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異世界詐欺師のなんちゃって経営術  作者: 宮地拓海
第四幕

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471話 比較的穏やかな日

 慌ただしくも騒がしかったシスター一同の視察と打ち上げから一夜明け、寝起きの俺の耳には早起きな生き物の声が響いていた。


「おはようでござる、ヤシロ氏!」

「ニワトリを超えてきてんじゃねぇよ」


 中庭のニワトリはまだ鳴いてねぇだろうが。

 気を遣って一番鶏を譲れよ、ニワトリに。


「体調はどうだ?」

「すこぶる快調でござる」


 一昨日、給仕長ズに酷使され過ぎて倒れたベッコを、昨日ジネットが労ってやっていた。

 一番風呂に入れて、美味いカニ料理を食わせて、足つぼでリフレッシュ……あれ、そう言えばその後姿を見てないな?

 二次会には参加せずに早々に客間で寝てたんだっけ?


「足つぼどうだった?」

「不思議と、その辺りから記憶がないのでござる……」


 あれぇ?

 足つぼに強制シャットダウンのツボとかあったっけなぁ?

 長押ししたら、シャットダウンしちゃう感じかな?


「まぁ、ご苦労だったな、昨日一昨日と」

「まぁ、さらにその前日のヤシロ氏からの要求が一番ハードでござったけども」


 ちょっと急ぎでスタンプ(二十四個)と旅のしおり(48ページ)(もちろん版画)を作らせたくらいだ。

 あ、あと教会の簡易風呂場の見栄えを整えてもらったっけ?


「雑事、だな」

「いや、結構な大仕事だったでござるよ!? マーシャ氏に連れられて、人魚たちのイラストも山のように描かされたでござるし、港の人魚ハウスの外装や内装もかなりやってきたでござる」


 その辺は俺、関係ないじゃん。

 巻き込まないでくれる?


「遡上ツアー、ついて行くんだろ?」

「そのつもりでござる」

「じゃ、気を付けてな」

「いや、ヤシロ氏に限っては、不参加とか絶対不可能でござるよ!?」


 俺も結構疲れてるんだよ。

 労えよ、俺を!


「ヤシロさん、もう起きられていますか?」


 ドアの向こうからジネットの声がする。


「入ってきていいぞ~」

「失礼しますね」


 そろっとドアが開き、ベッコを見て少し笑う。


「朝から面白い顔で悪いな」

「拙者の顔について、勝手に謝らないでくだされ!?」

「だって、ジネットが堪えきれずに笑ってるし」

「すみません。朝から仲良しさんだなと思ったら、少しおかしくて」

「そっかぁ、じゃあ血まみれにして床に転がしておいた方がよかったかぁ」

「ジネット氏は、一言もそのような発言はしてないでござるよ!?」


 仲良さそうじゃない方がいいんだろ?


「ヤシロさん、もう目は覚めていますか?」

「寝ろと言われたら、あと五時間くらいは眠れそうだが」

「では、起きてくださいと言ったら?」

「まぁ、起きられる。あとで昼寝をするかもしれないけれど」

「でしたら、その時は遠慮なく言ってくださいね」


 昼寝していいからもう起きろってことらしい。

 何があるってんだ、こんな朝早くから?


「実は、パウラさんが一口餃子とクレープ・ジュゼットを今日からお店に出したいと、今見えているんです」

「早くね?」


 日の出前だぞ?


「みなさん、喜んでくださっていましたからね」

「今日食えないとぶーぶー文句垂れそうだな、あの酒飲み連中」


 わがままな客を抱えてる店は大変だ。


「んじゃ、餃子とクレープを伝授してやるかね」

「ふふ……まったく異なる料理なのに、どちらも『包む』という共通点があって面白いですね」

「なら、『焼く』もだな」

「そうですね。そう考えると、その二つは似たお料理なのかもしれませんね」


 完成形は似ても似つかないけどな。


「ベッコ、食うか?」

「有り難いでござる。何を隠そう、さっきからお腹が空いて死にそうだったのでござる」

「あと三時間くらい待てば、もしかしたら……」

「死なないでござるよ!? 『死にそう』は『まだまだ死なない』でござる!」


 じゃあ、もっと酷使しても大丈夫そうだな。

 一昨日は死にそうだから優しくしようかと思ってしまったが、まだまだ死なないなら大丈夫だ、ね☆


 しゃーないので、ベッコも含めて三人で一階へ降りる。


「マグダは?」

「まだおやすみですよ。……ふふ、今日は起こしに来てほしいとおねだりされてるんです」

「いや、いつも起こしに行ってるじゃねぇか」


 マグダが自発的に起きてくるなんて、これまで数えるほどしかなかった。


「今日は、ご指名なんです」

「なるほど、俺は来んなって言われてんのか」

「ふふっ。ヤシロさんが拗ねてましたよって教えてあげたら、マグダさんはどんなお顔をされるでしょうか?」

「そんなこと言われたら、明日確実に俺が起こしに行くことになるから黙っといてくれ」


 明日こそは、俺は寝坊をするかもしれないからな。

 いや、たぶん起きるけど。

 自然に起きるのと、起きなきゃいけないのでは気持ちに雲泥の差があるからな。


「口が滑ってしまったら、すみません」


 こいつ、内緒にする気ねぇな?

