496話 カクテル試飲会
というわけで、帰り道でアッスントを捕まえた。
「よぉ、モーマット」
「アッスントですよ!?」
なんかお前、地味過ぎてゴッチャになるってよ。
「酒の準備はどうなった?」
「いくつかは手配しました。ただ、やはり少々お値段が……」
と、こちらを見てにやりと笑うアッスント。
なんだよ、その顔。ブタみたいに。
「飲みたいのか?」
「はい! お酒はどこでもいつでも安定して売れる商品ですからね。新しい飲み方が広まれば、一気に売り上げアップが見込めます。最新の情報を知らないなんて、考えられないのです!」
デカい鼻から「すぴー!」っと鼻息を噴き出して、熱く訴えてくる。
へいへい。分かったよ。
三十三区に食い込むための知識も欲しいんだろ?
「そん代わり、負けろよ?」
「それはもちろん! 赤字覚悟の出血大サービスです!」
「じゃあ、エステラ、ナイフを」
「本当に出血はしませんよ!? サービスになりませんしね、私の出血なんて!」
まぁ確かに。
でも、血抜きしとくと肉が美味くなるらしいぞ、ブタって。
「これから、陽だまり亭でいくつか作ってみるつもりなんだが」
「では、必要になりそうなお酒を教えてください。すべてお運びいたしましょう」
そりゃ気前のいいこって。
「んじゃ、一覧書くから準備してくれ」
「はい☆」
マーシャみたいな言い方すんな。
マーシャ、またアッスントがお前のこと小バカにしてるぞ。
なます切りにしてやれ。
「でもアッスント、いいのか?」
「何がですか?」
うっきうきのアッスント。
その向こう、いつもの事務所の奥の住居エリアに向かって、腹の底からの大声で言っておく。
「こんな昼間っから仕事をさぼって、美女がいっぱいいるお店にお酒飲みに行くとか、奥方には絶対聞かせられないよなぁー!」
「ちょっとぉ!? 『会話記録』に残すどころか、ダイレクトに本人の耳に入れようとしないでくださいますか!? 違いますからね、エナー!」
ほほぅ、やっぱりいるのか、この奥に。
「いつも(俺が)店で、おっぱいおっぱいって騒いでるけど、お触りは禁止だぞ☆」
「一番重要な言葉だけを、ものっすごい小声で言わないでください! あなたです、おっぱいおっぱい騒いでるのは!」
「(だから、そう言ったじゃん)」
「そこをもっと声を張って言ってくださいと言っているんですよ! もう!」
俺たちを残してアッスントが奥に引っ込む。
きっと嫁に『会話記録』を見せに行ったんだろうな。
尻に敷かれまくりだな。
「同じ男として、あぁはなりたくないものだ」
「君にこんなことを仕出かせる人間がいないから、大丈夫なんじゃないのかい?」
「いや、そのうち、被害者たちが徒党を組んで、ここぞという時に手痛いしっぺ返しを喰らうであろう。喰らえばいいのだ、ウラマレイワシ」
ルシアが嬉しそうに肩を揺らす。
どっかの誰かが徒党を組んで、俺にそんなことをやろうもんなら、返り討ちの後、社会的に抹殺してやるけどな。一人残らず、全員。
「……はぁ、まったく」
「言い分けできたか?」
「言い分けもなにも、全部分かった上で拗ねたふりをするから手を焼いているんですよ」
「どれどれ? 全然焼けてねぇじゃねぇかよ、手! イネス、火」
「本当には焼きませんよ!?」
「俺、ウェルダンが好きなんだ」
「それは店長さんにでもお伝えください!」
「テビチ……」
「謎の言葉をつぶやかないでください! 背筋がゾワゾワするんですよ、なぜか!?」
生焼けの前足を隠して、アッスントが俺を睨む。
反抗的なブタだな。
「モーマットのくせに」
「アッスントですよ!? 全然似てませんからね!?」
モーマットと同じこと言ってやんの。
でもまぁ、違うかぁ。いじめっ子といじめられっ子だったもんな。
きっとまだ、こいつらの間には深い深い溝があるんだろうなぁ。
モーマット、すげぇ根に持つタイプだから。
「野菜の買取価格を上げたら、物凄く上機嫌でしたよ」
「単純だな、あのワニ」
「それが彼の美徳なのでしょう」
だから何度も騙されるんだと言わんばかりの哀れんだ顔だな、アッスント。
お前だからな、何度も騙してたの。
「カタクチイワシよ」
ルシアが席を立ち、俺を呼ぶ。
ちなみに、アッスントは一目でこの町娘たちが誰かを把握していた。
その辺はさすがだな。
「貴様のオッサン好きは知っておるが、そろそろ飽きた。早く戻って酒を飲ませろ」
「辛辣ですね、ルシア様!?」
「そなたもいちいちカタクチイワシに食い下がるな。領主めくりでは場に捨てられるだけの養分の分際で」
「よく分からない言葉で物凄く侮辱されたのですが、どういう意味ですか!?」
「あなたへの好感度も地に落ち果てています」
「なぜですか、デボラ給仕長!? 私が何をしたというのですか!?」
「何もしなければ嫌われないなどと、いつから勘違いしておられたのですか?」
「横から入ってきて心抉らないでくださいますか、イネス給仕長!?」
「飽きた、私は。帰りたい、早く」
「無邪気なギルベルタさんまで!?」
「えっと……ここは、私も何か言わないといけないのでしょうか?」
「あなたが普通ですから、是非とも染まらないでくださいね、こちらのナタリアさん風給仕長チームに!」
「その宣戦布告、承りました」
「してませんよ!? ナイフをしまってください、ナタリアさん!?」
「『きゃ~! アッスントさんのえっち~!』」
「どこから声出したんですかナタリアさん!? まるで別人のような声でしたよ!?」
