ローマ編## 第四話:『氷結の魔獣と、市場に消えた肉体密室』後編
二話目の投稿です。
誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。
途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。
作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。
新作始めます。探偵物です。よろしくお願いします。
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では、参ります!!
第四話:『氷結の魔獣と、市場に消えた肉体密室』
後編:氷の迷宮の強欲と、朝焼けの市場解放作戦
破壊された第一食肉解体庫の奥底から、ゴゴゴと地鳴りのような音が響き渡っていた。
紅蓮の炎で焼き切られた氷結の魔獣グラキエス・ボアの巨体が床に沈んだ衝撃で、大理石の頑丈な壁が大きく剥がれ落ち、そこには下町の地下深くへと続く、見たこともない漆黒の縦穴が不気味に口を開けていた。
壁の割れ目の奥からは、市場の夏の生臭い空気とは完全に遮断された、身の毛もよだつほどの強烈な冷気魔法の突風が、ひゅーひゅーと悲鳴を上げて吹き出している。
「うう、ダヴィンチさん、まだ終わりではないみたいです……。この縦穴のずっと奥、地底の暗闇の底から、さっきの魔物と同じ、おぞましい遠吠えがいくつも反響して聞こえてきます。私の白銀の猫耳が、恐怖で完全に硬直してしまって、さっきから頭の横に張り付いたまま戻りません……」
フランチェスカちゃんは泥と生血で汚れきった白銀の鎧の胸元を両手できつく押さえながら、真っ暗な穴の底を覗き込んでガタガタと膝を震わせていた。彼女の胸元では、愛猫キララちゃんが寒さと未知の恐怖に耐えかねて、小さな毛玉のように丸まって完全に縮こまっている。おじさんのヨレヨレのシャツの懐に潜り込んでいる真っ白な長毛のウララまでもが、地底の気配に激しく毛を逆立て、パちパちと不気味な青い静電気の火花を散らせていた。
「ひゃははは! なるほどねぇ、お嬢さん。どうやらこの第一食肉解体庫の密室劇には、まだお上の知らない『キャンバスの裏地(隠し通路)』が存在していたわけだ。ジローの旦那、この建物の真下に、古いローマ時代の地下貯水池か何かが眠っているなんて話は、聞いたことがないかい?」
俺はヨレヨレのシャツの袖で額の偏頭痛の冷や汗を拭いながら、穴の周辺に這いつくばった。
「い、いや、聞いたこともねえ! ここは百年以上前に市場の組合が建てた堅牢な保管庫のはずだ! 誰がこんな地下迷宮への風穴を開けたんだ……!?」
責任者のジローは、へし折れた鉄扉の残骸の横で腰を抜かしたまま、脂汗を滝のように流して首を激しく横に振った。
「よしきた、それじゃあおじさんの固有スキル【画家】の出番だねぇ。解禁されたばかりのこの異能の色彩で、地下のレイアウトを丸裸にしてやろうじゃないかい!」
俺は自分の両目をカッと見開き、脳細胞の奥底のパレットのインクを強制的に沸き立たせた。
おじさんの視界が、一瞬にして暗闇のモノクロームを脱ぎ捨て、極彩色の魔力のパースペクティブへと変貌する。縦穴の奥底からは、空気中の水分を急激に凍らせる冷気の魔術線が、何本もの【鮮烈な蛍光の青色】をした太い筆跡となって、のたうつ触手のように地上へ向かって這い出してきていた。
「――っ! 見える、見えるぞぉぉぉ! 濃密な青の顔料が、地下の通路の壁一面にドロドロと塗りたくられてやがる! この線の太さと指向性から見て、真犯人はこの地下の冷気迷宮の中で、さっきの魔物の子供を大量に飼育し、市場の肉を使って計画的に巨大化させていたんだねぇ! だが……うぐぐぐっ! 頭が、おじさんの貧弱な脳細胞が、またしても色彩の過剰な情報量に耐えかねてズキズキと割れそうだぜぇぇぇッ!!」
