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策略家の彼とポッチャリな私〜重い愛を乗せて〜  作者: 紫煙 くゆり


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27.それでも離れられない

その夜、私はほとんど眠れなかった


天蓋付きの寝台に横になり、目を閉じても、昼間の中庭の光景が何度も浮かんでくる


エドガー様の声

伸ばされかけた手

そして


「彼女は、私の管理下にあります」


アレクシス様の、その言葉


(……管理)


胸が、きゅっと痛む


――なのに


布団の中で身を丸めながら、私は思い出してしまう


あの時

彼が隣に立った瞬間のことを、胸の奥に、すとんと落ちた安心感


(……助かった、って思った)


エドガー様の前では、息が浅くなっていた

何を言えばいいのか分からなくて、断れなくて、笑うしかなくて


でも、アレクシス様が来た途端、もう、何も考えなくてよくなった


「私がいますから」


その言葉が、何度も頭の中で繰り返される


私は、自分の価値を信じられない

どうしてアレクシス様が私を慕ってくれているのかわからない


でも

彼が「価値がある」と言うなら、

それでいいんじゃないか、と思ってしまう


判断するのも、拒絶するのも、誰かと戦うのも、全部、苦手だ


なら、

全部引き受けてくれる人がいるなら


管理下にあると言われたのに

それでも、誰かに守られることを、楽だと思っている

自由を手放すことを、安心だと感じている


私のこの感情は“愛”なのだろうか?

依存なのではないだろうか

纏まらない考え

その最中、脳裏に浮かぶのは、アレクシス様が私の手首に触れた感触

強くない

でも、確かに逃げられない


(……あのまま、引き寄せられたら)


そう思った瞬間、胸がどくんと鳴った

この感情は?


もし、明日、

彼が「もう関わらない」と言ったら

想像しただけで、息が詰まる


社交界に戻され

誰かに値踏みされ

笑って断れず

また傷つく日々

耐えられない


「……どうしよう」


小さく、その言葉を口に出す

答えはまだ出ない

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