「ヤシロ様を見習って、練習中です」
「やめてください! 是非、やめてください!」
「「「『きゃ~! アッスントさんのえっち~!』」」という、私は」
「面白がらないでください! いや、むしろ面白がってくださったおかげでいつものおふざけだと分かりやすくて助かりますけれども!」
「えっと、みなさん、結構大好きですよね、こちらの方のこと」
ほぅ、ネネは名前すら覚えてないのか。
その調子で、絶対覚えないでいてやってくれ。
「まったく、ちょっと寄って酒を持ってきてもらうだけのつもりが、なんでお前が出てくるとこうまで話が長くなるんだろうな」
「あなたが遊び始めるからですよ!?」
「遊びじゃない! 本気だ!」
「なお性質が悪いですよ!?」
「本気の嫌がらせってなんですか!?」とか、アッスントがぷひぷひ鼻を鳴らす。
「あ、それから、メンコで遊ぶ新しいゲームがあるから、それ用のメンコの手配しといてくれ」
「では、その内容も陽だまり亭でお伺いしましょう」
ちゅーわけで、俺たちは事務所を出て店の前で準備が整うのを待つ。
アッスントが偉そうに丁稚たちに指示をして、次々と荷車に積み込ませていく。
荷車を引くのは、見たこともない若い男だった。
「『エラそうに命令してんじゃねぇよ、テビチ』」
「ウチの若い衆はそのようなことは思いませんよ!? あと、テビチやめてください!」
思ってるかどうかなんて、分かんないじゃねぇか。
むしろ、思ってないということを証明できない以上、それはもはや思っているということと同義であるとも言える。
「りぴーと、あふたー、みー、『テビチ』」
「やめてください! お前も、早く陽だまり亭に荷物を届けなさい」
「へい」
短く言って、若者が荷車を引いて一足先に陽だまり亭へ向かう。
「あそこで『分かりました、テビチ』とか言えばウケたのになぁ」
「ウチの若い衆には、礼儀作法をきっちりと叩き込んでいますので、冗談でもそのような発言はしませんよ」
「それが出来るなら、嫁にも叩き込めよ」
「……それが出来ないから、もう諦めたのですよ」
ダメなヤツだな。
そんなに嫌われるのが怖いか。
ちょっとでもイラってされたくないのか?
「ベタ惚れか」
「……それに関しては、否定はしないでおきましょう」
「イチャつくな」
「そう仕向けたのはヤシロさんでしょうに……」
「アッスントく~ん、飽きた~☆」
「やめてくださいね、私にそういう『つまんないキャラ』みたいなイメージを植え付けるのは。……いいお酒をサービスしますから」
言って、アッスントはさっさと歩き出してしまった。
客を残して自分が真っ先に行くとか、ちょっとどーなの?
さっさと行きましょうってアピールかよ。そーかよ。
というわけで、アッスントの奢りで結構な量の酒が手に入った。
これでいろいろ試せるだろう。
「よくもスルーしましたわね」
陽だまり亭に入ると、イメルダが仁王立ちしていた。
いや、スルーも何も、お前いなかったじゃん。
一応、巨大イメルダ立像でも見物に行こうかと寄ってみたんだが、イメルダは森に行っていて不在だと言われた。
じゃあ、しゃーないかーって像だけ見て帰ってきたんだ。
ん?
連中の感想?
「イメルダ先生だな」
くらいだったぞ。
まぁ、知ってるヤツは知ってるし、特に驚きはなかった。
「給仕長に聞いて駆けつけて差し上げましたわ」
「何を聞きつけたんだよ」
「ヤシロさんが、ワタクシに会えず落胆してお帰りになったという事実を、ですわ」
そんな事実は存在しないんだがなぁ。
「これから、ちょっと酒の試飲をするんだが、混ざっていくか?」
「あら、陽だまり亭でお酒ですの? 珍しいですわね――」
と、そこに居並ぶ一同を一瞥して。
「――遠慮しておきますわ」
「大丈夫だ、イメルダ。もうすぐノーマも来る」
「帰りますわ!」
「お待たせさね~! 仮眠を取って元気百倍さよ~!」
「アレが百倍になったら、死者が出ますわよ、ノーマさん!?」
「なんだぃ、イメルダも参加するんかぃね? さすが鼻がいいさねぇ~、さぁさ、お座りな」
「帰ると申しておりますのよ!?」
「そうつれないことを言うのではない、イメルダ先生~」
「なんでルシアさんはすでに酔っておられるんですの!?」
「カンタルチカで一杯ひっかけてきたからな」
「なんて傍迷惑な!?」
「ちなみに、給仕長チームも軽く一杯やっている」
「魔窟ですわね!?」
足早に帰ろうとするイメルダ。
しかし回り込まれた。
しかし回り込まれた。
しかし回り込まれた。
しかし回り込まれた。
しかし回り込まれた……
「性質が悪いですわ!?」
給仕長たちからは逃げられないらしい。
「まぁ、お前が気に入るようなカクテルも作ってやるから、ちょっと意見を聞かせてくれ」
「かくてる、ですの? 聞いたことがないお酒ですわね」
酒豪ハビエルの娘でも知らないとなると、いよいよこの街にカクテルはなさそうだ。
似たようなのがあれば『強制翻訳魔法』が働くだろうし。
「ヤシロさん。準備はどのような感じにしますか?」
いつものように、フロアのテーブルを動かして改造しようとするジネット。
だが、今回はカウンターを使わせてもらおう。
せっかくいいカウンターがあるんだからな。
「いや、絶対入りきらないよ。人数を見なよ、人数を」
冷ややかに、エステラが俺の首根っこを掴む。
くっそぅ。
あのカウンターでシェイカーを振れば、絶対映えるのに。