俺は激しい偏頭痛の衝撃に襲われ、大理石の床に額を叩きつけるようにしてその場に転がった。解禁されたスキル【画家】は、周囲の魔力の流れを完全に視覚化してくれるが、ろくに鍛えていないおじさんの生身の脳へ一界に数万色のノイズが流れ込んでくるため、制御を誤れば一瞬で脳の神経回路が焼け切れてしまう、とんでもなく不完全で不器用な異能だった。
「ダヴィンチさん!? またスキルを暴走させてるんですか!? 本当に頼りない探偵なんですから! ほら、しっかりしてください!」
フランチェスカちゃんが慌てて俺のヨレヨレのシャツの襟首を引っ張り上げ、その華奢な手で俺の背中をドンドンと力任せに叩いた。彼女の見習い騎士としての不器用な力加減のせいで、おじさんは偏頭痛とは別の意味で呼吸が止まりそうになり、ひゃはは、と情けない声を上げてゲホゲホと激しく咳き込んだ。
「す、すまねえお嬢さん。だがね、この地下の青い線(冷気の気流)のレイアウトを見る限り、今すぐ突入しないと、地下で待機している他の魔物たちが、市場のすべての食肉を食い尽くして地上へ溢れ出てきちまう。そうなれば下町の物流は完全に崩壊し、おじさんたちの今月の家賃の回収どころか、ローマ全体の胃袋が完全に干からびちまうのさね。さあ、剣のサビを落としなさい、お嬢さん。おじさんの不完全な目のレンズと、お前さんの泥まみれの剣技で、この地下の強欲なカンヴァスをズタズタに切り裂きに行くぞーーーッ!!」
俺はマントの隙間から、マルコ店長に借りてきた錆びた手鏡と、数枚のガラクタの発火装置をポケットに押し込み、まだ膝の震えが止まらないフランチェスカちゃんの手を引いて、暗黒の縦穴の奥底へと一気に飛び降りていった。
縦穴の下に広がっていたのは、何百年も前に打ち捨てられたと思われる、巨大な大理石造りの古代地下貯水池の廃墟だった。しかし、その歴史的な美しさは、今や完全に【氷の迷宮】へと変貌を遂げていた。
四方の壁や巨大な支柱は、すべて氷結の魔獣が放つ絶対零度の冷気によってカチカチにコーティングされており、床の一面には、滑りやすい結晶の層がびっしりと敷き詰められている。
「ううう、寒すぎます……! 地上とは比べ物にならない冷気です。ダヴィンチさん、私の鎧の固定紐が、寒さのあまりパキパキに凍りついて、今にも千切れそうになっています……!」
フランチェスカちゃんは白銀の剣を構えながら、滑りやすい氷の床の上でツルツルと足を滑らせ、何度も不器用に体勢を崩しては、その綺麗な尻を氷の地面に激しく叩きつけていた。
「あいたたた……! もう、どうして私の足はこんなに言うことを聞かないんですか! スキルが使えても、この氷の上ではまともに踏み込みすらできません!」
「ひゃははは! 焦っちゃいけないよ、お嬢さん。おじさんのスキル【画家】の目で見れば、この迷宮の構造なんて一発で……って、あれ? おかしいねぇッ!? 右側の通路が【鮮やかな赤色】に見えるから、てっきり温かい地熱の出口だと思って進んだら、ただの『魔物の糞尿が発酵して熱を持った最悪に生臭い行き止まり』じゃないかい!! うぎゃあああ、鼻が、おじさんの野生の鼻が完全に曲がっちまうよぉぉぉッ!!」
俺はスキルの色の意味を完全に読み違え、お嬢さんを連れて最悪の肥溜めの前へと突っ込んでしまい、二人して鼻を掴んで猛ダッシュで元の分岐点まで引き返す羽目になった。解禁されたスキル【画家】は、情報のノイズが多すぎて、時としてこのように画家の主観的な勘違いを引き起こす、実に不完全極まりない欠陥だらけの異能だった。
「もう! ダヴィンチさんのバカ! あなたの目は本当に節穴ですか!? スキルが解禁されたって大威張りしてたのに、さっきから全然役に立ってないじゃないですか!」
フランチェスカちゃんは涙目になりながら、泥と糞尿の臭いが微かに混ざった氷の壁に背中を預け、白銀の猫耳を激しく怒らせてピクピクと前後に揺らしていた。