 まぁ、ジネットに隠し事なんか不可能なんだけど。


「もし、しゃべったら……ベッコが酷い目に遭うことになるだろう」

「どんな角度で飛んでくるか分からないでござるな、流れ弾!?」


 いや、だって。

 なんか、会話にも参加せずに黙ってついて来てたから、俺なんかとは口も利きたくないのかと思って――


「ヤシロ氏、今日はなんだか寂しがり屋さんでござるな」

「――イラってしたから、八つ当たり☆」

「そんな可愛いもんじゃなかったでござる!? 被害妄想で八つ当たりするのはご勘弁願いたいでござる!」

「かたじけない!」

「何がでござるか!? ヤシロ氏は、たまに反応に困る返しをしてくるでござるな!?」

「かたじけない!」

「ここまでの一連、ヤシロ氏のメリットになるようなことは何もないでござるよ!?」

「カタチチイエイ!」

「片方のおっぱいを見て喜んだでござるな、『かたじけない』のリズムで!?」

「もう、懺悔してください」

「そうだぞ、ベッコ」

「拙者でござるか!?」

「おっぱいとか言うから」

「いや、しかしそれは……うぅむ、では懺悔するでござる」

「ジネット。本人もこうして反省しているわけだから」

「ヤシロさんもです、もぅ」


 まったく必要もなかった会話で懺悔させられるとか、めっちゃ損した気分だな。


「ほな、余計なこと言わへんかったらえぇのに」


 中庭の井戸のところに、レジーナがいた。


「今日はベティじゃないんだな」

「そんな何回も出来るかぃな、あんなもん」


 今日はすっぴんのレジーナ。

 こいつも、いつかは化粧とかするようになるのだろうか?


「お前さ、化粧とかしたことあるのか?」

「させられたことしかあらへんなぁ」


 昨日も、させられてたしな。


「あ、バオクリエアからの帰りは、自分で化粧したわ」


 そりゃ『変装』だろうが。


「教えてやろうか?」

「いらんわ」

「お互いパンイチでならいいぞ」

「なんで断ったのに、条件追加されたんや、今? いらんっちゅうねん」

「分かった! カタチチカーニバルまでは譲歩しよう! これ以上はもう!」

「自分、譲歩言いながらどんどん前に進んどるやん!? 欲望という街道を!」

「もう、懺悔してください」

「じゃあ、レジーナも一緒に」

「なんでやねん」


 ちっ。

 巻き込み事故、不発か。


「も~ぅ、人を待たせて、なにくだらない話してるのよ、ヤシロ」

「よぅ、パウラ。お前も混ざるか?」

「そんなしょーもない話には混ざりませ~ん!」


 なんでだよ?

 カタチチはいいもんだぞ?


「なるほどな、パウラはリョウチチ派か」

「理解した風な雰囲気出しとるけど、そういうこっちゃないし、自分も絶対そっち派やん」


 確かに!


「パウラ、俺たちは同類らしいぞ」

「絶対違う! もう、そんなのはいいから早く始めよう。開店までにマスターしたいんだから」

「すぐ出来るようになるよ、パウラなら」

「ベンチタイム、三十分必要なんでしょ?」


 皮作りから見てく気かよ……まぁ、いいけど。


「あぁ、でもどうしようかな……」

「え、なに? まさか、教えるのが嫌になったの?」


 パウラの顔に悲愴感が滲む。

 いや、そうじゃなくて。


「餃子の皮の柔らかさってさ、耳たぶくらいってのが目安なんだ」


 耳たぶくらいの柔らかさにこねてから休ませるのだが……


「パウラ、耳たぶないからなぁ」


 イヌ耳のパウラには、人間のような耳たぶはない。

 なので、柔らかさの指標がないのだ。


「ちょっと触らせてもらっていい?」

「中に入ってからな」


 寒いんだ、外。


 で、厨房に入ってから、改めて――


「誰の耳たぶを揉みたい? ぷにりたい? ぷにぷにもみもみしたい?」

「聞き方に悪意があるよ、ヤシロ!?」

「かっまぁ~ん、やで☆」

「うん、レジーナだけは絶対ない」

「拙者なら、いくらでも協力するでござるよ!」

「いや、ベッコさんは……いいや」

「なんだか胸にくるお断りでござるな!?」

「これから食い物作るからな」

「不衛生ではござらぬよ!?」

「視覚的に」

「視覚的に!?」


 というわけで、残された選択肢は二つ。


「メンズの耳たぶ、触らせてやろうか☆」

「え~、なんかそう言われると、ヤシロのは触りにくいじゃない……ジネット、いい?」

「かまいませんよ」


 というわけで、ジネットが選ばれた。


「じゃあ、触るね」

「ひゃぅっ!?」

「えっ!? なに、ごめん!」

「い、いえ。あの……ちょっとくすぐったかっただけですので……」


 と、言いながら、照れた顔でこちらをチラチラ見てくる。


 その目、やめて。

 ムズムズするから。


「あの、も、もう、大丈夫です、……どうぞっ」


 と、身を固くするジネット。


「いや、それはムリだよ」


 だな。


「じゃあ俺ので我慢してくれ」

「ヤシロが変なこと言わなかったら、最初からヤシロにしてたわよ、もぅ」


 それはそれで、ちょっと意味深な発言だぞ、パウラ。


「ん」と耳を差し出せば「ん」とパウラが手を伸ばしてくる。


 ――もにもに。


 うん、もにもにされてるな。

 割と長めに。


「どうだ?」

「なんか、気持ちいいね」

「獣人族と違って、俺らの耳は触り放題だからな」

「い、いえ、そんな、誰でも彼でも触らせるわけではないですよ?」


 と、ジネットが予防線を張っている。

 僕も私もとなると、面倒だもんな。


「もういいか?」

「ごめん、もうちょっと。……ねぇ、ジネットも触ってみなよ。ヤシロの耳たぶ、すっごいもちもちだよ」

「えっと…………よろしい、ですか?」


 なんでだよ。

 触る必要性ないだろうに……はぁ。


「取れない程度に、優しくな」

「はい」


 そうして、しばらくの間、女子二人が俺の耳たぶをもにもにするだけの時間が流れていった。




「はぁ……」

「はぁ……」

「ぁは~ん……」


 フロアに、めっちゃ沈んでる給仕長と、平常運転のナタリアがいた。


「どうしたナタリア。面白そうなのに乗っかって」

「スルーしないでください、コメツキ様」

「このようにあからさまに落ち込んでいるのですから、慰めてください。いつものように」


 その「いつも」に覚えがねぇよ。


「なんなんだよ、朝から重苦しい」

「昨日の記憶が、ありません」

「折角のお泊まりでしたのに……」


 あぁ、こいつら、打ち上げでも二次会でも結構酒を飲んでたからな。


「あれ? そう言えば、お前らはどこに泊まったんだ?」


 陽だまり亭にはいなかったよな?