仕方ないので、テーブルを動かし、寿司の時のように簡易カウンターを作った。
おでんが自慢のぐい飲み屋みたいな気分だ。
「一応、未成年は遠慮してくれ。仕事中だからな」
カンパニュラとマグダ、ロレッタは遠慮してもらう。ロレッタは成人してるけども、マグダに負担が行き過ぎないように、な。
テレサ? 大丈夫だ。酒は苦いと知っているらしく、一切欲しがらないんだよ、テレサは。
「まぁ、ジネットにはちょっと飲んでもらうと思うけど」
なにせ、美味いかどうかの判断基準として、これほど信用できる指標はないからな。
「やっほ~! 来たよ、ヤシロ」
「私も呼ばれてきたよ~」
パウラとネフェリーがやって来る。
そして、静かにパウラ父も陽だまり亭に入ってくる。
「マスターも来たですか!? これは、俄然接客を張り切るですよ!」
「……ん」
パウラ父がにっこりだ。
何気にロレッタのことを気に入ってるからなぁ、パウラ父は。
そこら辺も、パウラにとっては気に入らないとこみたいだけど。
結構ファザコンなんだろうなぁ、パウラは。
「ヤシロさん。お酒を並べ終わりました。ここにないものもいくつか用意してありますので、ご用命くださいね」
と、カウンターの内側に陣取るアッスント。
ジネットも、すすすっと簡易カウンターの中へ入ってくる。
「あ、そうだヤシロ。これ、ミリィから。リンゴ」
「すごい量だな。助かったよ」
約束通り、パウラがミリィからリンゴをもらってきてくれた。
カゴ一杯のリンゴは、つやがあり、香りもよくて美味そうだ。
それに加え、ユナのお見舞いにって、ハムっ子たちに届けさせたフルーツが、案の定めっちゃ余ってるから、それを盛大に使わせてもらう。
ハムっ子農場のイチゴとメロン、そして、ミリィに言って持ってきてもらったリンゴがいっぱいだ。
「じゃあ、まずは、飲みやすいヤツからいくか。ジネット、イチゴを潰してくれ」
「……やる」
「あたしも手伝うです!」
マグダとロレッタが名乗りを上げ、大量に持ち込まれたハムっ子農場産のイチゴを潰し始める。
……程々でいいぞ。
そんな大量にはいらないからな?
そうそう、そんくらい。
「そこにハチミツを入れて、味を馴染ませる」
シェイカーに氷、ミルクを入れ、先ほどのハチミツとイチゴを入れ、少量のブランデーを注ぐ。
そして、フタをしてシェイク。
「わぁっ! なにそれ、かっこいい!」
「様になってるね、ヤシロ」
パウラとネフェリーが褒めてくれて、ちょっと気分が上がる。
そうだろう、そうだろう。
日本では、カクテルとパスタを作れる男がイケメンとされたものだ。
「じゃあ、まずはイメルダ。行ってみるか?」
「ワタクシが最初に酔ったら、どうしますの?」
言われなくても、酔っ払いの面倒を見る気でいるらしいイメルダ。
いいヤツだなぁ、ホント。
まぁ今日は、悪酔いする前に叩き返すから大丈夫だ。
「オシャレなグラスがないから、これで我慢してくれ」
と、陶器のお猪口に注いでいく。
これは、アッスントに用意してもらった。
カクテルグラス、今度ヴァルターに言って作らせよう。
あれがあると、見た目も華やかになる。
陽だまり亭にもグラスはあるが、カクテルはそんなごくごく飲むものじゃない。
小さいカクテルグラスに入れて、二口三口で飲み干すもんだ。
グラスに少量しか入れないと、なんかみすぼらしいんだよなぁ。
なので、今回はお猪口。
色気もへったくれもありゃしねぇ。
ただ、お猪口なので、一回で数人分作れる。
イメルダの次にルシアとエステラとノーマの前に置く。
一回で四人分くらいいけるか。
「他の連中はもうちょっと待ってくれ」
言いながら次を作り始める。
とりあえず、全員に飲ませてやればいいだろう。
「甘いですわね」
「これはジュースではないのか?」
「でも、ブランデーの香りがしますよ」
「エステラは、そっち系はあんま飲まないから、香りに敏感なんだろうねぇ」
と、どっち系でもがぶ飲みしてそうなノーマが言う。
まぁこれはほぼジュースみたいな甘い酒だ。
ブランデーが少し入っているだけなので、酒の弱いヤツでも飲めるカクテルってところだ。
「甘いのに、香りが大人っぽいですね」
「確かにブランデーの香りを感じます」
「これなら、あたしでも飲めるかも」
「うん、美味しいよね」
ジネットとナタリアが興味深そうに酒を見つめ、パウラとネフェリーは一気に飲み干す。
性格が出るな。
全員に配り終えたらシェイカーを洗って次だ。
「あぁ、それなら、これを使っておくれな」
と、新たなシェイカーを二個、カウンターに置くノーマ。
しかも一つはちょっとサイズがデカい。
朝、トレーシーに『先生』とか言われて有頂天になって作っちゃった感じか?
「っていうか、ノーマ、本当に寝た?」
「寝たさよ。ぐっすりとね」
そのぐっすり、二分くらいじゃね?
一瞬で深ぁ~~~~いところまで落ちて、すぐさま急浮上してきた感じじゃないだろうな?
「折角だから使わせてもらうな」
「中は洗ってきたから、そのまま使っても大丈夫さよ」
それじゃ、そうさせてもらう。
使用したシェイカーはロレッタとマグダが洗ってくれるらしい。
カンパニュラとテレサは、客が入ってきた時のためにフロアで待機だ。
「次は、エステラの好きな、ミード風のカクテルだ」
メロンの果汁を、軽めのエールに入れ、ハチミツで甘さを追加する。
そこに少量の蒸留酒を入れるんだが……
こいつはどんな酒なんだ?