「すまねえ、すまねえお嬢さん。だがね、今度こそ本当の線の比率を捉えたぜ。ほら、あの不自然に平らな氷の壁の向こうから、人間の『贅沢な香水の匂い』と、怪しげな金属の擦れ合う音が響いてきやがる。この下町の大市場の裏で、魔物を飼育して暴利を貪ろうとしている、本当の強欲な犯人の筆跡がそこにあるのさね」
俺は手元の錆びた手鏡を壁の氷の角度に合わせて固定し、鏡の反射(光の明暗法)を利用して、その平らな氷の壁の先にある巨大な地下空間の様子を、お嬢さんと共に息を潜めて覗き込んだ。
そこは、地下貯水池の中央にある、直径五十メートルはあろうかという巨大な円形広場だった。
広場の中央には、驚くべきことに、まだ体長五十センチほどの【氷結の魔獣グラキエス・ボアの幼体(子供)】が、十数頭も頑丈な鉄の檻の中に閉じ込められ、狂暴な声を上げて檻の格子を齧り倒していた。そしてその檻の周囲には、下町の大市場の利権を我が物にしようと企む、市場組合の副会長である強欲な太った男――バルトロと、彼が雇った数人の武装した私設傭兵たちが、大きな革袋に詰め込まれた大量の「盗まれた生肉」を檻の中に次々と放り込んでいた。
「ひゃはは! 食え、食え、魔物のガキども! 倉庫から盗み出した極上の牛の肉だ! これをたっぷりと喰らって、あと数時間で地上へ溢れ出せるほどの巨獣へと急速成長するがいい! そうなれば、第一解体庫の密室事件どころではない、市場全体が魔物の巣窟と化して大暴落する! その後で、我がバルトロ商会が格安で市場の全権利を買い叩き、ローマの胃袋を完全に支配してやるのだァァァッ!!」
副会長のバルトロは、指に嵌めた安物の宝石をギラギラと光らせながら、下品な笑い声を地下の空間に響かせていた。
「――っ! なんて酷いことを……! 自分の利益のために、魔物を下町に解き放って、市場の人たちを恐怖に陥れるなんて、騎士の風上にも置けない悪党です! ダヴィンチさん、今度こそ私が正面から斬り込んで、あの檻を破壊し、バルトロを捕縛します!」
フランチェスカちゃんは激しい怒りに白銀の猫耳をピンと逆立て、剣を握る手元に力を込めた。しかし、彼女の足元は依然として滑りやすい氷の上であり、焦りのあまり踏み出した足がまたしてもツルリと滑り、壁の氷に派手に肩をぶつけて「あ痛っ!」と情けない声を漏らしてしまった。
「待ちなお嬢さん。その不器用な足取りで正面から突っ込めば、あの傭兵どもの弓矢の的になるか、檻の中の魔物の子供を一斉に解放されて、おじさんたちの方が肉の塊にされちまう。ここは、スキルと生身のギミックを融合させた、おじさん特製の『構図の反転トリック』で、奴らのレイアウトを内側から木っ端微塵に崩壊させてやろうじゃないかい!」
俺はポケットから、マルコ店長に借りてきたガラクタの発火装置を取り出し、導火線の長さを錆びた虫眼鏡で1ミリ単位で測定しながら、床の氷の亀裂の隙間へと滑り込ませた。
「お嬢さん、おじさんが合図をしたら、あのバルトロの真上にある『巨大な氷の鍾乳石』に向けて、お前さんの剣の炎の風圧を、床の氷に反射させて斜め45度の角度で叩き込むんだ。線の反射を利用するのさね!」
「今だ、お嬢さん! パレットのすべての色をぶちまけちまいなァァァッ!!」
俺の叫びと同時に、俺が床の亀裂に仕込んだガラクタの発火装置が「ドガァァァンッ!」という凄まじい大音響と共に爆発した。それはただの爆音と煙を放つ煙幕だったが、地下の密閉された空間に激しい音の反響を引き起こし、バルトロや傭兵たちの鼓膜を一瞬にして麻痺させ、彼らの構えを完全に崩させた。
「うわあああッ!? なんだこの爆音は!? 憲兵の奇襲か!?」
悪党たちが耳を押さえてうろたえる瞬間、フランチェスカちゃんが泥まみれの身体を必死に起こし、紅蓮の炎を纏った白銀の剣を思い切り振り下ろした。
「はあああああッ!!!」
彼女の放った灼熱の斬撃は、俺の指示通りに床の氷の斜面に激しく衝突し、光の反射のように角度を変えて、バルトロたちの頭上にそびえ立つ巨大な氷の鍾乳石の根元を正確に直撃した!