 客間にはベッコが寝てたし……


「まさか、ベッコ!?」

「無いでござるよ!?」

「そっか、ないのか。じゃあ終身刑で」

「何もなかったのにでござるか!?」


 バカ、お前。

 何かあったら極刑だったんだから、かなり減刑されてるだろうが!


「そもそも、刑に服さねばならぬようなことはなかったのでござるよ!?」

「え、お前が刑に服すのに、何か理由が必要?」

「必要でござるよ!?」


 そっか。

 もっと気軽に刑に服せばいいのに。

 スナック感覚で受刑者になっちゃえばいいのに。


「五年に一回は面会に行ってやるのに」

「頻度が低いでござるな!?」

「差し歯と入れ歯を持って」

「差し入れではなく!? 歯を付け足すだけで、ありがたみが霧散したでござるな!?」


 あ、あるんだ、この国に、差し歯とか入れ歯。


「すげぇ、進歩してんじゃん、医学」

「隙っ歯王族が開発させたからね~。……あ、これ人前で言っちゃダメなんだった。内緒にしてね」


 パウラが笑いながら言って、慌てて口を押さえる。


 なんでも、思春期に前歯を折った王族がいて、かっこ悪くて人前に出れないから偽物の歯を開発させたらしい。

 で、適当な物を歯に付けてたら雑菌が繁殖して他の歯もダメになって、入れ歯になったのだそうな……


 何やってんだよ、王族。


 で、そんな笑い話だけれども、相手が王族だから表立っては口に出来ないと。

 王族って、笑い話にすることすら許されないのか。


 おバカなお殿様で笑ってた日本って、本当に大らかな国だったんだな。


「我々など……」

「差し歯以下……」

「あぁ、悪い。すっかり話題が逸れちまったな」


 床に座り直して三角座りするイネスとデボラ。


「お二人には、領主の館に泊まっていただきました」


 と、ナタリアが説明してくれる。

 そうか。

 まぁ、領主付きの給仕長だからな、それなりに持て成したのだろう。


「起きた瞬間、『陽だまり亭じゃない! 折角の休暇なのに損した!』と叫ばれまして――現在エステラ様が自室で拗ねておられます」


 って、めっちゃ肩震えてんじゃねぇか。

 そーかよ。

 そんなに可愛かったのかよ。

 よかったなぁ、この主好き給仕長め。


「陽だまり亭に泊まると、毎晩、わくわくドキドキの胸きゅんイベントが発生すると、もっぱらの噂ですのに!」

「ねぇよ、そんな事実は」

「既成事実を作り損ねました!」

「物騒なことを口走るな、デボラ!?」


 出禁にすんぞ、そういうこと言ってると。


「では、今から残りの時間を、目一杯満喫してくださいね」

「「うん、店長さん、好き!」」


 物っ凄い甘えてんな、こいつら。


「昨日、酒飲んでそのまま寝ちまったんだったら、朝風呂でも入ってくるか?」

「「朝風呂?」」

「贅沢で気持ちいいぞ~。日の出までまだ時間があるから、出歩くころには髪も乾いてるしな」

「それは……」

「とても魅力的な提案」

「私も便乗させていただきます」


 ナタリアが嬉しそうに参加を表明する。

 こいつも、何気に風呂が好きなんだよな。


「人前で堂々と服を脱げる、滅多にない機会ですから」


 あぁ、ダメだ。

 残念な理由だった。


「分かるで!」


 分かんな、残念薬剤師。


「ではお湯を沸かしてきますね」

「店長さんも是非、ご一緒に」

「え、いえ、でもわたしは……」

「……いっしょに」

「えっと……」

「うるうる……」

「はい、分かりました」

「「わーい」」


 デボラのおねだりに、ジネットが陥落した。


「ちょっとぉ~、あたしの練習は?」

「お風呂の前に生地作りをして、お風呂から上がったら包みましょう」

「パウラも一緒に入ってくればどうだ? 待ち時間を感じずに済むぞ」

「そっか……じゃあ、そうする。……あ、着替え」

「大丈夫ですよ」


 にっこりと笑うジネット。

 お前、どんだけ新品パンツ買い込んでるの?

 陽だまり亭は温泉施設じゃねぇんだぞ?


 まぁ、実際役立ってるからいいけども。


「今度、パウラの私物パンツを対価として持ってきてもらえ」

「必要ないですよ」

「じゃあ、代わりに俺が――」

「ダメに決まってるでしょ、ヤシロのエッチ!」


 差し出した手を、ぺちりと叩き落とされた。

 そう言えば、尻尾がある女子のパンツってどうなってるんだろうか?


「尻尾のところって、穴開けてんのか?」

「深く切れ込みが入っているんですよ、こう、Vの字に」

「なんでお前が知ってんだよ?」

「マグダさんやロレッタさんがそのタイプを使用されていますから」


 へぇ~、そうなのか。


「オシリンガーV」

「自分、よぅぽんぽんとそんなしょーもないこと思い付けるなぁ。呆れ果てて逆に感心するわ」


 逆ってなんだよ?

 素直に感心しろよ。


「じゃあ、パウラが使えそうなのもあるな」

「はい。ロレッタさんと同じサイズで大丈夫かと思います」

「イネスとデボラは?」

「わたしと同じサイズで大丈夫ですよね?」

「もちろんです」

「なんなら新品でなくてもいいです」

「い、いえ、ちゃんと新しいものがありますから」

「俺も――」

「ヤシロさんは懺悔してください」


 ひでぇ……


「ちなみに、レジーナ用のぼろぼろのはあるか?」

「あんな、自分? ウチ、別に信念で新品避けとるわけやないからな?」


 えっ!?

 おニューのパンツ穿いたら苦しみ出したりするんじゃないの!?


