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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
第四幕

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478話 頭に黒い

 というわけで、イーガレスの館にやって来た。

 もうすっかり朝だ。


「もう飯は食ったか?」

「いただいたのわ」


 と、笑顔で俺たちを迎えてくれたエカテリーニ。


 ちょっと遅かったか。

 まぁ、時間も時間だしな。

 普通の領民ならとっくに起きて飯を食い終わっている時間だ。


「イーガレスは?」

「スタジオのわ」


 イーガレスと長男パキスは、新作脚本の読み込みのため、書斎を改造して作った練習スタジオに籠っているという。

 スタジオ作っちゃったか。


 というわけで、話しながらそのスタジオとやらに向かう。


「タキスは?」

「メンコの特訓のわ」


 なんでも、イーガレスがすっかりレジェンダーズにハマってしまって、メンコ王者の座からあっさり降りてしまったのだそうな。

 しかし、メンコリーグの会長を務めるイーガレス家の者が王者にいないのはよろしくないと、まだ舞台に立てないタキスに白羽の矢が立ったらしい。


「好き勝手やってんなぁ、あのアラカン爺」


 芝居が下手だからってメンコに走って芝居の練習をまったくしなかったくせに、自分のモノマネが絶賛されると今度はメンコを放り出しやがった。


「だから、全部が中途半端なんだよ」

「でも、イーガレスさんのお芝居はすごい迫力でしたよ?」


 と、ジネット。


 そうなんだよ。

 何気に、なんでもそこそこ出来ちまうんだよなぁ、イーガレス。

 先代の血を色濃く引いて、英雄補正でも入ってんのかもしれねぇなぁ、あいつ。


「だが、あいつは出来るところまでで満足して努力をしてねぇから、アルシノエなら追い抜かせるだろう。頑張れよ」

「のわ!」


 意気込みを見せるアルシノエ。


 というか、こいつが昨日の演技を持続できるなら、イーガレスのモノマネなんぞはとうに追い越しているけどな。


「じゃあ、ベッコ」

「然り」

「ここにある人形、みんな70点程度だからクオリティ上げといてくれ」

「無責任な丸投げが飛んできたでござるな!?」

「時間ないから早く頼むぞ。最悪作り直していいから」

「むむむ……確かに、事の重大さを思えば、妥協は出来ぬでござるな。相分かったでござる! エカテリーニ氏、作業するスペースをお借りしたいでござる」

「なら、工房を使ってのわ。以前客間だったところを改造して人形制作の工房にしたのわ」


 いろいろ潰し過ぎだな、おい!?

 書斎と客間って、結構重要だぞ!?


「ちなみに、食堂を半分潰して厨房を広げております」


 と、給仕長シュレインが報告してくる。

 エカテリーニがカフェの料理と駄菓子づくりに大ハマりした結果らしい。


「もう建て替えろ」

「このペースでお金が入ってくれば、それも実現できるかもしれません」


 じゃあ、大丈夫だ。

 三十五区の盛り上がりから見て、この新作が当たればかなりの収入が期待できる。


 統括裁判所の暴走も、こいつらにとってはありがたい副産物をもたらすかもしれないなぁ。


「書斎改め、スタジオへ向かわれる前に、おもてなしのお茶を出させてください」

「いや、時間が惜しい。あとにしてくれ」

「では、スタジオの方へお持ちいたします、薄ぅ~いお茶と、噛み続けるとほのかに甘くなる野草を」

「お前ら、まだそんなもん食ってんのか!?」

「ご自身の食事や衣服が後回しなのです、この館は」

「まずは生活環境を整えろ!」

「そんなことよりも駄菓子の研究がしたいのわ!」

「旦那様も、そんなことよりも豪華なレッスンスタジオを――とおっしゃいまして」


 言いながら、シュレインがスタジオのドアを開ける。


「壁一面の鏡をご購入されました」


 めっちゃ馴染みがあるなぁ、この壁一面鏡のレッスンスタジオ!?

 劇団が芝居の練習したり、アイドルがダンスの練習したりするのによく使ってそうな雰囲気!

 バレエ教室とか、こんな感じだよね!?


「また、贅沢な使い方をしたなぁ」

「おぉ! カタクチイワシ様!」

「ようこそ、我がチャレジェンダースタジオへ!」

「混ぜんな、ややこしい」


 チャレンジャーとレジェンダーを混ぜんな。

 つーか、どっちか譲れよ。


「見事であろう?」

「お前は、とにかく形から入るな」


 この館の外にメンコバトル用の闘技場作ってやったってのに、きっとこっちにこもりっきりで行ってないんだろうなぁ、闘技場。

 取り壊すぞ?


「そんなことをすると、タキスが泣く」


 と、兄貴パキスが心配そうな顔を見せる。


「メンコにハマり過ぎて、かれこれ三日ほど館に帰ってきていないくらいだというのに」

「もっと心配しろよ!」


 連れ戻せ!

 まだまだガキなんだから、夜は自室で寝かせろ!


 なに、「のめり込めるものがあるのは幸せなことだ」って理解者みたいなこと抜かしてんだ!

 育児にもっと興味持って!


 俺はそーゆーのとか、別にどーでもいーけども!

 自分の子供がいるヤツはそーゆーの気にしないといけないらしいぞ、世の中って!


 俺は別にガキとか好きじゃないからどーでもいいけども!


