猫耳少女との旅なんだが…3
「むぅ〜むぅ〜」
宿の一階の飯処で四人席の円卓テーブルでわざわざ、俺に顔を向けず朝ご飯のオニオンスープとフランスパンをガツガツと後ろ向きで食べる猫耳少女。
「なぁ、ごめんって」
昨日、ティファとの食事の事を忘れた事について朝から謝っている。
ベッドで目覚めた時も顔を真っ赤にして「ぅ〜〜//」と声にならないような声を出しながらビンタしやがった。
そんな怒っていたのか。と反省した。
だからずっと謝っているが一向に許してくれないままだ。
「つーんっ!」
「だからごめんね。何でもするから許して」
「何でも?」
ちょうど前を向いた状態で、ピクンとティファの耳が動いた。
「な、何でも…」
少しティファが怖く見えたので断ろうと思ったが、昨日の流した涙を思い出して頷いた。
「じゃあ、手を出して!」
ポケットから出した、キラリと光るナイフ。
「え?ティファ?何でナイフ?」
俺の手をナイフを持たない手でがっしりと掴みナイフで切ろうとする。
「ひぇー、ごめんなさい」
思わず目を閉じてしまった。手を引かず。
だが、一向に痛みがこない。あれ?
目を開けると同時にチクリと指先が切れるのを感じた。
「痛っ!!」
ティファも指を切り、俺と同じように血が垂れている状態。
ナイフを持っていた掌に、指輪を血で満たして行き、指輪が全て浸る。
「な、なにやってるの?」
思わず口から思ったことが零れた。
「こ、こ、こ、こんや…」
「こんや?」
何度もつっかかるので聞き直す。
「いーからっ!」
血をいつの間にか吸収した指輪が二つ。
どちらとも真っ赤な赤いリングだ。
それの片方を指にはめるようにティファが急かす。
まぁ、いいか、内心昨日のティファを見た所為で罪悪感でいっぱいだったがこれぐらいで許されるなら楽だなと思った。
指輪をティファが俺の左薬指にはめる。
「ん!」と俺に指輪をハメさせるよう手を出す。
「わかったから」
俺は白く長い指に真っ赤な指輪をハメた。
「ありゃあ!めでたいねぇ〜。しかしもうそんな年で婚約とは、私はあんたらを兄妹かと思ったよ」
おかわりを持って来てくれたおばちゃんが言った。
「あれ?お二人って夫婦でしたんですか!」
宿に入ってきたクレットも何やらおかしい事を言う。
結婚?夫婦?意味がわからない…
「誰と誰が?」
俺は目の前で猫耳が激しく揺れる少女を横目におばちゃんとクレットに聞く。
「あんたとそこの嬢ちゃん」
「タク様とティファ様ですよ」
二人は俺にツッコミの様に鋭く返す。
何やら訳がわからないので思考停止しているとクレットが俺の左手を強く握る。
あ…////…ダメ…男の人は趣味じゃないの//
「やっぱり、これは《真実の愛の指輪》ですよ。婚約者同士の血を混ぜて作られる」
え?今なんて?
「愛の指輪って?ほら俺バカだから教えて」
おばちゃんはいつの間にか消えてたのでクレットに聞く。
ティファには聞かない。いや聞けない。怖い。
「《真実の愛の指輪》とは、通例婚約者の儀式の時に血を交わし、創る指輪です。二人の愛が偽りであればあるほど指輪は青くなり、二人の愛が深ければ深いほど赤くなります。
ちなみに、互いのどちらが命の危機の時には指輪は白くなると言われています」
完璧な説明をありがとう、クレット。
つまりあれか、俺はティファと結婚したってこと?
う!うぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
何してんの俺!いや、ティファか!
「ティファ?なんでこんなもん持ってて。尚且つティファがこんなことやったの?」
「えっとね、カンドラさんとシャリルさんがこの通りにやったらタクとはもう離れ離れにならないって言ってね。それで今なら指輪つけれるかな〜って」
指をもじもじさせながら言う顔が赤い猫耳少女。
カンドラめ!帰ったら殺す。
俺のティファをもてあそびやがって。
「でも、ティファもちゃんと指輪の意味知ってるよ。大人になるのだってタクとなら平気だよ、痛いらしいけどタクとなら大丈夫…」
ん?何が大丈夫だって?グヘヘ
はっ!ダメが妹的なティファに色目はダメだ!
「ティファ、俺はお前から離れないだから、指輪外そうな?」
「やだ、大体何でも言うこと聞くって言ったのはタクだよ!」
それを言っちやおしまいだよ〜。
横で笑ってたクレットがコホンッと咳払いをして俺たちの注目を当てさせる。
「ちなみに、指輪な外れませんよ。指輪が外れる時は指を無くした時ぐらいですからね」
え?またまた驚く俺。
「てか、コイツと俺、11歳と12歳だよ?
結婚できるの?」
「冗談ですよ。でも、15歳にならないと外れないと云う効果だけですよ。後は全部ホントです」
くそっ!笑やがって!
*
ティファは今まで恥ずかしがって手を繋ごうとしなかった。
「手を握ろうか?キスしたろうか?」と二人っきりのクエストの時はからかっていた。
すべて、恥ずかしがりどっかへ走って行く。
だが、何たることか!
《真実の愛の指輪》は恐ろしいことに二人の愛をより深く激しくする魔道具だ。
恥ずかしがってた子猫ちゃんも今は堂々と指を一本一本絡ませて手を繋いでいる。
何だか、とても恥ずかしがい…//俺が!
「あ!凄い、見てあれ!」
ティファは『何でも作れる洋服屋』と書いてある看板を指差す。
何でも作れる洋服屋か…。
異世界にきて死にそうになったにも関わらず、何か足りたいと俺は毎日暇があれば考えてた。
そして、今、答えが出た…。
それは、ニーハイ!いや、脚をムチっと色気を出させるモノ!
タイツ、ソックス、などがこの世界にはない!
更に欲をいえば、アンダーアーマーを着た身体のラインがはっきりくっきり見えたい!
シルビア姉さんが履いていたハイソックスは布ではない、鎧の股の部分だけを切り除いただけのモノだった。
まぁ、それはそれでいいんだけどね。
しかし!そんなモノではヤる時に邪魔だ。
よってセーフティのある男を誘う罠だ。
まとめると要は、ティファにニーハイ履かせたいお兄ちゃんです。
ニーハイみたい物やコスプレ用の服も作って欲しいからな。
善は急げ、とあるからさっそく入ろう。
「こんにちは〜」
ティファを引っ張り鉄のドアを開けるとそこにはと小さな三つ編み少女がいた。
「え⁈タクさん!」
追記、小さな三つ編み少女の服を脱がそうとする鎧を着たクレットがいた。
「キャッ」
ティファが手で顔を隠す。
しっかりと指と指の間が空いているがな。
「騎士と云う立場を使い、小さな少女を襲う…。この幼女趣味めっ!」