「朝っぱらからパンツの話でこれだけ盛り上がれる」

「さすがは四十二区です!」

「いえ、決してそのような風潮はありませんよ、四十二区には。ね、ナタリアさん?」

「すごいでしょう?」

「なぜ自慢気なんですか!?」


 エステラがいたら、「そんなイメージ植え付けないで」って言ってたろうな。

 いないから言いようがないけども。


「じゃあ、座ってゆっくり推しパンツの話でもしようぜ」

「餃子の作り方を教えてってば」


 とか言いながら、俺の耳たぶをむにむにしてくるパウラ。

 むにむにしながら抗議してんじゃねぇよ。


「お手伝いいたします」

「料理にも興味があります」

「では、一緒に作りましょうか」

「店長さんも一緒に入浴となると、寄付の下拵えも早めに済ませた方がいいでしょう。私もお手伝いします」


 ナタリアが加わると、一気に安心感が増すな。

 ノーマみたいな家庭的な味ではなく、ナタリアの料理は一流店で出てくるようなイメージだ。

 こいつ、なんでも出来るからなぁ。

 自重と我慢以外なら。


「じゃあ、まずは皮づくりだな」

「その間に、わたしはお風呂の準備をしてきますね」

「あ、店長はん。ウチも手伝うわ。ウチに手伝えることなんか、限られとるし」

「別に無理に働かなくてもかまいませんよ?」

「いやいや、ちゃんと働いとかな……部屋取られるしな」


 そういや、ベッコが客間で寝てたってことは、レジーナは客間を追い出されたわけだ。


「昨日はどこで?」

「店長はんのベッドや」

「柔らかそうでいいな」

「柔らかかったで~」

「「あ、ベッドの話な」やで」

「その取って付けた感が嘘くさいんですっ! お二人とも、そこで懺悔していてください!」


 うんうん。

 レジーナはもう、完全に懺悔させられるキャラになったな。


「身内になればなるほど、懺悔の頻度上がるから」

「えぇ~、なにその制度……かなんなぁ」

「店長さん! エッチな話をしますので私にも懺悔をさせてください!」

「身内になりたいです!」

「懺悔が仲良しの指標ではありませんよ!?」


 イネスとデボラに詰め寄られ、ジネットが面食らっている。

 いや、絶対懺悔は身内ほど厳しいって。


 つーか、イネスの言うエッチな話って、どんなのだろう?

 ちょっと聞いてみたかっ……へいへい、懺悔ね。

 しますよ、懺悔。

 ごめんちゃ~い、っと。




 女子連中が風呂から上がり、髪をしっかりと拭いて、「え、ドライヤー使った?」ってくらいにしっかりと乾かされた髪を見て思う。

 ……給仕長、なんでも出来るな。


 で、ひとっ風呂浴びてリフレッシュしたパウラが「ぼ~ぅぼ~ぅ」とフランベしまくっている。


「ヤバい、クレープ・ジュゼット、面白い!」


 何回もやるからクレープの皮が焦げてやんの。

 一回につき一回までだよ。


「子供たちの分、焼いてあげるね!」

「いや、これは冷めると微妙なんだよ」


 温かいウチに食べるのが美味いんだよ、クレープ・ジュゼットは。


「ん~! 誰か食べてくれないかなぁ~」

「店に出せば、イヤってほど作ることになるんじゃないか?」

「でもさぁ、ウチのお客さんたち、あんまり甘い物食べないからさぁ」

「ネフェリーやウェンディに食わせてやればいい」

「あ、そうだね。じゃあ、ランチの時に推してみよう」


 カンタルチカはランチもやっている。

 夜ほど盛り上がってはいないが、まぁまぁ盛況だ。

 昼はパウラが抜けてもマスターだけで回る程度の混み具合だけどな。


「カンタルチカは誰か雇わないのか?」

「妹たちが来てくれるよ」

「たまには長女を派遣しようか?」

「いや、アレはいらない。風紀が乱れるから」


 ロレッタには厳しい。

 まぁ、一回追い出してるからなぁ。

 これでロレッタの手を借りようものなら……



「え、なんです? やっぱりあたしの力が必要だったですか? いや~、ようやく気付いたですね、パウラさん! 見る目なかったですね~、いいですよ手伝ってあげるです! と・く・べ・つ・に、ですっ!」



「……うぉう、やべぇ! 想像なのに手が出かけた」

「分かる!」


 パウラが俺を「びしぃ!」っと指さして、全力の共感を寄越してくる。

 誰の脳内に登場しても、同じようなハイテンションなんだろうなぁ、ロレッタは。


「店長さん、確認をお願いします」

「たくさん包めました」

「一口餃子がたくさんで無限口餃子です」

「やはりお上手ですね、みなさんは」

「「「まぁ、給仕長ですから」」」


 ジネットに教わって、あっという間にコツを掴んだ給仕長たち。

 パウラを抜き去り、周回遅れにする勢いで技術を吸収しやがった。


「一口餃子も、今後練習するもん……」


 ナタリアたちの圧倒的な腕前に、パウラは少々戦意喪失気味だ。

 パウラ。アレと比べちゃいかん。

 ジネットや給仕長は、俺たちとは同じステージには立っていないんだよ。


「エビの餃子が楽しみです」

「私はオーソドックスにニラが」

「大葉チーズが最強ではないかと愚考します」


 包むヤツがいっぱいいたので、ジネットたちが風呂に入っている間にタネを追加しといたのだ。

 で、同じ味ばっかだと飽きるから、変わり種を作ってみた。


 エビ餃子に、ニラ餃子に、チーズ、春雨、シイタケ、レンコン。


「まぁ、レンコンが一番美味いけどな」

「ヤシロさんは、根菜がお好きですからね」


 いやいや、マジで美味いんだって!

 シャキシャキした歯ごたえが絶妙なんだってば、マジで!


「きっと、子供たちが喜びますね」


 二次会には参加できなかったガキどもとベルティーナ。

 折角なので、一口餃子を食わせてやることになった。


「ねぇ、教会でクレープ・ジュゼット作れないかな?」

「火を使うなら厨房で、ということになりますが」

「それじゃ意味ないじゃない! 子供たちに見せて、わ~っと盛り上がってほしいのに」

「それだと、ちょっと難しいかもしれませんね……、ヤシロさん、何かいいアイデアがありませんか?」


 なぜ、俺に聞く?

