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猫耳少女との旅なんだが…2

ちょうど、太陽と月が代わった時。




「すいません、ここで二日滞在する事になりました」


俺の前で笑いながら謝る騎士ーークレット。


馬車を引いている時や戦闘の時は頭から下まで重鎧により覆いかぶさっていたが、兜を外すと若い青年だったのだ。

まぁ、口調からわかっていたが、なんと!17歳である。

17歳で王国の騎士なれるのは相当難しいらしいが、彼は騎士になっている。あの弱さで。



なんといっても青い髪に垂れ目に女っぽい顔は騎士の強さを感じさせず、優しさしか感じない。


故に彼はこのような雑務を任されているのだ。

人運び、という。


しかも、クレットが言うにはシルビアは国王に喧嘩を売ったらしい。

5日後に国の最高の兵士である第一騎士団長と決闘すると言うから驚きだ。

負けたら、国王の妾になるという噂もクレットは聞いたらしい。


実に許せん野郎だ、国王は。

シルビアたんは俺の嫁ー!グヘヘ…

あんなことやこんなことシルビアにしていいのは俺だけなんだからねっ!絶対!



「タク…顔が怖い…」

静かにティファは俺のガラスのハートを壊した。

「さぁ、宿に案内しますよ」

クレットが爽やかな笑顔でほほえんだ。


馬車はオーガの襲撃によりタイヤの部分が壊れたらしく、新しいのに変えようにも、今は変えの馬車がないらしい。


「ここ、商業の街ーーココルポッドは別名《ドワーフの最高傑作》と呼ばれており、街の様子は神が創った様に思えるくらいに繊細で計算された芸術と云われてます。

あっ!あちらの飯屋はオススメです。

カサンドラ帝国で王都ーーナムルセント、最大の防波堤都市ーーグルーヴに次いでの大きさでも有ります。

あっ、あそこは僕の常連な店です。

更になんといっても、ドワーフ達が作る最高の武器や防具!」


「ほぅほぅ」

「へぇー!」


歩きながらクレットはガイドみたいに話し出したので俺とティファは頷くばかりだ。


「この街には武器屋は一つしかなく、防具屋も一つしかない。しかし!鍛冶屋が100を超える程にある。己の腕を切磋琢磨、仲間というライバルと競い合いながら、各々が最高の一品を競うのです。あっ、そこの店はパンがオススメです」


説明は素晴らしいが、小耳情報がいらないぞ。


しかし、妖精の国にきた様な感じだな。

積み木みたいにデコボコしてる街並みに全ての建物が銅一色。その上につけられた巨大な色鮮やかな布がどこからか吹く風に揺られ、なびく。

更に活気のある人々の姿に、耳を澄ませば聞こえる、鉄を打つ音。



いい街だ、と心から感じた。


「こちらが、僕がオススメする。宿にございます」

クレットはジェントルマンにたく鉄のドアを開けて宿にいれてくれた。



宿の中も幻想的な雰囲気だった。

「タク様と、ティファ様は部屋は御一緒ですか?」

受付に肘をつきながらクレットが俺たちを見て言ってきた。


「じゃあ、別々で」

ティファが下を向き何も云わないので代わりに言ったが何故か怒られた。


「兄妹は御一緒の方が…」

勝手にクレットは部屋を一つにした。


俺たちに聞いた意味ないじゃん、と思ったが経費を節約しないと怒られるのを聞いて黙った。



「クレットサイコー♪」

ティファは笑顔でスキップで部屋に行く。

俺も慌ててついて行く。部屋の番号は鍵にしかついてないから迷子にならないように。


何でも口頭で部屋の番号を言うと闇討ちなんかが聞いているかもしれないとかなんとか。



部屋は17階の一番奥と最上階だった。

番号を確認して服を着替えて、飯前には戻る、と言って武器屋一番高い剣を10本を金貨50枚で買って近くの山に向かった。



しばらく、全力で走り山のだいたいに来た。


「さーて、やるか!」


周りに誰も居ないのを確認して龍の死体を出す。


暗いし山の頂上だし、誰にも見つからない。

シルビアとの約束で龍の事はバレちゃいけないから、いつ、分解すればいいか困っていたがいい機会が訪れた。



道具袋の中は時が止まっているのか、鮮度抜群だった。


「よいしょっ!よいしょっ!」

丁寧に早業の【十枚下ろし】を使い、硬い鱗や皮や爪を剥いでいく。なんせ小さな城くらいの大きくて硬いものを剥ぐのだから体力、精神力、根気がいる。





ヤバイ!気付いたら月が真上に来ていた。


剣も全部使えなくなり、最後の眼玉は体全体を使いもぎ取った。


実に気持ち悪かった。


剣を買った時にサービスでもらった長い紐で部位部位に分けて括る。


道具袋に入れ、そして、急いで帰る。

「ティファに殺されるぅうぅぅうううっ!!」


まさに光と化した俺はすぐさま部屋に戻った。


街はほとんど店が閉まっていたが、シルビアの知り合いの店は相手いたので説明だけした。


部屋には鬼神と化したティファさんがいなかった。

てか、寝てた。明かりをつけながら座る形で。


「ずっと、待っててくれたのか。ティファありがとうな…」


ティファをベッドに倒し、布団を被せた。


「ひと…りはいや…」

涙を流しながらティファは呟いた。


恐らく寝言だろう。涙を拭いてあげて、俺は湯浴びで血の臭いを流すために風呂場に行った。


「なにこれ…」



風呂場で見たのは、身体の上半身にびっしりと書かれた文字だった。

まるで蠢くかの様に気味の悪い模様。




「ほ、本当じゃったのか…」

目の前にいる俺の身の丈半分のドワーフが感嘆した。


ドワーフのヒゲは地面スレスレまでになっとおり、皺が凄かった。じっと見てると。


「ドワーフのヒゲが長ければ長いほど長生きしているんじゃよ」

ドワーフのじいちゃんーーガンは髭を触りながら言った。


「どのくらいで出来る?」

「ふむ、しかしこれは、武器なら大きさにもよるが、一つ5日、防具一式なら10日かかるじゃろな…。だが工房皆でやれば武器、防具一式合わせて10日で出来るぞ」


かかるねぇ…。とりあえずはまず俺の武器を作ってもらおうかなあ。


「短刀ならどのくらいで?」

「短刀でも同じじゃ、これ以上短くすれば質も下がるし、何よりワシが納得せんわい」



職人気質だねぇ…。惚れ惚れしちゃう。キャパ!


「じゃあ、コレに記しておいたから」

要望や形状を書いたラインナップの紙を渡す。


「ほほぅ、面白いアイデアではないか」

またもや髭を触るガンだが、顔をしかめた。

「これを全て作るなら二ヶ月はかかるぞ、大丈夫か?」

「あぁ、大丈夫。出来れば俺のとこっちの装備を早めに頼む。よろしくな!」

「頑張るとするかな、一つ頼みがあるのだがいいか?」

「なんだ?」

「金もいらん、余った素材を少しくれ!あと造った人として魔道具に撮らせてくれ!」


まぁ、別にいいよな?


「いいぜ!それぐらいなから。じゃあ龍の素材を置いてくぜ」

「うむ、任せろ!ではさっそく工房に行くとしようか」


ガンは素材を奥にちびちびと運んで行った。



俺は宿に向かう途中、風呂場で見た自分の上半身に描かれた呪文の様な刺青を思い出していた。


呪われた証か…。


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