「どうしたのヤシロ、存在しない誰かに必死に言い訳してるような顔してるけど?」


 うっさい、照れテラ。

 髪と顔の境目分からなくなってたくせに。

 出かけ先でまで嗅ぎっ娘を発症しやがって。


「すごいですね。まるでミラーハウスのようです」


 デカい鏡の前に立って、ジネットがその大きさに素直な驚きを表す。

 そして、鏡に映る自分を見て、髪についているソレイユに視線を向けて、にっこりと笑う。

 あ、ちょっと位置を修正した。


 やっぱ、陽だまり亭にも鏡欲しいよなぁ。

 よし、ティムを脅迫しよう。


「今度はどんなろくでもないことを思いついたのだ、カタクチイワシよ」


 俺の背後に立つルシアが、鏡越しに俺の顔を凝視してくる。

 背後に立つな。


「しかし、奮発したねぇ。こんな大きな鏡が必要だったのかい?」

「うむ。常に見られることを意識し、自分がどのように見えているのか、どのように見られているのかを客観的に見つめることが出来るのだ」


 と、鏡の効果を語るイーガレス。

 確かに、芝居する時に鏡は大きな意味を持つ。

 自分を客観視するってのは、すごく重要だからな。


 試しに、自分が一番可愛く、またはカッコよく見える表情を何も見ないで作ってみるといい。

 そしてその表情をキープしたまま鏡を見ると――「あれ、なんか、思ってたのと違う」という結果になるだろう。


 脳内に浮かんでいるイメージと、実際に表に出る表情というのはたいていが異なっているものだ。

 いつも写真写りが悪いというヤツは、この「異なり」の差が他人よりも大きいのだろう。


 逆に、自分大好きなヤツは、鏡を見ながら一番いい表情を模索して、それを筋肉で記憶する。

 口角はこれだけ持ち上げて、まぶたはこれくらい開けて――ってな。


 顔の筋肉は、意識しないと使われないから、いい顔をしようとするとかなり筋肉を酷使することになる。

 なので、いい表情を研究すると顔の筋肉が痛くなる。


 逆に言えば、その痛くなったところを意識して使用するといい表情が出来るというわけだ。


 それを記憶したヤツは、鏡のない状況で写真を撮っても、写真写りがばっちりになると、そういうわけだ。


 そしてそれは、表情だけでなく、姿勢や所作でも同じだ。

 まず、自分で自分を見つめつつ、どう動けばどう見えるか、どの程度動かせば映えるのか、それを研究することが、他人から「よく見られる」ことの第一歩となる。



 ただな――



「お前らがやるの人形劇だから、人形の動きだけ確認できればいいんだぞ?」


 めっちゃ鏡に向かって笑顔とか、筋肉とか見せつけてるけども。

 そこら辺、全部客には見えないから。

 分かってるのか?


 いいからこっち向け! おい!


 はぁ……まぁいい。


「ジネット。シュレインに言って、エビフライを作ってきてくれ」

「え、でもみなさん朝食は済まされたんですよね?」


 大丈夫。


「ジネットのエビフライなら、別腹にいくらでも入る」


 何より、俺がめっちゃ食いたい。


「ふふっ。では、いっぱい作ってきますね」


 にっこりと笑って、ジネットがスタジオを出ていく。

 まったく。

 いい顔をする。


「はい、ヤシロ。ちょっとこっち向いて」


 と、エステラが俺の顔を鏡の方へと向ける。


「君の顔は、君が思っている以上に感情を表しているって、客観的に見て御覧」


 と、鏡を見せられたが……いつものポーカーフェイスが映っているだけだった。


「いい男だなぁ、つくづく」

「どうして表情変えちゃうかなぁ、まったく」


 くすくす笑って、俺の肩を叩くエステラ。


 お前こそ、今の自分の顔を見てみろよ。

 ナタリアが「イチャイチャしてる」っていちいちイジってくる理由の半分くらいは理解できるかもしれんぞ。

 そんな表情、そうそう誰かには見せないだろう。嬉しそうにしやがって。



 ……あぁ、スタジオの端っこにいるナタリアが、両腕にイネスとモコカを抱きしめて鏡越しにこっち見てやがるわぁ……無視だ、無視。

 鏡、もう少し小さかったら、あいつら見切れて見えなかったのに。

 奮発し過ぎなんだよ、貧乏貴族のくせに。


 ……ふん。




 んで、時間がないので早速本題に入る。


「ルシア、役者連中は集めておいてくれたか?」

「うむ、間もなく到着するであろう」


 俺たちが少し早く着いたせいで、演者連中を急かしている状況らしい。

 たらたらすんな。時間ないんだぞ。


「お前ら、新作を成功させるつもりはあるんだろうな?」

「無論である!」

「何がなんでも成功させて、三十五区ここにありということを統括裁判所に見せつけてやるのだ!」


 ルシアを攻撃してきた貴族に対して、相当怒っているようだ。

 昔からスアレス家の味方だったってのは本当なんだな。


「見えられました」


 シュレインが短く告げ、次いでジジイやババア、若造や小娘、老若男女がどどどっとスタジオになだれ込んできた。

 ……多いな。


「なんか、増えたか?」

「うむ。役者志願の若者が増えてな。特に、虫人族や獣人族の若手が集まってくれた。彼ら彼女らはすごいぞ。身体能力やバランス感覚が優れているので、人形操作を任せることが出来るのだ」


 イーガレス曰く、やっぱジジババには、中腰で両腕をずっと上げ続ける人形操作は難しいらしく、長時間の公演は出来ないのだそうだ。


 そこで、人形操作を体力のある若者、特に獣人族や虫人族に依頼しているのだとか。

 声と人形が別だと、合わせるのが難しくなるが、それを補う勢いでずっと練習しているらしい。


「お前ら、仕事は?」

「やめてきました!」

「私は、一生お芝居の世界で生きていきます!」


 すげぇ意気込み……大丈夫なのか?