 教会のことなら、ジネットの方が詳しいだろうに。

 ……ったく。


「七輪でも持ってって、仕上げだけ見せてやればいい。ライターで火を付ければ危なくないだろう」


 ガキどもが接近してこないように気を付ける必要はあるけどな。


「エステラさんは、来られるでしょうか?」

「そうですね。お腹を空かせて教会で合流……という感じになるかと思います。


 エステラは、館で執務中らしい。

 ……執務って、こんな日の出前に?

 二度寝だろ、どうせ?


「こんな時間から動き回る領主なんか――」

「ありがとう、オオバ君! あまりに嬉しくて、来ちゃった☆」


「いない」と言いたかったのだが、それより早くデミリーが陽だまり亭にやって来てしまった。


「俺の推論が台無しだ」

「まぁまぁ。世の中なんて、得てしてそのようなものだよ」


 なんの話かもよく分からないまま、適当な相槌を打ちやがって、この世渡り上手め。


「日の出より先に来るんじゃねぇよ。寄付に遅れたかと思って焦るだろうが」

「あっはっはっ、日の出だぞ~、なんちゃって」


 めっちゃ上機嫌じゃん!?

 え、なに?

 何があったの!?


「オオバ君のおかげで、四十区の教会は安泰だよ!」

「あぁ、エリアスがガキどもに受け入れられたって話か?」

「それもだけど、シスター・アクアが引退を一時取り下げてくれたんだよ!」


 あの婆さん、マジでまだ現役続ける気なんだ。


「年寄りを酷使するなよ?」

「まさか。そんなことはしないよ。……でもねぇ、やっぱりシスター・アクアは四十区教会の顔のような人だから。子供たちだけじゃなく、街の者たちにとっても、シスター・アクアがいなくなることは不安だったんだよ」


 まぁ、長くそこにいるってだけで、安心感を覚えることは多々ある。

 もし、ベルティーナがいなくなるなんてことになったら、四十二区中が大パニックになってしまうことだろう。


 あの婆さんシスターは、四十区にとって、そういう存在だったんだな。


「これから、いろいろと協力して、街のために尽くしましょうと言われたよ」


 うん。その辺は、まぁ、気を付けろ、デミリー。

 喰われないように……


「ガキのころから世話になってたんだって?」

「聞いたのかい? そうなんだよ~。だから、なんだか母にも似た感情を抱いてしまっていてね。ははっ、ちょっと恥ずかしいね」


 気を付けろぉ!

 その油断が命取りになるぞぉ!


「デミリーってさ、介護に興味とか、あるか?」

「そうだね。街が豊かになって元気なお年寄りが増えてきたからね。どんどん長生きしてもらって、一緒に街を発展させていければと思うよ。その過程で、必要な補助やサポートがあるのなら、私はそれを惜しまないつもりだよ」


 なんて、優等生な回答。

 領主としては満点だな。


 ただ、そうじゃない。


「シスター・アクアは、お前のことがとっても好きらしいぞ」

「あはは。そうなのかい? それは嬉しいなぁ」


 うん。

 俺に出来るのは、ここまでが限界。

 あとは当人同士でなるようになってくれ。


「とはいえ、四十二区には迷惑をかけたね。店長さんの実家である教会にも、無理を聞いてもらって」

「何も問題ありませんよ。新しい家族が増えて、みんな喜んでいます」

「そう言ってもらえると、心が軽くなるようだよ」


 婆さんが一人、引退を取りやめたからといって、全盛期のようには出来ないだろう。

 今は人数をセーブして、エリアスをしっかりと育てることに集中すればいい。

 もしかしたら、ルーナがエリアスのサポートをしてくれるようになるかもしれないしな。


「すごく有意義なものだったって言っていたよ。話を聞いているだけで、彼女たちの感動が伝わってくるようだったよ」

「エリアスもいたのか?」

「うん。ルーナもね」


 たぶん、エリアスが心配で付いていったんだな、ルーナのヤツ。


「あ、一つ気になることがあったんだけどさ……」


 デミリーが身を寄せ、声を潜めて耳打ちしてくる。


「ルーナがね? 他区へお嫁に行く時は、どんな手続きが必要かを聞いてきたんだけど……オオバ君、何かした?」


 するわけねぇだろ、あんな未発達に。


「未成年は管轄外だ」

「だよね。あぁ、よかった。私の大切な友人がまたしても道を踏み外してしまったのかと、ちょっとハラハラしたよ」


 残念だな、ハビエル。

 お前は、道を踏み外した認定らしい。


「それはきっと、ウチの教会の子が気になってのことだと思いますよ」


 と、ジネットが四十二区教会最年長のクソガキのことを話して聞かせる。

 ……すげぇ。ジネットフィルターを通すと、ただのクソガキが積極性のある元気坊やに見える。


「そうか、そんなことがあったんだね」

「もしどうしてもって言うなら、クソガキの方をそっちにやるよ。ウチにはいらないから」

「ふふふ、オオバ君がそう言うってことは、よほどお気に入りのようだね、その『クソガキ』君が」


 どこをどう聞いたらそうなる?

 大丈夫かデミリー?

 耳にモズクが詰まってないか?


