい結晶の層がびっしりと敷き詰められている。


「ううう、寒すぎます……! 船の上とは比べ物にならない冷気です。ダヴィンチさん、私の鎧の固定紐が、寒さのあまりパキパキに凍りついて、今にも千切れそうになっています……!」


フランチェスカちゃんは白銀の剣を構えながら、滑りやすい氷の床の上でツルツルと足を滑らせ、何度も不器用に体勢を崩しては、その綺麗な尻を氷の地面に激しく叩きつけていた。


「あいたたた……! もう、どうして私の足はこんなに言うことを聞かないんですか! スキルが使えても、この氷の上ではまともに踏み込みすらできません!」


「ひゃははは! 焦っちゃいけないよ、お嬢さん。おじさんのスキル【画家】の目で見れば、この迷宮の構造なんて一発で……って、あれ? おかしいねぇッ!? 左側の通路が【鮮やかな赤色】に見えるから、てっきり温かい出口だと思って進んだら、ただの『川底のヘドロが発酵して熱を持った最悪に生臭い行き止まり』じゃないかい!! うぎゃあああ、おじさんの野生の鼻が完全に曲がっちまうよぉぉぉッ!!」


俺はスキルの色の意味を完全に読み違え、お嬢さんを連れて最悪の肥溜めの前へと突っ込んでしまい、二人して鼻を掴んで魔物の足跡から遠ざかるように猛ダッシュで元の分岐点まで引き返す羽目になった。解禁されたスキル【画家】は、情報のノイズが多すぎて、時としてこのように画家の主観的な勘違いを引き起こす、実に不完全極まりない欠陥だらけの異能だった。


「もう! ダヴィンチさんのバカ! あなたの目は本当に節穴ですか!? スキルが解禁されたって大威張りしてたのに、さっきから全然役に立ってないじゃないですか!」


フランチェスカちゃんは涙目になりながら、泥とヘドロの臭いが微かに混ざった氷の壁に背中を預け、白銀の猫耳を激しく怒らせてピクピクと前後に揺らしていた。


「すまねえ、すまねえお嬢さん。だがね、今度こそ本当の線の比率パースペクティブを捉えたぜ。ほら、あの不自然に平らな氷の壁の向こうから、人間の『贅沢なワインの匂い』と、怪しげな金属の擦れ合う音が響いてきやがる。この幽霊船の事件の裏で、魔物を飼育してライバル商会を潰そうと企んでいる、本当の強欲な犯人の筆跡サインがそこにあるのさね」


俺は手元の錆びた手鏡を壁の氷の角度に合わせて固定し、鏡の反射(光の明暗法)を利用して、その平らな氷の壁の先にある巨大な地下空間の様子を、お嬢さんと共に息を潜めて覗き込んだ。


そこは、地下排水路の中央にある、直径五十メートルはあろうかという巨大な円形広場だった。


広場の中央には、驚くべきことに、まだ体長五十センチほどの【怨嗟の魔液獣の幼体(子供)】が、十数頭も頑丈なガラス製の水槽の中に閉じ込められ、不気味な声を上げて水槽の壁を叩いていた。そしてその水槽の周囲には、ウバルド伯爵のライバルであり、テヴェレ川の水運利権を独占しようと企む強欲な太った男――チェーザレと、彼が雇った数人の武装した私設傭兵たちが、大きな革袋に詰め込まれた大量の「魔力の生肉」を水槽の中に次々と放り込んでいた。


「ひゃはは! 喰らえ、喰らえ、魔物のガキども! ウバルドのサント・ヴィート号から盗み出した、極上の仕込み肉だ! これをたっぷりと摂取して、あと数時間で川全体へ溢れ出せるほどの巨獣へと急速成長リビルドするがいい! そうなれば、ウバルド商会は完全に破滅し、我がチェーザレ商会が格安でテヴェレ川の全権利を買い叩き、ローマの水運を完全に支配してやるのだァァァッ!!」


チェーザレは、指に嵌めた安物の宝石をギラギラと光らせながら、下品な笑い声を地下の空間に響かせていた。


「――っ! なんて酷いことを……! 自分の利益のために、魔物を川に解き放って、船乗りたちを恐怖に陥れるなんて、騎士の風上にも置けない悪党です! ダヴィンチさん、今度こそ私が正面から斬り込んで、あの水槽を破壊し、チェーザレを捕縛します!」


フランチェスカちゃんは激しい怒りに白銀の猫耳をピンと逆立て、剣を握る手元に力を込めた。しかし、彼女の足元は依然として滑りやすい氷の上であり、焦りのあまり踏み出した足がまたしてもツルリと滑り、壁の氷に派手に肩をぶつけて「あ痛っ!」と情けない声を漏らしてしまった。


「待ちなお嬢さん。その不器用な足取りで正面から突っ込めば、あの傭兵どものボウガンの的になるか、水槽の中の魔物の子供を一斉に解放されて、おじさんたちの方が骨の塊にされちまう。ここは、スキルと生身のギミックを融合させた、おじさん特製の『構図の反転トリック』で、奴らのレイアウトを内側から木っ端微塵に崩壊させてやろうじゃないかい!」