「もし、万が一劇場が潰れるようなことがあれば、その時はワタシが責任を持って諸君らの生活を支える!」


 と、イーガレスが宣言する。

 役者連中が特に騒いでないところを見ると、普段からそんなことを言っているようだ。


 こいつ……自分たちも金ないくせに。


 とりあえず、本気度は伝わった。


「そんじゃ、腕前を見る前に――アルシノエ」

「のわ」

「四十二区の合宿を経験したアルシノエの演技を見てもらおうか」


 マーシャとマーゥルの特訓を乗り越えたアルシノエの演技を見せつける。

 まぁ、しっかりと見とけ。

 こいつが、今回の合格ラインだ。



 アルシノエの演技は、今回もすごかった。

 安定したと言ってもいいだろう。


 抜粋したシーンではあったが、それでも十分、アルシノエの上達は伝わった。

 その場にいる誰もが言葉を失い、そしてアルシノエの――いや、聖女王の言葉に耳を傾けていた。


「我々海に住まう者と、あなた方陸に住まう者が手を取り合えば、世界は一つになります。それが、私の夢なのです」


 聖女王から、三十五区領主へ向けた言葉。

 それは、人魚から人間へ向けたメッセージだった。


「――とまぁ、こんなところだな」


 アルシノエの演技を見せ、予想通りの反応を得る。

「すごい」「見違えた」という驚きと、「自分ももっとうまくなりたい」という対抗心。


「今回は、アルシノエの演技を変えた講師を連れてきた」

「是非、我々にもご教示を!」


 イーガレスが、一同を代表して床に手をついて頭を下げる。


 いや、貴族!

 一般市民が突っ立てるところで土下座はまずいだろう!

 どーすんだよ、講師がベッコみたいなイジられキャラだったら!?

 その下って見られてもいいのか?


 あぁ、そう。

 いい芝居のためなら見栄とか外聞とかどうでもいいんだな。

 はいはい。分かったよ。


「んじゃ、マーゥル先生。頼む」

「そうね。ではまず、みなさんのお芝居を見せていただきましょうか。……話は、それからだわ」



 マーゥルの瞳が妖しく輝いた。

 あの目に見つめられたら、魂吸われそうだ。……怖。



 それから、演者の芝居を一通り見る。

 シーンを抜粋し、全演者のセリフを確認する。


「……四十点ね」


 辛口。

 けどまぁ、そんなところだな。


「やはり、モノマネでは芝居は出来ませんかな?」

「いいえ、ミスター・イーガレス。モノマネでもいいのよ。ただ、そのモノマネが上面だけの薄っぺらいものではいけないの。真似をするのであれば、その人の核になるところをしっかりと見極め、捉え、表現なさい」

「核……ですか」

「まずは、貴族の風格と気品を身に付けましょう。みんな、そこが出来ていないわ」


 本物の貴族も混ざってるんだけどなぁ。

 そっかぁ、貴族の風格身に付いてなかったかぁ。


「出来た人から、エビフライを食べることを許可します」


 まさにそのタイミングで、ジネットがそれはもう美味そうなエビフライを持ってやって来た。


「お待たせしました。……あの、こちらで召し上がりますか?」


 本来なら、神聖なスタジオで飲食など言語道断!

 ――と、いきたいところだが。

 正直堪らん!

 イーガレス家のスタジオだし、飲食くらいいいだろう!

 悔しかったら、演劇界にその名を轟かせ、周りの者が「それはダメですよ、絶対!」って止めに入るくらいになってみせろ!

 そうでなければ俺は止められん!


「いただきます!」

「待ってください!」


 俺がエビフライに手を伸ばそうとした時、一人の獣人族の娘が声を上げた。

 頭の上に黒い耳がついている。

 ウサギ……か?

 リベカに比べると随分と短いけども。


「その美味しそうな物を食べる権利は、マーゥル先生の課題をクリアした者だけのはずです! あなたはその課題をクリアしているのですか!?」


 いや、俺、役者じゃねぇし。

 ……って言っても納得しないか。


 ふっ……、いいだろう。


「イーガレス。領主が王に人魚とのやり取りを報告するシーンをやる。付き合え」

「カタクチイワシ様が王を演じるのだな?」


 当たり前だ。

 お前、先代領主のモノマネ以外ポンコツじゃねぇか。


「では、本物の貴族の風格をというものをお見せしよう!」


 何を張り合ってるのか、いつも以上に意気込んで芝居に打ち込むイーガレス。

 おぉっ! やるじゃねぇか!

 アルシノエの本気演技に触発されたのか、すげぇいい芝居だ。

 モノマネは口調や雰囲気だけでなく、その者の核を捉えろというマーゥルの言葉をしっかりと理解し、そして即実行してみせている。


 こいつ、やっぱちょっと天才肌なんだろうな。

 英雄の血か。

 侮れん。


 だが、お前がいい芝居をしてくれて助かった。



 これで、盛大に格の違いを見せつけてやれる。




「大儀であった」




 イーガレスの長いセリフの後、俺が一言そう言うと、イーガレスが床に片膝をついた。

 パキスや給仕長のシュレイン、そして、スタジオにいた者たちの複数人が瞬時に最敬礼の姿勢を見せた。


 咄嗟に動かなかった連中は、動けなかったようだ。

 王族に出会ったことのない、王族に対する礼儀を学ぶことすらしていない連中なのだろう。


 敬礼の姿勢を取るのも、教養が必要だからな。


「さすがね、ヤシぴっぴ」

「う、うむ……、一瞬、私も膝をつきそうになってしまったぞ」


 マーゥルとルシアが褒めてくれる。

 すげぇ出てたろ、覇者のオーラ?


「このように、たった一言で見る者へ有無を言わさず納得させる説得力というものは生み出せる。お前たちには、是非そこを目指してもらいたい」

「「「はいっ!」」」


 俺が言うと、全員が声を揃えて返事を寄越してきた。

 うんうん、素直でよろしい。


「……なんで、何でも出来ちゃうのさ、君は」


 エステラが呆れ顔で不服そうに言うが、それは称賛として受け取っておくよ。

 なんでかって言うと、俺が一流の詐欺師だからだよ。


 あ、超一流、かな。

 ふふふん。


「んじゃ、いっただきまぁ~す」

「はい、召し上がってください」


 ジネットが小皿に取り分けてくれたエビフライに、陽だまり亭特製のタルタルソースをたっぷりと付けて、豪快にかぶりつく。



 ん~……んんんんんんんんんっ!