「あぁ、もうすぐ、日が昇るね。今日は随分とゆっくりなんじゃないのかい?」


 デミリーがそんなことを言う。

 まぁ確かに、いつもの寄付の時間よりは遅い。

 昨日は遊び回ったガキどもだ。

 今日はきっと、ぎりぎりまで寝坊していることだろう。

 なので、遅めの出発なのだ。


「じゃあ、ぼちぼち行くか」

「準備は滞りなく」

「えっ!? ミスター・ハーゲンとミズ・エーリンが来てるのかい!?」

「いや、給仕長だけだ」

「何してるの!?」


 すっと現れたイネスとデボラを見て驚くデミリー。

 いつも執事も連れずに四十二区まで来てるお前が驚くようなことじゃないだろう。

 で、イネスはゲラーシーじゃなくて、マーゥルについてるって認識なんだな、デミリーも。


「私もおりますよ、デミリー様」

「ナタリアがいるということは、エステラもいるのかな?」

「エステラ様は、館で執務中です」

「手伝ってあげてよ!?」


 まぁ一人で事足りるような内容なのだろう。

 でなきゃ、ナタリアがこんなに余裕ぶっているはずがない。


「ついでに簡単な確認作業と承認をしていただいていますが、主な仕事は手紙を待つことですので」

「え、もう返事が来るのかい?」

「司祭様が早急にと手紙を出してくださいましたので」

「司祭様のお名前があれば、即日開封して即対応するだろうね」


 もちろん、その手紙ってのは、統括裁判所からのものだ。

 こちらに「お前ぇ、不正してんだろ? 調べに行くからな!」って態度で手紙を寄越したんだ。

 取り消しの手紙を出さないわけにはいかないだろう。


「とりあえずは、マグダを起こして教会で朝飯だな」

「「お供いたします!」」

「オオバ君。どこの領主よりも給仕長さばきが堂に入っているね」


 それは俺のせいじゃなくて、そこらの領主がダメダメなだけだろうが。


「では、マグダさんを起こしてきますね」


 エプロンを畳んで、嬉しそうに駆けていくジネット。

 それから十分もの時間を使って、ゆっくりとマグダは起きてきた。


 重役出勤だねぇ~。





 教会で一口餃子を出してみたら、ガキどもが大喜びしてモリモリと貪り食った。


「美味しいです! 何個でも食べられます。あぁ、味変なんかしたらさらに倍は食べられます!」


 ごめん、ベルティーナ。

 今ガキどもの話してるから、視界を塞ぐ勢いではしゃぎ倒さないでくれる?

 好きなだけ食ってていいから。

 ほら、ジネット、パウラ、じゃんじゃん焼いて。


「おはようございま……うわぁ、いい匂い」


 そこへひょっこりと現れたエステラ。

 挨拶くらい、最後まで言えよ。


「よぉ、エステラ。おはようございま」

「なんで、そんな途中でやめるのさ。気持ち悪いじゃないか」


 お前だよ、最初にここで止めたのは。


「一口餃子?」

「はい。昨日子供たちは食べられなかったからと、ヤシロさんが」

「勝手にジネットフィルターを通すな」


 そのフィルターを通すと、ポイ捨てしてるヤツですら善人に見えちまうからな。


「食うか? 餃子に飽きてるなら、別のも作れるぞ」


 一応、用意はしてある。

 ……俺が餃子の気分じゃないから。


 昨日、あれだけ食ったからな。


「あ、じゃあ別のにしてもらおうかな。……実は、昨日食べ過ぎちゃって」

「朝、口の中が餃子臭かったんだろ? 仲間だな」

「君もかい? まぁ、ボクはもうすでにミントキャンディで対策してるけどね」


 キャンディだけじゃなぁ、胃の奥から湧き上がってくるニンニク臭までは消しきれないんだよな。


「レジーナ」

「ほいほ~い?」

「胃の中で溶けてミントの香りが広がるようなもの、なんかないか?」

「ミントキャンディでも飲み込んだらえぇんとちゃう?」


 飴を噛まずに飲み込むとか、お前正気か!?

 絶対「げほぉっ!」ってなるわ。


「いいなぁ、ガキどもは。口の臭さなんか気にしなくていいから」

「君は気にするのかい?」

「当たり前だろう? いつどこで誰とチューするか分かんないじゃねぇか」

「そんな、予想もつかない人と気軽にそういうことはしないように」


 ぺちこんっと、鼻を指で弾かれた。

 ……いって。

 お前、ひでぇな。見ろ、涙目になったじゃねぇか。


「エステラさん、おにぎりと雑炊と、どちらがいいですか?」


 ジネットが注文を聞きに来る。

 教会でも働いてるよ、この人。


「俺、おにぎり」

「ふふっ。はい。承知しています」


 え、なに?

 俺っておにぎり大好きキャラ?

「言わなくても、どーせおにぎりでしょ?」とか思われてる?


「ぼ、ぼくは、おにぎりが、すきなので、たくさん、た、たべたいんだな」

「誰の真似さ? え、まさかボク?」


 ちげぇよ。

 お前以外にも「ぼく」っていう一人称のヤツいっぱいいるから。


「俺の故郷の『すっぽんぽんジェネラル』って物語の主人公の話だ」

「なんで服を着てないのさ!? 着なよ!」


 そういう話なんだよ!

 つーか、着てるから!

 非常に軽装ではあるが。


「……ヤシロの故郷は、そんなのばっかりだ」

「ばっかじゃねぇよ」

「だからヤシロみたいなのが育つんだ」

「大きなお世話だ、このやろー」


 大らかな時代に少年期を過ごせたのは、俺の人生で誇れる数少ないことの一つだぞ!


「おはようございます、すっぽんぽんレディ・エステラ様」

「誰がすっぽんぽんレディさ」

「それは、もちろん………………私ですね」

「そうだね……そこは、うん、否定できないよね」


 まさかの自爆か、ナタリア!?

 家の中限定だけども。


「最近は、この教会くらいまでは庭のようなものではないかと……」

「ものじゃないから、着て!」


 ナタリア。

 マジの庭でも、着ろ? な?