アッスントが言うには、こいつはジンのような酒らしいが、味が分からんと完成品の出来栄えも予想できないな。
確かに、香りはジンっぽいような。
……ちょっとだけ味見。
「ごふっ!?」
「ヤシロがお酒舐めた!?」
「大丈夫ですか、ヤシロさん!?」
パウラが驚き、ジネットが駆け寄ってくる。
いや、大丈夫だ。
すっげぇ久しぶり過ぎて、ちょっと咽ただけだから。
ジンって、こんな強かったっけ?
ちょっとびっくりした。
「そんなに強いお酒ではないのですが……やはり、ヤシロさんはお酒があまりお得意ではないようですねぇ」
と、酒瓶を見てしみじみと言うアッスント。
まぁ、そういうことにしといてもらうと、無理やり酒を勧めてくるヤツはいなくなるだろう。
いても誰かしらに助けてもらえそうだ。
危険人物のルシアとノーマがここにいるから、いい感じで釘は刺せただろう。
「ほい、じゃあ試してみてくれ」
「みんなは、咽ないように気を付けてね」
エステラが余計なことを言って、一同が笑う。
……言っとくけど、言うほど、酒弱くないからな?
飲んでやろうかなぁ、マジで。
「わぁ、これすっごく美味しい!」
エステラが一気に飲み干し、おかわりが欲しそうな顔でこっちを見てくる。
「メロンのお酒っていうから、どんなことになるのかと思ったけど、甘くて美味しいね」
「ふむ。飲み慣れたこれまでの酒とはまるで別物だが、これはこれで美味いな」
エステラは、やはりというか、こういう甘い酒が好きなようだ。
ルシアも、満更でもなさそうか。
「これを、このくらいのサイズのグラスに入れると、見た目も華やかで、女子受けするんだ」
「確かに、綺麗な色してるから、グラスだと映えるかもね」
そこにチェリーを添えたりすると、さらに可愛さアップだ。
絶対こいつらは好きになる。
「ワインあるよな?」
「赤も白もご用意していますよ」
アッスントに両方もらう。
赤は、大きめの器に移して果物を放り込んでおく。
なんちゃってサングリアだ。
フルーツを漬け込んだワインをサングリアというが、こうやってカットしたフルーツを入れて、あとで軽く果汁を絞り入れてやれば、それだけでも風味が変わって面白い味になる。
「イチ、ニー、サングリア♪ ――っと」
「なんですか、その歌は?」
「なんでもない。まぁ、美味くなるおまじないみたいなもんだ」
絶対効果ないけど。
「先に白ワインを使ったカクテルを作るぞ」
すりおろしリンゴを白ワインに混ぜ、ハチミツと、ミント系のハーブを入れてシェイクする。
すると、爽やかな香りの甘いカクテルになる。
「あっ、これあたし好きかも!」
パウラが食いついた。
パウラは、甘過ぎる酒より、爽やか系が好きなのかもしれないな。
「これいいね。なんだか森の香りがする」
ミントにリンゴにブドウだからか、ネフェリーがそんなことを言う。
ネフェリーにワインを飲ませたら、それはそれはポエミーな感想を口にしそうだ。
草原を吹き抜ける風とかなんとか。
「上品な味ですわね。なかなかのものですわ」
イメルダも、興が乗ってきたのか、一人マイペースにこくこくと飲み進めている。
バーカウンターが似合いそうな横顔だ。
ドレスでなけりゃな。
「もう少し強いのも作ってみるか」
ルシアやノーマには、強めのカクテルが刺さるだろう。
ジントニックのトニック抜きを作ろう。
トニックは、キニーネって苦み成分が入った甘くてほのかに苦い炭酸水だ。
炭酸も作ろうと思えば作れるが……、じゃあ、作るか。折角だし手を抜かずにやり切ろう
ただ、ちょっと苦みが出るから、ハチミツとハーブを混ぜて、なんちゃってトニックにして……重曹はほんのちょぴっと……
「ほい、ハーブジントニックもどき」
「もどきって……」
エステラが苦笑いで口を付ける。
「ん!? しゅわしゅわしてる」
「これは面白いな」
「炭酸なくても美味しいかもね☆」
マーシャは炭酸が邪魔だったみたいだな。
ちょっとしょっぱくなるしなぁ、重曹。
んじゃ、炭酸なしで――
「どうだ?」
「うん。おいし~☆」
「あたしも、これくらいパンチのある方が好きさね」
酒飲みには、やっぱりパンチが必要か。
「あとは、エールとイチゴを混ぜると、こんな感じになる」
口当たりが軽く、ごくごく飲める系の酒だ。
これなら、もうちょっと大きいグラスに入れてもいい。
「カタクチイワシよ、シャングリラとかいうのはまだか?」
「サングリアだ」
シャングリラは、たどり着けない理想郷とか、そんな感じだよ。
「たぶん、全然漬け込みが足りてないが……」
悪足搔きで、柑橘系の果汁を絞り入れる。
赤ワインにはメロンとイチゴを潰したものと、すりおろしたリンゴを入れてある。
ちょっと甘みを足せば飲みやすくなるだろう。
「ちょっと味見を――」
「あのっ、わたしがやります」
ジネットが駆け寄ってきて、俺の手からスプーンを奪い取る。
さっきちょっと咽たせいで、めっちゃ心配されてしまった。
ジネットがスプーンでワインをすくい、「これなら、これくらいで……」とハチミツを追加してくれた。
ジネットの舌なら信頼できるだろう。
「これはシェイカーを使わないんかぃね?」
「これはそこまで混ぜない方が美味いぞ、きっと」
お玉でグラスに注いでそれぞれの前に置く。
沈殿している果肉も美味そうだ。
「このまま飲めば濃厚なフルーツの甘味を楽しめるし、氷を入れて一回転くらい混ぜると爽やかに飲めるようになるぞ」
「へぇ、ボク氷もらおうかな」
「では、こちらを使ってください」
ジネットがエステラのグラスにそこそこデカい氷を入れる。
カランっと、澄んだ音が耳に心地いい。