パキパキパキ、と不気味な亀裂の音が響き渡る。
「な、何だと!? 天井が崩落するぞ! 避けろ!」
次の瞬間、何トンもの質量を持った巨大な氷の塊が、凄まじい速度で垂直に落下し、バルトロたちが肉を積んでいた革袋や、魔物の子供たちを閉じ込めていた鉄の檻の『背後の退路』を、完璧な壁となって完全に塞ぎ、凄まじい衝撃波で傭兵たちを床に叩き伏せた。
「ぎゃあッ! 足が、氷に挟まれて動かん!」
傭兵たちが混乱の中でのたうち回る中、バルトロは恐怖に顔を歪ませながら、残された一頭の、すでに大人の一歩手前まで巨大化しつつあった魔獣の檻のレバーを力任せに引き下げた。
「おのれ、ヨレヨレ探偵め! 行け、グラキエス・ボア! そこの小娘と探偵を、今すぐ踏み潰して氷のクズに変えてしまえッ!!」
檻から解き放たれた、体長2メートルを超える狂暴な魔獣が、真っ赤な眼球をギラつかせながら、俺たちの立っている狭い通路へと向けて猛然と突進を開始した。
「ぶひょおおおおおッ!!!」
「ひ、ひえええっ!? やっぱり突進してきました! ダヴィンチさん、今度こそ本当に助けてください、足が滑って、もう後ろに下がれません!」
フランチェスカちゃんは崩壊した氷の床の上で完全にバランスを崩し、剣を前に突き出したまま、へっぴり腰の状態で涙目を浮かべていた。彼女の見習い騎士としての限界が、その未完成の構図の中に剥き出しになっていた。
「安心しな、お嬢さん! 今度のおじさんのパレットは、1ミリの色彩も狂っちゃいないぜぇぇぇッ!!」
俺は脳細胞を襲う割れんばかりの偏頭痛を歯を食いしばって耐え抜き、固有スキル【画家】の出力を限界まで解放して、右手の指先をまっすぐに突き出した。
「【パレット・マスター・極彩の粘着油膜】!!」
俺の指先から放たれたのは、先ほどの失敗から学んだ、さらに密度を高めた【超高粘度の魔力の油膜】だった。そのドロドロとした黄色い絵の具の線は、突進してくる魔獣の足元の氷だけでなく、彼が踏み込もうとした周囲の壁の氷一界に、まるでペンキをぶちまけたかのように一瞬で塗り広げられた。
「――ぶ、ぶひゃっ!?」
凄まじい速度で突進していた魔獣グラキエス・ボアは、その巨大な蹄が超高粘度の油膜に触れた瞬間、摩擦のレイアウトを完全に失い、その巨体をまるでスケートの選手のように不器用にスライドさせながら、俺たちの頭上を大きく飛び越えて、真後ろにある『バルトロが乗ってきた頑丈な荷馬車』の山積みの樽に向けて、自らの加速のすべてを乗せて大激突したのだ!