俺はポケットから、マルコ店長に借りてきたガラクタの発火装置を取り出し、導火線の長さを錆びた虫眼鏡で1ミリ単位で測定しながら、床の氷の亀裂の隙間へと滑り込ませた。


「お嬢さん、おじさんが合図をしたら、あのチェーザレの真上にある『巨大な氷の鍾乳石』に向けて、お前さんの剣の炎の風圧を、床の氷に反射させて斜め45度の角度で叩き込むんだ。線の反射を利用するのさね!」


「今だ、お嬢さん! パレットのすべての色をぶちまけちまいなァァァッ!!」


俺の叫びと同時に、俺が床の亀裂に仕込んだガラクタの発火装置が「ドガァァァンッ!」という凄まじい大音響と共に爆発した。それはただの爆音と煙を放つ煙幕フラッシュだったが、地下の密閉された空間に激しい音の反響を引き起こし、チェーザレや傭兵たちの鼓膜を一瞬にして麻痺させ、彼らの構えを完全に崩させた。


「うわあああッ!? なんだこの爆音は!? 憲兵の奇襲か!?」


悪党たちが耳を押さえてうろたえる瞬間、フランチェスカちゃんが泥まみれの身体を必死に起こし、紅蓮の炎を纏った白銀の剣を思い切り振り下ろした。


「はあああああッ!!!」


彼女の放った灼熱の斬撃は、俺の指示通りに床の氷の斜面に激しく衝突し、光の反射パースペクティブのように角度を変えて、チェーザレたちの頭上にそびえ立つ巨大な氷の鍾乳石の根元を正確に直撃した!


パキパキパキ、と不気味な亀裂の音が響き渡る。


「な、何だと!? 天井が崩落するぞ! 避けろ!」


次の瞬間、何トンもの質量を持った巨大な氷の塊が、凄まじい速度で垂直に落下し、チェーザレたちが肉を積んでいた革袋や、魔物の子供たちを閉じ込めていた水槽の『背後の退路』を、完璧な壁となって完全に塞ぎ、凄まじい衝撃波で傭兵たちを床に叩き伏せた。


「ぎゃあッ! 足が、氷に挟まれて動かん!」


傭兵たちが混乱の中でのたうち回る中、チェーザレは恐怖に顔を歪ませながら、残された一頭の、すでに大人の一歩手前まで巨大化しつつあった魔獣の水槽のレバーを力任せに引き下げた。


「おのれ、ヨレヨレ探偵め! 行け、フルイド・スケルトン! そこの小娘と探偵を、今すぐ踏み潰して氷のクズに変えてしまえッ!!」


水槽から解き放たれた、体長3メートルを超える狂暴な魔獣が、真っ赤な眼球をギラつかせながら、俺たちの立っている狭い通路へと向けて猛然と突進を開始した。


「ぶひょおおおおおッ!!!」


「ひ、ひえええっ!? やっぱり突進してきました! ダヴィンチさん、今度こそ本当に助けてください、足が滑って、もう後ろに下がれません!」


フランチェスカちゃんは崩壊した氷の床の上で完全にバランスを崩し、剣を前に突き出したまま、へっぴり腰の状態で涙目を浮かべていた。彼女の見習い騎士としての限界が、その未完成の構図の中に剥き出しになっていた。


「安心しな、お嬢さん! 今度のおじさんのパレットは、1ミリの色彩も狂っちゃいないぜぇぇぇッ!!」


俺は脳細胞を襲う割れんばかりの偏頭痛を歯を食いしばって耐え抜き、固有スキル【画家】の出力を限界まで解放して、右手の指先をまっすぐに突き出した。


「【パレット・マスター・極彩の粘着油膜タール・イエロー】!!」


俺の指先から放たれたのは、先ほどの失敗から学んだ、さらに密度を高めた【超高粘度の魔力の油膜】だった。そのドロドロとした黄色い絵の具の線は、突進してくる魔獣の足元の氷だけでなく、彼が踏み込もうとした周囲の壁の氷一界に、まるでペンキをぶちまけたかのように一瞬で塗り広げられた。


「――ぶ、ぶひゃっ!?」


凄まじい速度で突進していた魔獣フルイド・スケルトンは、その巨大な足元が超高粘度の油膜に触れた瞬間、摩擦のレイアウトを完全に失い、その巨体をまるでスケートの選手のように不器用にスライドさせながら、俺たちの頭上を大きく飛び越えて、真後ろにある『チェーザレが乗ってきた頑丈な荷馬車』の山積みの樽に向けて、自らの質量と加速のすべてを乗せて大激突したのだ!