「わっ、これ、美味しい!」
「ふむ。氷無しもなかなかの味だ。エステラ、一口いってみるか?」
「いいんですか? じゃあ、こっちもどうぞ」
「私も混ざります!」
酒をシェアする三領主。
領主が同じグラスで回し飲みしてるよ……なに、この風景。
「これは、ちゃんと漬け込むと、また違った風味になるでしょうね」
一口飲んで、ジネットが確信を持って言う。
下拵えを頼んでおこうかな。ヴァルターが来た時用に。
「それで、先ほどハチミツにハーブを漬けていたようですが、あれは?」
「リキュールの代わりだ」
カウンター席を作っている間に、ハチミツにハーブを付けておいた。
こんな短時間じゃ香りも全然移ってないだろうが、雰囲気くらいは楽しめるだろう。
即席リキュールを使って、いくつかカクテルを作ってみる。
どんな風味になるか、俺にもさっぱり分からん。
とりあえず、味見を――
「わたしが代わりますね」
さっと、ジネットにお猪口を奪われる。
さすがに、過保護が過ぎると思うぞ。
「わぁ、美味しいです、これ。とても爽やかで、香りが豊かで」
「こんなちょっと漬け込んだだけでか?」
「ジネットさんのおっしゃる通り、これはすごいですよ、ヤシロさん。リキュール作り、ちょっと全力で取り組ませていただきます!」
アッスントが鼻息を荒くしている。
酒飲みに刺さる風味になっているようだ。
「実は、お酒はあまり得意ではないという人は結構いまして。飲みの場に呼ばれることを苦痛と考える方もいるんですよ」
この世界、日本よりもかなり上下関係厳しいからな。
パワハラとか、取り締まられてないし、仕事とはそういうもんだって考えが当たり前だから、上司から誘われた飲み会を断るなんて出来ないんだろう。
パワハラに寛容なら、セクハラにも寛容になっとけってんだ!
すぐ懺悔させやがって!
「アルコールは大丈夫でも、味が苦手という人も多いですから、カクテルは流行るかもしれませんね」
「酒さえ入れなきゃ、マグダやテレサが食いつく味だからな」
カクテルの合間に、ノンアルコールカクテル――つまりジュースを作ってやっていたんだが、マグダとテレサがにっこにこだ。
イチゴミルクとか、めっちゃ美味そうに飲んでた。
「お兄ちゃん、イチゴとしゅわしゅわを足すと、絶対美味しい気がするです」
「お、やってみるか?」
ロレッタは、結構酒が平気なので、弱めのカクテルを作ってやる。
一杯くらいならいいだろう。
いろいろ試し過ぎてお猪口を使い切ってしまった。
なので、グラスに注ぐ。
透明な炭酸に、イチゴの赤がほのかに混ざり綺麗だ。
「お猪口使い切ったから、グラスで悪いな」
「いやいやいや! これはグラスで出すべきお酒ですよ! 見てです、このほんのりピンク色! めちゃくちゃ綺麗ですよ!」
グラスを持ち上げ、光にかざしてその色を楽しむロレッタ。
グラス越しの光がロレッタの顔にかかって薄紅に色づく。
「……ヤシロ。あれの『ノンアル』を」
「マグダはすぐに習得するな、そーゆー専門用語」
専門用語ってほどのもんでもないけども。
しかし、酒を入れないイチゴサイダーって美味いのかね?
まぁやってみるが、甘みが足りなそうだ……俺にも味が想像できん。
ちょっと味見を――
「……止めないのかよ?」
「ジュースは、美味しいですよ」
にっこりと微笑むジネット。
ガキ扱いしてんじゃねぇぞ、まったく。
「んっ、割とイケるな」
「……いただこう」
「いたまこう!」
お子様二人が手を伸ばしてくるので、グラスに注いで渡してやる。
「カンパニュラも飲むか?」
「私は、ヤーくんとシェアします」
と、俺の飲みかけのグラスを手に取り飲み始めるカンパニュラ。
……この子、将来さり気にアプローチしてくるあざとい系女子にならないだろうな?
十年後のカンパニュラに同じことをされたら、うっかりときめいてしまいそうだ。
その後、いくつか、今できる範囲のカクテルを作っては試飲してもらった。
ルシアとノーマとマーシャは絶好調で、酒があまり好きではないと言っていたパウラも、結構飲んでいた。
ネフェリーは自分の限界を分かっているのか、どれも少し舐める程度でやめている。
「ジネットはそろそろやめとけ」
「そうですね。甘くていくらでも飲めてしまいそうですが、少し酔ってしまいました」
「え~、まだまだ大丈夫だよ~、飲もうよ~ジネット~」
「ちょっとパウラ? あなた、酔ってるでしょ?」
「じぇ~んじぇん、酔ってないよ~♪」
「完全に酔ってるじゃない、もう!」
ネフェリーがパウラに水を飲ませてやる。
パウラ、案外酒弱いんだな。
好きじゃないって言ってたし、普段はそんな飲まないのに、今日はがぶがぶ飲んでるからか。
ペースも、これじゃ早過ぎだったな。
「すまん。カクテルは飲みやすいから、飲み過ぎには注意してくれ」
「ふむ、わらしはこれくらいなら、れんれんへいきらが、おしゃけのよわいじょせいには、たしかにちょっろきけんかもしれんにゃ」
「ルシア姉、ろれつ回ってないよ~☆」
そろそろやめないと、危険だな。
「ギルベルタ。ルシアが酔ったから帰りの準備を――」
「すやぁ……」
「寝てる!?」
ギルベルタが潰れていた。
「ナタリア、お前は大丈夫か?」
「はい、これくらいでは酔いません。……が、少し熱いですね……」
「って言いながら、ブラウスのボタン外し始めるな! イネス、デボラ、止めてくれ!」
「私の家にですか? お泊まりセットは持参してくださいね」
「私も便乗します! そのお泊まり!」
「『泊めてくれ』じゃなくて『止めてくれ』だよ!」
お前らも出来上がってんのか!?