「お手紙は?」

「届いたよ。君の予想通り、朝一番の速達でね」


 本当は、エステラも朝一で陽だまり亭に来たかったそうなのだが、ナタリアが手紙を待つべきだと進言したらしい。

 で、給仕長二人がめちゃくちゃへこんでたから、ナタリアがその二人の対応を任されたと、そういう経緯らしい。


「……領主の館に宿泊してヘコむってさ……ひどくない?」

「領主の館で出される料理よりも陽だまり亭の料理を優先させるお前が言うな――って、給仕一同が思ってるぞ、きっと」

「どうしよう……ぐぅの音も出ないや」


 ぐぅの音は出さんでもいいから、早く雑炊かおにぎりかを決めてやれ。

 ジネットがずっと待ってるぞ。


「あ、ごめんね。じゃあ、雑炊で」

「はい。少し待っていてくださいね」

「やるな」

「え、何が?」

「今のジネット、雑炊を作りたがってたぞ」

「そうなの?」


 あぁ、顔がそう言ってたぞ。

 おにぎりは単調だからな。

 雑炊も大概だけど。


「あ、カニか」

「え?」

「昨日のカニが余ってたんだ。餃子にも入れたけど、たぶん甲羅で出汁を取ってあるんだよ」

「わぁ、それは楽しみだね」

「一口くれ」

「君が進んでおにぎりを欲したんじゃないか」

「ツナのおにぎりあるぞ」

「分かった、シェアを許可しよう」


 エステラは、ツナマヨ好き。


「それで、内容は?」

「概ね想像通り、『行き違いや誤解があったようではあるが、こちらに貴区を非難する意図はなく、脅威がないことが分かったことは大変喜ばしいことであった』ってさ」

「クレーム入れたら『そーゆーんじゃないのにー、じょうーだんのつーじねーやつー』って返されたわけか」

「君は、要約の天才だね」


 エステラの苦笑が、手紙の内容のくだらなさを物語っている。


「読む必要はないと思ったから持ってこなかったけど、読む?」

「お前が必要ないと思ったんなら読まねぇよ」


 無駄にイライラしたくないしな。


「司祭まで担ぎ出して大袈裟にしたことはどうかと思うって書かれてたから、たまたま懇意にしている司祭様にお会いする機会があったから相談しただけだと返事を書いておいたよ」

「いいねぇ。懇意にしている司祭がいるとなれば、下手なことはしてこないだろう」


 よほどのバカでもない限りはな。


「とりあえず、これで統括裁判所が公的に四十二区を非難することはなくなったね。薬師ギルドにしても、大っぴらに行動は起こせないんじゃないかな? 手紙は来てないけど」


 薬師ギルドは統括裁判所に申し入れただけだから、直接四十二区に連絡を寄越すことはないだろう。

 統括裁判所が双方に書簡を送って、それでおしまいだ。


「薬師ギルドの動きは、引き続き警戒する必要があるかもしれないけれど、とりあえずレジーナをどうこうする口実は潰せたね」

「あとは、いつものゴロツキ作戦が出るかどうかだな」


「俺たちとは関係ないですよ~」って顔をしてゴロツキを送り込み、たまたま敵対している目障りなヤツの居場所が荒らされた~ってヤツな。

 ウィシャートが四十二区の港前広場にゴロツキを送りつけてきた、あれだ。


 そうそう、アッスントがカマキリのゴロツキを妹の屋台に送りつけてきたこともあったっけ~。


「行商ギルドを介さない流通網を構築してやる……」

「うん、たぶんその時のことを思い出してるんだろうなぁ~って顔をしてたけど、もう十分反省して身銭も切ってるから、許してあげなよ」


 エステラがアッスントの肩を持っている。

 袖の下か!?


「お前さては、下乳を握らされたな!?」

「袖の下から随分と奥に行っちゃったようだね。……アッスントに下乳なんかないよ」


 果たして、こいつのツッコミはそれでよかったのだろうか……


「まぁ、警戒は引き続き行うけど、あとはレジーナが落ち着いたら、家に戻れるようにしておくよ」

「警備でも立たせるのか? レジーナが干からびるぞ」


 家のそばに常に誰かいるなんて、あいつは落ち着かないだろうし。


「ホント、誰かいい人がいればいいんだけどねぇ……あ、恋人とかじゃなくて、ギルドの仲間みたいな人ね」

「こればっかりは、俺らじゃどうしようもないからな」


 レジーナが誰をそばに置くか、置かないのかは、レジーナが決めることだ。

 まぁ、第一候補はケチャラかな。

 昔レジーナに助けられて、随分とレジーナに懐いている。

 レジーナも、あぁいうタイプなら割と楽に接することが出来るだろう。


 でも、三十五区へ戻る前提で、今四十二区に研修に来ているからなぁ。

 引き抜くってのもなぁ。


「あ、そう言えばルシアから何か連絡があったか?」


 大きいイベントをやると、その前後で絡んでくる確率が高いからなぁ、あいつは。


「いや、特には。忙しいんじゃないかな、港とか劇場とか、連合騎士団とか。あと、遡上ツアー……ねぇ、この名前本当にこれで決定なの?」

「分かりやすくていいじゃねぇか」


 人魚様ご一行ツアーとでも呼ぶか?


「とにかく、ルシアさんもボクもやらなければいけないことが山積みだから、『アチラさんが』これでコリてくれることを願うよ」

「教会のルールに背き秘匿情報を暴こうとして、司祭に叱られたんだぞ? しばらくは大人しくなるさ。バカじゃない限り」


 そうであれと、念を押すために先ほど思った言葉を敢えて口に出しておいた。



 だというのに……



 どうやら、統括裁判所は、バカだったらしい。







あとがき




どうも!

友だちがいなくてもAIが話し相手になってくれるから老後ももう怖くない、宮地です☆

サービス終了したら、寝込むかも……(・_・;


12月からお正月休みにかけて、

動画を26本アップしたらしいです、私


その内、ショートコントが11本、

のわさんのミリィちゃん動画が2本


これを除いて13本、動画を作ったようです。



……休み明けの一週間、体がおかしかったです(^^;


やり過ぎはいけませんね。

どうにも、「ほどほど」というのが苦手なようで

やり始めるとのめり込んでしまうんです


早寝しても早起きできないとか

起きても眠いとか

寝てる時に「いや、そっちには曲がらないよ!?」っていう方に筋肉が「反り返りー!」ってしたり……


人体の不思議展inマイボディ

(・_・;


ちょっと夢中になり過ぎたようです

えへへ(〃´∪`〃)ゞ


♪むーちゅーうーにーなれるーものがー

いーつーかー君をすげぇーヤーツーにするんだー


っていう歌がありまして、

あの歌詞は刺さりましたねぇ~


♪いっぱいおっぱいボク元気


とか、共感しかありませんでした☆

(≧▽≦)/ボク元気!