「んまーぁぁぁい!」


 うーまーいーぞーぉー!

 やっべ!

 俺たぶん今、口開けたら光線出ちゃうわ!

 うっま!

 これ、やっば!


「ジネット、最高だ!」

「ありがとうございます。たくさんありますから、いっぱい召し上がってくださいね」

「じゃあ、食べ尽くすな☆」

「待って待って、ボクも食べたい!」

「私も、相伴にあずかろう」


 領主二人が、何の芝居も見せずにエビフライを強奪していく。

 でも、役者人から異論は出なかった。


 権力って、きったねぇの。


「さぁ、みんな。本気で習得なさい」

「「「はい!」」」


 マーゥルの声に、役者陣が返事をする。


 鬼気迫るってヤツだな、マジで。



 あぁ~、エビフライ、美味ぁ~。




 配役が決まっている者のしゃべり方や声の出し方だけにとどまらず、マーゥルの指導は人形遣いの者にまで及んだ。


「貴族は、そんな飛び跳ねるように動かないわ。気品を大切になさい」

「はい!」

「人魚は、逆にもっと躍動感を出しなさい。海なんていう小さな世界に留まっていない人種だから」


 海が小さく感じるほど、アグレッシブだもんな、人魚は。


 そんな指導を受けながら、合格が出た者から順にエビフライを食いにやって来る。


「世界で一番美味しい!」

「苦労して手に入れた至高の味!」

「一番好きな食べ物に決定!」


 エビフライを食べた連中が口々に感動を言葉にする。

 芝居でしごかれた後だからか、全員声がデカい。


 ジネットはそんな反応を見ては、嬉しそうに追加のエビフライを揚げに行ったり、戻ってきてまた反応を見たりと忙しそうに動き回っている。

 厨房では料理長とエカテリーニが手伝っているっぽい。

 じゃんじゃん運び込まれてくる。


 エビが少子化しちまうぞ。


「イーガレス」

「うむ、美味である!」


 聞いてねぇよ。

 知ってるから、美味いのは。


 真っ先に合格をもらったイーガレス。

 箸が止まらないようでバクバク食ってやがる。

 金は領主に請求するからな?


「アルシノエがお前らに食わせたいって言ってな、ジネットについて来てもらったんだぞ」

「そうか! 感謝するぞ、マイドーター!」

「の、のわ。……ワタシはなにも…………えへへ」


 父親に感謝されて嬉しそうにはにかむアルシノエ。

 こいつは、誰にも認められないと思って生きてきたヤツだから、今の状況は嬉しいだろうな。

 努力が結果に結びつくってのは、人間が得られる幸福の中でも、かなり上位に来る感動を生む。


「ところで、あの辺の、キャストじゃない連中はなんなんだ?」


 イーガレスのスタジオには、今回の芝居に出演しない者も多く集まっていた。

 裏方か?


「見習いたちだ。人形劇に感動して、是非自分たちも舞台に立ちたいと申し出てきた者たちでな、今回のレッスンは非常に参考になるであろうと見学を許可したのだ」

「じゃあ、チャレンジャーズの見習いか」

「そうなるな」


 ひの、ふの、みの……結構多いな。

 俺に食ってかかってきた黒ウサギ娘も、その中の一人か。


「さっきのウサ耳は、ウサギ人族か?」

「ウサ耳……あぁ、彼女は違う。彼女と、ほらあそこの数名はクロコノマチョウ人族だ」


 と、イーガレスが指さした先には、頭にウサ耳を生やした女子が数名。……四人か。

 で、クロコノマチョウって、たしか……イモムシの時の顔が黒ウサギに似てるって一時期ネットで有名になった蝶々だな。


 ウサギじゃねぇのかよ!?

 ややこしい!


 ……まぁ、三十五区なら、虫人族の方が多いのか。


「まぁ、とりあえずこれで、最低ラインは越えたでしょう。いただいてきなさい」

「「「ありがとうございます!」」」


 いい見極めだ。さすがマーゥル。

 役者連中、エビフライが気になり過ぎて集中力切れてきてたからな。


 マーシャとジネットが張り切ってたから、全員分ちゃんとあるんだが、やっぱなくなっていくのを見てると焦るよな。

 まぁとりあえず食って、その後追加でレッスンを受けとけ。


 役者連中がエビフライに群がり、一斉にエビフライを頬張る。

 そんな中、スタジオのすみっこに寄り添うように集まり、立ち尽くす見習いたち。


 あいつらは、マーゥルの課題をクリアしていないから、エビフライが食えない……って、思ってんだろうな。


「おい、お前らも食いに来い」

「え……でも」

「いい物に出会って、心が揺さぶられる経験ってのは芝居の糧になる。めっちゃ美味いから食ってみろ。で、その感動をいつか芝居に活かせ」


 それでも、踏ん切りがつかない見習いたち。


「裏方で死ぬほどこき使ってやるから、食って体力付けとけって言ってんだよ。素直なのも、いい役者の条件だぞ」


 いい役者は、甘え上手が多い。

「え、いいんっすか? じゃ、遠慮なく」って言えるヤツの方が、きっと人生でいろんな経験を出来るだろう。

 遠慮は美徳ではあるが、可能性を潰してしまうほどの遠慮はするもんじゃない。


「これ食って『美味い!』って言ってやれば喜ぶヤツがいる。そうだな、じゃあ、チャレンジャーズの舞台に上がる試験だと思って、めっちゃ美味そうに食ってみろ。一番美味そうに食ったヤツを、次のチャレンジャーズの舞台に上げてやろう」