「ヤシロ……」
ぽんっと、エステラが俺の肩に手をのせる。
「諦めよう……、ボクも、帰るの億劫になってきたしぃ~」
「にへら~って、笑ってんじゃねぇよ、この酔っ払い!」
ダメだ!
領主が全滅だ!
トレーシー?
エステラの肩にしだれかかってもう寝てるよ!
ネネ?
そういえばネネは……
「私だって……必死に頑張っているんですよ……それなのに、それなのにぃ……」
「ネネ姉様の頑張りは、きっとトレーシー姉様や皆様にもきちんと伝わっていますよ」
「うゎ~ん、かんぱにゅらさ~ん!」
九歳時に慰められていた。
……うん、ダメだ。全滅だ。
こいつら、もう一泊していくな、絶対。
明日の早朝には叩き帰そう、そうしよう。
「くすくす」
と、ネネの頭を撫でているカンパニュラが嬉しそうに笑う。
「今日は、慰めてばかりです」
ネネの他にもこんな困った客がいたのか?
――と思ったら。
「お昼に、母様がいらして、たくさん甘えてくださいましたよ」
あぁ、そうだったな。
カンパニュラが編み込みしてるって教えたら、仕事サボって飯食いに行ったんだった。
「お仕事は楽しいけれど、私に会えないのは寂しいとおっしゃってくださって」
「自立しろ、母親」
「今日は、早く帰って一緒にお風呂に入ると約束しました」
「大衆浴場か?」
「いえ、デリア姉様のお家で、大きなタライにお湯をたくさん注ぐんです」
なにその力業。
デリアんとこにはドラム缶みたいのもいくつかあるから、あの辺を使えばドラム缶風呂とか出来そうだけど。
きっと、それをデッカいタライに移し替えるんだろうな。
ドラム缶風呂、深いし、鉄は熱いし。
「じゃあ、今日は早めに上がろうな」
「はい。ジネット姉様にご相談して、許可は得てあります」
さすが、抜かりない。
「テレサさんも、今日は早上がりなのです。一緒にお風呂に入る約束なのですよ」
「テレサ、泊まるのか?」
「はい。お昼にヤップロック様がいらして、許可をいただきました」
ホント、抜かりないな。
「ヤップロック、来てたのか?」
「はい。シェリルさんとトットさんにお子様ランチを食べさせてあげてましたよ」
と、ジネットがほんのりと赤い頬で言う。
あぁ、ジネットがこうなったら、今日の営業は終わりだな。
「マグダ。陽だまり亭は今日ちょっと早く店じまいするぞ」
「……分かった。ユナも心配だし、マグダも賛成」
「それじゃあ、弟妹に言って、広報してもらってくるです」
「いや、それをすると押し寄せてくるだろうが……」
「タコスをいっぱい作っておくです!」
なるほど。
ジネットじゃなくても出来る料理を大量に用意しといて、今日はそれだけの販売ってことにするのか。
それなら、マグダとロレッタがいれば回るな。
「部下が着実に育ってるようだな、副店長」
「……ふむ。マグダの薫陶の賜物」
「それ、自分では言わないヤツですよ、マグダっちょ!?」
とはいえ、こいつらもしっかりと成長している。
「頼もしい限りだこと」
「本当に、そうですね」
頬に手を当てて、幸せそうに微笑むジネット。
うむ、本格的に危ないな。
「ジネット、座っとけ」
「いえ、わたしは全然」
「酔ってるかどうか分からなくなったら、酔ってる証拠だ」
腕を掴んで軽く引き寄せると、何の抵抗もなく、ジネットは俺の胸にもたれ掛かってきた。
ほらみろ、足元がふらついてる。
「てんちょーしゃ、いす、どーぞ」
「ふふ、テレサさんにまで心配をかけてしまいましたね」
俺の胸に頭をのせたまま、ジネットがへにゃりと頭を下げる。
お辞儀のつもりらしいが、ネコが顔をこすりつけて甘えてきてるようにしか見えんぞ。
「ジネットちゃん、大丈夫? ごめんね、付き合わせちゃって」
「いえ、とても楽しかったですよ。……ですが、美味しく飲め過ぎてしまうのも、少し考えものですね」
酔いを自覚したのだろう、ジネットの動きが急に緩慢になってきた。
寝そうだな、こいつ。
ジネットを椅子に座らせ、改めて店内を見渡す。
ギルベルタは爆睡。
給仕長連中はほろ酔い。
ルシアとトレーシーは泥酔。
マーシャは……
「今夜もみんなで、お泊まりだ~☆」
……普段と酔ってる時の違いが分からん。
そして、割と早めにギブアップしていたイメルダ。
「今日は、ワタクシも泊まりますわ……帰るのが億劫ですもの……」
ちょっと目が据わってる。
なんか、このまま日頃の愚痴とか言い始めそうな――
「そもそも、ウチの給仕は主に対する尊敬の念というものが希薄なのですわ」
――始まっちゃった。
あ、ネフェリーが聞いてくれるの?