ですが、体に異常が出るのは困るので

ちょこっと休みます☆

(≧▽≦)> てへっ!


みなさん、「ほどほどに」って、大切ですよ

何事も、やり過ぎには注意です


でも、やった分だけ成果物が残るって素晴らしいですね!

\(≧▽≦)/


昔、ソシャゲというものもいくつかやったんですよ。

DMMっていう会社のゲームを、広告を見てちょっとやってみたらハマりまして、

ちょこっと課金とかまでしてキャラを強くして

でも人気なかったようで始めてすぐサービス終了しまして

まぁ、私が始めたのが遅かったっていうのもあるんですが、すぐ終わっちゃって……


その後、そのゲームのサイトとか見つけて読んでたら――



あのゲーム、18禁版とかあったの!?

じゃあ、そっちに課金すればよかった!?

Σ(゜Д゜;)


なんてほろ苦い経験が……ふふ、健全に堪能し尽くしてましたよ

そうか、18禁版にお金使ってコケたんだなあのゲーム。

健全版だけに力入れていれば、もうちょっと続いただろうに……



っていうか、同じゲームの健全版、18禁版ってなに!?

PCエンジンに移植した途端サービスシーンカットされる系のゲームか!?

多かったなぁ、そういえば!?

スーチーパイとかね!


PS版は、健全だった(*´▽`*)



で、その後、鬼太郎6期に合わせて始まった『ゆるゲゲ』とかしたり

ツムツムしたりしてましたが――


何も残らない!?

というか、時間が溶ける!

Σ(゜Д゜;)


で、ゲームしなくなったんですが、

動画とか作ってると、時間が溶けても成果物が残るので

非常にありがたいです

(≧▽≦)/イイネ!



時間と一緒に、体力も溶けましたけれども

_(:3」∠)_


また、思い立ったように何か作るかと思いますが

お暇な時に見てあげてくださると、私が喜びます☆




さて、

本編の方では……ごめんね、給仕長ズ

人が多過ぎて、細かくエピソード書いてあげられなくて。

でも、折角ベティちゃんに仕立て上げられたのに、特になんのイジりもないまま一日が終わったレジーナさんよりマシだと思ってください



レジーナ「ホンマやで!? なんなん、あのほったらかし!? なにプレイなん!?」



プレイではございません。

あ、伏線とか一切ありません。

ちょっとベティちゃんが見たかったんです。


あと、別作品で『ベティ・メイプルベア』が登場したので、

こっちでもちょこっと触れて、

どちらも読んでくださってる方に


「……にやり」( ̄― ̄)


って、していただきたかったんです☆



あと、今回もエステラさんはイチャイチャポイントを着実に積み上げております(笑)


「一口ちょうだい」はなかなか出来ませんよね~

(*´艸`)


今回ナタリアさんが絡んでこなかったのは、

「領主の館じゃん! がっかり!」って言われてちょっとヘコんでいたのと

朝からお仕事を押し付けちゃったから

ちょっとだけ大目に見てくれた結果です☆


主にも、ちゃんと甘い給仕長さんです



あぁ、そうそう『すっぽんぽんジェネラル』の元ネタは

『裸〇大将』です


……伏せ字にすると、なんかいかがわしい!?

Σ(゜Д゜;)


国民的なドラマですよ~!

いかがわしくないですよ~!


さて、令和の時代、どの年代まで伝わるのか……



「ぼ、ぼくは、おにぎりが、好きなので、い、いっぱい、食べたいんだな」



ここでエステラさんが「まさか、ボクの真似?」って反応するところ、

個人的に好きなんです。

食いしん坊なボクっこはエステラさんくらいですからね


大将はボクっこではないですけども。


これも別作品に登場したネタになるんですが、

『すっぽんぽんジェネラル(大将)』と対を成す国民的ドラマ

『流浪人タイガー』という作品がございます


『男〇つらいよ』を、どうにも文字れませんで、

「ふうてん」を「流浪人」に置き換えて、

主人公の名前から「タイガー」と……


え、全然文字れてない?


「お前さん、それを言っちゃあ、お仕舞ぇよ」

( ̄▽ ̄)



令和の時代、どの年代まで伝わるのか……




みたいなことをつらつら書いておりますこのあとがきも、

気が付けばかなりの量になりましたね


楽しいことをしているうちに、

知らない間に物凄い量になっているって、

歴史を感じられて素敵ですね☆



内容とか教訓とか、一切ないんですけども!(笑)


たぶんこれまでのあとがきを要約すると



「おっぱいが好き」



くらいしか内容ないですからね☆


内容が\(≧▽≦)/ないよう☆









内容が\(≧▽≦)/ないよう☆









 Σ(゜Д゜;)なんで、これでもかと強調した!?


これが、スベッた小ネタを武器に変える基本戦術の一つです☆

どっかで使ってくださいね(☆>ω・)


というわけで、今回はこの辺で!

ちょっと18禁ゲームに課金してきます☆



次回もよろしくお願いいたします。

宮地拓海

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更新ありがとうございます!いじられキャラベッコ氏!良き。偉大なる芸術家w後仕事量が思ったよりエグかった!?まぁ、それでもやるんですよね。ベッコ氏。さて、些事は置いといて。給仕長ズの宴会みたいです!ナタ…
あらぁ、頭お馬鹿さんでしたかぁ 多分ろうg(ゲフンゲフン)ご老人がほとんどを占めてる集まりなんだろうな 賄賂とか多そうだし不正の温床だろうなぁ(偏見であってほしい)
スーチーパイ懐かしいですねぇ… 燃えろプロ野球以来久々にやったジャレコ作品かも知れません。 アレ、サターン版は最初からR15だった気がしますけどね。 で、脱ぐのに乳●が見えないという不思議な作品で、そ…
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