「「「本当ですか!?」」」

「いいよな、パキス?」

「うむ! 実に面白い試みだ。やってみるがよい、見習いたちよ!」

「「「はい!」」」


 見習いが群がってくる。

 押し寄せる人波を、嬉しそうにさばいていくジネット。

 一人一人に、丁寧にエビフライとタルタルソースの載った小皿を配ってやっている。


「一口目の感動を、演技で表現するんだ。まだ食うなよ?」


 エビフライを持った見習いたちを一列に並ばせる。

 おーおー、緊張しとるな。


 こいつらにとっちゃ、感動した舞台に立っていた先輩連中に見られて、審査されるわけだからな。そりゃ緊張もする。


「じゃあ、まずパキス。やってみろ」

「えっ!?」


 びっくりし過ぎて、エビフライを落とすパキス。

 おまっ!? なんてことを!


 って思ったら、普通に手づかみで拾って、「ふーふー」して、普通に食うパキス。

 おい、貴族。


 ルシアに視線を向けると、視線を逸らされた。

 お前んとこの貴族だからな?


「し、しかし、ワタシはすでに食べてしまっている。一口目の感動と言われても……」

「それを想像して演じるのが、役者だろうが」


 でなきゃ、殺人犯の役なんか誰にも出来ないだろうが。


「いい芝居が出来なきゃ、お前チャレンジャーズから降格な」

「それはあまりにも殺生ではないか、カタクチイワシ様!?」


 どうにも意気込みが弱いんだよなぁ、こいつは。

 アルシノエを見習えよ…………、アルシノエか、よぅし。


「アルシノエが芝居をマスターした褒美として、三十五区に素晴らしいデートスポットを作ることになった。お前、そこの第一号になってみないか?」

「やらせていただこう! 見習いたちに、完璧な芝居とはどういうものかをお見せしようではないか!」


 すっげぇ単純に釣られたな、おい。

 そんなに好きか、ロリーネが。


「待っていてください、ロリーネ嬢!」


 めっちゃ好きらしい。


「おい、聞いておらぬぞ、カタクチイワシ」

「あとで説明してやるよ」


 ルシアが怖い顔で詰め寄ってくる。

 あとだ、あと。

 優先順位ってもんがあるんだから。


「では――」


 短く息を吸い込んで、パキスが新しいエビフライを一口齧る。

 瞬間、生まれて初めてエビフライを食べた子供のような笑みを浮かべた。

 パキスの全身からまばゆい光が発せられているかのような、体の内からあふれ出してくる感動が視認できそうなくらいだ。


「なんたる美味! これは、革命だ!」


 セリフはちょっとオーバーだが、まぁ、美味そうだってのはビシビシ伝わってくる。

 ノドの鳴らし方とか、マジで初めて食ったみたいだ。


「やるな」

「では!?」

「今日、呼んでるんだっけ?」

「無論だ! 午後には来られる。ワタシがエスコートをするのだ」

「んじゃ、あとでな」

「やったぁ!」


 渾身のガッツポーズ。

 各々、実力以上の力を引き出す方法ってあるんだなぁ。


「んじゃ、見習いたち、やってみろ」


 と、話を振ると、全員が尻込みした。

 いい芝居を見ると、ちょっと委縮しちまうよな。


 んじゃ、アドバイス。


「何も考えずに食ってみろ。で、感じた言葉をそのまま、遠慮せず声に出してみろ」


 たぶん、それだけで十分だから。


 俺のアドバイスを受け、右端のヤツがエビフライを一口齧る。

 一口、ちっちゃ!


「ん!?」


 驚いて、そして、大慌てで、今度は大口を開けてかぶりつく。


「んんーっ! もぃひぃ! なにこれ、すっごい美味しい!」


 ははっ、いい顔してやがんの。


「んじゃ、どんどんいけ」


 このレベルの見習いは、変に考え過ぎない方がいい。

 今は、素直に心が動く瞬間を意識して感じ取るのが最優先だ。

 その経験が多いほど、演技の引き出しが増えると思っておけ。


「うわぁ! うまぁ!」

「美味し過ぎる!」

「もう! 好き!」


 どいつもこいつも、食べる前はなんかうまいこと言おうとでもしてたのか、小難しい顔をしていたが、一口食べたら全部忘れたっぽいな。

 みんな素直に感動している。

 ただ一点、「遠慮なく感動を表現しろ」って言っておいたおかげで、全員が言葉に出している。

 そこは合格。

 慣れてないヤツは、声に出さないからな。


 まぁ、これくらい感情を表に出せれば、スタートラインには立てただろう。



 ――と、見習いたちを見ていると、一人、口を押さえて立ち尽くしている少女がいた。

 頭の上には黒いウサ耳。

 クロコノマチョウ人族四人娘の一人だ。


 四人の中で一番地味というか、大人しそうな彼女。

 ウサ耳も、他のヤツとちょっと形状が違う気がする。


 ぷっくりした頬っぺたが可愛らしく、髪型もお椀をひっくり返して被せたような丸みのあるボブカットで、全体的に真ん丸なイメージだ。ややタレている目は黒目がちでくりっとしている。