悪いな。今度何か奢るよ。
んで、パウラは――
「とーちゃ~ん、ウチでもカクテルしよ~よ~、あたし、しゃかしゃか、できるよ~、きっと」
父親に抱きついて尻尾をぱたぱた振っていた。
めっちゃ甘えてるな。
これは珍しい光景だ。
で、パウラ父。
「……んっ!」
嬉しいのか。
そうかそうか。
こっちに向かって、めっちゃサムズアップ突き付けてくるじゃん。
お年頃になって、なかなかこういう甘え方してくれなくなったんだな。
じゃあ、精々堪能しとけ。
たぶんもうこんな酔い方しないと思うから。
初回ボーナスだぞ、これは。
で、オッサンはどうだった、カクテル?
美味かったって? そうかい、んじゃ今度レシピやるよ。
いーっていーって、いろいろパウラ借りて迷惑かけたし。
あ、ソーセージくれるの? んじゃ、それはもらっとく。
「ノーマはどうだ? 大丈夫か?」
「こんくらいの酒なら、どうってことないさね」
けらけらと上機嫌で笑うノーマ。
泣き上戸前の兆候、出て来てんじゃねぇか……
「こんな美味しい酒を造れる道具を作ったアタシはすごいんさよ!」
「そうらぁ! のーまたんは、すごいぞー!」
「さすがルシア! 話が分かるさね!」
「私も分かりますよ、ノーマさん」
「そっかい、ナタリアも分かってくれっかい! で、なんで脱ごうとしてんさね、ここは家じゃないさよ!?」
「もう、ここの子になります!」
「だからって脱ぐんじゃないさよ!?」
ノーマより、ナタリアの方が酔っていた。
「ノーマさんも脱げば、みんな平等で恥ずかしさはなくなります」
「それもそうさね」
ノーマも酔ってた!?
「マグダ、ロレッタ、大至急!」
「「あいあいさー」です!」
危険人物が、二人の獣人族によって二階へと運ばれていく。
客室に放り込んどいてくれ。
そこでなら、脱ごうが脱がそうが好きにしていいから。
……ただ、そうすると俺がまたフロアで寝ることになるんだけれども。
「ジネットはここにいて、そこらの給仕たちを見ててやってくれ」
「ヤシロさんはどちらへ?」
「タコスの下準備をしてくる。あいつらだけだと手間取るだろうから」
「わたしも行きます」
いやいや。
お嬢さん、あなた酔ってますからね?
「……いきまふ」
ちょっと噛んだしね。
「……むぅ!」
何の抗議だ、それは……はぁ。
「怪我だけはするなよ?」
「任せてください、得意です」
怪我するのが!?
不安になること言わないでくれる!?
しょうがないので、比較的酔ってないと言い張っている酔っ払いエステラに監督を任せ、カンパニュラとテレサに接客を任せる。
大人が一人監督してれば、あの二人も安心するだろう。
それが、たとえエステラであったとしても。
ジネットと一緒に厨房に入るが、段差でふらつき、俺にもたれ掛かってくる。
「大丈夫か?」
「だいじょうぶですよ?」
絶対大丈夫じゃないな、こいつ。
「包丁と火は使うなよ?」
「うふふふ……、包丁と火を使わないで、どうやってお料理するんですか?」
酔っているせいで、ツボが浅い。
何がそんなに可笑しいのか、ずっとくすくす笑っている。
「材料は俺が用意するから、味付けを頼む」
「はい! おまかせください!」
テンション高っ!?
ジネットが酔うと、こうなるのか。
明るい酒でよかったよ。
「お兄ちゃん、あの酔っ払いはダメです……マグダっちょが生贄にされたです」
強力な絡み酒が発動して、マグダが「……ここはいいから、ロレッタはフロアを」と、自身を犠牲にしたようだ。
まぁ、マグダなら、いざとなれば鉄拳制裁で逃げてこられるか。
「大丈夫そうだったか?」
「ルシアさんが今日買ったっていうおやつを一緒に食べるそうですよ」
あぁ、港で買ってたな、人魚焼きとか。
人形焼きの人魚バージョンな。
じゃあ、マグダは進んで残ったって感じか。
なら安心だ。
「わぁあ、店長さん!? ふらふらしてるですよ!? 包丁はダメです!」
ジネットめ、持つなと言っておいたのに。
「言うこと聞けない子は、厨房に入れないぞ」
「むぅ~! いやですぅ、ここにいますぅ!」
「店長さんの駄々っ子です!? 破壊力、凄まじいですね!?」
それから、ず~っとへらへら笑って、不意に裾を摘まんだりして邪魔してくるジネットに構いながら、ロレッタとタコスの準備を始めた。
結構客が来るかと思ったんだが、意外と客足は伸びなかった。
ジネットが「それくらいで大丈夫ですよ」とストップをかけてなければ、大量に余らせてしまうところだった。
さすがジネット。酔っていても客足の読みは的確か。
ハムっ子が宣伝に走ると、必要以上に客を釣り上げてくるから覚悟していたのだが……
「おねーちゃーん! 陽だまり亭でノーマさんが酔っ払ってるから、お店早じまいするって宣伝してきたー!」
と、妹が飛び込んできて、その理由が分かった。
……有名だったか、ノーマの絡み酒。
君子は危うきに近寄らないらしい。
この日、陽だまり亭は、非常に珍しく、随分と早い時間に閉店した。
あとがき
アップデートをかなぐり捨てた、宮地です☆
令和への適応、諦めました☆
今後は開き直って昭和テイストでお送りいたします☆
おっぱい たばこ バイオレンス☆
(≧▽≦)o彡゜
真剣バリバリでやってくで、そこんとこ夜露死苦!
