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策略家の彼とポッチャリな私〜重い愛を乗せて〜  作者: 紫煙 くゆり


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25/42

25.迷っているだけ(アレクシス目線)

レティシアが部屋を出たあと、

私はしばらくその場から動かなかった

彼女は、自分で考えようとしている

だが、最終的に、私を選ぶ


(考えた末の選択ほど、強いものはない)


無理やり囲えば、彼女は壊れる

怯えたままでは、私の世界に適応できない


しかし、自分で一度拒否した相手を、それでも選んだとなれば

彼女はもう、後戻りできない


書斎に戻り、私は側近を呼んだ


「彼女への接触は、これまで通り制限します」


「……拒否されたのでは?」


「いいえ」


私は微笑む


「迷っているだけです」


迷っている人間に、選択肢を増やしてはいけない


「ただし」


言葉を区切る


「私が前に出すぎないように」


「彼女が“自分で決めた”と思える距離を保つ事」


側近は、一瞬だけ黙り込み、やがて静かに頷いた


「……承知しました」


私は彼女を急かさない

だが、逃がしもしない


時間は、こちらの味方だ


その後の彼女の動向が報告される


部屋に戻り、眠れず、何度も窓辺に立つ

次の日も外へ出ることはなかった


拒否した直後に、

自由を試そうとしない

それは、彼女の世界が、すでに私を基準に回っている証拠だ

私は、グラスに注いだ酒を一口飲む


「愛している」


その言葉に、疑いはない


――ただ、その愛が、彼女の望む形かどうかは、重要ではない


(彼女は、いずれ理解する)


選択肢がなかったのではなく、最も安全で、最も甘く、

最も“正しい”場所を選んだのだと


「私も、愛している」


そう言わせるために、私は今日も、世界を整える


レティと私の為に


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