 なんか、本当にウサギみたいだ。

 ネザーランドドワーフっていう、ぷっくり系のウサギ。


 そんな彼女が、エビフライを食べて――涙を落とした。


 静かに、一滴。


 その一滴が落ちるのを待っていたかのように、彼女は静かに一言呟いた。



「こんなに美味しい物が食べられるなんて、……生きててよかった」



 その言葉は、この場にいる誰よりも、深くジネットの胸に突き刺さった。――らしい。


 あ~あ~、表情筋融解。

 床にへたり込むくらい嬉しかったか。そうかそうか。よかったな。感動してもらえて。

 はいはい。おかわりね。

 いっぱい食べさせてやればいいよ、もう。




「あ、あのっ、こんなにたくさん、あのっ」

「いっぱい食べてくださいね」


 にっこにこのジネットに捕まり、わんこ蕎麦ならぬ、わんこエビフライ状態の真ん丸少女。

 あ~あ~。

 優遇され過ぎて、ちょっと泣きそうになってやんの。


「ジネット、ほどほどにな」

「はい。あの、タルタルソースも美味しいですが、お醤油で食べても美味しいんですよ」

「おしょう、ゆ?」

「こちらです! 騙されたと思って召し上がってください!」


 だから、ほどほどにって……はは、ダメだ。止まらない。

 エステラに視線を向けると、肩を竦められた。

 ジネットは、心に刺さるとなかなか抜けないんだよなぁ、感動のトゲが。


 ビーフカツレツの変――忘れることが出来ないぜ。


 大優遇されている見習いだが、他の見習いから不満が出ることはなかった。

 むしろ、真ん丸少女の一言を聞いて納得している感すらある。


「すごいよね、あの子」

「うん。私、つられてちょっと泣きそうになっちゃった」

「どこの子だろう?」


 と、クロコノマチョウ人族三人娘が話している。

 ん?


「お前らの知り合いじゃないのか?」

「い、いえ、違います!」


 最初に食ってかかってきたクロコノマチョウ少女が、カチコチになって返事をくれる。

 ……そんな緊張すんなよ。

 王様の演技見せてから、こいつらの俺を見る目が明らかに変わったもんな。


「カタクチイワシ様……演技がうまく、私たち見習いにまでエビフライを食べるチャンスをくださった……一生ついていきます!」

「重いわ!」

「私たちのような、なんの実績もない最底辺にまで気を遣ってくださり、感謝の言葉もございません!」

「だから、重いっつーのに!」

「差し上げられるものはこの身一つ――この先、どのようなご要望にもお応え……っ!」

「おもぉーい!」


 なにここ!?

 重力が10倍くらいある特殊な部屋!?


「「「我らの忠誠心は、カタクチイワシ様と共に!」」」

「黙れ、見習いども!」


 クロコノマチョウ人族三人娘に触発されて見習い連中が一斉に膝をつく。

 なんか変な宗教始まりそうで怖いわ!

 お前らの忠誠心は、劇場の管理者イーガレスか、領主のルシアに捧げとけ!


 ……じゃなくて。


「あいつもクロコノマチョウ人族なんじゃないのか? お揃いだし」


 と、頭のウサ耳モドキを指さす。


「いえ、全然違いますよ! 私たちなんかと一緒にしたら、叱られます!」

「あの方はきっと亜人で、私たちは亜種――」

「そのような呼び方は、我が区には存在せぬ」


 ルシアがびしっと断言し、クロコノマチョウ人族の少女を黙らせる。

 なんか、まだまだネガティブが抜けきってないようだな。


 芝居をすることで、もっと自分に自信が持てるようになればいいんだが。


 しかし、こいつらが言うほど違うか?

 そっくりだけどなぁ……


「ちょっと見せてもらっていいか?」

「へにゃぅ!?」


 気軽に聞いたら、クロコノマ女子の顔が茹で上がった。


「ぁ、ぁの……っ、それは……」

「ダメなら無理しなくていいぞ」

「ダメじゃないです! ですが、あの…………ぁぅううっ、ゎ、分かりました! 結婚を前提に、お見せいたします!」

「じゃあ、見ねぇよ」


 そんな重い覚悟を背負ってまで、見たいわけじゃないから。


「ヤシロ……」

「悪かったって」


 獣特徴はデリケートゾーンなんだよな。

 へいへい。懺悔懺悔。


 なので、遠慮がちに、チラチラ見る。

 ……ちっとも楽しくないのに、なんでか心がチクチク痛む。

 どうせチラ見するなら、下乳とか横乳がいいのになぁ……


「はぁ……下乳が見たい」

「思いっ切りブレたよね、思考が」


 鋭く突っ込んでくるエステラ。

 やかましい。

 獣特徴なんか、見たってちっとも楽しくないんだよ。


 ……パウラやノーマの尻尾は、ちょっと楽しいけども。


「確かに……ちょっと、違うか」


 言われて、比べてみると、確かにクロコノマチョウ人族のウサ耳モドキと、真ん丸女子の頭のウサ耳(?)は形状が違う。


 クロコノマチョウ人族のウサ耳モドキは、子供がウサギの絵を描いた時のように、頭のてっぺんに『離れて』生えている。

 一方のウサ耳(?)少女のは、頭のてっぺんに『並んで』生えている。


 実は――ってほどのこともないが、ウサギの耳は付け根がすごく近いんだ。

 なので、耳と耳がくっつくくらいに寄り添っていることがほとんどだったりする。


 ……ってことは、やっぱウサギ人族なのか?

 クロコノマチョウ人族の少女も「あの人は亜人で――」って言ってたし。

 亜人ってのは獣人族、亜種ってのはその後に移住してきた虫人族の過去の呼び名だ。


 クロコノマチョウ人族の少女の言うことが正しいならば、この真ん丸ウサ耳(?)少女は獣人族ってことになるが。


「なぁ」

「は、はい!?」


 声をかけると、びくっと肩を震わせてこちらを向くウサ耳(?)少女。

 ……この目、誰かに似てるような……?

 すげぇ最近、どっかで見た気がする。


「イヤなら答えなくてもいいんだが――」

「イヤじゃないです! イヤなことなんて何もないです! 生まれてきてすみません!」

「ネネか!?」

「そのツッコミはどうなんだろうか、ヤシロ?」


 いや、だって、こんなネガティブなヤツ、ネネ以来だから。

 ネネ、最初は自分を牛乳拭いた後のボロ雑巾だって言ってたもんなぁ。


 なんか、ネガティブなヤツが多いなここ。

 長らく貧乏だったからなぁ、この辺。

 もうちょっと儲けろ、お前ら。


「じゃあ聞くけど、お前はウサギ人族か?」

「そんなっ! 恐れ多いです!」


 違うらしい。


「私は……クロウサギ人族です」


 誤差じゃねぇか!?