令和の世の中じゃ無理でしょうけど
我々の時代はですね、高校生とか中学生がこっそりと隠れてお酒とか飲んでいた時代なんですよ。
アニメやドラマでも、高校生が隠れてこっそりビール飲んだりしてて
それが「青春だね!」みたいな感じで描かれていまして
そういうのを見て、我々は憧れて「やってみよう!」と真似してたわけなんですが
大人になった今でさえ、一滴もお酒が飲めない私は、
当然当時からお酒が一切飲めませんで、
でも真似してみたくて、
先生や大人に隠れてこっそりファンタグレープ飲んでました☆
Σ(゜Д゜;)いや、堂々と飲め!
隠れワインごっこです☆
いえ、
ゆーちゅーぶで、私が生まれた年とか、私が子供だったころの映像をアップしている人がいまして
チラチラ見てたら懐かしいな~って
バブル期、高原リゾートブームというのがありまして
清里高原とか、もうバブルの象徴みたいなメルヘンでファンシーな観光地がありまして
今ではそのメルヘンな建物がそのまま廃墟として残っていて、別の意味で名所みたいになっているらしいですが
そこもぼちぼち取り壊してマンションになるらしいので
見に行くなら今のうちですよ~
みたいな動画がいっぱいありました
バブルの時のファンシーグッズ、なんか今見ると逆にいいですね
やっぱり可愛くて、ダサさが逆にエモさに変わったような感じです
オーバーサイズのトレーナーとか、流行ってくれないでしょうか?
あの時代の女性のファッション好きなんですよね
ぶりっことか言われてた時代の……いえ、スケバンさんの方じゃなくて
時代は確かに一緒ですけども!
ぶりっこさんの方でお願いします!
ポニーテールで、前髪作って
1989年の動画を見てたら、
出てくる女性がみんな可愛らしい感じで
でも、大人っぽく見せようってしてるのが分かるようなファッションで
なんか、いいなぁ~って
(*´ω`*)
それから十年後の1999年の動画
原宿に、ビジュアル系な女子がいっぱいいました……
(・_・; この十年で一体何が?
目の周り真っ黒に塗って、真っ赤な髪で
呪いの人形みたいなメイクで……
かと思ってら、ガングロギャルが派手派手にメイクしてて
独特だなぁ1999年!?
空からトウフの大豆が降り注ぐとか言われて……あ、キョウフの大王でしたっけ?
まぁ、似たようなものです、どっちも
でも、昔の映像を見ていると、
昔の女性は大人っぽく見せようとしていたんだな~って思いましてね
高校生とかが、大人っぽい服とかメイクを頑張ってるんですよ
その「頑張ってる」感が逆に可愛く見えるんですけども
で、2000年を超えると、
今度は大人な女性が若く見せようってメイクに代わるんですよね
ロリ系とかか始まり、
奇抜な感じじゃない普通の人まで、なんか可愛らしい、子供っぽい服着て、
ツインテールとか、涙袋とか、目を大きく見せるとか、
なんか幼さとか清純さとか少女感を目指してるようなメイクに変貌していって
面白いなぁ~って
1999年の17歳より
2010年の25歳の方が幼い格好してますよね
( *´艸`)
で、昔の映像を見ていると、
ファッションってやっぱり回ってるんだな~って
1999年、本当に奇抜な髪の色してる人が多くて、
今も、いろんな色の人いますよね
今は全部染めるんじゃなくて一部だったり、内側だけ染めたりとかいろいろ技術は向上しているようですが
あと、オーバーサイズもね
ちょっと前に復活してましたよね
そして、ルーズソックス!
復活おめでとう!
当時はあんまり好きじゃなかったけれど、今は好きです☆
『彼女と僕の口外法度』のMVでも、ギャルたちはルーズソックス穿いてますしね☆
でもやっぱり、スマホがなかった時代って、動画があんま残ってないんですよねぇ
惜しいなぁ
もっといろいろ、今くらいいろんな動画が残っていればよかったのに
今の子たちはいいですね
何十年か先、「懐かしいあのころ」が映像で残ってるんですからね
大切にしてくださいね
というわけで、今回は、さらっと陽だまり亭に戻ってカクテル試飲会を始める――
つもりだったのに、またしてもアッスントが出てきてカクヨム1話分、
3000文字、アッスントで浪費しましたよ!
ヽ(`Д´)ノプンプン
まったく、アッスントは!
出てくるとす~ぐ3000文字消費しちゃうんだから!(カンカラコン!←空き缶)
オッサン、大好きですよね、ヤシロ
( *´艸`)テビチ!
そして、久しぶりのお酒で咽るヤシロ!
そんなヤシロを守るジネット
今回はジネットが大活躍でしたね☆
ちょっと珍しい光景だったのではないでしょうか
書いてて楽しかったですね~
(*´▽`*)
たぶんお酒飲める人も数年飲まないで、久しぶりにきっついお酒を口にすると咽るんじゃないかな~って
私は、久しぶりでなくても咽ますので!
まぁ、私も、子供のころ?
教師や親に隠れてこっそり飲んでましたからね、ファンタ。
久しぶりに飲んだら咽るかもしれませんけれども
ファンタ
そんなことを考えつつ書いてました
とりあえず、カクテルっぽいものは作ってみたんですよ
リンゴ、ハチミツ、お酢、炭酸水――
Σ(゜Д゜;)ハチミツリンゴ酢だな!? 健康的な飲み物!
あと、
リンゴとハチミツ、カレー
Σ(゜Д゜;)ハウスバーモントカレー!?
カクテル、楽しいですよ
皆様も、是非お試しあれ☆
次回もよろしくお願いいたします!
宮地拓海