「――ズガァァァァァンッ!!!!」
激しい破壊音と共に、バルトロの荷馬車は木っ端微塵に粉砕され、中から溢れ出た大量の「市場の塩漬けの魚の樽」が、目を回してひっくり返った魔獣の頭上へと一斉に崩れ落ち、その塩分の効果で魔獣の氷の鎧がバリバリと音を立てて溶け始め、魔物は完全に戦闘不能となって床にのたうち回った。
「な、な、なんてことだ……! 私の完璧な市場支配計画が、こんなヨレヨレのシャツを着た男の、デタラメな絵の具のせいで……!」
退路を完全に断たれ、自慢の魔獣も無残に自滅した副会長のバルトロは、豪華な上着を泥まみれにしながら、大理石の床に膝をついてガタガタと激しく震えていた。
「デタラメじゃないよ、バルトロの旦那」
俺はヨレヨレのシャツの襟をワイルドに正し、錆びた虫眼鏡を彼の鼻先へと突きつけた。
「お前さんは完璧な密室を作って市場の肉を盗み、魔物を育てたつもりだったがね、おじさんの【画家】の目をごまかすことはできないのさ。お前さんが残した強欲という名の不自然な色彩の線は、最初からこの地下の迷宮の奥底まで、一本の補助線のように真っ直ぐに繋がっていたんだよ。キャンバスの裏をどんなに黒く塗ろうとも、夜が明ければ、真実の純白の光がすべての輪郭を浮き彫りにするのさね」
地下の冷気迷宮から、捕縛したバルトロと私設傭兵たちを全員引き連れて、俺たちが地上の大市場メルカートへと戻ってきた頃には、東の空から夏の爽やかな朝焼けの光が差し込み、石畳の路地を鮮やかな黄金色へと染め上げ始めていた。
市場の広場では、心配そうに一晩中待機していた管理人のジローや、一階のマルコ店長、そして大勢の市場の商人たちが、俺たちの姿を見るなり、割れんばかりの歓声を上げて一斉に駆け寄ってきた。
「おお! ダ・ヴィンチ! 本当に地下の魔物を退治して、肉泥棒の真犯人を捕まえてくれたんだな! 最高の探偵だ、お前は下町の救世主だよ!」
商人たちが俺のヨレヨレのシャツの肩を何度も叩き、次々と感謝の言葉を投げかけてくる。
「ダヴィンチさん、本当に、本当にお疲れ様でした。一時はどうなるかと思いましたけど……」
フランチェスカちゃんは自慢の白銀の髪を朝日に輝かせながら、泥まみれの鎧の隙間から、ホッとしたような最高の笑顔をおじさんに向けてくれた。彼女の白銀の猫耳は、事件の完全解決を喜ぶように、嬉しそうにピンと前を向いて細かく揺れている。
「ひゃははは! お嬢さん、そう言うなら、おじさんのこのヨレヨレのシャツも、少しは一流の画家の外套に見えてくるじゃないかい。さあ、ジローの旦那! 約束通り、市場の特選高級生肉一年分と、滞納された家賃を帳消しにするだけの最高級の報酬(絵の具)をたっぷり頂こうじゃないかい! これでおじさんたちのパレットも、向こう数ヶ月は金ピカに潤うってなもんだぜぇぇぇッ!!」
俺が下品に笑いながら管理人の手を握りしめると、市場の人々は一斉に温かい笑声を上げ、下町の大市場には、いつも通りの活気あふれる朝の喧騒が戻ってくるのだった。しかし、世界の歪んだレイアウトを狙う悪意の絵の具は、まだどこかで静かに練られているかもしれない。俺たちの生身の推理デッサンは、これからも終わらないのさね。
(第四話・後編 ――完――)
みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?
少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。
励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。
これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
パラレルワールドで魔法と多種族の住む下町ローマで起こる事件を魔法とスキルで解決していく物語です。時代背景は読者の描く時代に当てはめてくださいね。
よろしくお願いします。