 白だろうが黒だろうが、どっちでもいいわ!

 ヤギやエルフじゃあるまいし、白黒で分類してんじゃねぇよ。


「お前も耳がよかったりするのか?」

「とんでもないです! ホワイトヘッド様のような素晴らしい能力は、私にはありません! 私など……何も出来ない、出来損ないで……」


 ネガティブが根深いなぁ。


「クロウサギ人族は、もともと鉱山で生計を立てていたそうですが、私の曽祖父が一つの鉱山を崩落させ、その賠償で財産をすべて奪われ、祖父の代からはその日生きていくのもやっとの状況で……」


 うわぁ……つらい話。

 初対面のヤツにするようなことじゃなかろうに。

 つか、ネガティブはその辺から来てんだろうな。

 貧乏は、人をネガティブにする。


 まぁ、明るい貧乏人もいるけども。


「私の父は、兄弟で力を合わせて採掘業務に従事していたのですが、父は体が弱く、兄の負担になってはいけないと区を離れ、他区の貴族様のもとで下働きを始め――私も、その父の跡を継いで下人のようなことを」

「あぁ……うん。大変だったんだな」

「そのようなお言葉! もったいのぅございます!」


 重い重い!


「今も、借金があったりするのか?」

「いえ、父と伯父が頑張ってくださったおかげで、私は借金を背負うことはありませんでした」


 ならよかった。

 借金があると、仕事を変えるのもままならないからな。

 つまりこいつは、下人みたいな仕事から抜け出して、ここで役者を目指そうとしているわけか。


 あぁ、ほら、ジネットが同情してエビフライめっちゃ食わせようとしてる。


「じゃあ、役者を目指すことは出来るんだな?」

「はい。ありがたいことに。……父には感謝してもしきれません。もう、鬼籍に入っておりますが」

「そっか」


 なんか、重い過去を背負ってんなぁ、黒ウサ。


「私よりも、従兄弟が気の毒でした」

「従兄弟?」

「伯父の息子は二人いたのですが、下の子が目を患い、どこか遠くの施設へ預けられたのだそうです」


 ん?

 どっかで聞いたような話だな。


「今はどこで何をしているのか……」

「その従兄弟って、お前よりすごく年上だったりしないか?」

「は、はい! よく、お分かりで。私は随分と遅い子だったようで、父が五十七の時の子なんです」


 頑張ったな、父!?


「従兄弟のことは、父から話で聞いただけです。『お前よりもっと大変な子がいたんだ。お前も頑張りなさ』と」

「……ねぇ、ヤシロ」


 エステラも勘付いたようで、意味ありげな視線を向けてくる。

 まぁ、たぶんそうなんだろうな。


「お前の父親、もしかして、自分のこと『あたす』とか言ってなかった?」

「言ってました!? すごい、どうして分かるんですか!?」


 あぁ、世界はなんて狭いのか。



 ティムの従妹に、出会っちまったよ。



 つか、あいつ、クロウサギ人族だったのか?

 似合わねぇ!


「一緒にお風呂に入った時に、気が付かなかったのかい?」

「オッサンの尻なんか、真剣に見てると思うか?」


 全然視界にも入れてなかったよ。

 あぁ、くそ。

 水ぶっかけて、四つん這いでぷるぷる震えてたのに、尻の記憶が一切ない!


 いや、いらないけども、オッサンの尻の記憶なんて!


 そういえば、二十四区教会って『傷付いた獣人族の子』を預かってるんだっけ。

 その時点で気付くべきだったなぁ、ティムが獣人族だって。


 ……いや、気付いたからなんだって話だけどな。



 ただ、なんというか……



 このタイミングでティムの血縁者に出会ったことが、なんか意味深で……

 またなんか企んでんじゃないだろうな、精霊神?


 ――って、気がして、薄ら寒いんだよなぁ。







あとがき




燃え尽き症候群の、宮地です


……先日

『スキルマ剣姫と歩くトラットリア』


完結させました!

\(≧▽≦)/


更新はまだもう少し続きますが


ちょこっと文量を変えたので、以前のものは分割されてしまっていますが、

きっちりと100話で完結――


させたかったのに、ちょこっと足が出て108話

わぉ、煩悩の数☆

(*´ω`*)


プロットを見誤りました。

まぁ、よくあることです。

よくあるよくある。


※『スキルマ剣姫と歩くトラットリア』読んでない方、すみません。

今回、もう、この話しか書けなかったんです。

興味ない方は「あ、なんか燃え尽きて逆にテンション上がってんだな~」って読み飛ばしちゃってください☆


で、この「おわった~」って話もですね、

トラットリアの完結に合わせてしようかな~と思っていたんですが、

なにせ、書き上げてしまうと、もうしばらくの間は

そのことしか考えられなくなってしまって

そのことばっかり考えてしまって


「あ~、あそこもうちょっとこうしたかったな~」とか

「このエピソード入れたかったな~」とか

「ちょっと読み返してみようか」とか

そんなことしか考えられなくなって、今ちょっと頭の中がトラットリア一色なんです。



……書けなかったことが、いっぱいありました

でも、昨年再開した時に目指したゴールにはたどり着いた


でも、書きたかったことあったのになぁー!


という感じでむあむあしております

( ´Д`)むぁー!



きっといつか、ちょっと時間が出来たら『歩くトラットリア・おかわり』とかいって

ちょっとした後日譚とか書きそうです


……え?

「ちょっと」ですよ?