「――ズガァァァァァンッ!!!!」


激しい破壊音と共に、チェーザレの荷馬車は木っ端微塵に粉砕され、中から溢れ出た大量の「下町の下水の泥水の樽」が、目を回してひっくり返った魔獣の頭上へと一斉に崩れ落ち、その汚水の臭気と成分の効果で魔獣の液体の身体がバリバリと音を立てて溶け始め、魔物は完全に戦闘不能となって床にのたうち回った。


そしてその衝撃で、荷馬車の真横で腰を抜かしていたチェーザレの頭上へ、大量の【最悪に腐った泥ヘドロと魚のハラワタ】が、これでもかと滝のように一斉に降り注いだ!


「ぶ、ぶほおおおおおッ!?!?(チェーザレの、この世のものとは思えない潰れたカエルのような悲鳴)」


強烈な直撃を受けたチェーザレは、自慢の高級な絹の上着をドロドロに汚され、顔中を腐敗液で真っ黒に染め上げながら、船尾のゴミ溜めのように無残な姿で、「ふ、ふぎゃあ……! 汚い、臭い、助けてくれぇ……!」と、鼻水を垂らしながら涙目で気絶してしまった。ライバルを陥れようとした強欲商人が、自らの罠の目の前で、文字通り【最悪のゴミ屑】へと成り下がった、二度目の完璧な「ざまぁみろ」の瞬間だった。


「な、な、なんてことだ……! 私の完璧な水運支配計画が、こんなヨレヨレのシャツを着た男の、デタラメな絵の具のせいで……!」


退路を完全に断たれ、自慢の魔獣も無残に自滅したチェーザレは、豪華な服を泥まみれにしながら、大理石の床に膝をついてガタガタと激しく震えていた。


「デタラメじゃないよ、チェーザレの旦那」


俺はヨレヨレのシャツの襟をワイルドに正し、錆びた虫眼鏡を彼の鼻先へと突きつけた。


「お前さんは完璧な密室を作って船の肉を盗み、魔物を育てたつもりだったがね、おじさんの【画家】の目をごまかすことはできないのさ。お前さんが残した強欲という名の不自然な色彩の線は、最初からこの地下の迷宮の奥底まで、一本の補助線パースペクティブのように真っ直ぐに繋がっていたんだよ。キャンバスの裏をどんなに黒く塗ろうとも、夜が明ければ、真実の純白の光がすべての輪郭を浮き彫りにするのさね」


地下の冷気迷宮から、捕縛したチェーザレと私設傭兵たちを全員引き連れて、俺たちが地上のテヴェレ川のドックへと戻ってきた頃には、東の空から夏の爽やかな朝焼けの光が差し込み、川面を鮮やかな黄金色へと染め上げ始めていた。


ドックの広場では、心配そうに一晩中待機していた一階のマルコ店長や、船乗りたち、そして大勢の下町の住民たちが、俺たちの姿を見るなり、割れんばかりの歓声を上げて一斉に駆け寄ってきた。


「おお! ダ・ヴィンチ! 本当に地下の魔物を退治して、幽霊船の真犯人を捕まえてくれたんだな! 最高の探偵だ、お前は下町の救世主だよ!」


船乗りたちが俺のヨレヨレのシャツの肩を何度も叩き、次々と感謝の言葉を投げかけてくる。


「ダヴィンチさん、本当に、本当にお疲れ様でした。一時はどうなるかと思いましたけど……」


フランチェスカちゃんは自慢の白銀の髪を朝日に輝かせながら、泥まみれの鎧の隙間から、ホッとしたような最高の笑顔をおじさんに向けてくれた。彼女の白銀の猫耳は、事件の完全解決を喜ぶように、嬉しそうにピンと前を向いて細かく揺れている。


一方、樽の中から這い出してきたウバルド伯爵と、連行されるチェーザレは、お互いに腐った魚とヘドロの臭いを撒き散らしながら、下民たちの嘲笑の中で無様に顔を引きつらせていた。彼らの強欲なパレットは、完全にローマの笑い草へと塗り替えられたのだ。


「ひゃははは! お嬢さん、そう言うなら、おじさんのこのヨレヨレのシャツも、少しは一流の画家の外套に見えてくるじゃないかい。さあ、マルコ店長! 約束通り、チェーザレから没収した利権の金貨と、これまでの家賃を帳消しにするだけの最高級の報酬(絵の具)をたっぷり頂こうじゃないかい! これでおじさんたちのパレットも、向こう数ヶ月は金ピカに潤うってなもんだぜぇぇぇッ!!」


俺が下品に笑いながら店長の手を握りしめると、下町の人々は一斉に温かい笑声を上げ、テヴェレ川には、いつも通りの活気あふれる朝の喧騒が戻ってくるのだった。しかし、世界の歪んだレイアウトを狙う悪意の絵の具は、まだどこかで静かに練られているかもしれない。俺たちの生身の推理デッサンは、これからも終わらないのさね。


(第五話・後編 ――完――)

みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?

少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。

励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。

これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

パラレルワールドで魔法と多種族の住む下町ローマで起こる事件を魔法とスキルで解決していく物語です。時代背景は読者の描く時代に当てはめてくださいね。

よろしくお願いします。

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