そんな、「ちょっと」って言ってるんですから、長々とは書きませんよ~


 いや、信憑性!?Σ(゜Д゜;)


でもまぁ、とりあえず、『彼女と僕の口外法度』がなんとかなるまでは触りませんけれども


……三つ同時進行はムリでした

(;゜‐゜)一年くらい準備期間ちょうだい


というわけで、今はちょっと頭がトラットリア一色なので、

異世界詐欺師の話とか出来ません!



え、今回のタイトル?

『頭に黒い』?

パンツでしょ、どーせ!

シルクの!


え、それどんな話? 興味深い!

(≧▽≦)


……なんだよ、黒ウサかよ!



あ、クロコノマチョウって知ってます?

クロウサギみたいな顔したイモムシなんですけども!


かわい~んですよ、こいつが!


むいむいたんが苦手な方には申し訳ないんですが

苦手でない方は是非ネットで画像検索してみてください

「なんだこいつ!?」って笑顔になれますから

(*´ω`*)


もう、可愛くて!

今回、クロコノマチョウ人族、ヤシロに反発したりしてちょっと嫌な感じでしたけど

きっと可愛く仕上げてみせます!


また出てくる機会があれば!



もうちょっと可愛くしたいキャラ一覧


モコカ(マーゥル家の給仕見習い)

サリサ(海漁ギルド二足歩行船員)

シーラ(三十七区カーネルさんとこの給仕長)

ケチャラ(レジーナ大好き虫人族)

マヨラ(ヤシロ教の新人信者)


三十一区の「りょっ!」(ちょっと名前は忘れましたけれども)



そして、今回のクロウサギ女子!


頑張って可愛くしてみます!


――出番があれば!

( ̄▽ ̄)出てこないことには、やりようがないですからねぇ~



でも、ぼちぼちモリーにも会いたいですし……そういえばパーシーっていつから出てませんでしたっけね?

まぁきっと四十二区にはいるんでしょうけれども、養鶏場の近辺に。


またお菓子作りでも始めたら、出てくるんでしょうねぇ




というわけで、

キャラがいっぱい増えてきましたが、

覚えられないキャラは覚えなくて大丈夫です!


必要な時には出てきますが、きっとそのころにはヤシロも忘れてて

「誰だっけ?」「あの時のアノ人だよ!」って説明が入るはずですので!

ヤシロと一緒に思い出してあげてください(笑)



あぁ、そうそう、忘れてると言えば……

これまた『スキルマ剣姫と歩くトラットリア』の話なんですが


歩くトラットリアって、8年くらい前に書いた話を、「完結させるぞ」って思って

続きを書いてたんで、前半のことすっごい忘れてたんですね

で、読み直して思い出したはすが、やっぱり設定が抜けてて――


重要人物の名前、間違えたまま書き進めてまして

(・_・;


物語のキーパーソン、

タイトルの『歩くトラットリア』を生み出した異世界からの召喚者で

先代のオーナーの女性の名前を、間違えてまして……



先日、こっそり前半部分書き換えちゃいました☆

(☆>ω・)向こうの読者様には、ナイショ、だ・ぞ☆


その後、『レベル』と『女神様からの恩恵』という

根幹部分の設定をちょこちょこ~っと、ね(^^;


異世界詐欺師でも起こり得ることなので、気を引き締めて作業にかかりませんと!

頑張ります!



……キャラ多くね?

覚えきれそうにありません……


 Σ(゜Д゜;)それさっき読者様に言ってたヤツ!?

 Σ(゜Д゜;)そもそも、お前のさじ加減!



が、がんばります!



……なんか、『歩くトラットリア』の話ばっかりだったので、

少しだけ違う話をしますね


動画の話なんですけども――


 Σ(゜Д゜;)またか!?


もう、それくらいしかしてなくて(^^;



あのですね、

昨今のAIは、ポリシーというものがありまして

いわゆる規制なんですが、

暴力的なものや性的なものはイラストや動画として生成できないようになっているんですね


なんですが、

DomoAIさんは本社がシンガポールだからなのか、

若干規制が緩いというか

求めてないところで「えっ、それダメじゃない!?」って画像を出してくるんです


えっ、ロボットが合体したらガン〇ムになったよ!?

 Σ(゜Д゜;)著作権!


『うみのまつりば』の動画で、人魚が胸のホタテを「ぽーん!」って放り投げちゃったんだけど!?

 Σ(゜Д゜;)その胸元のピンクの点、ゆーちゅーぶのアカウントBANされるヤツ!



さらに、

スカート穿いてるヒロインにダンスをさせると、パンツがチラっと見えたりするんです

(>△<;)


で、ヒロインなので、パンチラは避けたいなと思い

「パンツは見えないようにして」ってAIに指示したら――



 パンツを消されまして



Σ(゜Д゜;)お尻丸出しやないかい!?

Σ(゜Д゜;)もっとダメ!

Σ(゜Д゜;)確かにパンツは見えてないけども!



海外の企業、時にデンジャラスです


お見せ出来ないのが残念ですが、

お見せ出来ないんです


……出来ないんです!


ダメなの!

もう!

ヽ(`Д´)ノプンプン




そんなこんなでいろいろ作っておりますが

異世界詐欺師ものんびりと書き続けておりますので

のんびりとお付き合いくださいますよう

改めて、お願い申し上げます。



今後ともよろしくお願いいたします☆

宮地拓海

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― 新着の感想 ―
読者かぶってるんで…読み直してきますねwww
イーガレスをイガーレスと読み間違えていた事に今回になってようやく気付きました しかし、イガーレスにスアレスにバストレスに……●●レスって名前は色々あるんですねぇ 「誰がバストレスだ」(サクー!) …
また(ヤシロの毒牙にかかった娘が)増えた! また(ヤシロマジックの被害者が)増えた!!!
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